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国務大臣(
中川昭一君) 今、
先生から、環境といわゆる持続的といいましょうか、自然と調和した
農業との関係、あるいは
消費者ニーズと
生産との関係という非常にこれは難しい問題になりがちだと
思いますけれども、結論的に申し上げますならば、この
基本法の
趣旨というのは、これは両立させなければいけない。両立させなければいけないということは、つまり良質な
農産物を
供給しなければいけないというのがまず二条にあるわけでございます。十六条でその品質のことが書いてあるわけでございます。さらには、二十五条で、国は、
国民が
農業に対する理解と関心を深めるよう、
農業に関する教育の
振興等必要な
施策を講じなければならない、この場合の国は農林水産省が先頭になるかもしれませんけれども、御
指摘のように
政府全体の
一つの仕事だろうと思っております。
〔理事
岩永浩美君退席、
委員長着席〕
具体的に、光っている、つやのいい、曲がっていない、虫の食っていない野菜を
消費者が求めるというニーズが現在もあるとは
思いますけれども、しかし本物のトマトとはどういうものか、あるいは本物のトマトの味というものは、私も時々地元へ帰って露地のトマトをかじってみて、ああやっぱり全然違うなという体験をして改めて感動することがございます。やはり、環境なり農薬等の問題というのは、我々としては、もちろん
生産者は
消費者の求めるものをつくりたい、またつくる義務がないわけではないと
思いますけれども、この
基本法の求めるものは、良質なものを
生産者が
供給するという前提にはやはり
消費者がそれを求めなければいけないということだろうと
思います。
そのためには、やはり啓蒙なり情報の提供なりということで、まず農林省としては、
消費者の部屋とか子供相談室とか、あるいは
地方のいろいろなところでの啓蒙活動、さらには
政府広報等々を通じまして、やはり本物とはどういうものなのか、あるいはまたそういう自然に負荷を与える、環境に影響を与える食品が果たして将来にわたっていいんでしょうかというようなことを含めてやっていく必要があると
思います。現実にはなかなかこれはいろんな意味で難しい問題が予想されますけれども、やはりそこは
国民の理解、
国民あっての
生産者であり、
消費者あっての良質な
農業生産物でございます。
野菜に関して言いますと、
昭和四十年はたしかほぼ一〇〇%自給しておりました。現在の九〇%を切った状況というものも、やはり海外から珍しいもの、新しいもの、あるいは見た目の一見いいものが入ってきておりますけれども、やはり顔が見えて、
生産工程もはっきりわかって、そして安心して食べられる、良質というのはおいしいと同時に安心して食べられるということが必要
条件だと
思います。
私としては、この
法案の
趣旨としては、環境にも優しい、もちろん体にもよいものが安定的に
供給されるということが
消費者、
生産者双方にとって、中長期的な
食料の
国内生産を
基本とした
安定供給、そして
自給率の向上につながっていくものだというふうに理解をしておりますので、
政府全体として
国民的な御理解、特にお子さん方に対しての普及という意味でいえば、文部省ともよく連携をとりながら、体験をしていただくことも含めて、お子さんに対する啓蒙というものも重要な
施策の
一つとしてやっておるところでございます。