○戸田
邦司君 あと、予定で考えますと二十分余ということになっております。岩本
委員もいろいろと
質問があるということですので、そこで私は、私の
考え方といいますか感じたところをまず
お話ししておきたいと思います。
この
道路運送車両法、私もつらつら眺めてみまして、まことに特異な
法律であるなという感じを深くしております。
まず第一条についてそう思いました。後段に、「あわせて
自動車の
整備事業の健全な発展に資する」ということが書かれております。
整備事業業界が健全な発展をすれば適切な
整備が行われ
安全性が向上するという趣旨で私はこの文言が書かれたと解しておりますが、きょうこのごろの
法律審査であるならこのような文言が入ったかどうかと思われる点ではないかと思っております。車を持っている人あるいは
運送事業者、それから
整備事業者、そういったところに偏ってこの
法律が運用されてはいけないと思いますし、現時点でもそういうような偏った運用がなされているとは私は思っておりません。
そこで、
運輸省関係で安全
関係の
法律が幾つかあります。
自動車についてはこの
道路運送車両法、船については船舶安全法、それから航空機については航空法、それぞれのモードの輸送について安全の
確保のための
法律があるという立て方になっていると思います。
これらの
法律の仕組み、そういったものについては、条約で
規制されていてそれがもとになっているものもありますし、
自動車については欧州
経済委員会での
検討が大分定着してきておりますから、そこでの仕組み、
やり方、
基準、そういったものが世界的に広まっていっているということではないかと思います。
そこで、自家用とそれからそうでないものとの区別がその中にあると思いますが、それについてはそれぞれの
法律でそういった点がはっきりと書かれているものがありますが、先ほど
荒井局長からも
お話しありましたように、特に自家用の場合の
自己責任というようなことについては、今後、こういった安全を考えていく場合の
基本的な柱の
一つとして重要視していかざるを得ない、こう思っております。
そういった
観点から考えまして、モード別の
安全確保、その仕組み、それから実施の方法も含めて、それぞれに背景が違っているところはあると思いますが、できるだけ
基本的な
考え方については
運輸省内でしっかりと意見の交換をしていただき、
考え方の原則をきちっとしていただいておくべき問題ではないかと思っております。
そこで、先ほど来
整備事業者の話も多々出てまいりました。私は、
整備事業者が事業を維持していけるかどうかということについては、
法律がどう変わっていくかということに相当
影響される面があるとは思いますが、そこは
法律の
基準あるいは
検査の実施その他についてそういう点とは一線を画した不偏不党の
考え方で進めていかなければならない面ではないかと思います。そういった点については、先ほど
寺崎委員からも御
指摘がありましたように、科学的裏づけに従って透明で説得力のある
考え方に基づいて進められなければならないということではないかと思います。
整備事業者の中には相当零細な人たちもおります。この零細な人たちにとって、
法律の中身がどう変わっていくかということについては死活の問題にもかかわってくるかと思いますが、私は、
一般的に申し上げまして、
整備事業者がこれからどういうふうにして、発展までにはいかないにしても
自分たちの業務を全うしていけるかということについては、この
法律に依存するだけではなくて、もう少し営業活動といいますか、そういった面もしっかりやっていただければと、こう思っております。
私もオーナードライバーでありまして、今乗っている車は十万キロをもう既に超えております。そういった車に乗っておりますので、車の
整備だけは相当気をつけているつもりでおります。定期点検などに入れまして、その請求書が参ります。そうすると、どういうところを直したかが請求書に書いてあります。私はもともと
技術屋ですから眺めればどこを直したかというのはわかりますが、
一般の人はここをどうして交換したんだ、なぜここを直したんだというようなことは普通わからないんじゃないかと思います。そこは私は
整備事業者の怠慢ではないかと思っております。
整備については、法定の
整備もありますけれども、安心安全のために
自分で進んで
整備してもらうといいますか、そういう
考え方をもっと大幅に取り入れられてしかるべきじゃないかと思います。これは
自動車の
整備というのは一種の保険ではないかと考えております。そういったことを大々的にキャンペーンするとか、あるいは
自分の事業を営んでいる周辺の人たちに一々当たって、うちではこういう
整備をしますということでお客さんをふやしていく、そういった
努力もあってしかるべきではないか、こう思っております。
いずれにしましても、今度の
法律の
改正、これが先ほど来の
説明されているところに基づいてなされるということについては、適正に科学的根拠に基づいてそういった
結論を出されたということだろうと思いますので、
法律の
内容についてはこれ以上申し上げませんが、第一点、
法律あるいは
基準の適切さ、そういったことについてはさらに一層御研究いただく。それから、この
法律の
改正で非常に
影響を受ける
整備事業者に対しては、もっと
整備点検の重要さというものを認識していただくようにお願いいたしまして、最後に
大臣の御感想をお伺いしまして終わりにしたいと思います。