○清水澄子君 昨年出されたWHOの
報告書「心血管系疾病と、ステロイドホルモン」の中でも第三世代ピルは従来のものよりも血栓症のリスクを高めるという結論をつけておりますね。ですから、そういうリスクがあちこちで出ている以上は、これについてはやはりもっと徹底した究明をしていただきたいし、それからそういう問題については、日本でそれを認可するなんというのは大変なことになりますから、ぜひそれについては慎重な対応をお願いしたいと思います。
厚生省は、この薬品だけの問題とすれば、薬品の有効性と安全性という審査になるのかもしれません。有効性ということになれば、避妊の目的については他の製品に比べて効率が高いとは言われておりますね、避妊そのものだけは。
しかし、私はいつでも疑問なんですが、女性の健康にとってそれが安全なんだろうかというところをもっと考える必要があるんじゃないかと思うんです。異性間の性交渉のために女性が毎日ホルモン剤を飲み続ける、五年、十年、十五年と飲み続ける、そして常に妊娠している状態に体をコントロールしておくという、そういうことが人間の自然の体としてそれが普通かなというところはとても気になるところです。
そしてその上に、日本は他の国のように子供のときから学校で体の
教育とか性
教育、そういう健康
教育、避妊
教育というのはないんです。他の国ではやっぱり年齢に相当した性
教育というのがあるんですね。だから、ある程度自分の知識と判断、それから自己決定権というのを持っているんですが、日本の場合は非常に無防備です。そして、医者の方も意外と、これ一粒二千円ぐらいですね、どんどん売っている
状況もあるんです。ですから、そのままこれを承認するということになったら、日本の中ではいろんな問題が起きてくる。
私は、
厚生省というのは、保健所の体制も非常に古めかしいのですけれども、学校
教育とかそういう点でも、避妊それから自分の体についての知識、そういうことをもっと指導していくというんですか、
教育、啓発、そういうことをやらないと、現在の日本のような性風俗のもとでは逆にHIVの感染症の問題もやはり一面では非常に心配になるところがあると思います。
その上に、環境ホルモンとの
関係でも、いろんな科学者、女性
グループが非常に心配をしています。今、ダイオキシンを含めて環境ホルモンの問題が化学物質の
関係で論じられているわけですから、これからの新しいテーマになっていく。そのときに、これとの
関係というのは今すぐわからないことがあるかもしれませんが、やはりこれは分析
調査する必要が非常にある問題かなと思います。
私がいつも不公平だなと思うのは、なぜ女性の体にだけいつも負担をかけて避妊をしなきゃいけないか。これは、
教育の面でもっと男性にも本当は性
教育を、子供のときから男女に性
教育があれば、お互いにそういう問題について責任を持つ、知識を持つというお互いの協力の
関係がなきゃいけないんですけれども、最近の
状況の中ではむしろ非常にいろんなリスクが出てくるんじゃないか、そういう
意味で非常に心配な側面があります。
ですから、そういう点は徹底してきちんと、医者に対しても処方の仕方、その後の追跡、それから
薬剤師にもそうです。それから、
厚生省だけの範囲じゃないかもしれませんが、学校
教育等もあわせて女性、男性の
教育、そういうものも含めた社会的な問題意識としてとらえていただきたい。
それから、環境ホルモンとのことはぜひ今後も研究を続けていただきたいと思いますが、ひとつこれに対して明確に安心できる
お答えをいただきたいと思います。