○石井一二君 自由連合の石井一二でございます。
会派二院クラブ・自由連合を代表して質問をいたします。
本日は十分間お時間をいただいておりますが、答弁が長くなると言いたいことが言えなくなりますので、しばし所見を申し上げ、最後に
総理と
自治大臣より一問ずつ御所見を賜りたい、そのように思います。とは申せ、五時が迫っておりまして数分後にはカットになってしまいます。小会派の悲哀を感じつつ今ここに立っておるということも御理解を賜りたいと存じます。
さて、
総理の今国会における一連の御答弁等を聞いておりますと、今回の分権一括法は、
我が国の中央集権型の
行政システムの中核部分を占めてきた
機関委任事務制度の
廃止とか国の
関与のあり方の
見直し等抜本的な
改革を行うもので、国、
都道府県、
市町村というこれまでの縦の
関係を変革して対等、協力の横の
関係を構築しようということでございまして、事実かなりの
権限の移譲が国から県あるいは政令指定都市、中核市、特例市、市というぐあいに行われておることは事実でございます。また、
総理も一連の答弁の中で、これでもって
地方分権が完成したとは思わない、これからもどんどん
地方分権を進めていくんだという前向きなお考えを示しておられることを評価するものでございます。千里の道も一歩からという言葉がございますが、さしずめ私は一歩どころか二十歩三十歩というように進んでいただけたと思っておるわけでございます。
ところが、
地方分権というとすぐに財源、
権限をよこせとか、あるいはまた国庫補助金の統合的な補助化、すなわち箇所づけとか、そういった
事業の選択等も一括して
地方によこせ、こういうような意見が出たり、また国の仕事は外交ほか災害とか国防とか教育とか
基本的なことにのみ限ってあとは
地方に任せというような意見がありますが、私は、これについては時期尚早ではないか、受け皿としての
地方自治体に果たしてそれだけの
体制が整っておるのかどうかということを論じてみなければならない、そのように思うわけでございます。
私は、さしずめ次の四点を今後どうしても
検討する必要があるというように感じております。
一つは、首長の多選禁止の
実現であります。二番目が
地方自治体の合併の
推進、これは今回一応の成果を上げつつありますが、例えば
住民投票
制度を採用するとか、強制的な面での力が弱いように感じております。また、
地方議会の少数精鋭化、これも
一定の規定というものが今回行われつつございますけれども、例えばボス議員のエゴに対する議会としての自浄能力の培養といった面でいろいろ反省していただかなきゃならない面もあろうかと思うわけであります。また最後に、
地方公務員の資質の
向上、すなわち
権限とか財源をもらっても果たして適正に
国民の真の幸福を求めて仕事がこなせるのかということも私は論議をする必要があると思います。
こういった中で、特に私はこの場で首長の多選禁止の
実現について若干論陣を張ってみたいと思うわけであります。四年前に私は同僚議員約二十名の賛同を得まして議員立法で首長の多選禁止
法案を上程いたしました。
委員会での
趣旨説明まで行ったわけでありますが、残念ながら日の目を見なかったわけでございます。
よく言われますように、首長は大統領並みの
権限を持っておる。すなわち予算の編成、またその執行権、人事権、許認可権、補助金の配分等々に深く
関与し、絶大なる
権限があるわけでございまして、そのこと自体は即、悪いということではございませんが、私は、ある程度の期間在任の後、フレッシュな感覚でどんどんバトンを次の人に渡していくという考え方があってしかるべきではないかと思うわけであります。
昨今の
地方議会を見ておりますと、多選化、各政党が権力にすり寄っていくような形での総与党化というものが目立っております。そして、議会の
審議が、したがって
審議機関ではなしに追認
機関になっておるのではないかというような気もいたすわけでございます。片や、首長による汚職の摘発等も二、三年前にはいろいろマスコミ紙上をにぎわしまして、我々
政治に
関与する者も恥ずかしい思いをしたわけでございます。
私は、ここに贈収賄事件の
関係資料として過去二十五年間の累計を持っておりますが、二百八十八件が立件されております。そして、これはもちろん知事から市長とかと細分があるわけでありますが、時間の
関係で省略をいたしますが、こういった原因案件は、公共土木、道路工事をめぐるもの、あるいは各種許可、認可等をめぐるもの、
職員採用をめぐるもの、用地の買収、払い下げをめぐるもの等々で、それぞれの案件も出ておるわけでございます。
こういった中で、知事の
政治献金ということになりますと、選挙をやらない普通の年でも優に億を上回る金額が集まる。選挙の年になるとなおさらでございます。私は、ここに各知事のいわゆる
政治資金一覧表をつくって持っておりますけれども、この場でそれを公表することは差し控えたいと思いますけれども、私が申し上げんとすることは、やはり多選の弊害というものはないことはない。よく、立候補の自由を制限することは憲法違反であるとかいろんなことを言われますけれども、例えばアメリカ、ドイツ、メキシコ、フィリピン、韓国等々、大統領、知事の多選を禁止しておる国というのは
日本と同じように民主主義を
施行しておる。こういった中で、そういった国々がなぜそういうことをやっておるかということも私は考えてみる必要があろうと思うわけであります。
ここに一冊の本がございますが、題名が「知事成金」という本であります。これは大宮知信さんというジャーナリストが明日香出版社から出した本でありますけれども、いろいろ知事の錬金術について書いてある。私は、
地方分権は今後ますます進めていかなければならないけれども、私が申した四つの点についても、
総理がおっしゃる、これからもどんどん進めていくんだという中においてぜひ御
検討をいただきたい、そのように感ずるわけであります。
あと三分でございますので、ぼつぼつ質問に入ります。
まず
総理に、私が今申したことをひっくるめて、二合目か三合目か知りませんけれども、今後
地方分権を徐々にどんどん進めていく中においてひとつ御所見を御披瀝願いたいと思います。
それから
野田大臣でございますけれども、この自治法、
市町村合併特例法を見ておりますと、
施行が、
地方議会の議員の定数
関係のみ
平成十五年一月一日と、気の遠くなるほど先の日時が指定されておる。もちろん、
地方統一選挙があるんだよということでありましょうが、
地方統一選挙はぽつぽつといろんなところで行われておる。せっかく
法律をつくるんだから、私はここは一考に値すると思うわけでございまして、
衆議院でもこういった質問が多少出たやにも聞いておりますが、ぜひ前向きな御答弁を期待したいと思います。
では、御両方よろしくお願いを申し上げます。