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1999-04-22 第145回国会 参議院 地方行政・警察委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年四月二十二日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月十四日     辞任         補欠選任         藤井 俊男君     堀  利和君  四月十五日     辞任         補欠選任         堀  利和君     藤井 俊男君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小山 峰男君     理 事                 釜本 邦茂君                 松村 龍二君                 輿石  東君                 山下八洲夫君                 富樫 練三君     委 員                 井上 吉夫君                 鎌田 要人君                 木村  仁君                 久世 公堯君                 谷川 秀善君                 保坂 三蔵君                 高嶋 良充君                 藤井 俊男君                 魚住裕一郎君                 白浜 一良君                 八田ひろ子君                 照屋 寛徳君                 高橋 令則君                 松岡滿壽男君                 岩瀬 良三君    事務局側        常任委員会専門        員        入内島 修君    参考人        国民生活センタ        ー相談部調査役  島野  康君        株式会社JAF        メイト社取締役        編集長      岩越 和紀君        社団法人全日本        指定自動車教習        所協会連合会専        務理事      鈴木 邦芳君     ─────────────   本日の会議に付した案件 〇道路交通法の一部を改正する法律案内閣提出  、衆議院送付)     ─────────────
  2. 小山峰男

    委員長小山峰男君) ただいまから地方行政警察委員会を開会いたします。  道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本法律案審査に関し、参考人方々から御意見を承ることといたしております。  参考人皆様一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、大変御多忙のところ当委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございました。  皆様から忌憚のない御意見を承り、本法律案審査に反映させてまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  本日の議事の進め方でございますが、まず、参考人皆様方からそれぞれ十分程度ずつ御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、参考人方々の御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、島野参考人からお願いいたします。
  3. 島野康

    参考人島野康君) おはようございます。国民生活センター島野でございます。いつも当センターの業務について御指導いただきましてありがとうございます。  私は参考人としてお呼びいただきましたけれどもチャイルドシートそのものについて余り深い知識はございません。ただ、長年製品関連事故やら苦情処理というところを担当しておりまして、その立場から今回の義務化に対して意見を述べさせていただくということにいたしたいと思います。  まずその基本的な認識でございますが、着用効果といいますか、が極めて高いということはもう周知のことであります。死傷率は三倍、致死率は八倍なんというような数字が出ますけれども死亡なんというのは、生存と死亡ですので、そんな数字であらわせないのではないかというふうに考えております。  しかしながら、着用率は一割にも満たない。我々のモニターに聞きますと、大人がいつも同乗しているんだとか、シートベルトをさせているよとか、子供を乗せるには近距離過ぎるとか、やっぱりちょっと大きいものですから煩瑣であるとかいろんな言い方をされますけれども、一応一割にも満たないということがございます。しかしながら、こういうのはやっぱり義務化をしないと先ほど言ったような効果がなかなか上がらないのではないかと。シートベルトの例を見るとおりであります。  ですから、国民生活センターでも、平成十年七月には警察庁に対してチャイルドシートをぜひ法制化してほしいというふうな要望をいたしたところであります。ですから、これは大歓迎というか全く大賛成、大がつくものであります。失礼ながらやや遅きに失するぐらいなのではないだろうかというようなことを思っております。  ただ、法制化あるいは義務化に対して先ほど申し上げましたような視点からやや留意点的なことを申し述べさせていただきます。  苦情相談はいろいろなものがありますが、危険、危害と、危険な目に遭ったとか実際にけがをしたとかいう苦情がございます。ダッシュボードなどに頭部をぶつけて、これは死亡事故もございますが、そういう事例がございます。走行中シートごと転落しちゃったとか、これは御案内のとおりですけれども、ベルトが首などに絡みついて、親がちょっと留守にしていたという監督義務違反的なことがあると思いますけれども、そういう部分死亡事故も起きているということもございます。これはバックル金具がありますが、炎天下にとめておいて、またすぐ乗るものですから、バックル金具でやけどしたというような事例も寄せられております。あるいはそのシート自体の折損とか、ばりがあって手を切ったというようなことも寄せられております。  品質、機能にかかわる苦情としては、余りもたないですぐだめになっちゃうとかいうことで、耐久性だとか使用感ですね、ざらざらしていて子供が嫌がるとか、そんな苦情もございます。  適合性、これもまた大変大切なことじゃないかと思いますが、この自動車この自動車で、オルターナティブというかなかなか汎用がきかないというようなことがあるわけです。あるいは幼児の体格に適合したというふうにして買ったのに、それが適合しない。重心が高くて不安定であるというようなことがあります。  それから、多分議論になるのではないかと思いますが、表示とか修理にかかわる苦情です。やっぱり安くないものでありますから、リサイクルとかレンタルとかいうことになりますと取扱説明書がなくてわからなかったとか、そういうこともございます。あるいは修理対応に対する部品がなくなっちゃって取りつけてもらえなかったというようなこともございます。  そういういろんなことを考えますと、二の方の安全基準でございますが、道路運送車両法での自動車用部品ということでございますが、やはり今まで申し上げましたようなところを見ると、消費生活用製品というのがあります。消費生活用製品安全法という法律で、戦後の安全三法と言われているものの一つですが、特定製品というのはSマークがついておりまして、国がある一定の基準をつくりまして、その基準に合致しないと販売してはいけませんということがあります。ですから、かなり強制基準が強いものですが、二十四カ月以内の乳児用ベッドとか登山用ロープなんというものがそれに当たります。そういう視点も必要なのではないかということが考えられるわけです。  それから、技術基準もかなりいろんなことをされているようでございます。ダイナミック試験とかそんなことはされているんですが、側面からの衝撃や、あるいは被害者になるというか受ける、追突された場合の基準とか、そういうようなものは余りまだ考えられていないのではないか。そういうものも検討の一つとしていただければいいのではないかというふうに思います。  それから、大切なのはバックル解離力といいますか、実際の事故が起きたときに取り出しやすくしないといけませんが、取り出しやすくするというと、今度は自分自身バックルを外しやすくなっちゃうという、そのトレードオフというか部分があって非常に難しいと思うんです。  薬品なんかでいいますと、チャイルドレジスタントパッケージといって子供があけにくいけれどもどうするんだ。じゃ、あけにくいからって、おじいさんが心臓があれのときにすぐあけられるかなんというのが、こういうチャイルドレジスタントパッケージという考え方があります。そういうことを考えながら、これは非常に難しいんですけれども幼児には外しにくく救済の際には外しやすいようなのを考えていただければありがたいということです。  それから、一方では消費者への普及啓発というのが今非常に大切な事項ではないかと思います。これは改正案にもありますけれども、「固定して用いる補助装置であつて、」という、この「固定して用いる」というところがキーワードであります。固定するというのが非常に難しいというか、我々のところでモニター試験をしますと、なかなか上手につかないという声がありました。何回かやるとがたつかないでつくというようなことがありますが、今の方はいろんな方がいらっしゃいまして、冗談のあれですけれどもチャイルドシートに乗せておいたんだと。ただ乗せておいた、固定していない、がたがたしているのに。それで落っこっちゃったなんという苦情もないわけではありません。  消費者意識改革もやっぱり必要であると思います。拘束されるのはやっぱり嫌うというのは嫌うんだと思いますが、それは小さいときから、あるいは乳児のときからそういう形にしておけば、割に習慣的に、二歳、三歳、四歳、五歳になっても、車に乗ったらもうチャイルドシートに乗るんだということで意識を根づかせるということだと思います。  あと、ちょっと事業者の方にも要望がございます。「装着しやすい製品開発」あるいは「チャイルドシート固定機構付きシートベルト等装備化」と書きましたけれども、どちらかといえばISOFIXみたいな形の方がむしろいいのではないかというようなこと、あるいは救済措置でもPL法の観点からの被害救済を求めたい、あるいはその低廉化といろいろございますが、先ほど冒頭に申し上げましたように、この法案についてというか、義務化については大賛成でございます。  ちょっとオーバーしまして失礼いたしました。
  4. 小山峰男

    委員長小山峰男君) どうもありがとうございました。  次に、岩越参考人にお願いいたします。
  5. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) JAFメイト岩越でございます。おはようございます。  道路交通法改正に関しまして、基本的にチャイルドシートの問題と携帯電話使用に関して意見を申し述べたいと思います。  チャイルドシートに関しましては、着用義務化に関しまして賛成でございます。現状の六歳児未満の事故死傷率とそれから現状着用率で考えますと、やはりこの法律は必要だろうというふうに考えます。もう一点、車内の子供の安全に関する親の知識不足というようなものを考えましても、その点からもやはりきちんとした法律をつくっていく必要があるというふうに考えております。ただし、法律をつくるときに、チャイルドシート市場性というものがどのような形であるかということで考えますと、この点に関しては非常に問題があるなというふうに感じます。  第一点でございますけれどもユーザーチャイルドシートを買うときにきちんとした形で買える状態であるかということでございますが、今、島野参考人もおっしゃっておりましたけれども、実際に市場チャイルドシートを買うときに、それを自分の車に試しにつけられる環境がほとんど整っていないと。すべてのチャイルドシートがすべての車にちゃんとつくという状況ではございませんので、やはり選んでつけないとちゃんとした形でフィットしないという状況でございますから、その点がユーザー側に担保されない限り、自分でわけもわからず買ってしまって、それをつけてみたらちゃんとつかなかったというようなことが非常に多くあります。私ども調査でもそういった例がありまして、チャイルドシートはあるのだけれども残念ながらきちんとついていないという状況を見受けることが多くあります。  したがいまして、やはり市場環境として、試しにつけられる環境をどうしても整備する必要があるなというふうに思います。  第二点目に、チャイルドシートの取りつけ方法に関してですけれども、現在の取りつけ方法は車のシートベルトを使ってつけるという形になっておりますが、各チャイルドシートメーカーそれぞれいろいろな方法がございます。いろいろな方法がございまして、その方法の中に非常に簡単なものと非常に煩雑なものがある。簡単なものだからちゃんとつく、煩雑なものだからちゃんとつくかといいますと、やはり車との整合性がありましてなかなか難しいものがある。  先日、私どもで七人のお母さんに集まっていただいてモニターテストをしたんですけれども、時間をかければつきます。ですけれども、そのついた状態を私ども技術者なりがチェックしますと、全員確実さという意味では不合格だったという結果でございます。これはやはり、チャイルドシートメーカーがきちんとした形でマニュアルをつくり、ユーザーへの指導方法を確立していかないと解決しない問題だろうなというふうに感じました。  それから、そのチャイルドシートつけ方につきまして、ISOFIXという、ことし一月に国際標準化機構が決定いたしましたシステムがございますが、これは簡単に言いますと、車体側にアンカーを設けて、そこにがちゃっとソケットのように差し込んで固定をしてしまう、非常に簡単な方法でございます。日本でも一社自動車メーカーチャイルドシートメーカーが共同開発して、ついせんだって発表になりましたけれども、ただしこれに変わっていくには、非常に車体側のコストがかかりますので、定着していくまでにはかなりの時間が必要だろうと思います。  したがいまして、やはり車のシートベルトを使った固定方法をもっと簡単に確実につくようなものにしていくという考え方を我々としては持つべきだろうなというふうに思います。  二点目に、安全に関しましてユーザーが持っている情報というのが非常に少ない。国が法律で決めました道路運送車両法装置型式指定に関しましてマークがありますけれども、このマークにつきましてユーザーはほとんど理解をしていないという状況でございます。チャイルドシートを買いに行きますといろいろなマークがついているんです。JISマークとか、それからその自マークとか、安全マークとかという形でついておりまして、このマークが一体何を担保してくれるんだということがよくわからない。  したがいまして、国が基準としてやっています五十キロの正面衝突を想定したときの安全マークなんですよというようなことをもう少しきちんとした形でPRをしていく、そのマークがなければこの製品は買えないんですよぐらいなPRをしていかないとならないのだろうなというふうに思います。  もう一点、チャイルドシート使用期間が限定されているので、リサイクルとか再利用とかレンタルというような考え方をお聞きいたしますけれども、基本的には私もその意見には賛成ですが、これにはやはり幾つかの条件を整備しないとまずいだろうなというふうに思います。  それは、構造部材等耐用年数をきちっと示す必要がある。それから、そのチャイルドシートの履歴、事故に遭っていないかというようなことを明確にするシステムが必要である。それから、それを仲介する人、仲介する組織の責任を明確にしていく必要があるというふうに感じます。そうしたことの条件整備をした上で、再利用なりリサイクルなりレンタルというようなことが許されるべきだろうなというふうに思います。  チャイルドシートに関しましては以上でございます。  二点目の携帯電話カーナビに関してですけれども、基本的な考え方携帯電話を考えますと、携帯電話使用というのはやはりマナーに任されるべきだろうなというふうに私は思っておりました。しかし、最近の道路状況を見てみますと、余りに携帯電話に集中し過ぎているドライバーが多過ぎます。それは確かなことだと思います。その状態で考えますと、やはり携帯電話使用に関して何らかの規制を設けなければいけないのだろうなということが私の意見でございます。  この状態携帯電話を使い続けますと、携帯電話による事故というのはどうしても急増していくだろう。それには、やはり何か措置をとらなければいけない。そのときに、自動車安全運転センターがやったテストの中でも、携帯電話を操作するときに非常に危険があるというようなテスト結果が出ておりますけれども自動車運転する心理学先生方のお話をお聞きしますと、やはり意識のわき見といいますか、話していることに集中してしまって、目は前方を見ているんだけれども意識は話し相手に行っていて注意力が散漫になる、この状態歩行者の飛び出しでもあれば、確実にブレーキを踏むタイミングがおくれるというような結果がありますので、その点もやはり留意した形で考えていく必要があるだろうなというふうに思いました。  カーナビに関しましては、カーナビを注視するというようなことは、運転中を考えますとやはり論外のことでございまして、危険きわまりない。ただし、カーナビというのはドライブの支援情報端末として出てきたものでございますから、やはりその点に関しましても配慮していく必要があるだろうなと。一概に積極的に取り締まっていくというような形ではなく考えていただきたいなというふうに考えます。  以上でございます。
  6. 小山峰男

