○直
嶋正行君 ですから、これは
二つの問題があるんです。より根本的な問題でいうと、今
お答えの中にもありましたように、未加入対策としていろいろ手を打っている。これは前回も私は申し上げたんですが、未加入者を形式上加入したようにするという意味でいいますと、これは未加入の未払い化とか未加入の免除化、こういうことにつながってくるわけです。ですから、さっきも申し上げたとおり、これは
年金の空洞化を埋めていく、対応していくという意味でいいますと根本的な
部分ではないということですね。
それからもう
一つは免除率の話で、確かに
平成六年の再計算以降、学生も適用の対象になりました。だから、免除率が上がるということは論理的にはわかるんです。ただ、これは
平成八年度の数字ですが、例えば都道府県別の免除率を調べてみたんですけれ
ども、学生の多そうな都道府県、例えば東京は実は申請免除率で七・九なんです、平均一三%ですけれ
ども。神奈川県なんかも五・一なんです。どこが高いかといいますと、これは地域事情があるかもしれませんが、むしろ沖縄とか南九州とか東北だとかで、必ずしもさっきの御説明とつながるような数字にはなっていないんです。これは検認率の方も同様のことが言えると思うんです。
ですから、恐らくこれは、もちろん
二つ目におっしゃった
経済の
影響というのも多少はあるかもしれませんが、もう少しよく内容をチェックしてみる必要があるというふうに思っておりますので、御
指摘だけさせていただきたいと思います。
次に、
国民年金の
制度上の問題について申し上げたいのでありますが、私も今度
年金問題をやるについていろいろと勉強させていただきました。
例えばヨーロッパ諸国なんかも、日本は昔、ヨーロッパの
年金制度などを参考にして今の
制度をつくったわけですけれ
ども、源泉徴収のできない被用者以外の方から
保険料をどうやって集めるかというのは、結構これは難しい問題なんです。当初からいろんな
議論があったんですけれ
ども、特に外国では、ここから集めるのはなかなか大変なんだ、必ず払わない人が出てくるんだというのはもうある種定説になっているわけです。
ですから、例えばオーストラリアのような国なんかも、社会保険方式でいくのか税でいくのか、
基礎年金制度を持っているところについていいますと、いろいろ
議論した結果、特定の人はなかなか払いづらい社会保険方式じゃなくて税制でやろうじゃないかという
結論を出した、それで今
基礎年金は税方式になっている、そういうふうに伺っております。そういう意味でいうと、非常に難しいということを言われているわけです。言われている中で、この日本は相変わらずその仕組みをとっているということなんです。
それからもう
一つ言われていることは、取るのが難しいのと同時に、社会保険方式でやっていこうとすると管理コストが、膨大なお金がかかる、だからコストの面から見ても税と一緒にやった方がすぐれている、こういう見解が多いんです。
それで、実はきのう
厚生省の方から書類をちょうだいいたしまして、社会保険庁の方で今申し上げた事務費がどれぐらいかかっているかということをお尋ねしまして、数字をいただいています。これは必ずしも厳密な数字じゃないという
前提でちょうだいしたんですが、
平成九年度で年間大体一千六百億円、このうちさっき
お話があったように市町村がいろいろおやりになる上で補助金の形で出ているのが一千億円強だという
お話をちょうだいしています。これを単純に
国民年金の
保険料収入、これは
平成八年の数字しかありませんが、
平成八年の同じ数字で計算しますと、この事務費が
保険料収入に占める比率は八・四%になります。
一説に、千円の
保険料を集めるのに百円かけているというふうなことも言われておりますが、百円かどうかは別にして、かなりの費用がかかっていることは事実でございます。恐らく市町村へ行きますと、国からの補助金だけじゃ賄い切れない、したがって自腹を切っているといいますか、自分たちで一般会計から出しているところも幾つかあるように聞いていまして、実態はもう少し大きいと思うんです。そんなことを
考えますと、私はちょっと取り方も、お金をやたらかけるばかりでなかなか、いろいろ努力されていることは認めますけれ
ども、実は非常に効率の悪い努力をされているんじゃないかなというふうに思っています。
ちょっとお聞きしたいのは、例えば社会保険方式をとっているヨーロッパのイギリスとかオランダというところは、
保険料を税務署で徴収しているんです。税と一緒に徴収している。日本でもそういうシステムを
考えられないのかどうか、本気でやるならやっぱりそういうことも含めて
考えていかなきゃいけないんじゃないかと思うんですけれ
ども、この点についていかがでございますか。