○岩本荘太君 参議院の会の岩本荘太でございます。
本日の最後でございますので、ひとつ最後までよろしくおつき合いのほどお願いを申し上げたいと思います。
農林水産省に関しまして農業排水路についての
質問を準備させていただきましたが、その
質問に入る前に、農業排水路とは
関係ないんですが、
農林水産大臣並びに農水省の幹部の方がお見えでございますので、一つ要望を申し上げたいと思っております。
といいますのは、私、災害
対策特別
委員でもございまして、先月の二十三、二十四、二十五日だったですか、台風十八号、風が大変強くて雨も強かった台風が熊本県に上陸して、ずっと北九州を抜けて広島を越えて石川県の沖へ抜けたわけでございます。大変な台風であったわけでございますが、全国に報道された面では、不知火町で十二名の死者が出た大変無残な
事故で有名でございますが、このことにつきましては、犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするところでございます。
衆参合同の調査班が結成されまして、それの一員として熊本県に伺ったところ、この台風の被害をお聞きすると、農林水産の被害が非常に大きいんですね。二階
大臣おられますから、
運輸省の
関係も当然ございますけれ
ども、それはそれとして農林水産の被害が大きい。死者が出た
ということとは別に、やはりそっちの被害が大変大きい
ということを思い知らされたわけでございまして、地元でもその災害復旧にいろいろ御努力されておるわけでございます。
そんな中で、農林水産業
というのは大変脆弱な体質でございますので大変なことは
大臣もよく御存じだと思いますけれ
ども、やはり熊本県は熊本県なりに、しっかりと農業を復興させたい、特に県議会の議長さんが、せっかくやる気を起こした農業がこの打撃でやる気をなくしてしまうんではないか、それが大変心配だ
というようなことを言っておられました。
私は今は
国会議員でございますけれ
ども、それまでは主に農林水産業に携わったものですから大変身につまされる思いであると同時に、風台風
というものの無残さ
といいますか、非常に予想もできないような被害を与える
ということ。実は、八年前の
平成三年に同じような経路をたどった台風十九号
というのがございまして、そのとき私、個人的なことで申しわけございませんが石川県におりまして、台風に余り見舞われないところであったんですが、この風台風によって思いも寄らない被害が出て、その復旧に四苦八苦した経験がございます。そういう面からいいますと、大変身につまされる思いをいたしまして同情を申し上げた次第でございます。
今回も風台風によって、例えば温室のガラスが粉々に落ちて、それを除去するのにも大変な金がかかるとか、塩害に対しても大変だとか、いろんな御要望をされておりました。先ほど申しましたように、私もそういう経験を持っておりまして大変身につまされる思いですので、本来災害
対策委員会で申し上げるべきかもしれませんが、この辺について、きょうは
大臣おられますので、ぜひとも現地の実態をしっかりと把握されて、
対応をしっかりやって、農業の再生のためにもひとつ頑張っていただきたい、その辺をまず要望させていただきます。
本題の農業排水路の問題でございますが、実はことしの春先に
新聞記事で、メダカが環境庁のレッドデータブックですか、絶滅のおそれのある生物を集めた本に載る、もう載ったのかもしれませんが、載ることになった
というような
記事がございまして、これに関連して朝日
新聞などは社説で取り上げておられたわけでございます。
メダカ
といえば、これは農村地帯へ行けばいつでも見れると思っていたものでございまして、まさに生態系
といいますか自然環境
といいますか、そういうものの代名詞であろう
というふうに思っておりますが、それが絶滅の
危機にある
ということは、これは一つは農業が加害者かもしれない、あるいは加害者であると言い切ってもいいかもしれないような問題ではないか
というふうに思うわけでございまして、農業と自然環境のかかわり合いが大きく問われている
というふうに
感じているわけでございます。
もちろん、それが農業排水路の問題、そのことに直接
関係するとは思っておりませんが、自然環境と農業とのかかわり合いからいいますと、
日本の農地は私が申し上げるまでもなく五百万ヘクタール。五百万ヘクタール
ということは五万方キロ、
日本の国土三十七万方キロからいきますと大体七分の一と、大変大きな面積をしょっておられる。同時に、農業をやりますから、そこに降った雨ばかりじゃなくてよそからも水を導入して、水をかんがいとして使っておられる。
そういう中で、農業排水路として水を流下させている地域を受け持っておるのが農水省の所管の分野であると思っております。用水路の方は、これは限られた量を計画的に使わなければいけないから、しっかりとライニングをして水漏れしないようにする
ということはわからないわけでもないんですが、排水路の方は、昔からよく三尺流れれば水清しと言われるぐらい、自然の状態にある水路によって水が流れる間に浄化されていく、これが自然の姿であったんじゃないかなと思うんです。
どうも最近この辺で農村地帯を眺めてみますと、排水路がそういう昔あった自然浄化する機能
というのからかけ離れたようなぐあいにでき上がっているような
感じがしてならないのでございます。実を申しますと、私もこういう排水路みたいな事業の直接の担当者でもございましたので、そういうことでないようにいろいろ私自身も努力したつもりでございますが、現実は必ずしもそうはならない。
そこで、ひとつその大面積を受け持っておる排水路
というものの舗装
といいますか、そういう面についての現状をちょっとお聞かせ願いたいと思います。