○
益田洋介君
益田洋介でございます。
当参議院において慎重
審議をされ、修正の末
衆議院に送り返された情報公開法が五月七日、可決成立をいたしました。これは非常に画期的なことでございます。長い間
我が国が待ち望んでいた情報公開法でございまして、良識の府参議院におきまして修正され、完璧とは言えませんが、ほぼ現状においてはこれ以上のものはできないといった立派な
法律をつくり上げたわけでございまして、やはり参議院の功績、快挙の
一つではないか、そのように思っておるわけでございます。長いこと待っていたわけでございますが、もちろんイギリス、
アメリカ、フランス、ドイツにおきましては既に三十年、四十年前に情報公開法というのが制定されているわけでございます。
この公開法は来年、二〇〇〇年の末には施行される予定でございますが、今まで
中央官庁また特殊法人が頑として公開しなかった、要するに機密文書であるということで守秘義務がある、守秘義務が公開する義務よりも優先するからといって皆情報をひた隠しにしてきた。そのために厚生省の汚職が起こり、
防衛庁の調達本部の汚職が起こり、また一連の大蔵省の汚職が発覚したわけでございます。今後は官民業挙げてそのようなことのないように私ども
日本国民は努めていかなきゃならない、
政治家はその先頭に立って透明性を増していかなきゃいけない、
日本国の政治は透明である、世界に冠たるそのような状況をつくり上げるのが私たち
政治家の使命であるというふうに考えているわけでございます。
残念ながら、外務省、
防衛庁、それから警察庁については条件つきで若干非公開を許すことはございますが、しかしそれも、行政訴訟をするという権利を
国民の一人一人に付与されている
法律でございまして、これは札幌から福岡までの全国八カ所の高等裁判所において行政訴訟がとられるわけでございます。
この
日本の情報公開法に先立つこと三十三年、一九六六年に
アメリカでも情報公開法が成立をいたしました。これはフリーダム・オブ・インフォメーション・アクト一九六六というものでございまして、昨年の六月二十九日、
アメリカの民間の
研究機関、シンクタンクであるナショナル・セキュリティー・アーカイブという会社が申請した結果、
アメリカは一部の、一九七二年の一月六日と七日、
アメリカのカリフォルニア州サクラメントで行われた沖縄返還に関する、これは七二年の五月に実現したわけでございますが、返還に関する最終段階での
日米首脳交渉に関する議事録を公開いたしました。
このときの
総理大臣は
佐藤栄作氏でございます。そして、
外務大臣は福田赳夫氏でございます。福田
外務大臣は後に
総理になられたわけでございます。そして、
佐藤・ニクソン会談、さらには福田・ロジャーズ国務
長官の会談、それぞれの議事録が残っている中で、今回の
ガイドラインに絡んで、沖縄返還交渉でございますので、特に沖縄に関する興味のある記述が記録として残されております。その一部を御紹介いたします。
福田外相が語ったところによると、これは
米軍が那覇空港を
日本側に返還するに当たって米海軍の哨戒機P3の移転先について細部を語り合ったわけでございますが、福田外相は、P3が岩国基地、山口県でございます、や三沢基地、青森県に移転されれば政治的問題を引き起こす、このように述べている。「
日本本土でなく、沖縄の別の基地に移転するようロジャーズ国務
長官に要請した」と、このように書かれている。なぜ本土であっては困るのかについて福田外相の発言部分は、岩国基地は
佐藤総理の地元選挙区の山口県にあるからだと、こういうことが記録として残されている。私はこれは大変な問題だと思うんです。だから、本土にはもう基地はふえなかったかわりに、沖縄にどんどん基地や勢力が集中してきた。結局、これは
日本政府が当時示唆した結果として、当然の帰結としてそうなったという事実が判明した。これは大変なことですね、
総理。
私は、この問題はやはり自由民主党という政権が本当に
国民のために、
国民を思って政治活動をしているんじゃないんだということの証左であると思います。身勝手なことばかりやっているのが自由民主党の政権なんです。それはいまだに連綿として続いているんです。だから
国民は怒っているんです。
私は、
総理に対して、このような発言をし
行動をとった自由民主党の先輩、
総理であり
外務大臣であった方々がとったそのような言動についてどのように
総理として沖縄県民に今説明をされるおつもりなのか、これが第一問。
それから第二問。自由民主党の先輩の二人の
総理がこういうふうな倫理観の欠如した発想であり、また不遜な政治
行動をとったということについて、また福田
総理は
小渕総理の地元の先輩でもあられる、尊敬をされていらっしゃったそうです。どう思われますか、所見をお伺いしたい。