○星野朋市君
大原先生に、この再
評価法が産業界に適用される場合、この一点に絞ってお尋ねをしたいと思います。
先ほどからも御
説明がありましたけれども、この再
評価法が昭和二十年代に行われたときに、再
評価税はたしか六%ですか、要するに再
評価税六%という問題があったために、普通の事業
会社は償却
資産を主に再
評価したわけですね。
土地はそのまま残してしまった。ですから、特に戦前からの事業
会社でかなりの
土地を持っているところは
評価額が現在までもうほとんどゼロに等しいような
会社もあるわけでございます。
それで、その後これはなかなか再
評価が進まないという形で参りまして、バブル期の前に一時
日本の輸出額がかなり大幅に増加したときに海外から批判が起こって、
日本の産業界というのは根本的にダンピング的な
性格を持っておると。ところが、それで赤字を出したとしても、
土地をちょっと売ればもう大
部分その赤字を埋められてしまうじゃないか、こんな批判があった。私なんかは、大店舗法、そういうものの規制解除、その後に
多分ここら辺の問題が海外から起こってくるんじゃないかと予想しておったんですが、バブル期に入って各社ともかなりな
エクイティーファイナンスなんかをやって、
自己資本の面ではかなり増加した
経緯があると私は思っておるんです。
ところが、戦前からのストックのある
会社、ここら辺は逆に言えば成長性の低い分野をかなり抱えているというような状態で、一番典型的な例は、片倉製糸が香港
資本におまえのところは何をやっているんだと言われて脅迫ぎみに株を買われた、こういうような事件もあったやに私は記憶しているわけです。
今度、
金融界の
自己資本充実とかそういうことでなくて、
資本再
評価をやって、いわゆる産業界の
含み益を出させ、同時に産業界が今抱えている設備過剰、一般的に約三割過剰だと言われるこういうものの償却を片方でやれないかと。
自己株の
消却という問題が先ほどから問題になっておりますけれども、さらに年金の不足のために
自己株の提供というような
一つの方法もあるわけですが、事業
会社が抱えているいわゆる
含み損または設備過剰の分、こういうものを表に出して、それでしかる後に
資本剰余金、
利益準備金、ここらを取り崩してそういうものを
消却させる、こういうようなことが考えられないかと私は思うんですが、いかがでございましょうか。