    委員長小山峰男君) どうもありがとうございました。  それでは、鈴木参考人からお願いいたします。
  7. 鈴木邦芳

    参考人鈴木邦芳君) 私は、社団法人全日本指定自動車教習所協会連合会専務鈴木と申します。どうかよろしくお願いを申し上げます。  本日は、こうして指定自動車教習所における運転免許取得者に対する教育現状などについて申し上げる機会を与えられて、大変に光栄に存じます。  以下、お手元のレジュメに従いまして、簡単に御報告を申し上げます。  私どもの団体の全日本指定自動車教習所協会連合会は、指定自動車教習所の連合体でありまして、成立は昭和三十六年であり、昭和三十九年に社団法人として認可をいただいたところであります。自動車教習にかかわる各種調査研究自動車教習所職員の教養、訓練等事業を行うことによりまして、自動車運転者教育の健全な発達を図り、交通の安全に寄与することを目的としているものであります。  次に、指定自動車教習所についてでありますが、指定自動車教習所とは、自動車教習所の内に資格のある者が教習指導員技能検定員として置かれまして、また設備も道路交通法基準を満たしているもので、都道府県公安委員会によって指定をされたものということであります。指定自動車教習所におきまして所定の教習を修了し卒業検定に合格した者には卒業証書が発行され、それによって卒業者公安委員会の行う運転免許試験のうちの技能試験が免除されるということは御案内のとおりであります。  指定自動車教習所の数は、平成九年で千五百二十五カ所ありまして、そのうち、当連合会傘下にあります指定自動車教習所は千四百六十三カ所となっております。毎年、新規に運転免許を取得した人の九割以上が指定自動車教習所を卒業しておりまして、いわば指定自動車教習所初心運転者教育の中枢をなしていると考えているものであります。  指定自動車教習所は、このように、運転免許を取得しようとする者に対する教育を行っておりますが、同時に地域交通安全教育センターとして、ペーパードライバーとか高齢運転者などさまざまな方を対象に、運転技能等の再確認を行うとともに、具体的な交通状況に的確に対応できる能力の涵養を図るための教育を展開しているところであります。  ちなみに、自動車教習所につきましては、交通安全対策基本法に基づく交通安全基本計画におきましても、既に運転免許を取得した者に対する再教育も実施するなど、地域交通安全教育センターとしての機能の充実に努めることというふうにされているところであります。  平成九年中に指定自動車教習所におきまして運転免許取得者教育としてどのようなものがあったのかということを簡単に御説明申し上げます。  まず最初に、ペーパードライバー教育ということでありますが、これは、既に運転免許を取得しているものの、長い間運転から遠ざかった後に再び運転をしようとしている方を対象にいたしまして、各種運転法の再認識あるいは定着を図る教育でありまして、全国指定自動車教習所のうち千三百二十三カ所において約九万七千八百人を対象に行われております。  また、高齢者の方を対象にいたしました高齢運転者教育、これも、全国九百四十一カ所の指定自動車教習所におきまして約五万二千八百人を対象に行われております。  青少年バイク教育というのは、高校生などで普通自動二輪車等免許を保有している者に対しまして、二輪車の点検要領乗車姿勢等指導するとともに、走行訓練を通じて安全運転に必要な技能定着を図るもので、全国五百六十五カ所で約五万四千人を対象に行っております。  また、自動車等によって製品を搬送する企業に従事をしておられる職員の方に行います企業安全運転教育、これも広範に行われておりますが、全国千百八十カ所の指定自動車教習所におきまして約十三万人を対象に行われております。  最後に「その他」というのがありますが、これは、冬道の安全教育等地域の実情に応じた教育を行うもので、全国千二十八カ所で約八万人に対して教育を行っております。  こうした運転免許取得者教育は、対象となる方の年齢や自動車運転の頻度、あるいは運転能力等の違いがさまざまにございますので、そのニーズに応じましていろんな内容、方法で行うというのが特色であります。  現在、国会で審議をされております道路交通法改正案の中にございます運転免許取得者認定制度について、一言どもの考えを申し上げます。  既に申し上げたとおり、免許を受けている人に対して生涯にわたって交通安全教育を実施し、その方の運転技能を向上させるとともに、道路交通に関する知識を深めさせるということは大変重要なことだというふうに考えております。  私ども指定自動車教習所がこれまで実施をしてまいりました運転免許取得者教育は、指導者指導のもとで実際に車を運転することなどを通しまして、安全運転に必要な技能を体得し、また安全マインドを身につけるということで役立っているというふうに考えております。  私どもとしては、このような教育が公的に明確に位置づけられまして、その存在が広く一般方々に知られ、多くの方に普及するということを期待しているものであります。  したがいまして、改正案にありますように、都道府県公安委員会認定制度が設けられることとなれば、広く一般運転免許取得者教育重要性が明らかになるとともに、その教育水準がより一層向上することが期待をされますし、またこれらの教育を受講する人も、公安委員会認定を受けた教育であるという信頼のもとで安心をして受講することができるということで、運転免許取得者への普及が図られるものと期待をするものであります。  このように、運転免許取得者教育認定制度交通安全に大きく貢献をすることになるというふうに理解をしているところであります。運転免許取得者教育認定制度が導入されました場合におきましては、私ども指定自動車教習所といたしましては、教育の担い手の一つとして認定を受けることができる教育水準のより一層の推進に努力をしてまいりたいというふうに考えております。  以上、私どもの考えを申し上げましたが、今後とも、地域交通安全教育センターとしての私どもの活動につきまして御理解を賜り、御指導いただきたいと思います。  貴重な時間、まことにありがとうございました。
  8. 小山峰男

    委員長小山峰男君) どうもありがとうございました。  以上で参考人方々の御意見の陳述は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 参考人皆様方には、このような機会を与えていただきまして本当にありがとうございます。まずもって心からお礼を申し上げたいと思います。  まず最初に、島野参考人あるいは岩越参考人に対するお尋ねになろうかと思いますが、チャイルドシートのことでお尋ねをさせていただきたいと思います。  今お聞きいたしておりましたら、私自身、チャイルドシートというのは一度も装着をしたこともありませんし、極端な言い方をすると触ったこともないというような現状でございます。今お話を伺っておりまして、かなり危険な部分があるんだなということを一つ強く印象に持ちましたことと、そんなに装着するのが難しいのかということも、これは感想として感じました。  特に、装着につきましては、地方都市へ行けば行くほど、女性の方が自分のお子さんを乗せて買い物その他へ多く車を使いますので、チャイルドシートを使う機会というのはふえると思うんです。それだけに、装着については簡単にして、そしてより安全でなくてはならない、それらを早急に開発しなくてはならないというようなことを感じたわけでございます。その辺につきましてはお答えは結構でございます。  私がお尋ねいたしたいのは、シートベルトにいたしましてもチャイルドシートにいたしましても、私は着用することは大賛成なんです。当然すべきである。これはなぜかといいますと、もし不幸にして交通事故が起きますと、シートベルトのおかげで少しでもけがが小さくて済む。そういう自己防衛であるわけでございますから、ある意味では自己責任というところもあろうかと思います。ただ、六歳未満というのは確かに、自己責任をとれと言ってもとることは不可能でございますし、私はこれは十二歳でも、自己責任がとれるだろうかといいますとなかなかとれる範疇ではないというふうに思っております。そういう中で、今回、この法改正で六歳未満となっているところに私はなかなか理解ができない点があるんです。  と申しますのも、もう一歩突っ込んで申し上げますと、本来なら、自己責任がありますから今まで多くを申し上げなかったわけでございますが、今の乗用車はもう全部と言っていいほど後部座席にシートベルトはついておるんですが、大人の皆さんは後部座席に座るとほとんどの方はシートベルトをしないという現状であるわけです。  六歳未満のお子さんは後部座席へ座ってもシートベルトをしなくてはいけない、母親かあるいは父親はしなくてもいいということになりますね。子供は親の背中を見て育ちますから、子供にさせたら親もそのときするようになるかわかりませんが、この際思い切って、後部座席に座ってもすべての皆さんがシートベルトをすべきだ、私はそのような判断をしているんですが、その辺の考えにつきましてはいかがでしょうか。
  10. 島野康

    参考人島野康君) 先生の御指摘ですけれども、自己責任というのはいろんな言い方をされて、このごろ特に規制緩和だとかなんとかというところから自己責任というのがありますけれども、この六歳未満とかはおっしゃるように自己防御能力がないんですね。だから、自分ではもう全く事故を回避する能力がないから、そういう人には安全基準が非常に高くてもちっとも問題ないものだと思うんです。今の御質問ですと、そうやってシートベルトをしなさい、何々をつけなさいというのは、もう親からしないとだめだと思うんです。そういうことを習慣づけると。  ただ、先生はおっしゃいますけれども、今私らが友達やら何やらといると、後ろに乗っても必ず即シートベルトは締めております。その辺はどの程度の装着率かわかりませんけれども、割合そういうことでされていて、だんだんそういうふうにはなっているんじゃないかなというふうには思います、余りちゃんとした答えではありませんけれども
  11. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) ちょっと違う観点からのお話になるかと思いますけれども、六歳児未満ということにつきまして、やはり交通安全というのは生涯教育でなければならないだろうというふうに考えます。そのときに必要なもの、自分の命を守る教育というものが日本の中であるかといいますと、今は残念ながらそういう意味での考え方が出てきていない。  したがいまして、六歳児未満の時代から、自分の命を守るためにはそれだけのことが必要なのだということを体験的に覚えさせるという意味では非常にいい時期ではないかというふうに思います。それも、命を守る、危険を予知する能力みたいなことを開発していくという考え方で必要だろうなというふうに思います。
  12. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 そういたしますと、六歳未満のお子さんが乗れば、その前に当然親が一緒に乗っていれば、親が逆に子供教育されるだろうというようなことにもなろうかと思うんです。  確かに、アメリカの州ではほとんど四歳以下、EUでは十二歳だったかそれぐらいまでやったりしているわけでございますが、いずれにしましても、安全性のことを考えればよく理解できます。  島野参考人にお尋ねしたいんですが、朝日新聞の「論壇」にちょっと意見が述べられていたわけでございますが、自動車損害賠償責任、自賠責とメーカーの製造物責任の関係について書かれていました。ああ、なるほどと私も思ったわけです。  確かに、第十六条の一項と第十七条の一項の規定での請求権は二年を経過したら時効になると。ただ、民法の第六章の第一節で救済措置はありますけれどもPL法の裁判をやっていますと常に二年以内に手続をしないといけないという煩わしさがあるわけでございます。私もこれを読ませていただきまして、それこそ安全性の問題、これはチャイルドシートだけじゃなくて自動車本体についても言えることだと思うんです。  これは、場合によってはもっと簡単にやれるようにそれこそ私も法改正した方がいいんではないかなというふうに感じたんですが、今までそういうことで特に現場でいろいろな御意見をお聞きになっていると思いますので、御意見があればもう少し詳しく教えていただきたいと思います。
  13. 島野康

