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清水澄子君 次に、アンペイドワークについての認識とこの
政策化の決意をお伺いしたいと思うんです。
これまで
日本では、農業や自営業
女性の無償
労働問題、それから
家庭女性も含めての
家事とか
育児とか介護など、ボランティア活動もそうなんですが、これはすべて
社会で必要な働きなんですけれども、それらは無償
労働として存在しています。これらについての経済評価、または
政策課題の面でもそれらが取り入れられていないわけです。
しかし、北京宣言及び行動綱領では、
女性と経済の格差をいかになくすかという中の大きなテーマとして、これは
女性がペイドワークだけじゃなくて非常にたくさんのアンペイドワークを担っている、そしてその国の経済や
社会の発展に非常に大きく寄与している、そして一方で農業とか食糧生産、または家族経営の企業において市場向けの製品をつくったりサービスの生産に
参加しているけれども、それらは国民経済計算体系に反映していないということで、これらが
女性差別の大きな原因になっている。
さらに、
女性は、
子供や高齢者の世話とか家族の食事、環境保護の運動また地域でのボランティア活動など、地域
社会または
家庭内で多くの無償
労働の大部分を担っている。だから、これはその国の国民経済計算の中できちんと把握されて、そういう必要な経済のコストとしてこれらが把握されなきゃならない。その中から、
家庭の中で
役割分担する部分と地域
社会で支え合えるものと
政策的にそれを補っていけるものという形で、アンペイドワークとそしてペイドワークのバランスをきちんとすべきだということがうたわれてきていたんですが、
日本ではなかなかそれが理解されない。
私が何年か前に経済企画庁の政務次官だったときに、経済企画庁は何にもそういう
女性の経済に果たす役割の統計をとらないんじゃないかということで、アンペイドワーク統計の
整備を頼みました。ところが、そこで初めて
日本で無償
労働の統計をとったんですが、非常に不十分なために、そしてその訴え方が
家事の値段とか主婦の値段などと訴えたので、非常に大きな誤解が生じているわけです。これはそういうものの値段ではありません。人々がいかに一日を過ごしているか、これは
男女ともです。そして、それはどんな種類の
仕事に時間とエネルギーを費やしているかということを
男性も
女性もとる。それをきちんと掌握すると、
女性の方が二つも三つもの二重
労働をやっている。アンペイドとペイドワークと両方を
女性は担っている。その点をどのように
女性と
男性の間でより公平に分配するか。
もう一つは、
社会の福祉に貢献するアンペイドワーク、いわゆる介護とか
育児、そういうものをどう
社会的、経済的に認知して、それをどう
政策に反映させるか。それらが、両親休暇とか同一価値
労働同一賃金への
政策であるとか、または税の控除とか
育児経費への控除とか、そういう
政策に、ヨーロッパ等は
男女ともこのアンペイドワークとペイドワークのバランスを、
女性にだけアンペイドワークが多いというのではなくて、両方がそれこそ生き生きと人間らしくと言うならばこの辺が一番大きな問題だということでもうずっと統計もとられて、それを
政策へ反映しているわけです。
このことが
日本ではほとんど取り組まれていない。今、総務庁がようやくこの問題で統計をとる準備を始めてくださいましたけれども、私は、これこそが
男女共同参画社会というならば、この問題をはっきり認識した上で、これをきちんと
状況を把握する、そしてそれらを公平に時間を分配できるような
政策をしていくべきだと思います。その点で、私はこれは
男女共同参画室が最も中心的役割を担うべきだと思うんです、
政策的提言とか
趣旨について。
そういう
意味で、どうぞ
官房長官、アンペイドワークについての御認識と、今後どう統計の実態をとって
政策化をしていかれるのか、その点についての御決意を伺わせていただきたいと思います。