○
釜本邦茂君
地域振興の問題の最後として、
スポーツを活用した
町づくりについてお聞きしたいと思います。
一九九三年、アマチュアの
スポーツ団体であった
サッカーが
Jリーグというプロの組織に変わったわけでございます。当初、各
地域で非常に華々しくスタートしたわけでございますけれども、六年たって、いろいろ
経済状況等を踏まえてだんだんと
右肩下がりになってきて、ある
意味では抱えているチームを
企業は外へ出すとかいうようなことで、今やっと落ちつき、これから
Jリーグは百年
構想という
計画を打ち出して、百年先に
地域と密着した
スポーツ体系をつくっていこうというような
構想が出されているところであるわけでございます。
そういった中で、
財政基盤が非常に弱いクラブに対して
地方の
自治体から多額の融資をしていただいているということも聞いておるわけでございますけれども、
Jリーグによる今申し上げました
地域おこしを例に挙げるまでもなく、各種の
スポーツを活用した
町づくりも、今言いました
地域の顔を明確にして
地域のアイデンティティーや
住民の
郷土意識を養うことが非常に重要となってきているわけでございます。単に
ソフト面にとどまらず、
交通体系の
整備を含む
地域の総合的な
整備にも結びつき得るものであるというぐあいに考えるわけでございます。
一つの例といたしまして、福島県に
東京電力が主体として設立いたしましたJビレッジというところがあるわけですが、これを少し紹介したいと思います。
大臣、このJビレッジは御存じでしょうか。
これは、我々が今まで
スポーツのトレーニングをするナショナルトレーニングセンターというものをどこかにつくっていただきたい、訓練する、ある
意味では競技力をアップする、またある
意味ではオリンピック選手だとかワールドカップの選手が使用するようなそういうトレーニングをする場所を何とか早くつくっていただきたいというようなことを日本体育協会等に申し上げていたわけでございます。今、福島県の楢葉町という、いわきから三十分ほどでしょうか、北に上がっていったところに
サッカーグラウンドが十面、これはほとんどが天然芝でございます。五千人観客が動員できるグラウンドがあり、もちろん室内体育館もプールも宿泊所もあるというようなものが
平成七年にでき上がりまして、今非常に好評を得て、地元の若者たちがそこに行ってトレーニングに励んでいる。
ここは、また一般の利用客や
企業研修にも活用され、
平成九年七月オープンから
平成十一年一月まで四万人の人がそこに来て、またグラウンド等施設を利用している人たちが八十八万人いるというようなことで、当地へ相当の
経済効果を及ぼしているというように聞いております。
また、今申し上げましたJビレッジ、いわきからそのところまで行くにはかなりまだ時間がかかるということもございまして、
平成十三年三月には隣接する国道は二・二キロにわたって片側二車線に拡張される。そしてまた、二〇〇二年ワールドカップ
サッカー大会の公式練習場にもなるということで、常磐自動車道の広野インターチェンジは
平成十四年三月をめどにして供用を開始されるということになっていると聞いております。
このように、Jビレッジは
交通体系の
整備を含めた総合的な
町づくりの
起爆剤としても機能しているものであります。このようなナショナルセンター的なものは例外的な事例かもしれませんが、いずれにしても二〇〇二年のワールドカップの会場あるいはその練習場となる。
今、全国
市町村がワールドカップの練習場にしていただきたいというようなことで、熊本県しかり、いろいろな
地域からそういう声が出ているわけでございます。ワールドカップを単に試合だけのお祭り騒ぎに終わらせないためにも、これからいろいろと知恵を求められているというぐあいに思います。要するに、競技大会の後どういうように活用していくかというようなことではないかというぐあいに思います。
大臣は、
地方団体が
スポーツを活用した
町づくりにより
地域の
活力アップをさせていく
取り組みをどのように考えられているか、お伺いしたいというぐあいに思います。