    参考人島野康君) 自動車事故自動車というのは危険性があるというのは皆さんわかっていますよね。  それで、チャイルドシートをしていたのにもかかわらず、それが飛び出してぶつけちゃったというと、チャイルドシートに何かの欠陥があるんじゃないかということで、このチャイルドシートメーカーに対して損害賠償請求をしたい、あるいは自分の心を晴らしたいというのが出てくるわけです。  しかしながら、この間ちょっと書きましたのは、例えばその子が三千万なら三千万の命だとすると、自賠責から三千万は支払われますので、そうするとこちらのメーカーはその被害者に対して損害賠償といういわゆるお金を補てんするということはなくなる、その辺がちょっと矛盾しているんじゃないかということです。  その自賠責のものは非常に大切なものですけれども、先生おっしゃるように、事実上、心のあれを晴らしたいということになってメーカー責任を問うときには、PL訴訟だと六年も七年もかかるということがあります。そうすると、二年ずつ時効の中断、民法百四十七条の承認といったところで、相手方、保険会社に、承認を受けて中断してくださいよということはできるんですけれども、そういう形ではなかなか、PLでの請求でこちらが勝つというのは余りないかとも思います。やはり製造物責任的な考え方とすれば、メーカー側に挙証責任というのをやや転嫁しないと、いや私のところはディフェクトがなかったんだという形で挙証の転換みたいなことをさせないと、なかなか難しいなというふうには思います。  だから、大きい事故はそういうことですが、小さい事故のときの話、いわゆる少額個別被害といいますか、少額といってもある程度の被害の場合に、このメーカー責任をどう問うかというのは今の法律ではなかなか難しい部分がなくはないと思います。
  14. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 どうもありがとうございました。  それでは、ちょっと移らせていただきますが、運転免許取得者教育認定について、鈴木参考人にお尋ねさせていただきたいと思います。  現在、自動車学校あるいは自動車教習所ですか、公安委員会指定というところは、先ほどの御説明にもありましたとおり、これは免許証を持っていない方が教習を受けて、そこで合格をすれば実地試験が免除になる。ですから、かなり高度な教育システムをお持ちになっていると思うんです。  それからもう一点は、そのほかにいろいろとメーカーなんかが独特なドライビングスクールなんかをお持ちになっているのがあるわけでございますが、こういうところでペーパードライバーの方が再教育を受けるということについてなぜ認定がわざわざ必要なのかという、私はこの辺の理解ができないんですが、その辺につきましてまず教えていただきたいと思います。
  15. 鈴木邦芳

    参考人鈴木邦芳君) ただいまお話がありましたように、運転免許証を持っておって、そしてしばらく運転をしていないので、運転をしようと思ってやや危険があるのでもう一度教習所で教習をしたいといういわゆるペーパードライバーの方が比較的多いわけでありますが、こうした方に現在も教習を行っておるわけであります。  今回もし認定制度というものが認められますれば、認定された制度であるということで、さらに教習内容を充実したものにしたいという関係者は公認ということでなるだろうと思います。その意味で、教育の水準も当然向上してくるというふうに考えられます。  それからまた、公安委員会認定の制度としてペーパードライバー教育をうちはやっておりますということがはっきりいたしますれば、受講する方が安心して、信頼をして受講できるというようなメリットもあるというふうに考えまして、全体として大変交通安全教育上プラスがあるというふうに考えておるものであります。
  16. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 ペーパードライバーの方を教育しますというのは、今の公安委員会指定自動車学校でも堂々と看板を上げてやればいいんです。その横にわざわざ私のところは認定ですよ、公認ですよというような、そういう冠がなぜ必要だろうか。  と申しますのは、今はどちらかといいますと規制緩和をどんどん進めている。規制緩和を進めている中で簡単に言えば、商売の信頼性を高めたいというような気持ちがあるんでしょうけれども、信頼性というのはそういう冠ではなくて教育の中身だと思うんですね。  そうしますと、私は今の指定自動車教習所なんかレベルは相当高いと思いますし、そういう中でユーザーの皆さんもどんどん運転免許を取りましたので、取る人はかなり少なくなってきている。そういう中で自動車教習所も、先ほど御説明ありましたとおり、いろいろな知恵を絞っていろんな方へのいろんな教習をしようというふうになっているんですから、わざわざ冠をつける必要があるんだろうか、どうしても理解できないんです。答弁もらっても同じかなと思いますが、せっかくですからもう一度御答弁いただきましょうか。
  17. 鈴木邦芳

    参考人鈴木邦芳君) 認定をしなくても現実に今教習をやっております。そして、それはそれなりに成果を上げているということは御指摘のとおりであります。  ただ、一般の方は自動車教習所というのは新たに免許を取るときに免許を取るための教習をやってくれるということはよく認識をされておるんですが、しばらく運転をしていないので教習所へ行きたいが教習所はやってくれるだろうか、あるいは丁寧に教えてくれるだろうかという心配をお持ちのペーパードライバーの方も現実にはかなりいらっしゃいます。そういう方の照会があれば私ども自動車教習所へ行って相談してくださいということで申し上げるんですが、これが正式に公的な制度として認定され、周知徹底されれば多くの人が安心して受講することができるだろうというふうに考えておるところであります。
  18. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 結構でございます。  カーナビ、それからテレビ装着の問題もございますので、一言だけ触れさせていただきたいと思うんです。  走行中テレビを見る、これは論外の話だと思うんですが、カーナビというのは私もしょっちゅう活用させていただいております。活用の仕方によっては大変便利なんです。映像と音声が出ますので、それこそどの範囲まで注視というかはまた別にいたしまして、ほとんど注視しなくてもある意味では八割ぐらいは音声だけでも行けてしまう。特に、一キロ先を右折ですよとかあるいは三百メートル先を右折ですよ、こういうことを先に教えてくれますから、路線変更も安心してできる。使い方によっては大変すばらしいもので、私はこの点はいいと思うんです。そのほか無線あるいは電話、そういうものは正直に言って余分だと思うんです。ですから、そういうことについては私もこの提案と全く同意見でございます。  注視というのを広辞苑で見てみますと、「視力を集中して見つめること。」というふうに広辞苑には出ていたわけでございますけれどもカーナビというのは正直言いまして、走りながら視力を集中して見るほどおもしろいものだろうか。そう思いますので、カーナビも、「視力を集中して見つめること。」との注視というところまで入れる必要はないのではないかというふうに思うわけでございますが、最後に岩越参考人のお考えをお聞かせいただいて終わりたいと思います。
  19. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 注視という概念に関しましては私も意見はございませんけれどもカーナビの危険と携帯電話の危険というのはやはり基本的に違うように思います。  携帯電話は、先ほど申しましたような意識のわき見というようなことが起こる可能性がある。カーナビというのは、必要なときに必要なだけ自分が見ればいいだけのことですから、先生おっしゃるように、別に注視をしなくても、ちらっと見てそれで終わる。つまり地図の形を見るだけで自分がどこら辺にいるかというのはわかりますので、そういう使い方があるだろうと思います。それと差別するために注視という言葉が出てきたんだというふうに私は理解しておりますけれども、そういうことであれば問題はないかなというふうに思います。
  20. 山下八洲夫

    ○山下八洲夫君 どうもありがとうございました。  終わります。
  21. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 公明党の魚住でございます。  何点か参考人の各先生にお聞きしたいと思います。  まず、チャイルドシートでございますけれども島野先生と岩越先生、六歳ということで切っていますけれども、本来これは六歳ではなくて体の大きさではないかなと私は思うんですが、この点はいかがでしょうか。
  22. 島野康

    参考人島野康君) 私は国民生活センターのただの職員でございまして、先生では全くございません。  それから、年齢の話は先ほど山下先生からも御指摘があったんですが、法律は専門家の方がいらっしゃいますけれども、ただ、どこかで切るとすると学童か乳幼児というのは、法律その他の整合性やら何やらいろいろあると思うんです。ただ、先生おっしゃるとおり、体の大きいのもいるし小さいのもいる。七歳になったって八歳になったってそれをつけていてちっとも差し支えないと思うんです。ただ、どこかで区切るといったときには幼児あるいは学童と、そういう意味では私はこういう法律案としては、差し出がましいのですが、六歳未満というのはそんなに変なものではないのではないかというふうに思います。
  23. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 確かに先生おっしゃるように、チャイルドシートは体に合わせて使うものですから、現在販売されているものだけでも三種類ございまして、ベビーシートといわゆるチャイルドシートというもの、それからジュニアシートという体の大きさに合わせたおしりを上げるようなシステムのものと三種類ございます。  そういう意味でも、それは体に合わせて規制をすべきだという考え方一つはあるというふうに考えますけれども法律のつくり方というのは私は専門家じゃないのでわかりませんけれども、国民が理解しやすい形ということで考えますと、年齢で切っていただいた方が国民としては理解しやすいのじゃないかなということは感じます。
  24. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 悲惨な交通事故事例を見たりあるいはJAFでもいろんな実験をされていると思いますけれども、そういう事例を見るとやはり義務化というのは本当に大事だなとは思うんです。  そのやり方なんですが、点数制度ということで強制をしていこうということでございますけれども、例えば今の考え方ですと、タクシーの場合は免除されているわけですね。ところが、孫がおじいちゃんのところに行った、近くの公園に行こうといったらもうだめなんですね。おじいちゃんは点数でだめよと言われる。あるいは雨の日お母さんが幼稚園に子供を送る、お友達が歩いている、でもお友達は乗せられない、だってお友達の分までシートベルトがないんですもの。それでも点数をつけるよ、こういうことなんですね。あるいは幼児が四人いる、お父さんお母さんとみんなでドライブに行こうかと。これでもだめよと。こういう基準になるわけですね。  ちょっと生活実感と合わないものを点数という裏づけをもってやろうという、こういう法案なんですね。島野岩越参考人、この点についてはいかがでしょうか。一方でタクシーは免除されている、そういう状況の中で。
  25. 島野康

    参考人島野康君) これは私が答えるというより警察庁がお答えする話だと思いますけれども、やはり点数制度、罰金はあれにはないんですが、やはりこういうものを義務化するというのは何かでしなくちゃいけない。先生おっしゃるように、少子化の時代に何人もいるといったときに、ではどうなんだといったときは取り締まりを、おい、こらじゃないですけれども、ある程度そういう部分については、たしかこれは、私ども十分法案を知りませんけれども、例えば家族が何人もいて、その自動車の後ろに現実的には三つも四つもつかないわけです。だから、そういう場合はある程度は許されるのではなかったんでしょうか。  その辺はまた警察庁の方から聞いていただきたいと思いますけれども、私なんかは全くそういう面では点数化という形で義務づけないとなかなか国民には浸透しないのではないかというふうに思います。
  26. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 点数に関しましては、シートベルトと同じ点数なのでという単純な考え方をしておったんですけれども、人数に関しましてはやはりある程度はいたし方がないかなと思いますのは、この制度を導入するということはやはり子供の命を守るということだと思いますので、そのときに員数外の子供を逆に言えば乗せないという考え方があっても仕方がない制度だろうというふうに考えます。  それは、例えば後ろの席に四人子供を乗せて拘束しない状態でぶつかったことを考えますと、これは本当に恐ろしいことになりますので、やはり何らかの拘束装置が必要だということを前提に考えますと、チャイルドシートが乗せられる範囲だけしか子供は乗せられないんだということを理解していただく方が大事のような気がいたします。
  27. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 ただ、乗せられるというふうには道路交通法規上は可能なわけですね。例えば、我が家も子供が三人いまして、あともう一人といったらどういうふうにして運転しようかと実は思っておりまして、そういうユーザーの立場からすると余りにも過酷なやり方。安全性は大事だ、子供の命は大事だ、それはもうだれも否定しないんですけれども、やり方が余りにもお上の考え方だけじゃないのかなというように私は思うわけで、ユーザーの立場でどういうふうにお考えかなと思ってお聞きしたわけでございます。  次は、今、島野さんからお聞きして、チャイルドシートが途中でシート自体の折損というのがあったとありますけれども、非常に国際基準にも満たないような状況に今なっているようですけれども、そういうものを何か安全性能が満たされないまま普及を義務づけるというのは非常に時期尚早ではないのかなと思いますけれども島野参考人、いかがでしょうか。
  28. 島野康

