○
今井澄君 民主党・新緑風会の
今井澄でございます。
まことに残念ながら、今国会では
国民福祉委員会に所属をできませんで、きょうは同僚議員の御
理解を得て、また
朝日理事の御好意により
質疑をさせていただきます。
きょう冒頭に
塩崎委員の方から
お話がありました。私もこの
介護保険法案、あるいはその
制度をつくってくる過程から現在、一年後に控えて
準備しているところを本当に感慨深く見守っているところであります。
先ほど
塩崎委員の
お話にもありましたが、現
委員長の
尾辻委員長も与党の
福祉プロジェクトで御
一緒に、新ゴールドプラン作成まで含めますと本当に数十回以上にわたって真剣な
議論をしてやってきたことを懐かしく思い出すと同時に、また大変移り変わったと思います。
最後の段階で、法案の細かい詰めなどを
厚生省を含めて当時の与党三党でやってきたわけですが、そのメンバーの中でも、
厚生省では当時の某
局長、某
審議官はもうおられないわけですし、残っておられるのは羽毛田
局長だけ、国
会議員の方でも既に国会の議席を失った議員も二人おられるような中で、
最後の詰めをやったことを思い出します。
それにいたしましても、この
介護保険制度というのはある意味ではやはり大変な
制度でありまして、先ほ
ども地方分権の話も出ましたし、単なる保健
福祉の話だけではない、日本の政治システムにかかわることですし、また
住民参加にかかわる新しい
制度だと思います。それから、要
介護認定などという、これも先輩のドイツに比べれば極めて精緻なシステムを今開発しているわけで、しかしそれでもなかなか実情に一致しないという大変な
状況だろうと思います。また、先ほどから御
指摘がありましたように、大変急速に高齢化が進んだ中で
高齢者対策がおくれている、したがって
介護基盤整備を追いつかせながらやらなきゃならないという非常に大変なところだと思います。
にもかかわらず、我々はこれを一日もおくらせることはできない。おくらせるということは事態の先送りということで、銀行の不良債権の先送りと同じことで、先送りすればするほど大変なことになると思いますので、私も来年四月一日からの
実施はぜひともやらなければいけない、そのために全力を挙げるべきだろうと思います。
そういう観点から考えますと、率直に申し上げまして、当初はかなり混乱があるのではないだろうかと思います。確かにどのぐらいのニーズが出てくるのか、それに対して
サービスが追いつくのかという問題とか、要
介護認定が一〇〇%正確に行われるということはこれはあり得ないわけで、いろいろな混乱が起こると思います。
私もこの
制度をつくってくる過程で、三年半前ですか、ドイツで
導入されたばかりの年の秋、ドイツを見に行ってきましたが、大変な混乱でした。昨年の十一月、三年目にドイツを見に行ってきましたら、ようやく落ちついてきているんです。現場でも余り不満がなくなって、お金のことは当然事業者は不満を言います。それともう
一つは、今までは必要なかった書類をたくさん書かなきゃならない、こういう不満を言っておられまして、新しい
制度導入に伴って出てくる
市町村及び事業者の
負担、これは出てくるのだろうと思いますが、やはり私は当初の混乱を恐れず、全力を挙げてやって、二年、三年、みんなで力を合わせてこれをしっかりした
制度としてやっていくべきだろうというふうに思っております。
そういう意味でも、先ほどからの
質疑をお聞きしていまして、私は同僚の松崎
委員が言われたことを再度強調しておきたいと思うんですけれ
ども、予防はすべてにまさるんです。治療や
介護にまさる。これは、私など国保
地域医療に従事してきた者としては、予防は治療にまさる、この言葉を掲げて頑張ってきたわけです。
実は、ゴールドプランの中にも寝たきり
老人ゼロ作戦というのがあるんですけれ
ども、これが一向にうまく進まないで、後始末の
介護の方ばかりに行く。問題はやはり、寝たきりにならない、させない、ぼけにならない、させない、このことがいかに大事かということ。後で私は三点目の
質疑でもちょっと申し上げたいと思いますが、これは同僚の
委員の
質疑を引き継いで私も強調させていただきたいと思います。
さて、そういう形で、これはいろいろなことはあると思いますが、みんなで協力してやっていかなければならないと思うんですが、そうはいいましても、今の時点でどうしてもはっきりさせておかなければならない点が幾つかある。あるいは、私自身、内心じくじたるものがあるんですが、この
制度をつくってきた、法案をつくってきた過程でやはり大きな欠陥を含んでしまった点があるんではないかというふうに思いますので、三点に絞ってきょうは
質疑をさせていただきたいと思います。
まず第一は、保険
制度でやるべきか、税方式でやるべきか、いろんな
議論がありましたし、いまだにそれはそれぞれのメリット、デメリットがありますから、保険方式が百点とは言えないと思いますが、やはり保険方式で進めることになった。ということは、
保険料をいただくということなんですね、
高齢者からも。そしてまた、一割の
自己負担もしていただく。これは大きな日本の
社会保障制度の転換なわけで、それに御批判もあるかもしれませんけれ
ども、私は断固やはりその線でやっていくことで民間事業者の参入も含めて急速に
介護体制を
整備すべきだと思っているわけであります。
しかし、保険
制度で六十五歳以上からも
保険料をいただく、それから一割
自己負担していただくということをやる以上、低
所得者対策だけはしっかりやらなければならない。これも皆さんの御賛同をいただけることだと思うんですが、この低
所得者対策というのが、実は大変古い、戦後五十年間日本でずっと行われてきた低
所得者の考え方に基づく対策であって、戦後五十年たった新しい今の時代の
高齢者のありよう、家族のありように基づいた低
所得者の考え方や対策というものになっていないんではないか。これが非常に問題だと思うんです。
これは、
介護基盤の
整備などと違って、頑張っても頑張ってもなかなか追いつかないという問題じゃなくて、低
所得者がどこにいて、何で困っていて、この人にはどういう対策をするかというのは、集中的に研究すればすぐ出てくることなんです。これは絶対やらなきゃならないことだと思います。
そこで
厚生省にお尋ねいたしますが、今度
保険料は低
所得者のことも考えて五段階にするということになったわけです。第一段階が平均
保険料の半額、第二段階が七五%ということで減額をして徴収することになったわけですが、第一段階というのは
住民税非課税世帯であって老齢
福祉年金受給者ということなんです。老齢
福祉年金受給者、これは率直に言って八十五歳以上の人でしかないということなんです。
厚生省の
試算では、第一号被
保険者の二%が第一段階に当たる、四十万人ちょっとでしょうか。老齢
福祉年金受給者で八十五歳未満の人は今〇・二%しかいないんです。そうすると、六十五歳から八十四歳までのこの二十歳の年齢、これが非常にこの
介護保険で大事なところです。八十五歳以上は大事じゃないとは言いませんけれ
ども、そのところが一番微妙なところなんです。その
人たちが一切第一段階にならないというこの形だけの第一段階の減額というのは、非常にこれは詐欺的ではないかと私は実は思っているんです。
六十五歳から八十四歳までの層で老齢
福祉年金の受給額、ことしだと月額三万四千三百三十三円ぐらいでしょうか、それ並みかそれ以下の年金しかもらっていない人数はどのぐらいあるんでしょうか。また、その
人たちの実際の
生活実態、収入がどのぐらいか、あるいは家族からの経済的支援があるのかないのか、消費
生活の実態、その中で保健
医療費などにはどのぐらい使っているのか、あるいは資産はどうなのか。これについてお尋ねします。