○岩本荘太君 参議院の会の岩本荘太でございます。
いつもながらのしんがりでございます。あと十五分ほど、ひとつよろしくおつき合いのほどお願いを申し上げます。
きょう、午後からでございますが、いろいろな方々の
教育に対する思い、
教育論がいろいろ交わされたわけでございまして、私も非常に勉強をさせていただきました。きょうの議論を聞いておりますと、大変活発ではございますが、ある意味では非常に議論がかみ合っていたというような印象もなきにしもにあらずで、お互い確認をし合っているのかなというような思いにもなったわけでございます。
それと同時に、前からいろいろお聞きしているものがかなりの部分を占めていた。にもかかわらず、
教育の現場というのはそれほど進歩していないというか、インプルーブされていないというのも現実であるかなというような思いをしたわけでございます。それは、私な
ども反省しなくちゃいけないのでしょうが、
一つは、
教育と言いながら社会に押しつぶされている面があるのではないかというような感を抱いたわけでございます。
私は
教育論を述べるほどの見識はございませんので、印象だけでございますが、
教育そのものというのは、やはり次世代に対して自分と同じかあるいはそれ以上の人格を育てることでありますから、生半可な覚悟ではできるものではない。自分と同じだけの、自分が生きてきただけの同じもの、同じだけの
努力をしなくちゃいけないというような感を持っているわけでございます。
きょうは
教育についての
質問、先ほどからたくさん出ておりますので私の出番ではございませんので、
教育とある意味ではちょっと共通した点もございますが、中山間
地域の活性化、日本の国土の
一つであります中山間
地域の活性化と
教育という面からひとつ
質問をさせていただきたい、こう思う次第でございます。
先ほど
岩城先生等から、ふるさと学級ですか、自然とのかかわり合いについての御
質問が出ました。それは
教育という観点からかと思いますが、私はどちらかというと、日本の国土の
一つである中山間
地域という観点から
質問をさせていただきたいと思っている次第でございます。
中山間
地域というのは、これはここにおられる方も、一時期はほとんどわからなかったのですが、最近ちょっとわかるようになったかなと。私も代表
質問で中山間
地域という言葉を使いましたが、答弁がございましたので、大分一般的になったかなと思うんですが、これはある意味では条件不利地といいますか、
生活の面あるいは産業の面での条件不利地。中山間地そのものは統計上の分類で、分類によれば日本
全国の七割が中山間地に含まれているとかそういうようなことがございますが、そういうことでなく、条件不利地。これは余計なことかもしれませんが、ヨーロッパなんかでLFA、レス・フェーバード・エリア、こっちの方がよほどわかりやすいような感じがするんですが、そんなふうに呼ばれている
地域についてでございますが、御存じのとおり大変過疎化が進んでいる
地域でございます。
そんな中で、日本の中にはいろんな方がおられますから、今の日本の経済効率主義からいえばそれは当然消滅してもいいではないかというような議論もあろうかと思います。それはそれで
一つの議論かと思いますが、昔のような
状況でほうっておけば自然に返るというようなことであればいいわけでございますけれ
ども、今はほうっておいても昔のような深山幽谷に戻るというようなそんな
状況ではない。
ということは、これは機械化といいますか、非常に動力を使えるようになった今の近代社会の
一つの宿命といいますか、その影響だろうと思うんですが、御存じのとおり、いろんな開発行為が簡単にできるわけでございます。ゴルフ場の開発、あるいは開発でなくてもごみ処理場。これは、私など
地方におりまして、最近、山地がどんどん買い手がつく、買いに来る人が多い。それをよく調べると、何か将来ごみ処理場にする意図があるんだというようなことを聞くわけでございます。
それはそれ、
一つの
考え方であろうと思いますが、この中山間
地域、これは住んでいる人の問題ばかりでなくて、この中山間
地域が荒れますと、中山間
地域の
役割というのは、私が申し上げるまでもなく、森林が酸素を供給するとか水資源の源であるとか、あるいは洪水を防ぐとか、あるいは都会の人がレクリエーションの場として活用するとか、ある意味ではそこに住んでいる人のためというよりも川下の人、人がたくさん住んでいる川下の人のために健全な整備をしなくちゃいけないという
地域であろうと私は思っているわけです。
そのためには、やはり日本の社会の一部として、コミュニティーとしての管理が果たされなければいけない。したがって、日本
国民全体の問題としてとらえられなければいけないということで、十二月の代表
質問、あるいは先般、食料・農業・農村
基本法の代表
質問でも総理にお
伺いしまして、総理も非常に前向きに、やはり全体的な問題だという御答弁をいただいたわけですが、まずその辺について、
大臣、この中山間
地域、いわゆる条件不利地というものについて、日本の国土の一部としての位置づけでもございますが、これは
教育の場、
文部大臣という立場でなくても結構ですが、まず御認識をお聞かせ願いたいと思います。