    参考人島野康君) 基準自体は、FMVSSですか、そういうものと比べて、品質だとか構造上の問題についてはやや規定がないようですけれども、そういう強さについてはかなりクリアしているのではないかということが言われているようであります。  ただ、私の申し上げたいのは、今おっしゃったように、あるいは私が申し上げましたように、消費生活用製品なのではないかと。自動車用部品という自動車からくる部品という考え方もあると思いますけれども、もっと生活に密着した生活用製品なのではないか。  だから、ある程度の基準に合致したものじゃないと、これは先生方嫌がるかもしれませんけれども、だれが見ても運輸省の自の何とか、これがついていればこれはオーケーしているんです。だから販売してもいいし、何とかでという、そういう部分である程度基準よりも、クリアしたものでないと売ってはいけませんという形、それは法律にはこれに適合したものと、こういうふうになっていますけれども、その前の売ってはいけないとか売って何とかという形にはなっていないと思うんで、Sマーク製品というか特定製品的な考え方があっていいのではないでしょうかと。それで、首つり事故などというのもあると。それは、自動車用部品というか、そういう部分ではクリアできない部分があるんで、そういう視点も持っていただければありがたいのではないかというふうなことを申し上げたつもりでございます。
  29. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 今の点でございますけれども、関連して、日本の道路運送車両の保安基準等によりますと、別に取り扱いの説明書をつけなくてもいいですよと、こうなっているんですね。アメリカあるいはヨーロッパでは当然もうすっかりその辺の規定がありますし、また素材等について玩具の毒性に関する基準もそういうシートベルトに適用になっておりまして、この点の整備が大前提になきゃいけないと私は考えておるところでございます。  次に、普及への方策でございますけれども、私は、例えば法律で義務づければいいんだと、そういう話ではなくして、例えば事故が起こった場合、賠償責任とかいろいろありますけれども、そういう過失相殺で見ていくとか、そういうことの方が、あるいは保険金の支払いの基準チャイルドシートをやっているかどうか、こういうことも要素に含めれば随分また普及へ大きなインセンティブになるんではないかというふうに思っております。  また、結構高いものです、現時点において。そして、二台、三台と買わなきゃいけない、あるいは体の成長に合わせて買いかえが必要になってくる、そういうことを考えますと、例えばその買った費用について所得を控除するとか、あるいは補助金を出してあげる、リサイクルという話もありましたけれども、そういうような手だてもあった方がもっと普及しやすくなるんではないかと思いますが、岩越参考人、また島野参考人、いかがでしょうか、普及について。
  30. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 金銭的にはおっしゃるとおりだと思います。  ただし、価格が非常に高いという話がいっぱい出てくるんですけれども、私ども調査では、一万円を切るものから十万円を超えるものまでたくさんございます。それはすべて運輸省の装置型式指定を受けているものでございまして、あとは機能の違いで、土台がありまして、その上のシートがくるっと回るとか、そういう機能がついている違いで価格の違いが出てくるということもございますので、ユーザーがきちんとした商品知識を持てば、金額としては非常に高いと私も思いますけれども、買えないものではないんじゃないかというふうに思います。  したがいまして、先生おっしゃいますように、それにさらにそういう税制の優遇策とかございますれば非常にいい結果になるんじゃないかというふうに思います。
  31. 島野康

    参考人島野康君) 先ほどの道路運送車両法では取り扱い説明書云々というのがございましたけれども、やはりPL法平成七年の七月一日から施行されまして、それ以降、例えばバックル金具によるやけど事故というのは結構あったんですけれども、こういうものも、メーカー自身でそれをコーティングするなりなんなりして、ほとんどありません。だから、そういうことで、取り扱い説明書あるいは本体表示というのが大分一時よりもよくなっている。それはもうメーカー責任として結構やっています。  だから、あとはどういうふうに選ぶか。孫ができたからおじいちゃん、おばあちゃんが高いのを買ってあげてそれがつかなかったなんというようなものじゃなくて、もう少し選びやすいという形に適合性、先ほど岩越参考人がおっしゃいましたけれども、そういう適合性なんかの問題が今後もう少し普及啓発されるといいのではないかというふうに思っております。
  32. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 値段につきましては、例えばミッキーとかそういう子供の興味を引くようなものをつけたり、そういうことで値段が高くなっていたりしますけれども、実際メーカーは子供用のベッドといいますか乳母車メーカーが中心になっていると思うんです。やはりこの辺を考えると、もっと自動車工学に基づいたしっかりしたものをつくらなきゃいけないと私は思っております。  だんだん持ち時間が減ってきましたけれども、あとカーナビ携帯電話でございますけれども、本来これはわき見運転はしちゃいけないと。当たり前の話で、これは道交法上書いてあるわけですね、安全運転義務。だから、カーナビを注視しちゃいけない、これは当然のことであって、改めて私は規定を設ける必然性が余りないんではないかと思いますが、岩越参考人、いかがでしょうか。
  33. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) ちょっと記憶がはっきりしておりませんけれども、前にドライバーのわき見の意識について調査したことがございますけれども、車内のわき見はわき見じゃないというふうに考えるドライバーが非常に多いんですね。運転していて外側の何かに気がいって見ちゃうというのをわき見だというふうに見ている人も多いようでございますから、車内のわき見というのに罪の意識というものを持たないドライバーが多いもので、そういう意味で、それを区別するという意味では有効ではないかなというふうに思います。
  34. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 最後に、免許取得者教育云々ということで鈴木参考人にお尋ねいたします。  いろいろ認定制度の目的というかねらいというものを先ほどおっしゃられましたけれども、山下先生もお聞きしておりましたけれども、どうもよくわからないんですね。広く普及するとか教育水準の向上、あるいは安心して受講できる。この認定制度と因果関係が本当にあるのかどうか。ねらいと手段が乖離しているのではないかと私は思うんです。  人によっては、要するに教習所業界としてのお客の確保ではないかと言う人もおられますし、さらに口が悪い人は、警察の天下り先の確保じゃないのかと言う方もいらっしゃるわけです。非常に何というかよくわからないわけです。  この認定基準というのは、鈴木参考人のお考えでは、例えばその認定の範囲には受講料まで入る予定でお考えでしょうか。
  35. 鈴木邦芳

    参考人鈴木邦芳君) 大変多岐にわたる御質問でありますが、まず最後の認定基準でありますけれども、私どもが聞いております限りでは、従来、私どもあるいは指定自動車教習所に限らず、いろんな施設をもって既存の運転免許を保有している者に対する教習、この中で、ある程度の指導者がおってある程度の教育をやっているものが認定基準になるというふうに聞いておりますが、この認定の具体的な基準はこれから決まると思いますが、極めて厳しい基準だというふうには聞いておりません。  今申し上げましたように、指導者がおって施設があって、ある程度の教習をしているものは認定されるという意味で、この基準そのものはそういう形で認定になるわけでありますが、そのときに教習料金というものは、もちろん今現在の初心運転者の教習も自由料金でありますが、講習料もまた教習所において任意に決定するというふうに聞いております。  と申しますのは、話がちょっと長くなりますが、先ほど申し上げましたように、実は教習所へ入ってくる既存の運転免許証を保有している方というのは非常にいろんな差がございます。大変に運転がお上手で、あしたからすぐに街頭へ出て運転をしても支障ないような人と、それから運転免許を取ったけれども二十年間全く運転していないというある意味で白紙の人とおられまして、その中にいろんな運転能力自動車運転頻度の方がおられますので、その相手に応じた教育をするという必要がございますので教習料金もなかなか決めにくいと思いますが、基準によって決められるというものではないということであります。料金は、そういう意味では自由であるということであります。  それからもう一つは、ねらいと手段の関係でお話がございましたが、今現在も教習をやっておるので、それはそれで効果は上がっておるということはそのとおりでありますが、この制度ができますと、さらに教習効果が上がるということは間違いありません。それは、今申し上げましたように、この制度ができたことによって、制度そのものが発足したことによって、関係者が非常に一生懸命研究をし体系化した教習をしようというふうに努力いたしますし、同時に、それがPRされることによって、そういう制度ができたならばおれも実行しようということで、新しくこの教習に参加をしてくる人も必ずふえると思います。それと相まって、私どもは極めて効果が大きい制度であるというふうに理解しているところであります。
  36. 魚住裕一郎

    魚住裕一郎君 終わります。
  37. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。チャイルドシートのことに関して幾つか教えていただきたいと思って質問をいたします。  チャイルドシートが売り出されて約二十年と言われておりまして、私も、自分が子育てをしているときにはちょうどそういうものを利用できなくて、保育園の送り迎えなんかでも、新生児から車で移動したものですから、本当に冷やっとしたことが何度もありました。ですから、そういった意味でもチャイルドシート、ベビーシートやジュニアシートが法制化されるというのは大歓迎なんですけれども、先ほどからもお話がありましたように、幾つかの問題点があるのではないかということで伺いたいと思います。  まず第一は、安全の問題なんです。参考人の皆さんの関係資料というのでいろいろいただいたり、先ほどのお話にもあったんですけれどもチャイルドシートをしていても、またしていたから事故に遭ったというようなお話を伺って、後で伺いますが、取りつけなんかの問題もあるのでしょうけれどもチャイルドシートそのものの素材や形状とか、あるいは先ほどからありました、消費生活用製品安全法でいうと本来はこうあるべきなんだけれども道路運送車両法の規制で実際にはそうなっていないというのも伺っているんです。実際に緊急時の圧迫ぐあいだとか耐衝撃性というのがどういうところまで考慮されているのか。それから、外国の輸入品もたくさんあるんですけれども、そういう面で国産と外国で違いがあるのかどうか。それから、メンテナンスとか品質保証は実際にはどうなっているのか、まず岩越さんと島野さんに教えていただきたいと思います。
  38. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 国産と外国のものの違いという御質問が一個ございましたけれども、ヨーロッパの安全基準もアメリカの安全基準も日本の安全基準も、時速五十キロの衝突を対象にしている点では変わっていないと思います。したがいまして、基礎的な部分での安全性能というものはほとんど違いがないというふうに思いますけれども、ヨーロッパのものを見ますと非常に使いやすい形になっているものがある。これは自動車メーカーと一体になって開発しているものがありまして、そういう形ですとやはり自動車の衝突安全の方から思想が入ってきてチャイルドシートがあるという形になりますから、衝突時に対する考え方がきちんとできているものが出てくるということでございまして、安全の機能がはっきりしているという形のものが多く見受けられます。  それでは日本のものがだめかと申しますと、日本のものの中でも、私どもがこの間装着テストをやったと先ほど申しましたけれども、二分でついてしまう種類のものもあるんですね。お母さんがやって二分で簡単についてしまうものもある。一方では二十七分四十五秒もかかってしまったものもあるということでございます。したがいまして、やはりユーザー試し自分でつけられる環境があればそういった製品に関しては自然淘汰されていくんだろうな、それはやはり市場の原理に任せるべきだろうなというふうに思っております。
  39. 島野康

    参考人島野康君) 特段ないんですけれども
  40. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 先ほども出ていたんですが、値段のことなんかで実際には買うのをちゅうちょするというのも私よく聞くんですよ。せんだって、幾つかのお店でチャイルドシートが幾らぐらいかというのを見に行ってきました。とりわけ、新生児から使えるというベビーシートが置いてないお店も結構ありまして、新生児からもうちょっと大きいところまでずっと使えるというのはあるんですけれども、それはみんな六万円を超していました。私の孫が生まれまして、息子のいとこたちがみんなで買ってくれたんですが、それも新生児から大きくなるまでのなんですが、やっぱり四万円ちょっとのものなんです。そういうように非常に高い。  小さいころからの習慣性が必要だということなんですけれども、さっきのお話ですと、非常に廉価なものもあるというふうに伺っているんですが、特に自分でいろんなことができない子供を乗せるものですから、そういう場合に実際には何を基準に選んだらいいのかというので、先ほどマークのことをいろいろとおっしゃっていましたけれども、そういうのは今選びやすいようになっているのかどうか。  それから、さっき島野さんの方からなかなか装着が難しいというお話もあったんですが、値段によってそういうのがあるのかどうか。  それから、消費生活用品としての視点をというふうにおっしゃいまして、乳幼児用のベッドではそういうのがあるということなんですが、乳幼児用ベッドですと買う人もありますけれども、私も三人目の子供のときはレンタルを使ったんです。こういうチャイルドシートなんかでも、そういう高いものでしたら当然レンタル利用したいという意見があると思うんですけれども、そういう観点ではどういうふうにお考えなのかを教えていただきたいと思います。
  41. 島野康

