○
浜四津敏子君 公明党の浜四津でございます。
本日は、
男女共同参画社会基本法につきまして、大きく分けて三点について伺わせていただきます。
第一点目は、この
男女共同参画社会基本法の根本
理念あるいは究極の目的、目指すものなどについて伺わせていただきます。二点目は、各条文の解釈についてでございます。また三点目は、現在直面している問題についての具体的な
施策について伺います。
まず、第一点目でございます。
一九七五年、
国際婦人年におけるメキシコ
会議での世界
行動計画採択から約四半
世紀の長い道のりを経まして、ようやく
男女共同参画社会基本法が国会で
審議される段階を迎えました。その間、
国籍法の改正や
男女雇用機会均等法の
制定及び改正、また
女子差別撤廃条約の批准等を経ました。遅々とした歩みではございましたが、多くの人々の努力によりまして着実な積み重ね、また前進がなされてまいりました。今回の
法案はその一つの結実であると思います。これまでこの流れをつくり、また支えてこられた多くの関係者の方々に敬意と感謝を表したいと思います。
ところで、なぜ
男女共同参画社会の
形成と
推進が必要なのかを改めて確認させていただきたいと思います。
まず第一点は、
男女共同参画が
実現されていない
社会、殊に
男性中心、
男性主導の
社会は、
女性の人間としての尊厳を侵害しているからであります。
男女共同参画社会の
実現というのは、この
女性の人間としての尊厳を保障し、
実現するために何よりも必要なものであると私は思います。そしてまた、
女性が
男性と平等に生きていく権利、平等権をこの
男性中心
社会、
男性主導の
社会というのは侵害しているからである、こう思います。したがいまして、
女性の平等権を保障し、
実現するためにも、この
男女共同参画社会の
実現がどうしても不可欠であります。
一九七九年、
女子差別撤廃条約において、
女性に対する
差別は人間の尊厳に対する罪とうたわれております。この
男女共同参画社会を
実現する究極の目的は、すべての
男女、すべての人間が平等に平和的生存権あるいは人間らしい生活、平和、福祉あるいは
環境、
人権、これが十分に守られる
社会を
実現する、それこそが目的であるというふうに思います。
このことは、二十
世紀の歴史を振り返ってみればよく理解できることと私は思います。結果的に
男性中心、
男性主導の
社会というのはどういう
社会を築いてきたか。二十
世紀はよく、戦争と
暴力とイデオロギーが猛威を振るった
世紀と、こう言われてまいりました。そして、そのために多くの人々の生命や安全や
人権、これが奪われ、抑圧された時代をもたらした。この結果につきましてはさまざまな要因が挙げられるわけですけれども、このような非人間的あるいは非人道的な結果をもたらした大きな要因の一つとして
男性中心
社会、
男性主導
社会であったという点が挙げられることは否定できないと思います。この歴史の反省の上に立って、二十一
世紀を平和、福祉、
環境、
人権、人間が大事にされていく時代、こうしていくためにも
男女共同参画社会の
実現が不可欠であると思っております。
ところで、
女性の能力がどのくらい開発され、どれだけ
社会に受け入れられているか、発揮できているかを
意味するものにGEM、ジェンダーエン
パワーメント測定、こういうものがあります。これは、
日本は九十四カ国中三十四位でございます。また、一位はオーストリア、二位がスウェーデン、こういう順になっております。
環境の問題一つとっても、例えばドイツはGEMが九位でございますけれども、憲法に
環境保護を
規定しております。また、
環境保護を憲法で定めている国にはオーストリア、スウェーデン、スイス等があります。これらの国は、すべてジェンダーエン
パワーメント測定で上位に属する国でございます。つまり、
女性の能力が開発され、そして
女性が
政策決定の場に
参加している国というのは、
環境問題についても非常に進んでいるということを如実に示していると思います。これは
環境問題だけではありませんで、平和の問題あるいは福祉の問題、
人権あるいは地方分権、民主主義、こういう先進国と言われている国というのは、まさしく
男女共同参画社会が
実現されている国とほぼ見事に一致しているということを示しております。
日本も、ぜひそうした真の先進国となるためにも、単にスローガンに終わるのではなくて、
男女共同参画社会を本気で
実現させたいと思っておりますが、
野中官房長官のお考え、御決意をお伺いしたいと思います。