○岩佐恵美君 そこで、
環境事業団が大規模な産廃、一廃あわせ処理
施設を行う、そういう一方で、厚生省も各都道府県に一カ所ずつ廃棄物処理センターの指定を進めています。現在八県で指定され、そのうち三県が一部稼働しています。これも第三セクターによる大規模な産廃、一廃あわせ処理
施設です。厚生省の場合は、一廃分の補助金だけを出してあとは第三セクターがみずからつくるというやり方をしているわけですが、いずれにしても、
省庁縦割りで産廃、一廃あわせ
施設という同じようなものができることになるわけです。
時間がありませんので、私は、いわてクリーンセンターというところを見てきたので、そこの問題もちょっと提起をしたいと思うんですが、問題は双葉の場合と同じなんです。
総
事業費は九十三億円かかっている。余熱利用
施設を除いて約八十二億円。ここでもごみが足りない事態が起きています。当初計画では平均日量で焼却ごみが七十五トン、埋め立てごみが五十八トンという目標だったけれ
ども、九七年度実績ではそれぞれ四十二トン、五十二トンにとどまっている。つまり、当初目標の五六%、九〇%という
状況です。しかも、当初予定外であった自治体の一般ごみが約四分の一入っていて、産廃だけだと当初目標量の半分余りしか入らないという
状況にある。
結局、ごみを集めるために処理料金の値下げをしたんです。九六年度から非感染性の医療廃棄物の処理料金を約半分に値下げしました。おかげさまで少しずつふえましたという
状況だそうです。特に、有機性汚泥というのは当初目標量の半分も集まらない。しかも、その八四%は一般廃棄物で、産廃だけなら当初目標の一割以下という
状況。今年度から処理料金を約二割下げて、それでもコンポストによる肥料化の方が安く済む。そういうことでなかなか必要量が集まらないというんです。
私は、本来ならコンポストによる肥料化こそ促進すべきで、焼却炉で処理する、これは流れに逆行しているというふうに思いました。それを行政が価格を下げてまで焼却に回そうということをしなきゃいけないというのは、本当に問題だなというふうに思いました。
ダイオキシン規制の強化に対応できていない市町村からの受け入れ、産廃
施設の廃止で徐々に受け入れ量がふえているというけれ
ども、公共で大きなごみ処理
施設をつくってごみ集めに四苦八苦する、そういうところもあるんです。
ちょうど現場で医療系廃棄物を処理しているところを見ましたけれ
ども、ダンボール箱に入ったまま焼却炉に投入している。中に何が入っているかわからないんです。だから、温度管理など焼却の管理が大変だし、温度が下がると助燃バーナーで温度を上げなければならない。気も使うし費用もかかる。それなのに値下げしなければごみが来ない。
そのときにちょっと驚いたのは廃プラスチック類です。その焼却予備軍というのを見たわけですけれ
ども、まず袋に入ったまだ使える糸です。こんな糸もったいないですねと言ったら、これだけじゃありません、その横にまだそのまま使える綿な
どもあるんです。そのときが特別ではありません、日常的にこういうふうにすぐ製品として使えるものがごみに回ってきているんですということを言われました。東京でも、縫いぐるみなど、全く使われていないものがごみ処分場に集まるということで非常に嘆いていました。
いずれにしても、資源としてそのまま使える、製品としてそのまま使える、そういうものまで悩みながらも燃さないと採算が合わないというような実態に置かれているわけです。これは本当に矛盾だなというふうに思うんです。
こういう
状況をどう考えられるんでしょうか。私は、厚生省の問題もある、あるいは
環境事業団の問題もある。こういう大きなものをつくってそれで済むということが、結局、今みたいな矛盾を生み出していくのじゃないだろうかと思うんですが、どうですか。