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説明員(
飯村豊君) 今、
委員御
指摘の五つの
ポイントに沿いまして私どもの考え方を申し上げさせていただきたいと思います。
まず、
政策的に適切かどうか、こういう
基準を御
指摘になられました。当然、私ども
ODAの
プロジェクトを実施する際には、中期
政策、さらに今後、今つくっております
国別援助計画に基づきまして、
相手国の要請を受けて個々の
プロジェクトを選択していくわけでございますけれども、その選択もしくは執行が適切であったかどうか、これが
ODAの
評価の面であると思います。
ODAの
政策面での
評価につきましては、従来、私ども
外務省、
JICA、それから
OECF等の
評価は、どちらかといいますと個別の
プロジェクトを
評価する
事後評価に偏ってきた嫌いは確かにございます。したがいまして、私どもとしては、個々の
プロジェクトの
評価を超えた
政策的な
評価も今後強化していきたいというふうに考えておりまして、この面で
評価システムの改善策を現在検討中でございます。
少し立ち入って申し上げますと、DACに
評価原則というのがございまして、五つの
基準を設けて
評価を行うよう各国に勧告をしておりますけれども、その五項目のうち妥当性というテーマがございまして、その中では特に被
援助国側の
援助政策あるいは
開発政策や優先度と合致していたかどうかチェックする、こういう項目がございます。
あと五点、よろしゅうございますか。
それから二番目は
環境の分野でございますけれども、
環境の分野につきましては、事業主体でございます途上国
政府に対して、私ども、
政策対話を通じて
環境配慮が適切に行われるよう働きかけております。さらに、
プロジェクトの実施に当たりましては、例えば
開発調査につきましては、
JICAにおきまして
環境配慮ガイドラインというものをつくりまして
環境配慮を行っております。
また、円借款につきましては、
相手国政府が、
環境配慮のための
OECFガイドライン、これに基づいて計画の準備段階で
環境配慮を検討するよう要請しておりまして、融資の審査においても十分な
環境配慮が行われているかどうか、私ども確認を行っているわけでございます。問題がある場合は、
相手国が必要な措置をとるようにミッション等を派遣いたしまして積極的な働きかけを行っております。
それから三番目でございますが、受け入れ側の資金の流れに不正がないかどうかという点でございます。
この点につきましては幾つかの段階がございますけれども、資金を実際に支払う段階におきましては、必要な証拠書類を徴取することによって資金の使途を確認した上で供与している次第でございます。それから、調達の段階におきましては、
資金協力の対象となっている資
機材、役務の調達が私どもが定める調達方法にのっとって適正な手続のもとで行われているかどうかチェックするために、調達手続の各段階、事前審査とか入札結果
評価とかいろいろございますが、その段階で事前の同意を求めることにしております。
もう一点ございまして、
我が国の
資金協力の対象となっている事業に関連して贈賄等不正が行われることのないように、個別の
プロジェクトを結びますときには交換公文において資金の適正使用条項、さらには附属文書で反汚職条項を置いて不正防止のための必要な措置を規定しているところでございます。さらには国内法で、
委員御承知のとおり、この二月からは不正競争防止法が改正されまして外国公務員等に対する贈賄行為が処罰されるということになっております。
それから、
日本業者の受注の仕方に問題がないかということにつきましては、時間の
関係がございますから簡単に申し上げさせていただきますと、一般競争入札ということを
原則やっておりまして、その入札の各段階でチェックをしているところでございますけれども、こういったものも透明性とかあるいは効率性を図れるよう一層
努力をしたいというふうに考えております。
最後に、円借款の返済の問題でございますけれども、これは円借款の供与に際して、
政府部内の協議の過程で借入国のマクロ経済
状況あるいは公共投資計画等を調査した上で、借入国にとって返済が過度な負担とならないように配慮しているつもりでございます。返済
状況はおおむね順調でございますが、一部の返済困難に直面した国については、パリ・クラブやその他の国際的な枠組みのもとで債務繰り延べ等の措置をとっているところでございます。