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田名部匡省君 スポーツばかりでなくて、
日本全体がそういうふうに何か決められたことで何でもやるというのでなくて、やっぱりそれぞれの
学校が、地域が、この間も農業問題でお話をしたんですが、雪の降る地域、ああいう地域というのは、都会と同じように幼稚園でも保育所でも介護でもやれといったってできっこないんですよ。だから私は、地方分権というのは本当に大事だな、こう思っている一人なんです、スポーツもそうであります。
特に、
日本のスポーツはどうしてこんなになったんだろうと、こう思っていろいろとソウル・オリンピックが終わったときに私の私案というのを出したんです。それは、指導者と
施設、それから一貫した指導体制をどう確立するかということは非常に大事だという田名部私案というのを出して、その後
文部省もそのことで少しやってくれておるんですよね。中にはずっと入っていますよ。ただ、やっぱり本気でやろうとするのでないとなかなかうまくいかない。
特に申し上げたいのは、
日本は
学校スポーツに依存し過ぎておるんですよ。諸外国は年齢刻みですよ、七歳・八歳、九歳・十歳というように二年刻みで、クラブチームなんです。
学校教育というのは、この間も言ったように、
学校の中で、教室の中でも指導をするし、体づくりのためにはどういうことをやればいいかということは
学校でやる。
そして、本当にサッカーをやりたい子供、野球をやりたい子供、レスリングをやりたい子供は
学校が終わったらそのクラブチームへ行って、二年刻みの組織をつくって、二年刻み同士でやらせてやらないと。スポーツ少年団というのがあるんですけれ
ども、六年生と一年生が一緒では、これはだれもやらなくなっちゃうんです、おもしろくないから。一年、二年生同士でやらせておくと、下手は下手同士で楽しむんです。まずそこからスタートさせなきゃいかぬ、私はそう思う。
私は青森県のスポーツ
振興審議会の会長をやっておるんです、もう二十年ぐらい。もっとなりますか。盛んに今これを中体連と高体連に投げかけているんです、そうしなきゃだめだって。だから、外国にアイスホッケーを派遣するときには、ちょうど
中学校一年、二年が二歳刻み。三年と
高校一年生なんです。大会に参加させるにも何も戦いようがないんです、外国は大体そうなっちゃってますから。
日本だけがそういうことをやっているんです。
そして、試合というと、中体連でも高体連でも年間に五、六試合です。春の大会、何とかかんとか。カナダの
子供たちはシーズンに四十試合やるんです。だから、きょう負けてもあした頑張ろうというのができるのに、
日本は全部トーナメントなんです。負けるところはいつも一回戦で負ける。全部やったって六試合なんです。
強いのは四回ぐらいやるんです。だから、どういう
現象が出てきたかというと、みんな強いところに優秀な選手は行きたがるんです。何ぼバスケットがうまいといったって、一回戦で負ければもう将来大学も入れなければ
日本リーグにも参加できない。それでどこに行くかというと、みんな能代工業
高校へ行っちゃうんです。
日本のトップ。だからずっと強いでしょう。だから、スポーツというのは楽しくて、やっておもしろいような仕組みをつくってあげないと。
ゲートボールだってそうでしょう。何人かで組んでやるんですから、下手なのと一緒にチームを組んだら、一人をみんな寄ってたかっておまえやり方悪いってやっているんです。やめますよ、みんな。
だから、今言うように、そういう仕組みをどうやってつくるかというのは、
文部省がある限りはなかなか。
学校スポーツはそれはやっていいですよ。しかし、本当に一流を目指したいという者をどうやって救うかということを、金もかけるし組織もつくり直さなかったら、これはできないと思うんですが、どうですか、
局長。