○谷本巍君 公務員平均の減りぐあいに比較しますというと、農林水産省の減りぐあいは非常に高かった。そのスピードが依然として変わっていないということですね。そして、そういう行革といいましょうか、人減らしの優等生というのがやはり現場にさまざまなひずみを生み出し始めているというふうに私には受けとめられます。
例えば、この林野
行政関連で申し上げますというと、最近非常に大きな問題になってきているのは産業廃棄物の不法投棄であります。この関係の
仕事をなさっている皆さんに話を聞いてみていただきたい。国有林が一番いいと言うんです。監視
体制がないからだと言うんですよ。それからもう
一つは、県と県の県境が一番ねらいやすいという話を共通的におっしゃいます。現場の皆さんに伺いますと、それは監視活動ができるような
状況じゃありません。昔の営林署と比較しますと物すごく人が減ってしまっている。こういうふうなひずみ等々が起こっております。時間がありませんから
一つだけの例にとどめておきますけれ
ども。
今度の本法案を見てみますというと、
農用地整備公団は廃止の方向ということです。ところが、きのうの
衆議院の
農林水産委員会での議論で基本法の修正があった。自給率を上げていく方向が出されてきたわけです。そうすると、
農地面積をこれからどう拡大していくかということを
考えなきゃならぬ。ところが、現状はそういう方向にない。そして、
農用地整備公団も解体していくというようなことなんです。ここのところについてもいろいろ私は議論をしたかったのでありますが、残念ながら時間がございません。これは基本法の論議の方に譲りまして、次に条件不利地対策と
農用地整備事業について伺いたいと存じます。
農用地整備公団が行ってきました
事業のうち、私は余り現場を見ていないんですけれ
ども、三カ所ほど偶然これまで拝見をしてきております。一カ所は北海道の石狩川の泥炭地帯における排水
事業、これは米問題の
調査に行ったときにたまたまそこを通りかかって拝見をしてきたものであります。それから、もう一カ所は沖縄であります。これはサトウキビの作柄
調査に入ったときのことでありました。かんかん照りの
状況で、それでどこを見回しても干ばつなんですよ。ところが、そういう干ばつの中で大豊作のところがあった。何だあれはと聞いたら、地下ダムができているところは豊作でありますという話を伺いました。関係
農家の皆さんは何とそこで言ったか。私の生涯のこれがたった
一つの善政でありますということを言っておりました。復帰後の話です。
そういうふうな事実の中からしますと、基本法論議の中でも中
山間地域、それからまた条件不利地の
農業をどうしていくかという議論、これが大きな焦点になっている。そういう時期にどうして
農用地整備公団を廃止していくのか、このことがちょっと私には解せない。
この種の
事業はこれからやるのかやらぬのか、そこはどうなんですか。