    参考人島野康君) マークのお話ですけれども、今は運輸省認定マークといいますか、先ほどのJISマークもあるし、そういうマークは幾つかというかほとんど日本のは扱っていると思います。ただ、私が申し上げたいのは、そういう消費生活用製品的な観点のマークではないので、今度運輸省認定マークをつける場合には、そういう消費生活用製品安全法のような視点も必要なのではないかということを申し上げているわけです。  それから、コストというか、値段によって装着の仕方がいいか悪いか、あるいは衝撃力に強さ弱さがあるかというようなことは、我々の方で四歳ぐらいまでが使うのをテストしたことがございますが、衝撃については、ここで基準がある五十キロで正面ぶつけてという部分については全く問題ありません。ただ、途中の背板が外れたりあるいはバックルが解離しにくくなってしまったり、そういうことはありましたけれども、特にそんなにえらい差があるということはなかったと思います。
  42. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 ありがとうございました。  安全性の問題で、チャイルドシートそのものの安全性は、きちんと装着をしないと実際には効果期待できないというのが何度も言われているんです。  そこで、二つ目に教えていただきたいのです。今アンカーナットとかチャイルドシート固定機能つきのシートベルトというのは輸出車には標準装備だというふうに聞いていますけれども、国内ではそうではないという部分もあるそうなんです。従来の販売車でどの程度に今なっているのか。実際に買ってつけようと思ったときにそれがつかないということになると非常に困るわけです。先ほど、つく車とつかない車とあるということで、私も運輸省の方の自動車を見ましたけれども、実際につかない車もあります。そういう場合は、ユーザーとしてはどういうことが考えられるのか。  それから、さっきちょっとISOFIX方式のお話も出ましたが、これですと今言っているつかないというのがなくなるので非常にいいのですけれども、実際には日本でいうとこれからですね。そうしますと、このISOFIX方式がスタンダードになる前には、どういうふうにしたら法で義務化されたときにスムーズにいくとお考えなのか、ちょっと教えていただきたいのですが。
  43. 島野康

    参考人島野康君) どのぐらいの車にどのくらい普及されているのかというのはまた岩越先生の方からお答えしていただきたいと思いますけれども、装着の話をいたしますと、例えば死亡事故を起こしたのはダッシュボードに頭部をぶつけてというのも、説明書がかなり不完全だったんですね。  ただ、この効果期待するのは非常に使用者側の寄与するところが大なんです。キーワードが、きちっと固定するというふうに申し上げましたけれども固定しないとだめなんです。私たちが余り言い過ぎているのかと思いますけれども、難しい難しいと言うけれども、何回かやればかなりお母さんでもつけられるようになるわけです。  ただ、おっしゃるように、こちらの車こちらの車ではだめだというと、日本の家庭では、例えばスポーツカーを持っていればスポーツカーしか持っていないとか、あるいは軽四輪しか持っていない。軽四輪を持っていたらそれで家族じゅうでどこかに旅行に行くとか、そういう何台も持てるという環境には特に東京なんかはないと思うんです。そうすると、スポーツタイプのものですとつかないとか、そういうようなのはどうしても出てきてしまいます。  ただ、おっしゃるように、私はISOFIXみたいな形にだんだんなればいいとは思いますけれども、標準装備するというのが必ずしもどうかなと。例えばこれはこのくらいお金がかかる、コストが高くなる。ではこっちだったら選べるじゃないかという、選ぶ方で、オプションなりでできるような形の方がいいのではないかというふうに私は思います。
  44. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) チャイルドシート固定機能つきシートベルトの件ですけれども、これに関しましては、運輸省と自動車事故対策センターが発表しています「自動車安全情報」という、(資料を示す)もう五年ぐらいになる衝突安全性能を出しているものですが、これにリストが出ておりまして、ちょっとざっと今見たのですけれども、六〇%から七〇%ぐらいの乗用車に関してはその機能がついてございます。  ただし、その機能理解しているユーザーがどれだけいるかというと、かなり疑問がございます。車の取り扱い説明書には必ず書いてございますので、それをよく読んで使えば非常にいい機能でして、これは一度シートベルトを全部取り出しまして、それでチャイルドシートをつけてそれを巻き戻していくとそのたびに固定していくというようなシステムになっておりますので、非常につけやすいシステムですから、ぜひ利用していただきたいなというふうに思っておるということでございます。
  45. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 説明書というのですか、使用者に対する教育というのですか、啓蒙活動が現時点では非常に大事なんじゃないかなというふうに今のお答えで思います。  私は愛知県に住んでおりまして、愛知県はチャイルドシート着用率全国一を目指してというキャンペーンを平成七年からやっておりまして、そこで体験的なチャイルドシートそれからジュニアシートの無料貸し出しとかそういうのをやって、その結果のモニターのアンケートなんかもしているんです。それを見ますと、そういうふうにキャンペーンをしていても、着用させるというのは二七・七%で非常に低いわけです。愛知県では、母子手帳で添付書類としていろいろあります、低体重児の。こういうのにもチャイルドシートを用意しましょうというので宣伝をしているんですけれども、実際には普及というのはなかなか難しいというふうな感じを持っております。  これは島野さんと岩越さんに伺いたいんですが、こういう宣伝をやっているのが警察の窓口とか市役所とか保育園、幼稚園であるのですけれども効果的なやり方は、どういうふうにしたらシートベルトをつけるのが必要であり、またこういうふうにすればつけられるという啓発ができるのか。今まで特にJAFではいろんな特集なんかもやっていらしたのですが、どんな意見が寄せられているのかちょっと教えていただきたいですし、国民生活センターでは苦情が多いんでしょうけれども、その中で、こういうふうなところでやれば啓発が効果的ではないかというのがもしありましたら教えていただきたいと思います。
  46. 島野康

    参考人島野康君) 全国に消費生活センターというのは三百八十一カ所ございます。各戸配布のものなんかをやっておりますけれども、そういったところにはもちろんどんどん普及啓発的なことをやらないといけないと思いますけれども、やはり私は保健所とか病院とか──アメリカなんかですと産院から退院する際にベビーシートをしていないと退院させないというぐらい強い指導をするお医者さんあるいは病院もあるというふうに聞きます。ですから、やはり新生児のうちからというか、病院とかそういったところからの一言というのは非常によく効くものだと思うんです。あるいは、行政からこうですよああですよといっても残念ながらなかなかという部分がなくはないところがありますので、保健所というと必ず何カ月健診なんて来るわけです。そういったところからの指導あるいは病院からの指導というようなことが、こういうものについては非常に効果的なのではないかというふうに思います。
  47. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) チャイルドシートの記事は「ジャフメイト」もことしは連続して出しているんですけれども、それぞれのテーマがございまして出しています。最初の段階では、チャイルドシートが必要だということをキャンペーンいたしまして方法論に関しては何も述べなかったんですが、ことしに入りまして義務化ということが出てきましたのでチャイルドシートを選びなさいという形で記事を今つくっているところなんです。選ぶというのは、体に合わせて選ぶということと、チャイルドシートを置く場所を選びなさいということを主眼にした記事づくりをしておりまして、それは単に方法論を述べるというよりは、やはり子供の安全を守りましょうということを主眼に置いたページづくりなんです。  ただ、日本の場合とヨーロッパの場合を比較してみますと、スウェーデンがチャイルドシート義務化をするために使ったポスターというのをごらんになったことがあるかと思いますけれども子供の顔面が割れたポスターを出すんです。それを街角に張るんですね。子供の顔面が血だらけになったのを出しまして、僕は学校に行くだけだったんだけれどもというコメントがついているポスターが出たことがあるんですが、そこまでシリアスなもので訴えかけていく。その隣にお父さんではないんですけれども大人の顔が割れたものもついておりまして、それはシートベルトをしていなかったからこういうことになってしまったんだというようなことを訴えていくんですね。  そういう社会的なコンセンサスが日本にあるのかということがこういうキャンペーンがうまくいくかどうかの分かれ目のような気がしているんですけれども、その方法がいいとか悪いとかいうことではないんですが、実際に事故というものが非常に悲惨だということをわからせる方法というのが一番効果的かなというふうに私は思います。
  48. 八田ひろ子

    八田ひろ子君 産院から退院するときが重要だというのは、いただいた資料の中でも、退院のときに着用してきた人は八八%がその後使用していて、そうでない方は五割台ということで非常に重要だと思います。しかし実際には、さっき申し上げたように、ベビーシートが非常に高いということとか、どういうふうに自分の車に合ったのが買えるかというので、日本でも実験でこういうレンタルなんかもあっせんしているというのがあるんです。  最後に、最初のときにリサイクルとかそういうものよりもまず考えるべきことがあるという御意見もあったんですが、高価格や省資源という観点からでもリサイクルレンタルなんかは行政が責任を持ってやるべきだと私は思うんですけれども、そういう面での問題点をどうお考えなのか。それから、高いものに対する援助というのは、補助金も無論大事だと思いますけれども、実際にどういう意見が寄せられているのか。このアンケートを見ると、非常に高いとか短期間しか使わないのでもったいないとかという意見もありますので、さっき言われた社会的なコンセンサスをつくるための宣伝も、ショッキングなお話もあったんですけれども、そういうのも必要でしょうけれども、行政に何を一番お求めになっているのか、またユーザーから求められているのかを教えていただきたいと思います。
  49. 島野康

    参考人島野康君) リサイクルとかレンタルとかというのは、こういう時代ですから特に大切だと思います。それと、これは岩越参考人が最初の安全性についてのときにレンタルリサイクルについて、耐用年数だとかあるいは事故歴だとか、そういったものをきちっと把握した上でと。だから、リサイクルをする際に、そのリサイクルをする主体、行政になるかショップになるかわかりませんけれども、そういったところがかなり責任のあるところでないとなかなか。  私もこれについて、かなり大きいものですから、島野なんかはどんどん着用の方に大賛成賛成と言うけれども、例えばごみの問題を考えたら、あれをどこに捨てたらいいものだろうというようなことを言われたときにちょっと詰まったことがあります。やはりリサイクルという形でやっていく、あるいは行政がどう絡むか。  行政は、例えば自転車のリサイクルなんかにしても結構していると思いますけれども、その製品がどれだけ安全性を確保できるかといったところをまずチェックしてリサイクルに関与してもらいたい。それは最初から、おっしゃるように十二万だとか、それが何人もいたりすると大変な出費になります、四万でも何でもそうですけれども。そんなところで行政が、消費生活センターだとかそういったところを中心に、そういうものもレンタルをしたりあれもしますよみたいな形でやれると望ましいのではないかというような気がいたしております。
  50. 岩瀬良三

    ○岩瀬良三君 無所属の岩瀬でございます。数点お伺いいたしたいと存じます。  初めに島野参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、先ほど来お話の中にも出てまいりましたし、また参考人からのお話の中にもありましたけれども苦情相談の内容をいろいろ網羅していただいたわけでございます。普通は苦情といった場合に買ったお店に一番行くんですけれども、消費生活センターまたは国民生活センターの方へ言われてくるということはまたその次の次元の問題だろうと思うんです。  そういう点で、どういう点が一番苦情としてチャイルドシートについては言われてきているのかというような点をお話しいただければと思うんです。
  51. 島野康

    参考人島野康君) 先生おっしゃるとおり、買ったところとかメーカーに行くのが大多数なんですね。国民生活センターだとか消費生活センターというところへの苦情の申し出率というのは、不満があったあるいは苦情がある人の残念ながら三%ぐらいしかないわけです。  ただ、二次的な要求といいますか、例えば大きい金額なんかになりますと、多額被害と言いますけれども、例えば過失相殺をどう考えるかとか、そういった点はかなり難しいわけです。あるいはメーカー側がなかなかそれには応じない。あなたの誤使用でしょう、つまりミスユースというのはいつの時代でも最大の抗弁でありまして、そういう部分でなかなか話し合いがつかないといったときに二次的に国民生活センターだとか消費生活センターに行くのが多いかと思います。どんな苦情かというのは先ほど申し上げました。  今までに相談を含めて苦情というのは、国民生活センターにインプットされているのは三百万件以上あるわけでございますが、その中でこの種の苦情苦情というか相談も含めてですけれども、価格が高いなんというのも含めて百件ちょっとぐらいです。ただ、危害とかあるいは品質だとか適合性にかかわる問題とか表示とかというものは五十件ちょっとというぐらいですから、そんなに多いものではございません。
  52. 岩瀬良三

