○堂本暁子君 今、
大臣のおっしゃったことは知っておりますし、それからもっと言わせていただけば、ちょうど十年前の
昭和六十三年から縦割り行政は是正しなければならない、縦割り行政の弊害是正等に関する
調査報告書ということで総務庁行政監察局は何度もこの三つのことを
一つにしなきゃいけないということを言っています。
そのことをきょうは
質問しようとは思っておりません。十年できなければこれからだってできないと思うんです。そんなことじゃもうそんな百兆円に対応できない。そういう技術的あるいは非常に行政的に末梢なことを申し上げているのではなくて、百兆円なんか使えないんだとすればどうするのかという大胆な
施策が必要だということを申し上げたい。けさ同僚議員の方も、脳梗塞になった場合にもっとリハビリが必要だというふうにおっしゃいました。
それで、もう
一つ言わせていただければ、
平成六年、七年度の地域
保健推進特別事業事例集というのを読みました。初めから終わりまで何かおもしろいことないかと思ったんですが、今までに
厚生省は二度やっているんです、健康増進というのを。五十三年にやり六十三年にやり、今度はもう三度目の正直。なぜ前回が成功しなかったかといえば、箱物ばかりをつくっている。行ってみました、物すごく立派なものがあちこちにできています。だけれ
ども、
内容のメニューがないんです。
でも、地域
保健推進特別事業実績報告を丁寧に読みましたけれ
ども、どこの町でも例えば高齢者の骨粗鬆症、あるいはきょう歯の問題も
質問が出ましたけれ
ども、口内機能の問題とか、いろんな形で検診まではやるんです。そこから後は全部みんな一緒。講習会それから健康ウオーキングと。それで、一人一人個別に、例えば心臓が悪い人、どこも悪くない人、それから骨折が治ったばかりの人、そういう人を十把一からげにやったって全然これは効果が上がらない。これから本当に
医療費を減らそうと思われるのなら、一人一人に対してその人に見合った運動をメニューとして出さなきゃいけないんです。ところが、今、
大臣がお答えくださったような今までのやり方というのは、まさにここに報告されているような形なんです。
どうしてそういう報告しか出ないのか。それはそういったきちっとしたトレーナーが我が国の場合は残念ながらいない。
アメリカのトレーナーも国家資格ではないそうですが、それでももう引っ張りだこだそうです。本当にそういった
専門性を持った、きちっとその人に見合った運動のメニューをつくるというようなことを全体として
日本の行政の中でやってこなかった。
だから、
医療の中では個人個人、診察はドクターは一人一人やります。だけれ
ども、健康な人をより健康にする、そして病気にしない、寝たきりにしない、痴呆にしない。あるいは逆に、心臓の発作があった、だけれ
ども再発させない。骨折した、だけれ
どももう一回逆の足を骨折させない、その予防のために徹底的にリハビリテーションをするなりその人をトレーニングするようなことをやってきたかといったら、そういうことをやっていないわけです。だから、報告書は全部どこもかも
最後のところはみんなこういう講習会をやりましたばかりになってしまっています。
ですから、その辺のところをもっと個別な、栄養だってそうでしょう。一人一人栄養士さんが
病院に入ったらちゃんと別の
食事メニューをつくってくれる。そういうふうに別のメニューが体についても運動についても必要だというふうに
大臣はお思いにならないでしょうか。