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国務大臣(
野中広務君) ただいま議題となりました
男女共同参画社会基本法案について、その提案の
理由及び内容の概要を御
説明申し上げます。
我が国においては、日本国憲法に
個人の尊重、法のもとの平等がうたわれており、男女平等の実現に向けてさまざまな取り組みが国際連合など国際社会における取り組みとも連動しつつ着実に進められてきたところであります。その間には、女子差別撤廃条約も批准されました。しかしながら、現実の社会においては男女間の不平等を感じる人も多く、男女平等の実現に向けてなお一層努力していかなければなりません。
また、少子高齢化など社会経済情勢の急速な変化に対応していく上でも、女性と男性が互いにその人権を尊重し、喜びも責任も分かち合いつつ、性別にとらわれることなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は一層緊急の課題とされているところであります。
このような状況において、男女共同参画社会の実現は、
政府の最重要課題であると考えております。そのためには、さまざまな分野において、男女共同参画社会の形成を促進するための施策を推進することが重要であります。また、人々の意識の中に形成された性別による固定的役割分担意識等が男女共同参画社会の実現を妨げていることを考えますと、
国民一人一人にこの問題についての
理解を求め、各自の取り組みを促していかなければなりません。
男女共同参画社会基本法案は、男女共同参画社会の形成に関する基本的理念と、これに基づく基本的な施策の枠組みを
国民的
合意のもとに定めることにより、社会のあらゆる分野において国、
地方公共団体及び
国民の取り組みが総合的に推進されることを目的としています。この
法律案は、男女の人権が尊重され、豊かで活力ある社会を実現し、女性も男性もみずからの個性を発揮しながら生き生きと充実した生活を送ることができることを目指すものであり、二十一世紀の日本社会を
決定する大きなかぎとなる意義を持つものと考えます。
次に、本法案の内容の概要を御
説明申し上げます。
第一に、男女共同参画社会の形成に関する基本理念として、男女が性別による差別的取り
扱いを受けないこと等の男女の人権の尊重、社会における
制度または慣行についての
配慮、政策等の立案及び
決定への共同参画、家庭生活における
活動と他の
活動の両立、国際的協調という五つの理念を定めるとともに、国、
地方公共団体及び
国民の男女共同参画社会の形成に係る責務を明らかにしております。
第二に、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策に関して、
政府等は基本的な計画を定めて施策の大綱を
国民の前に示すこととするとともに、施策の
策定等に当たっての
配慮、
国民の
理解を深めるための措置、苦情の処理等、
調査研究、国際的協調のための措置、
地方公共団体及び民間の団体に対する支援など、基本的な施策について
規定しております。
第三に、現在、男女共同参画
審議会設置法に基づいて設置されている男女共同参画
審議会について、この基本法にその設置根拠を移すことにより、男女共同参画社会の実現に向けた推進体制として明確に位置づけております。
以上がこの
法律案の提案の
理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御
審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。