○
浜田卓二郎君 新
政策投資銀行についてけさからずっと長時間の
審議が続いているわけでありまして、
大蔵大臣初め両
総裁、そして
関係者の皆様の御苦労に感謝を申し上げたいと思います。
私の方は時間が三十分ございますが、最初に
むつ小川原開発に関連して二問御
質問を申し上げ、その後、新
政策投資銀行の
政策金融のあり方についてお伺いをしたいと思います。
いろいろ同僚の
委員の皆さんの御議論を拝聴いたしておりまして、この両
プロジェクトについては大変長い時間がかかっているということを改めて認識いたしました。
まず新全総でしたか、そういうところにこの両
プロジェクトが採用される、登場する。その後に港湾投資とかいろいろ公共事業の投資が関連いたしますし、主として港湾の投資が国の事業としては主体でありましたから、港湾整備五カ年計画にこの
むつ小川原港と苫小牧東港の建設が取り入れられる。そして、昭和四十六年、四十七年に第三セクターとして会社の
設立が行われて用地買収が始まる。その後、五十二年度から港湾事業の投資が始まるわけでございます。
ですから、五カ年計画の策定あたりから、この公共事業については、
関係者はこれで本格的になるぞというふうに思うわけでありまして、それからは一日も早くこの事業を実現せよという要請が高まっていくわけであります。
しかし同時に、この間、
経済状況も大きく変化をしていくわけでありまして、港湾の投資開始が決定された昭和五十二年度予算の編成のころ、これは五十一年暮れでありますけれ
ども、既に第一次、第二次オイルショックも終わりまして、円高の気配が忍び寄りつつありました。その後、急激な円高になっていくわけですが、果たして重厚長大
産業というのがこのまま隆盛を続けていくのであろうか、そしてあの
むつ小川原の港湾の背後に
展開される工業団地に予定どおりの工場が立地するのであろうか、これが五十一年暮れの予算編成のときには大きな議論になっておったわけであります。
と申しますのは、私はそのころ港湾の事業も担当する公共事業の主査でございまして、事業開始決定については私なりに随分迷った記憶があるわけでございます。しかし、第三セクターにおける用地買収は完了しており、かつ既にこの金利負担に耐えられない、早く事業開始決定をせよという
経済界あるいは
地元を挙げての声が強かったわけでありまして、それを背景にして、運輸省の港湾局、当時の
局長さんは覚えておりませんけれ
ども、港湾局が熱心に主計局に通い、政府全体を動かして事業開始決定に至ったという記憶を私は持っております。
そういう
意味では、この
委員会あるいは衆議院の
委員会で
責任者はだれかという追及がいろいろあったわけで、私もその
責任者の一番最先端といいますか、第一線の立場におったわけでありまして、この査定というのは私にとってはずっと記憶を引きずることになりました。
その後、
宮澤元総理の資産倍増計画も出ました。私
どもはその中で、この資産倍増計画こそこれからの
日本の政策として必要だという認識のもとに、私
自身は私の政策集団を持っておりまして、そこでグリーンシャイン構想、緑陽
日本構想というのを出し、そしてリゾート法の制定を行ったわけです。
そのころにずっと頭にありましたのは、この
むつ小川原港、そして苫小牧東港、これはもう巨額の港湾投資が行われているわけであります。立派な大型船が悠々と着けられるだけの深い水深を確保しております。港湾事業というのは海の中につくる作業でありますから大変お金もかかるわけでありまして、
財政投
融資のむだ遣いというか、投資の
処理について盛んに問題になっておりますけれ
ども、同時に公共事業費も膨大に使われてきたわけであります。
ですから、私はリゾート法の制定をグリーンシャイン構想のもとに努力をいたしまして、あれは政府提案でありますけれ
ども、ほとんど議員立法でリゾート法をつくったという経緯がございます。しかし、時期が悪くて、おまえらがバブルを大きくした張本人であるとリゾート法制定の後は大分しかられた記憶もございます。しかし、リゾート法の適用をこの苫小牧東港あるいは
むつ小川原港に行って、海浜リゾート、そして同時に冬の雪も生かした全天候型のリゾートとして再開発できないか、そういう個別の提案もしてきたような経過がございます。
私の個人的な記憶を申し上げたわけでありますが、こういう経験から申し上げて、この投資をどこかで食いとめることが可能だったかどうかといつも考えるわけであります。しかし、新全総に入り、港湾整備五カ年計画に入り、土地の先行買収も済み、既に
関係者もたくさんつくられてある種の既得権も生じていることでありますから、
経済動向の大きな変化をみんな頭の中に入れながらも、なかなか計画の変更あるいは中止ということには踏み切れない、それが私の記憶でございます。
これはそこに携わった一人一人の
責任とか決断とかいう問題ももちろんあると思いますけれ
ども、こういう話というのは起こりやすいし、また今後も起こる
可能性はたくさんあると思うんです。特に役所がかかわりますと判断がどうしても甘くなるわけです、自分のお金じゃありませんから。税金であり、かつ預かっているお金の活用でありますから、
民間が本当に自分の浮沈をかけて投資の必要性というものを判断する、そういう厳しさがどうしても失われがちであります。
けさの産経新聞に、多くの第三セクターが破綻に瀕しているという報道がありました。これは全国ベースの話でありますけれ
ども、地方自治体で多くの第三セクターがつくられて投資が行われる、その多くが失敗をしているというのが実情だろうと思うのです。
ですから、まずこういう大型の公共事業について本当に事業開始決定をするのか。つまり、新全総に入り、五カ年計画に入り、その後
状況が変化してくる。それを本当に港湾の建設に着手するのか、そしてまた用地の造成に着手するのか。主として公共事業について申し上げるわけでありますけれ
ども、一たん走り出したものも含めて、公共事業の開始とか変更とか中止とかを
国民的なレベルで議論する仕組みというのがあってもいいのではないか、そういうふうに実はずっと思っているわけでありまして、私は一昨年出した本の中でもそういう仕組みの提案をしております。
これはどなたにお伺いすればよろしいのか。これからも大型の公共事業の投資というのは続いていくわけでしょうから、そういうシステム、仕組みをつくるべきではないかというふうに考えておりますが、それに対する政府の御見解をお伺いしたいと思います。