○椎名素夫君 少し時間も短くなってきたようでありますから、私も短くいたします。
基本的には一問だけ
官房長官にお
伺いをしたいと思っております。せんだって
最終報告の出た
経済戦略
会議の答申への取り組みということであります。
この間、代表
質問で中間報告の段階でなかなかよくできているねということを申しましたが、
最終報告も大変よくできていると思っております。これは大変広範囲にわたっておりますし、いわばお役所の作文の域を超えたいい報告書だと私は思います。
特に感心しましたのは、これは正確じゃないかもしれませんが、
委員の方にちょっと聞いたところ、これをやるにはどういう
法律をいじらなければいけないかという一覧表がずっと参考一に載っておりますね。数えてみたら百四十三あるんです。しかし、百四十三といっても、例えば各種の税法であるとか特殊
法人の根拠法とかいうのがいろいろありますから、百四十三にとどまらない。また、各条文なんというのをやると千ぐらいいじらないと、新法もあるということですから、大変な想像を絶するような
法律をいじる膨大な
作業になるのじゃないかと思うんです。
あの中で言っておりますのは、とにかくこれは総合的なものであって、一気に全部やる覚悟が必要だということを言っている。つまり、部品だけ端っこからいじっていっても機械は動かぬぞというようなことだと思うんですが、そういう目で見ていくと、取り組みによっては大変絶望的になりかねない。よく食堂にろう細工の見本がありますが、ずっと並んでいて、あれを食いたいと言ったら、いや、それはありません、これはどうかねと言ったら、これもありませんというようなことになってしまうおそれがあるのではないかと思うんです。
そこで、
官房長官、御相談ですが、この百四十三か何かわかりませんが、大変たくさん
法律リストが出ておりますけれども、これは各
担当の
省庁があるわけですが、これはどれができるかできないかという、簡単に言いますと、マル、三角、バツというような分類をひとつやっていただけないかと思うわけです。
マルというのは、各
省庁もこれは必要だからすぐにいじらなきゃいかぬと、それについてはいつごろ着手して、いつごろ実現するめどを持つかというあたりも言っていただくといいんですが。三角というのは、それは必要ではあるけれども、今
省庁再編もあるし、とてもとても仕事にならぬ、着手のめどはちょっとつきかねるというやつが三角。バツというのは、こんなもの必要ないという御
意見ならばお役所から率直にそういう
意見を出していただく。それから、やる気がないよというやつですね。このマル、バツ、三角ぐらいのことを仕分けした上で我々に見せていただくことはできないかということであります。
余り複雑なことではないと思うんですが、つまり、今見ておりますと、都知事の選挙をやって、候補者がずらっと出てきたら、公約を読んで、都庁のお役人でもこれはできない、あれはできないというのを即座に言うぐらいですから、中央
省庁の優秀な諸君からいえば、このマル、バツ、三角は相当簡単なことではないかと思います。
一月ぐらいの間にこれを出していただいて、その上で見ませんと、いや、だけれどもこれはやらなきゃということならば、それこそ議員立法をやってでもやりませんと、なかなか
日本の
改革、改造というのはできないのじゃないか。一体何のために
経済戦略
会議というものをつくってこんな答申を出させたのか、下手をすると抜本的構造
改革などというものは
日本ではできないのじゃないかということを立証する歴史的な文書になりかねないと思いますので、ぜひこのことを
質問というよりも
官房長官にお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。