○
松あきら君
ODAについての
審議はインドネシアの
リベート問題に始まったわけでございます。実際どのような仕組みでどのような
お金が決まり、また拠出されているのか、
情報が十分に開示されていないという懸念が本当に各
委員からも出たわけでございます。非常に高額な
リベートがあるかと思えば、しかし
リベートという点につきましてもそれは
リベートではないというような御答弁もございましたけれども、よかれと思った
援助が
効果を発揮していなかったり、またそういった
観点で
ODAを改めて見てみますと、投資あるいは拠出が
日本にとって何の
メリットがあったのだろうかというふうに考えてしまいます。
もちろん、
ODAは
メリットだけを考えて
供与するわけではございません。
国際社会の一員として
近隣諸国の
経済、政治を安定させ、また
日本が
国際社会において信頼に足る国であるということを認識していただく点が大事であるというふうに思うわけでございます。それは長い目で見なければならないもの、あるいは担当のお役人の
方々の考えを信頼し、あるいは承認してじっと待つことも大事だとは思うわけでございますけれども、いろいろ私もおかしいなと思う点がございまして
会計検査院の
指摘の中から二、三問題を提起いたしました。
一つは、
パプアニューギニアの
浅海漁業の
施設について取り上げてみたわけでございます。
援助後の
現地の
経済状況が変わったから送った
施設は使われずに放置されているといった件でございます。これはここだけではなくて、いろいろなところでこういう問題が出ているわけでございますけれども、
援助してももしこのようなケースが起こったらどのような
措置がよいのか、改めて
検討がなされて当然だというふうに思うわけでございます。
こういうことが次々起こるということは、先ほども
千葉委員の方から出ましたけれども、
事後評価、これがきちんとされていない、この点が非常に問題があるのではないかというふうに私は思うわけでございます。
現地の方は現金が、
お金が少し余計に入れば
仕事がどうしても二の次になる、そういう危険がある、そういうところでそういうことが起こった後どうすればいいかという、
教育というとちょっと僣越ですけれども、そういうこともきちんと手当てしなければならない。やはり、結果として
外務省はそういうことには手を抜いていると言われても仕方がないというふうに思うわけでございます。
例えば、今申し上げました
パプアニューギニアの
現地の
方々の暮らしをどのようにしていこうとしていたのか、
現地の文化も大事に考えた上で、やはり
国際社会の中にうまく溶け込むようにしなければならないわけですから、例えば冷蔵庫や漁船や漁網を送って済む問題ではない、こういう意味で
事後評価というものをきちんとしていただきたいというふうに思います。
ODAは
発展途上国の
人々の生活を豊かにするために主に
インフラ整備に対して
先進国が
実施する
援助でございますけれども、やはり
援助した後の
効果がどのようになっているかということは私ども
援助する側は非常に興味も関心もあるわけでございます。しかし、
資金援助をした
現地は大抵の場合私ども
日本からはるかに遠いというわけで、だれかを派遣するといっても、それも
予算の
関係でやっぱりなかなかままならないというわけでございます。
一九九八年の
日本の
ODAの実績を見ましても、百六億八千万ドル、これは八年連続で
世界最高というわけでございます。
日本の
ODAの場合、
贈与と
有償が三対一ということで
贈与が大半のほかの
主要国に比べて
有償比率が高いということも特徴があるわけでございます。
有償は
財政投融資が多くて、
無償は
一般会計、
国民の血税、税金でございますから、やはり
財政状況からいってもこれからどんどんふやすというわけにはいかないわけでございます。国は
国民に対してどのようになっているのかきちんと説明する責任もあるわけで、今まで
インフラ整備に多くが使われてきましたけれども、
人材育成の
ソフト面への
供与がふやされるべきであるというふうに思います。
また、ボランティアの
方々の活躍も紹介されておりました。
参考人の
方々からもいろいろ伺いましたけれども、やはり意気と情熱だけでは続かないということも
報告されたわけでございます。こういう
事業が成功するには、やはり担当する
方々の
ODA事業に対する誠意に負うところが大変多いというふうに思うわけでございます。そういった
観点からも、これからも担当する
方々に対する
教育というとあれなんですけれども、やはりその方
たちの考え方、これが大事だというふうに思います。やはり
外務省にきちんとした
人材育成の場をつくるべきであるというふうに思います。
そしてまた、これからやはりいろんなことで
不慮の
事故に遭ったり、あるいはその
不慮の
事故で亡くなるような方も出てくる場合があるかと思います。やはり、
世界じゅうを幸せにしていくという
事業に貢献してくださっている
方々を支援することはこれからの
日本にとっても大事な使命であると思いますので、その点も
外務省にしっかりやっていただきたいと思います。
私は、二点目に
麻薬の問題を提起いたしました。今、
日本は非常に残念ながら
麻薬天国になろうとしている
状況があるわけでございます。青少年への広がり、あるいは
専業主婦の方にまでこれが広がっているという大変な問題が出てきているわけで、これは決して見過ごすわけにはいきません。あらゆる有効な
方法で撲滅しなければいけないというふうに思います。
そこで、
アジアでは黄金の
三角地帯の
生産が問題になっているわけでございますけれども、やはりこの問題は何にも先駆けて対処しなければいけない一番大事な
仕事であるというふうに思います。
現地の
主食になる
ソバを植えようと、こういう
指導で
ソバを植えている。なかなかしかしこれは
現地で
お金にするすべがない。結局
麻薬生産に戻ってしまう。私の何で
ソバなのかという質問に対して、
外務省はきちんとした答えがなかったんですね。実は私、これはつい最近ある
民間の方に伺いましたら、何とこの
ソバは
日本みたいなそばで食べるんじゃなくて、要するに
主食になっていると。
ソバの食べ方はちょっと
日本の
ソバの食べ方とは違うんですけれども、それを何と
主食のようにして食べられるということがあって実は
ソバにしたんだというお話を
民間の方から伺って、ああそうなのか、それで
ソバなのか、何で
外務省の人がそれをわからなかったんだろうなとつくづく思うわけでございます。だから、売れなくても
日本人が米をつくるような感覚で
ソバということにしたというふうに伺ったわけでございますけれども、結局
お金にならないとまた
麻薬に戻ってしまうということから考えましても、やはりその点もう一度考え直してきちんとした
対策をとらなければいけないというふうに思います。そのためにも、ぜひ
麻薬対策に大幅な
予算増、これを
検討していただきたいと思います。十年後には少なくとも
アジアからは
麻薬は出さないと決意をして取りかからなければいけないというふうに思います。
最後になりますが、やはり私は、今後とも
世界における
日本の
立場を考えるときに、
ODAは重要な
政策として維持しなければいけないと。しかし、さきにも申しましたように、
日本の現在の
財政状況の中ではやはりこのままでは
国民の
理解が難しいわけでございます。やはり、
援助をするにしても、各
省庁にまたがっている
案件も多いので、その
支援基準などをぜひ
ODA基本法として統一的に決めておく必要があるのではないかというふうに思うわけでございます。
ODAについては閣議決定された
ODA大綱がございますけれども、
ODA自体多種多岐にわたっておりますし、
基準も不明確の感じがあるわけで、やはりこの
基本法があればそのルールにのっとって
実施されるものはきちんと
政策としてやっているんだということになると思います。やはり、
予算面でも
透明性を確保するようにしていただきたい、
ODA基本法をぜひつくっていただきたいという点を申し上げまして終わりとさせていただきたいと思います。