    ○岩瀬良三君 それから、岩越参考人の方にお願いしたいんです。  今もお話の中に出ましたけれども、このチャイルドシートを正確につけておけばいいんだろうけれども使用が多いということなんですが、私はつけたことはございませんけれども、お母さん方がちゃっちゃとやっているのを見ているんですけれども、そんなに間違ったとかつけ損なったとかというような感じは私は持たないんです。現実問題としては誤使用はかなりあるんでしょうか。
  53. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 数は少ないのですが、私どもが去年の五月に二十六台ちょっと運転トレーニングをやったときに集まっていただいたお母さん方、お父さん方の車をチェックさせていただいたことがあるんですが、きちんとついていたのはわずか一台でございまして、あと一台ぐらいはただ置いてあるだけというようなものもございます。当時は、去年の時点でございますから、まだそういう意識が多少希薄だったかもしれませんけれども、そういう事態がございます。  それと、シートベルトを使ってつけるときにロッキングクリップという金具が必ずついてはいるんですが、それをつけないでつけちゃうとかそういうものは無数にあるようでございます。ロッキングクリップをシートベルトに通すのが非常にかたくてちょっとつらい作業でございますので、なくてもいいだろうというのでやっちゃうというようなことがあります。それは、チャイルドシートの座面の部分を車のシートの座面に圧着すれば形としては一応固定したことになるんです、背中側の問題を除いて。だから、それが確認できちゃうとそこで大丈夫だというふうに考えられるんですが、ロッキングクリップで固めないとだめなものが固まらないでそのまま浮いた状態でついてますから、何かあればちょっと前に倒れてしまうことが容易に想像できるということでございます。
  54. 岩瀬良三

    ○岩瀬良三君 岩越参考人の書かれた参考資料の中にもそういうような記述を見せていただいたわけですけれども、結局考えますとお母さん方は子供さんを連れていくとなかなか忙しいんです。ですから、そうなってくると簡便さというのが一番求められてくるんじゃないか。安全であるとともに簡単にできないチャイルドシートというのは一番用を足していないわけですから、これは問題だろうというふうに思うわけです。  岩越参考人の方にお伺いしたいんですけれども、今までユーザー消費者の方のことをいろいろ言われていたんですが、メーカーに対して、これは役所の方がいればいいんですけれどもちょっといませんので、非常に「ジャフメイト」というようなたくさんの部数も出しておられるところの方、いろんなケースがそこに集まってくると思うんですが、そういうメーカーに対しての要望とか啓発とかというような点についてはどう考えておられましょうか。
  55. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 先ほども申し上げたと思いますけれどもチャイルドシートメーカーは二種類に分かれると思うんです。ベビー用品の方からつくられているチャイルドシートメーカーとそれからシートベルトを中心としてずっとやってきているメーカーと二種類ございまして、それぞれやはりつくっていく思想が違います。その思想の違いに関して何かを申し入れするとかということは、JAFメイト社としてはしたことはございません。やはりいろいろなお考えでいろんな商品が出てきた方が、仮に多少つけにくくても安全につく方法があればそれにこしたことはないというふうに思いますし、ユーザーの選択も必ずしも、簡便で安全であればもちろんよろしいんですけれども、やはりきちっと動かない、固定する形でつけられるものが選べる環境がたくさんあった方がいいのではないかというふうに私は思います。
  56. 岩瀬良三

    ○岩瀬良三君 先ほど来のお話にも出てまいりましたけれども、衝突や何かのあれでは保安基準というふうなものがあって、それに合わせていろんなものができているわけですけれどもチャイルドシートについてはまだそういうものというのは私余りよく知らないんです。保安基準的なチャイルドシート基準、それは同じものじゃないと思うんですけれども、そういうものは外国でもなされているというふうに、この間ちょっとアメリカのクリントン大統領が基準を出したというようなことがあるようですけれども、そういう基準を日本でもつくっていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思うわけです。それとともに、メーカーの方ももっと努力すべきじゃないか、そういう安全性について。我が社の製品はこうだよということの安全性もやっていかなきゃいけないんじゃないかという両方の考えを持っているんですけれども、そこら辺でどうでしょうか、岩越参考人の方に。
  57. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 安全性とおっしゃっておられる基準のことですが、日本の場合は、運輸省が決めている、道路運送車両法装置型式指定によって担保されている形になっていますので、それで先ほど来申し上げていますような五十キロの衝突のときに三歳児のダミーを乗せた三歳児の頭部の加速度が幾つであるとか胸の加速度が幾つであるとかということが数字としては決められておりまして、それをクリアしているということは、一応その事故の衝突、五十キロというと低いようにも感じる部分があるんですが、基本的な衝突速度で考えますとほとんどカバーする速度でございますから、したがいまして、それが緩いというようなことにはならないのではないかというふうに思います。  外国も速度に関しては、ヨーロッパもアメリカも同じ基準テストをしております。ただし、ヨーロッパの場合は多少そのチェック項目が多いというふうに聞いております。
  58. 岩瀬良三

    ○岩瀬良三君 いろいろな保安基準があるようですけれども。  それともう一つ、日本の場合は何か事故を起こしますと、個人名は別にして、だれだれが事故を起こしたということでドライバーの責任になっていってしまう傾向が私はあるように思うんですけれども、そういうときの道路環境とか車の性能と申しますか、そういうようなものも入ってくるんじゃないかな、一つ事故についてはドライバーだけの責任じゃないんじゃないかなというふうに思っておるわけです。子供の点についてはなおさらそれを深くするんですけれども、ちょっと話がそっちの方へ行ってしまいましたけれども、そういう点ではいかがでございましょうか。
  59. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 事故の責任といいますか、日本の場合に、事故の形を調査する機関、事故分析センターというのがたしか五年か六年前からできておりまして、その調査によりまして事故の形が大分明らかになっている点もございます。したがいまして、チャイルドシートという新しい枠組みの保護装置が車の中につけられたわけですから、きちっとした形で事故分析をしていく、それを匿名の形でやっていきまして、その事故の責任、つまりチャイルドシートの安全性がいかに保たれていたのかどうかというところまできちんと踏み込んで調査をしていくという体制をつくっていく必要はあるかというふうに思います。
  60. 岩瀬良三

    ○岩瀬良三君 それでは、ちょっとチャイルドシートから変えて、携帯電話カーナビの方へ入らせていただきます。  いろいろ規制が今度できるわけですけれども、いろんな資料を見ますと、危険な目に遭遇する予感があるというようなことで、確かにそのとおりだろうと思うわけでございます。  ただ、携帯電話にしろカーナビにしろ、今後またいろいろ使われていくものだろうというふうに思うわけですけれどもカーナビの点でいきますと、先ほど来話がありましたように、交通をしていく上での参考として発達してきたというような経緯から見ると、これを見ないというのもちょっとと思うし、余りこれを見ていると事故が起きるというようなことだろうと思うんです。  これらについて、外国などではどのような取り扱いにしているんでしょうか。こういう点がおわかりになれば、岩越参考人にちょっとお願いしたいと思います。
  61. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 正式に調べたわけではないので正確なお答えができるかどうかわかりませんけれども、アメリカの一部の州では携帯電話のドライブ中の使用を禁止したということをニュースとして私は記憶しております。基本的に、こういう情報端末を持った形で、意識もそちらに集中するようなもので運転するというのはどう考えても危険なことでございますから、何らかの抑制措置は必要かというふうに思います。
  62. 岩瀬良三

    ○岩瀬良三君 それから、たまたまきょうの日経を見ていましたら、「携帯電話に文字情報提供」というようなことが出ておりまして、文字情報を入れるとなると余計これを見るような形になっていくわけなので、これを規制しながら、こういう一つの発達もまた必要なことであるわけでございまして、なかなか難しいなというふうに思うわけでございます。一般的に禁止するというのもおかしな話であろうかと思うし、見ている見ないでいるという判断をどこでつけるのか、こういう点もあるんですけれども、危険なことは確かだろうというふうに思うわけです。  こういう点で、岩越参考人の方へばかり行ってしまっている傾向がありますけれども携帯電話についての今後の利用方法、こういうものについてお考えをいただきたいと思います。
  63. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 携帯電話カーナビというのは情報端末としては非常に便利なものでございます。例えばカーナビで考えますと、国のスマートウエー構想などを見ますと、今後もカーナビドライバー側への情報端末として多機能化してもっと進化した形のものが使われることは容易に想像できますので、その発展の部分と危険の部分の割合でどう整合性を持たせるかということでございます。  一つ考え方としては、例えばドライブ、走り出したら見せないような仕組みというのは、今、自動車工業会が自主規制で出している機能がございますけれども、そういうものに特化していくというような考え方もあるかというふうには思います。
  64. 岩瀬良三

    ○岩瀬良三君 それでは、鈴木参考人にお伺いします。  認定制度は私も賛成なんですけれども、ちょっとそのもろもろについてというよりも感想的に申し上げさせていただきたいと思うんです。  年齢が非常に高くなっても免許は取得したままであるわけです。そうしますと、この間たまたま会合をやりましたら、遠くの方から親しい人が来てくれたんですけれども、その人のお年がたしか九十歳近くなんです。お丈夫な方なんです。お丈夫な方なんですけれども、田舎なものですから、話をしているうちに、何で来たかと、車で来たというのが話の中に出まして、私もちょっとびっくりしたんです。  元気な方なんですけれども、高年齢になってまいりますといろんな機能がだんだん衰えることは確かなんです。認定制度だけじゃなかなか補えないのじゃないかと思うんですけれども、講習をやっておられる方の立場から見ますと、これはどういうものでございましょうか。ちょっとお考えをいただきたいと思います。
  65. 鈴木邦芳

    参考人鈴木邦芳君) 高齢化社会ということが言われますけれども、お年を召しても非常に元気な方が多くて、そして車の運転を高齢になってもやっておられるという方が大変多いわけであります。  御案内のように、昨年から七十五歳以上の方で運転免許を更新される方は一定の講習を受けるということで、指定自動車教習所においてもその委託を受けまして講習をやっておるわけであります。七十五歳以上を過ぎた方が運転免許の更新をするときに教習所に講習に来られるわけでありますが、あくまでもそれは講習が終われば、試験をやるわけじゃありませんので、その結果、あなたは運転能力が非常に低いのでやめなさいということは言わない制度でありますから、講習を受けてもらうというだけであります。  ただ、この講習が、当初七十五歳以上の方々にとっては、一定の試験があって、その試験にパスしなければ免許の更新がしてもらえないのではないかという誤解があったようでありますが、教習所に来られて一定の講習を受けて、免許はそこで当然更新できるわけでありますので、その意味でその懸念はないわけでありますが、自分の体力の低下というものを十分認識してもらうというのが目的でもありかなり効果があるというふうに聞いておるところであります。  したがいまして、視力の検査、それから反射機能の検査、こうしたものをいろんな機材を使ってやるわけでありますが、自分の反応能力あるいは動作、こういうものがかなりおくれているということを認識されて、こんなだったのかということでその能力認識して慎重に運転をしてもらうということで目的は達するわけでありますので、そうした形で現実に今は行われておりますし、高齢者の方にとっても大変好評な講習であるというふうに考えております。  ただ、専門家の意見をいろいろ聞きますと、体力あるいは視力というものは六十歳を過ぎるとかなり落ちてくるんだ、だから七十五歳になって初めてその検査をやるだけではちょっと遅いと。特にこれはドイツの学者などが終始私どもにそういう話をされます。  御案内のように、一部府県では、六十五歳以上の方で検査をしたいという方は、任意でありますけれども、その方の要請に応じまして検査あるいは検診をやっております。その費用はもちろん御本人が負担をされるわけでありますが、一部の府県では県の補助も若干ありまして、六十五歳を過ぎて講習を受けるということもございます。  いずれにいたしましても、私どもも承知をしておりますが、八十歳を過ぎた方でも運転をしている方もおられます。したがいまして、今申し上げましたように、自分の体力あるいは視力、反応能力というものがどういう状態であるのかということを認識しながら慎重に運転をしてもらうような講習、こうしたものをやっていきたいというふうに考えております。
  66. 岩瀬良三

