○亀井郁夫君 自由民主党の亀井でございます。
続きまして、
研究成果である特許の問題と、それから民間移転の問題に絡んでお話を聞きたいと思います。
科学研究費補助金が、
科学技術創造立国を目指す
我が国にとって大変大切な
研究費であることは言うまでもないことでございますし、お話しありましたように、それが年々ふえてきていることはまことに喜ばしいことでございますけれども、今度
日本学術振興会の方に仕事の一部を移されるということでございますけれども、これに絡みまして二頭立ての馬車になったりあるいは屋上屋になったりしないように、ひとつ効率的な運用をしていただくようにお願いしたいと思うわけでもございます。
今後、
我が国が国際競争に勝っていくためには、どうしてもやはり
技術に裏づけされた第二次産業の発展が期待されるわけでございます。そういう
意味では、アメリカでも非常に不況に悩んだ一九八〇年代にヤング・レポートが出まして、それ以降プロパテント政策等が実施されました。そういうことから、アメリカの場合は、特許件数がどんどんふえてくるというふうな
状況の中で中小企業との産学協同も行われて、非常に中小企業が力を持ってきたということで現在の長期に続く繁栄も支えられている、こう言われておるわけであります。
ただ、日本の場合は、残念ながら最近バブルがはじけて不景気で、企業の場合もリストラの対象に
研究部門がなっておるという
状況でございますので、それだけに、
大学を中心とした公的な
研究機関の
重要性というものは大変大きなものになってきていると思うわけでございます。そういう
意味では、これからも
研究費をどんどんふやしていただきたいと思うわけでございます。
そういうことで、これから大きなそういったかぎを握ると思われる
研究費について一番大事なのは、成果がどのような形で
評価されるかという問題でございます。何でも仕事はプラン・ドゥー・シーが回っていかなきゃいかぬわけでありますけれども、シーのところをしっかりとらえて回していかなきゃいかぬわけでありますけれども、
大学の場合は、えてして学術論文の発表等に重点が置かれて、特許を取るということについては意外と粗末に扱われているというか、軽視されている面が多分にあるのではないかという気がするわけでもございます。
ちなみに、一九九五年の日米の
大学における特許出願件数を比較してみますと、アメリカは何と五千百件、それに対して日本はわずか百三十七件ということで、三十七分の一ということでございます。しかし、日米の国全体の特許件数はどうかと見てみますと、一九八六年から九五年までの十年間にアメリカは百七十四万件、それに対して日本は約倍の三百六十六万件ということで出ておりますから、日本全体としてはアメリカには負けるどころか勝っておるわけでございます。しかし、日本の場合、どうも
大学を中心とした
研究者の特許に対する姿勢にちょっと問題があるんじゃないかなというふうに思うわけであります。
もうちょっと数字を挙げてみますと、日本の国内に
研究者が六十七万人おると言われておるようでありますが、そのうち
大学関係の人が二十四万人ということですから、日本の
研究者の三六%は
大学関係者で占められている。にもかかわらず、特許件数は一年間で日本全体で大体三十五万件あるのに、
大学の場合はたった百二十九件ということで、〇・〇四%ということでございまして、そういう
意味では、特許に対する関心が非常に薄いように思うわけでございます。
こうした問題に対して、今申し上げましたようにいろんな問題があろうかと思うんですけれども、これはなぜだろうかということにつきましては、今申し上げましたように
大学そのものに、
研究評価に対する構造的な風土に問題があるんではないかというふうに思うわけであります。東京
大学の総長であり、また
研究者としても頑張ってこられた
有馬文部大臣に、この辺についてちょっとお話をお伺いしたいと思います。