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阿南一成君 さらに、
総理に
お尋ねをいたします。
先般の本
委員会におきまして、田村
委員の与党にその身を置きながらの鋭い発言に、自民党とは懐の深い党であるなということを再
認識させていただきました。
そこで、私も、いわゆる昨今の
官僚バッシングについて若干触れてみたいと思います。
今は
日本の国の浮沈をかけた重大なときであります。私は霞が関の特に若い
官僚諸君に申し上げたい。君らを
日本国及び
日本国民は必要としている。一時の
官僚バッシング等に惑わされて霞が関を去ることがないように、そして反省すべき点は反省をして元気に再出発してほしいと思うのであります。そして、今はやりの民間人の登用も、役所にない新しい発想を取り入れるために大いに必要なことではありますけれども、そのコアになって
行政の継続性をしっかりと維持し、
国民の幸せのために頑張るのは若い諸君たちです。自負心、自信を持って頑張ってほしいと思うのであります。
私は、
官僚が国家安定の下支えの機能を果たしていることは、幾ら強調しても強調し過ぎることはないと考えておる者の一人であります。そして現在、
官僚バッシングに熱心な方も、本当に
官僚システムが崩壊することはないという暗黙の前提のもとに物を言われているような気がしてなりません。本当に
官僚システムが崩壊することになったら、
日本社会は大
混乱に陥るはずであります。そう思って多くの人は黙って耐えているのが実情ではないのか。しかし、現代の若者は我々の世代と違ってどこまで耐性があるかということについては若干の
心配を持っております。
そこで第一点目ですが、
行政における
政治主導を強調する
余り、役人の人事権にまで
政治が介入するようになれば
官僚機構は弱体化するかもしれません。同時に、
行政の
政治に対する中立性という極めて重要な性質が侵され、
公務員の政党化、派閥化が進むことは目に見えております。そうして、
政治にすり寄る
公務員のみが生き残るようなことになっては
日本の将来はなくなると思うのであります。その歯どめについて十分考えておく必要があると考えております。
第二点目、制度疲労のおびただしい戦後型
行政システムというと、確かに言葉ではなるほどそうかなと思うところもありますが、具体的にどういう形態なり現象を言っているのかわかりません。また、そのことが、学者の方が
指摘しているように、価値選択のない理念なき配分、
行政各部への包括的委任の結果生じた縦割りの弊害や
官僚組織の自己増殖、肥大化ということを指しているというならば、そのことを具体的に
指摘し、そうしてさらに一体だれがそういう方向を示し、かじ取りをしてきたのか、具体的な事例で示すべきであると私は考えております。
そうして、もし仮にそのような状態が自由かつ公正な
社会の形成を妨げたとして、この
改革案によればそれが排除され、描かれておるような理想的な国家
行政組織となって難しい情勢に対応できる機能を備えた機構ができ上がるということになるのであろうか。例えば、今までの機構を
改革し、約七兆円に上る予算を持つ国土交通省という巨大省を出現させることに何ゆえに今
指摘されているような予算や補助金のばらまきというような弊害が生じない
行政ができることになるのか。もしそれができるというならば、今までの既存の
組織、機構ではなぜできなかったのか、明らかにすべきであると思います。
第三点目、いずれにいたしましても、今日の
日本国家の置かれている状態が、既存の霞が関の
行政機構及びそこで日夜懸命に働いている
官僚のみの責任にされることは大いに私は
異議があります。
今日
指摘されているような弊害の多くは、率直に申し上げましてむしろ
政治の
世界からの指導や、時には圧力によってその方向づけがなされ、かじ取りもされた面もあったと感じてきておる者の一人であります。
第四点目、ともあれ、不祥事を起こした一部の省庁の
官僚は問題外でありますが、その他の多くの国を思うまじめな
官僚の
皆さんにとっては、今までの
行政組織、そしてそれを動かしてきた
官僚が大変間違ったことをしてきたかのように言われることについては心外でもありましょうし、残念なことだと思っているのではないでしょうか。
既存の
システムの弊害を強調し、
改革がすべて善であるかのように世の中の事象をすべてわかりやすく二項対立的に位置づけることは簡単なことであります。しかしながら、我々
政治家は、人々がその生活、生命を預けることになる現実の
システムを常に責任を持って提供し続け、安心してもらう立場にあるわけでありまするから、今回の
中央省庁改革の基本理念が現行制度を悪とする白黒判定調の立場から出発しているかのような印象を与えることは遺憾なことだと思っております。
私は、今回の
大改革を進めるためには、
国民の
皆さんにはもちろん、
行政組織の中に働く
公務員の人たちにも十分に
改革の理念なり方向性が理解されることが必要であると思います。そうして、今までの
行政組織のよかった点、まずかった点をはっきり示すことが大切であり、特に
行政改革会議が弊害だと
指摘していることの具体的な事実をはっきりと示すと同時に、この
大改革を断行することによってそれらのことがどのように改善していくのかを明らかにするべきであると思います。
以上、第一点目、
行政における
政治主導を強調する
余り、役人の人事権まで
政治が介入するようなことになれば
官僚機構は弱体化するかもしれないし、同時に、
行政の
政治に対する中立性という極めて重要な性質が侵され、
公務員の政党化、派閥化が進むことになるのではないか。そして、
政治にすり寄る
公務員のみが生き残るようなことになっては
日本の将来はなくなると思うがどうか。その歯どめについて十分考えておく必要があると思うがどうか。
第二点目、現行の
行政システムや
官僚機構が制度疲労のおびただしい戦後型
行政システムであり、価値選択のない理念なき配分であり、そして
行政各部への包括的委任の結果生じた縦割りの弊害や
官僚組織の自己増殖、肥大化であると言うならば、そのことを具体的に
指摘し、さらに一体だれがそういう方向を示しかじ取りをしてきたのか、具体的な事例をもって示すべきであると考えるがどうか。
第三点目、いずれにしても、今日の
日本国家の置かれている状態が既存の霞が関の
行政機構及びそこで日夜懸命に働いている
官僚のみの責任にされることには大いに
異議がある。
指摘されているような弊害の多くは、率直に申し上げてむしろ
政治の
世界からの指導や、時には圧力で方向づけがなされ、かじ取りもなされた面もあったと感じておる者の一人であるがどうか。
第四点目、私は、今回の
大改革を進めるためには
国民の
皆さんはもちろん、
行政組織の中に働く
公務員の人たちに十分な
改革の理念なり方向性が理解されることが必要であると考える。そうして、今までの
行政組織のよかった点、まずかった点をはっきりと示すことが大切であり、特に
行政改革会議が弊害であると
指摘していることの具体的な事実をはっきりと示すと同時に、この
大改革を断行することによってそれらのことがどのように改善されていくのかを明らかにすべきであると思う。この
中央省庁改革によって霞が関は現在よりもどのように何が改善され
国民のための
行政になるのか。
以上四点についてお伺いをいたします。