    ○岩瀬良三君 ありがとうございました。
  67. 松岡滿壽男

    松岡滿壽男君 参議院の会の松岡滿壽男です。三人の参考人には大変御苦労さまでございます。  まず、チャイルドシート着用法制化の問題でございます。  今回の法案の提出につきましては、一部にはまことに唐突だなという印象を持っている人たちもいますし、同時に、島野参考人岩越参考人はいろいろと今までこの法制化等についての要望をずっと続けてこられたということでありますし、また子供の安全、生命を考えるとこれはやはり一つの当然な方向であろうとは思うんですが、先ほど来の議論のように、非常に高価なものになると十二万も十三万もする、しかし既に法制化を実施している先進国に行けば四、五千円で購入できるとか、あるいはチャイルドシート法制化によって、業者によってはチャイルドシート御殿をこの夏には完成するんだという、週刊誌で見ますとこういう問題につきもののそういう嫌らしい話もあるわけです。  それで、お二人にちょっとお伺いしたいのは、こういうものを法制化せいという民間の運動がどの程度の盛り上がりが過去実績としてあって行われたのかという様子が私どもちょっとわかりませんので、その点の問題をちょっとお伺いしたいと思います。
  68. 島野康

    参考人島野康君) このチャイルドシート法制化してほしいという例えば消費者団体からの要望とか、そういった形のものは私も聞いておりません。例えば、PL法をつくってほしいといったときには物すごい陳情も恐らくしたと思いますけれども、そういったことは余りないのではないかと思います。  ただ、いろんな面では、例えばもうこれは法制化すべきではないかというようなアンケートなんかをすると、皆さんもそうだなというふうなものがありますし、特にこの問題が発表になってからマスコミの取材というのは物すごい、物すごいというか数が多いものがあります。  ですから、こういう形でやると、やっぱり待っていたなという気は非常に業務の中ではしておるところであります。
  69. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 法制化に関して賛成であるか反対であるかというようなアンケートはやっておりませんのでお答えはちょっとできませんけれども、私ども雑誌をつくっている立場で申し上げますと、非常にアンケートに答えられる数が多くなってまいりました。  というのは、例えばチャイルドシートをつけていて事故に遭われたことはありませんかと、その体験談を募集したりしておるんですけれども、非常に数がふえてまいりまして、やはりチャイルドシートに対する興味というのが非常に多くなってきているなということがございます。  もう一つ端的なものを挙げますと、ある一人の読者から、チャイルドシートに座らせていると非常に暑くて汗をいっぱいかいてしまうので外してしまったんですよというような手紙を載せたことがあるんですが、それに対して百二十通ぐらい手紙が参りまして、いろいろな方法を教えてあげるというような盛り上がりを見せておりますので、法制化賛成かどうかわかりませんけれども、興味は非常に高くなっているのではないかというふうに思います。
  70. 松岡滿壽男

    松岡滿壽男君 そういう世論といいましょうか関心が非常に高まっているというお話でございますが、これに至るまでの諸外国のこういう問題に対する、例えば法制化の問題とか、そういういわゆる自動車先進国での扱いの状況等につきましては私どもちょっと知識がないんですけれども、御両人の方でおわかりの範囲につきましてお教えいただきたいと思います。
  71. 島野康

    参考人島野康君) アメリカですと、PLの母国でありまして、何年にどこの州があってなどということまではちょっと頭の中にありませんが、一九八五年だったと思いますけれども、それですともう全州に義務づけているというふうに聞いております。ヨーロッパの方については十分私知っておりませんが、たしか一九八五年、もう昭和六十年には全州にというふうに聞いております。  それから、もしあれでしたら、例えば他国のものが持ってきた資料にはあることはありますけれども、ちょっと頭の中にはありません。
  72. 松岡滿壽男

    松岡滿壽男君 ございましたら、後ほどちょっと拝見させていただきたいと思います。  しかし、今の状況ですと、とにかく固定して用いるということがキーワードだということと、それから実際に、先ほど岩瀬議員の御質問にもお答えになっておられるようですが、このいただきましたレジュメでも、女性モニター七人で装着テストをやったら一人もまともに装着できていないという実績と、先ほどは二十数人で一人ですか、そういうことになると、岩越先生の資料の中のISOFIXですか、こういうものができぬと、結局形だけ法制化して、つけておらぬと一点減点しますよという話をしても、これはどうにもならぬ状況じゃないかと現実思うんですけれども、その辺はいかがでございましょうか。
  73. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 先ほど七人のモニターテストをお話ししまして、最初につけたときは先ほど申しましたような状況でございます。二回目、三回目となるたびにやはり修練を積みまして確実なつけ方ができるようになりますから、それはやはり情報をきちんと与えることによってそういう問題は解決するんじゃないかというふうに思います。
  74. 松岡滿壽男

    松岡滿壽男君 車というのはある面では非常に危険を伴うわけですし、しかし、最近はもう非常に日本全体が安全に満ち満ちているという幻想の中で、簡単に子供も赤ちゃんも全部自動車にも乗せるし飛行機にも乗せると。これはいいことなのか悪いことなのか。家族で出ていくということはこれはいいことですけれども、まず、よっぽどの必要がなければ子供はやはり危険を伴う車には乗せないというのが一つなければならぬと私は思うんですね。その辺の部分が欠落して、子供たちの事故が多いからかわいそうだからチャイルドシートだけつけようとかいうのでは、どうも配慮が偏っているような気がいたすわけです。  しかし、今回のこのことによって多少家族の中でもそういう反省が起きればそれはそれでいいことだろうと思うんですが、どうも最近の風潮が、そういう危険に対して身構えるという基本がやっぱり民族全体から欠落してきているという感じがいたします。  それで、この前も不審船の問題で私は変なことを言ったんですけれども、不審船を追っかけるのに上から網をかけたらどうだという話をしたんです。私は漁村育ちなものですからすぐそういうことを思い出すんですが、例えばこのチャイルドシートを網でつくるということはできぬのでしょうか、技術的に。網の中にぽんと子供を入れてしまう。  あるいは、けさテレビを見ていましたら、サッチー・ミッチー論争で、サッチーが後部座席の下の、いすより下の段です、そこに横になって脱出をしたようであります。あそこが一番車の中では安全だという話を聞いたことがあるんですけれども、そういうところに逆にボックスで装着する、こういうことはどうなんでしょうか。  ネットの問題と装着の場所で御意見がありましたら。
  75. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 何かお答えありますか。
  76. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 衝突テストをたくさん見ておりますし、それから事故現場で事故の取材も大分やりましたので、今、網とおっしゃっているのはどんな形のことをおっしゃっているのか想像がつきませんけれども、現在、その構造部材としてはやはりかなり堅固なもので車側にきちんと取りつけないと、例えば五十キロ、六十キロのときに子供を安全に守るというような形にはとてもならないのではないかというふうに思います。  それから、間とおっしゃっているのは前席と後席の足元というふうに理解します。基本的にはあそこが一番安全かとおっしゃられると、構造部材が下にレールみたいなものが入っておりますので安全かなというふうには思うんですが、子供もやはり人格がございますから、多少外を見たいとかいうこともありますので、ちょっとそれはかわいそうではないかなというふうに思います。
  77. 松岡滿壽男

    松岡滿壽男君 かわいそうということよりは命の安全の方が大事ですから。あの熟女論争をやっているサッチーも、恥も外聞もなく床に伏せておるわけですし、私自身も、昔交通事故で追突されまして、あのときはやっぱりドーンと下に入り込んだんですよ。それで何とか最小限の被害で済んだわけです。  私自身も、自分運転もしますしカーナビも見ておるんですが、いわゆる無線電話、これについては警察の方は今はイヤホンに切りかえているというような話でありますが、確かにイヤホンに切りかえてもいわゆる意識のわき見というのはあるわけですから、考え事をしながらやる。だから私の場合は、うちの秘書や運転手の人が運転しながらやっているときには、彼らは必ず走行中ですからと言って電話を切るんです。それはもう完全に義務づけていますし、私自身も、後ろの電話でやっていると、運転している人も秘書ですからいろいろ気を使いますから、だから走行中の電話はやっぱり避けた方がいいだろうというふうに私自身は思っております。  それと、カーナビ等につきましては斜め下を見なきゃいかぬという問題がありますが、あれの位置を変えるということによって多少わき見というものが阻止できるものなのかどうなのか。  今申し上げましたように、無線について、イヤホンにすればそれでいいのかという問題と、今のカーナビの位置等につきまして御意見がございましたら、ひとつ伺わせていただきたいと思います。
  78. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 無線のイヤホン化というのは、やはりリスクを少なくするために安全側に振るという考え方で整理すれば、当然手とか目を運転に集中させるという意味で、それの方が安全だというふうに考えます。  それから、カーナビに関しましては位置でございますけれども、今ワンパッケージで車に入っている場合にはちょっと下側になっておりまして、やはり前を見る視線の誘導でいいますと、できればフロントのところに少し出てくるような形で置いてある方がわき見の確率は少なくなる。  それから、もう一つ新しい方法としては、ちょっと名前を忘れてしまったんですけれども運転席の下側にかげろうのように出すシステムも今考えられておりますので、そういう機器的な部分での工夫というのはこれからどんどん出てくるのではないかというふうに思います。
  79. 松岡滿壽男

    松岡滿壽男君 ありがとうございました。  鈴木先生にお伺いしますが、今回の認定運転免許取得者教育の件であります。  確かに今、随分人口も減ってきているし、いろんな面でそういうかつて運転免許を取得したペーパードライバーを再教育するということは大切なことだというふうに思うわけでありますが、先ほど岩瀬先生が言われたお年寄りの問題も一つは非常に気になります。田舎の方の重大事故を見てみますと、案外運転中の心臓麻痺とか脳溢血、それによる自爆とか、多いんですよね、実際は。だから、そういう点での健康管理をどこでどうチェックすればいいのかというのは非常に難しくなってきている。  特にペーパードライバーで女性の場合は、結婚して家庭を持って子育てをやって、何十年も運転していないので遠ざかっている。だけれども、やりたいという気持ちは常に持っている。そういう人たちの再教育をした後、例えば外からわかりやすいように、若葉マークというのは今もありますか、若葉マーク、私はなるべくその後ろにつかないようにはしているんですけれども、今度もこういう認定教育をされて、ペーパードライバーで何十年ぶりかで運転されるという方に対してきちっと表示を考えられるということは、そういう可能性というのはあるんでしょうか。その辺をどのように考えておられるか、御意見があれば伺いたいと思います。
  80. 鈴木邦芳

    参考人鈴木邦芳君) ただいまお話にありましたように、運転免許証を持っている人の再教育というのは非常にいろんなケースがございます。したがいまして、その地域の住民の方の要望に応じていろんな形のものをやっておるわけでありますが、高齢者につきましてもペーパードライバーにつきましても、比較的多いのは、もう一回教育を受けるときには自分運転免許を取得した教習所へ行ってやりたいという方が比較的多いように思います。  そういうものに対応するために、卒業生の呼び戻し教習などという言い方をいたしておりますが、免許を取得して交通社会に出た人を一年後、二年後ぐらいに自分教習所へ呼び戻しまして再教育する、また座談会をやっていろんな御意見を聞くというようなこともやっております。こういうものによりまして、ペーパードライバーあるいは高齢者に対してはある程度の教育ができると思いますし、先ほど申し上げました七十五歳以上につきましては更新時の講習ができるということであります。  ただ、お話のありました、そういうずっと運転をしていないで新たに運転を始める人に対してどういうマークをつけるかということについては、ちょっと私どもは判断をいたしかねるところでありますので、恐縮ではありますが、よろしくお願いしたいと思います。
  81. 松岡滿壽男

    松岡滿壽男君 認定して一応これでいいよということになったら修了証みたいな、何かそういう証明書みたいなものは出るんですか。
  82. 鈴木邦芳

    参考人鈴木邦芳君) これはこれからの問題でありますけれども、現在でも教習所が教習所の所長の名前で、全く私的な文書になるわけですけれども、あなたはうちの教習所の何とか教習を終わりましたということの証明書と申しますか、修了証と申しますか、そうしたものを出しておるわけであります。これはそれぞれの教習所が任意に、ある程度の教習をやって、その講習を受けた人に出すわけでありますから、ある意味で公的な性格ではございませんが、そういう講習修了の文書も出しております。  したがって、これは将来の問題としてそういうものを出す余地というのは残っているだろうというふうに考えます。
  83. 松岡滿壽男

