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石井一二君 私は、今
手元に「次期
農業交渉」という七月五日付の毎日新聞の社説を持っておるわけでございます。実に正確に
大臣がこの内容を御
答弁になったということで、
大臣の記憶力に対しまして改めて心から敬意を表したい、このように
考えておるものでございます。
私はもっと
大臣が実は雑駁な
答弁をされるだろうなと思って、もちろん通告はしておりますので、そのようなこともなかろうかと半ば半信半疑で今の
答弁を聞いておったわけでございますが、今、我々は農振法の
審議をいたしておりますが、同僚各位がいろいろいい
質問をして、まだ聞かなきゃならない問題も二、三通告はいたしておりますが、私は、この一年間の農水
委員会を振り返って、やや所見を申し述べさせていただきたいと
考えておるものでございます。
一口に申しますと、例えば野球に例えるならば、きょうオールスターがあって、また後半戦が始まって、やがて胴上げが起こって、消化試合をせにゃいかぬというチームが出てまいりますが、法案が衆議院を通って参議院へやってきてだんだん時間がたつと、
農水省の
答弁というものが消化試合のような誠意のないものになりつつあるのではないかというような気がしてしようがないわけであります。
例えば、私は五月六日に、福島食品流通
局長に対して
農水省の外郭団体、あるいはそこから注文を受けておる下請受注企業、こういった実態に対して天下りということについてどう感じておるかということを
質問いたしましたが、これは職業選択の自由だという
答弁が出たわけです。
今御承知のように、
省庁再編というものが行われ、また民間活力と規制緩和ということが時の大きな流れになっておる。こういった中で、こういった問題をぬけぬけと、これは職業選択の自由だという憲法論理で看過するということにいろいろ大きな問題があるのではないかというように、私はここ数週間
考えてきたわけであります。
例えば、ここに「テーミス」八月号に、「税金を貪る官僚の天下り用子会社を許すな」ということでいろんな
記事も出ております。
ここに私は一冊の別の本を持っておりますが、その題名は「人間を幸福にしない
日本という
システム」という、これは割とベストセラーに近いカレル・ヴァン・ウォルフレンという方の書いた訳本で、毎日新聞社から出ておりますが、その第四章には官僚独裁主義として、約四十ページにわたって
日本が今、世界の笑い物になっておるというような一面を紹介いたしておるわけであります。
そういう中で、来年、私はこの
委員会に置いていただけるかどうか、それはまだわかりませんが、今後、極めて重要な農政の遂行に当たっては、ひとつ各議員の
質問に対して誠意を持って答えていただきたい、そのような気持ちを持っておるものであります。
こう申しますと、
大臣は、そんなことはないと、我々は誠意を持って答えておるとおっしゃると思いますので、もう
一つ事例を述べますと、私は七月八日に、二十四時間前の通告を出して、
大臣、十年後の
農地の
面積と専業
農家の数と
食料自給率についてどのようにお
考えですかと、こう申したわけであります。
きょうも同僚各位がいろんな数字を挙げて論じておりますし、我々は新
農業基本法のときにこの問題についてもいろいろ論議をした。少なくとも今これぐらいだけれども、これぐらいであってほしいと思います程度の答えを期待しておったわけでありますが、その答えはふろの中で何とかというような、そういう下品な言葉を私はよう言いませんが、そういう表現に値するような答えであったように感じてならないわけであります。
それで、七月二十三日、数日前の朝日新聞を見ておりますと、
食料自給率で
全国の
都道府県別に御丁寧に出しているわけです。それが発表になっていますが、これは
農水省が発表しておるんですよ、
局長。私はこんなものは恐らく不正確だと思うんです。物がいろいろ国内で動いておりますし、輸出入であればちゃんと通関統計があるものですから。
だから、こういうことまでできる
農水省が、十年後の
食料自給率についてビジョンもなきゃ数もないと。私はこういったこと自体が非常におかしいし、果たしてやる気がどのぐらいあるのかということを逆に聞かせてもらいたい、そのような気がしてならないわけであります。
大臣も極めて御多用だと思います。何かカナダでの五カ国農水
大臣会議というものが延長になったのじゃないかと思いますが、いろいろ含めてこの一年間を振り返って、私が今申したことも含めて、
大臣の御所見を一言賜りたいと思います。