    松岡滿壽男君 ありがとうございました。  終わります。
  84. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 社会民主党の照屋寛徳でございます。  参考人皆様方には大変貴重な御意見を聞かせていただきまして、感謝申し上げます。  最初に島野参考人にお伺いをいたします。関連して岩越参考人からももし御意見があればお伺いをいたしたいと思います。  私はチャイルドシート着用法制化はやむを得ないのかなというふうに思っております。特に反対というわけではありませんが、本来はまさに自己責任というか、そういうことで六歳未満の子供を同乗させる親がきちんと責任を持つべきではないかなというふうに考えるわけでありますが、チャイルドシート着用法制化するに当たって、チャイルドシートそのものの構造上の安全性が確保されないと私はだめではないか、そのことが一番大事だと思います。  いろんな資料を見ますと、またきょう島野参考人が最初の意見陳述の中で述べておりましたが、バックル金具によるやけどの事故がかなり報告されている、苦情がある、こういうお話を聞いてびっくりいたしました。  私は沖縄に住んでおるんですけれども、沖縄は夏なんかもう大変暑いんです。それこそハンドルをきちんとカバーしていないと、しばらく駐車をしておるとハンドルがつかめないぐらい熱いんです。そうすると、チャイルドシートバックル金具によるやけどというのは、沖縄のように亜熱帯の気候、暑いところには余計起こる可能性があるわけです。  そこで島野参考人に、チャイルドシートバックル金具によるやけどの苦情、それはどういう形態の事故だったのか、それから、さていよいよ法制化されるに及んでこのバックル金具の問題というのは今全面的に解決されたのかどうか、そこら辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  85. 島野康

    参考人島野康君) このバックル金具によるやけど事故というのは、全く先生おっしゃるように親の不注意的なところも大分あるんです。放置していたようなところに入ってきて子供にそのままして二度のやけどをさせちゃったとか、そういう事例は幾つかあります。  ただ、こういう事例もありましたよということでここではお示ししましたけれども、先ほど来申し上げているように、PL法救済という面よりも安全性確保機能という形で非常に効果を発揮しているわけであります。ですから、メーカーがこの金具でそういう事故があるということで今度はコーティングしたりなんなりして、もうこの金具でのやけど事故というのは寄せられておりません。全部見ているわけではありませんが、ほとんどそれはなくなっているのではないかというふうに思います。
  86. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 済みません、岩越参考人、もし何か御意見があれば。
  87. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) ちょっと私は事実を把握しておりませんので。
  88. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 そうすると、もうバックル金具によるやけどの事故というのは、コーティングをしたりあるいは金具そのものが別の素材にかえられるとか、そういうことでほとんど解決できた、こういうふうに理解していいんでしょうか。
  89. 島野康

    参考人島野康君) 私たちが苦情の中で把握する限りはそういうふうに改善されているというふうに思います。ただ、先ほどの松岡先生のあれじゃないですけれども、今後いろんなところがこの業界に参入してきたりしますと、そこの部分についてどうなのかと。そういう安全性について、そこまで最初から安全配慮をちゃんと行うかというようなところについてはまだわかりませんけれども、現在のところは余りこういうことの苦情は受け付けてはおりません。
  90. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 岩越参考人にお伺いいたしますが、効果的なチャイルドシートそのものリサイクルシステム化の問題です。  先ほど参考人リサイクルをするに際しての三つの条件を資料でお配りされておりますが、私はこれはもっともな条件だなというふうに考えるわけであります。要は、どうしてもこのリサイクルというのは私は必要になってくると思うんですが、それをどの機関がどういうふうにシステム化をしていくかという、そのシステム化のあり方については岩越参考人はどのように考えておられるのでしょうか。
  91. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) このシステムをつくるのは大変コストのかかることだろうなというふうに思っておりまして、私どものJAF本体の方の宮城支部というところで現実にリサイクルというか再利用を進める方向でやってきている経緯がございまして、その内容を見ますと非常に効果が上がっているなというふうには思うんですが、大変なんです。要するに、クリーニングをしなきゃいけないとか、カバーにしみがついていると利用したいと思っているお母さんも手を出さないとか、そういう意味での人的な苦労が物すごくありまして、考えられている以上に大変な仕事だというふうに思うんです。  したがいまして、どんな組織がやるかということで考えますと、チャイルドシートのメーカーがそこでベネフィットを得るわけですから、それを少し社会還元していただいて、そういう仕組みをつくっていただくというのが一番わかりやすいかなというふうには思います。
  92. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 よくわかりました。  このリサイクルの問題と、岩越参考人が資料で記述をしてございますチャイルドシートそのものの試装着の環境づくり、これが非常に大切であるという御提言をされております。これまで資料を幾つか読みましたけれども、そういう具体的な提言に接するのは私は初めてで、これは非常にすばらしいことだと思いますが、参考人御自身は、そのための仕組みというんでしょうか、どういうふうにやればいいというふうにお考えでしょうか。
  93. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 当初、これから法制化が始まるという段階で考えますと、やはり行政機関の協力の必要があるかなというふうに思います。  つまり、チャイルドシートを売っている環境というのは、デパートと大型スーパーとそれから自動車用品の量販店に非常に多くありまして、例えば銀座のデパートに行ってチャイルドシートを売っていますかと聞きますと、売っていますと言われるんですが、それはベビー用品の売場にありますと言われて行きますと、一社の一点しか置いていないんです。これは選べる環境にはないんですね。銀座のデパートでチャイルドシートを買うかということになりますけれども、デパートの感覚としてはその程度にしか思っていないというふうに考えるべきだろう。  実際にチャイルドシートを選べる環境にあるということで考えますと、自動車用品の量販店に行く。そこはほとんど郊外店が多くて、駐車場も広くございますから、量販店側もそういう備えはしています。備えはしていますが、ただし、つけることを指導することによって責任が生じることについて非常に憶病な状況でございます。それは、まだ形がはっきり決まっておりませんので、例えばそこの店員の人がチャイルドシートを車に取りつけてあげて、これで大丈夫ですよと言ったということが、何か事故のときに責任を問われるのではないかというおそれを感じているということでございます。  そういう部分をやはりきちんと、法律でそこまでできるのかどうかわかりませんけれども、行政が責任を持ってそういう形ではないんだということを言っていただくとか、それからチャイルドシートそのものは物すごくたくさん種類がございまして、自分の車に何が一番どういうふうにつくかということのユーザー情報を持っておりませんので、やはりそれを見て自分でしっかりと試着をするということでございますから、そういう環境をできましたら行政がつくっていただくことが大事かなというふうに思います。
  94. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 それでは次に、島野岩越参考人にお伺いいたします。  先ほど魚住委員から、体の大きさというんでしょうか、年齢的なものじゃなくして体格というんでしょうか、そのお話がありました。あるいはまた子供の数の問題が御指摘ございました。  私もそれを疑問に思っていたわけですが、恐らく普通の形態ですと後部座席に備えつけるというのが多いんだと思うんです。助手席ということも考えられますけれども、最近はエアバッグが助手席に装着された車というのが多いので、やはり基本的には後部座席かな、こういうふうに思うわけですが、六歳未満の子供が三名も四名もおるときに、チャイルドシートそのものはそんなにつけられないと思います。  そこで、この法案が予定をしております「政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。」、政令で幾つかその例外規定というんでしょうか、それを定めることが予想されているわけです。例えば、法文上も「療養上適当でない幼児を乗車させる」場合とか、こういうふうな概念がつくられているわけでありますが、この政令に委託される「やむを得ない理由があるとき」という事例で両参考人はどういった形態を予想しておられるか、御意見があればお聞かせいただきたいと思います。
  95. 島野康

    参考人島野康君) 直接的な答えじゃなくて、各国の、先ほどの松岡先生からの御質問もありまして、今のと何歳以下なんというのがちょっと絡むので、そちらの方を私の方から答えるようにいたします。  簡単に言いますと、アメリカは法律があるかないかというところで、ある、罰則も十ドルから五百ドル、対象年齢は州で異なる、三歳以下や十六、十八歳以下の州もある。カナダは法あり、五歳以下、前席での使用禁止。ドイツ、法あり、これは十二歳以下、四十マルクということです。オーストラリアは法制化しておる。七十から百六十五豪州ドル。七五年にビクトリア州が最初に法制化した。年齢は州で異なっているようでございます。それからイギリスは法制化あり、ここで言うと十三歳以下になっております。二十から百ポンドの罰則、法制化は八九年。先ほどスウェーデンのお話がありましたけれども、これは法制化がある、六歳以下ということであります。最高三百クローネと言っています。法制化が八八年。イタリアも法律あり、九歳以下だそうでございます。法制化は八八年。四歳以下は前席での使用は禁止というふうになります。お隣の韓国は法制化あり、これも六歳未満、高速道路でしていないときでしょうか、二万ウォン、法制化は九二年。シンガポール、法制化あり、これは八歳未満ということで、百二十シンガポール・ドルの罰則が担保されておりまして、法制化は九二年ということで、年齢的には六歳以下というよりももっと高いぐらいになっております。  それから、今度は「政令で定めるやむを得ない理由があるとき」は何かといったときにどんなことを想定するのかということですけれども、ちょっとそれを考えていませんでしたが、先ほど私のちょっと誤解だったのかもしれませんけれども、三人なり五人なりいて、小さい子供だけ家に置いていってしまうというのは、今度はまたそっちの方の事故があったりというのを考えると、後ろの方の座席にチャイルドシートがつけられるだけの人数でして、そのほかは、何といいますか、やむを得ない事情があるというと、じゃ全部いいじゃないかみたいな話になるけれども、その辺のところは、命を守るということとちょっと反しますけれども、少し取り締まりやら何やらというのは緩やかにしてもらうみたいなところがあってもいいのではないかという気がします。理論がちょっと矛盾しますけれども、そのやむを得ない事情というのは考えておりませんので、ちょっと失礼いたします。
  96. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) やむを得ない事情を私も今ちょっと考えてみたんですけれども、ここの政令の方に書かれている内容以外に何かあるかというと、ちょっと想像がつきません。
  97. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 関係省庁に聞きましたら、魚住先生がおっしゃった体格との関係で、六歳未満であってもかなり大きい子はやらぬでもいいというふうなことも政令で考えているという話もありましたので、何かそれ以外にも専門的な立場からあるのかなというふうに思って聞かせていただきました。  それから、先ほど申し上げましたけれども運転席もしくは助手席にエアバッグが装置されている車が大変ふえてまいりました。一方では、乳幼児を同乗させる場合には、どうしても特に母親なんかは、後部座席のチャイルドシートじゃなくしてどちらかというと助手席にチャイルドシートを装着してそれで運転をする、こういうのが私は実態としては多いのではないかというふうに思うわけです。そうすると、岩越参考人、どうなんですか、安全性との関係でいいますと、一律に助手席にはチャイルドシートをつけないというふうに決めた方がいいのか、それとも、何というんでしょうか、その他の、助手席に装着する場合の安全性の確保というのは具体的にはどういう手だてが考えられますか。最後にそれをお聞かせください。
  98. 岩越和紀

    参考人岩越和紀君) 車の衝突事故の分析の結果で見ますと、やはり前方向でぶつかっているのが六割から六割五分ぐらいございますので、その意味で見ますと、やはり衝突側に近い位置は危険だというふうに見るべきだと思うんです。したがいまして後席が安全だという考え方。  それともう一つ、今、先生がおっしゃっていたように、助手席エアバッグがついたことによって、助手席エアバッグの展開力というのは、時速三百キロぐらいの勢いでエアバッグが出てまいりますから、それに幼児が当たったときのことを想像するととてもそれはもたない。それはアメリカの事故例でもかなり発表されまして、やはり助手席には置くべきではないという考え方が出てまいりました。したがいまして、アメリカは、そういう理由が認められるときには自分でスイッチを切ってエアバッグが出ないようなものにするというような仕組みが考えられております。  日本でそういう仕組みを入れるかどうかという問題がございますけれども、入れるとするとちょっと有名無実になってしまうという危険性も感じます。どうしてもツーシーターの車で助手席しかない車に乗せる場合にやむを得ず助手席に乗せなさいというときも、エアバッグがある場合ですけれども、一番後ろに席をスライドさせて安全を確保するという考え方一般的だろうというふうに思います。
  99. 照屋寛徳

    ○照屋寛徳君 終わります。
  100. 小山峰男

    委員長小山峰男君) 以上で参考人方々に対する質疑は終了いたしました。  参考人皆様方一言御礼を申し上げます。  本日は、大変お忙しいところ、貴重な御意見を承り、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十八分散会