○清水嘉与子君 そもそもこの
移行措置を開始するというのは、経験の長い人で、そしてその
人たちが就業しながら自宅で
資格が取れるんだということで始まったと思うんです。
ところが、
移行教育所、また学校をつくり、学校に行かなきゃいけない、しかも二百七十時間。しかも、学校で技術学習をするという意味がどうも何なんだろうかというふうに私も思うんです。
一般の
看護婦だって、
看護婦になるための学内での実習というのはもちろんあると思いますけれ
ども、そんなに長い時間やっていないんです。そんなに長い時間、臨床の場では相当やっていますけれ
ども、学校の場ではそんなにやっていない。それを、こんなに経験の長い人をまた連れてきて学校だけでやるというのがどうも私は意味がわからない。そして、もし学校に行くとすれば、例えば離島、僻地の人はどうするんですか。またそこに行かなきゃいけないというようなことになって、やっぱり学校に行ける人が、もともとの趣旨と違った形になるんじゃないかということを大変恐れるわけでございます。
移行措置の問題については、
移行教育所の問題についてはいろいろ問題があると思います。しかも五年で廃止する学校ですから、これはもう当然のことながら今ある学校でも使わなければ本当にむだなことになると思いますし、しかし教員はふやさなきゃいけない、こんなことが本当にできるんだろうかというようなことをいろいろ考えるわけです。もしやるとすれば、当然のことながら国、県、こういった公的なところが率先してまず受け皿になるということも必要でしょうし、またもっと臨床の場で研修をできるような仕組みも、もし本当にそれが必要ならば、もういっそのことそういう技術学習は全部省略するという手もあるかもしれませんけれ
ども、もし必要であれば、それはもう少し広く本当に実行できるような形でやらなければ意味がないんじゃないかなというふうに思うところでございます。
どうしてこんなにいろいろ問題が起きながら決着しちゃったかというと、養成停止ということがはっきりしないで検討が進められたおかげで、
検討会の中でも一体どっちに向いてその検討の結果が決まるのかということが最後までごちゃごちゃとしたというふうに伺っております。だから、せっかく決めた新しいコースであるにもかかわらず、何か中途半端な感じがしてならないわけなんです。新しいコースのスタートは、やっぱり
関係者から喜ばれないようでは、そして
看護教育全体の前進につながらなければ何にも意味がないと私は思えてならないんです。
そこで、経験の長い
准看の人に道を開くということについては私は賛成をいたしますけれ
ども、ぜひ十分時間をかけてみんなの合意を得られるように、その辺についてはぜひよろしく
お願いをしたいと思います。
また、
資質の
向上の
検討会についてはまだ結果が出ていないそうで、これはもう時間もなくなりましたので省略いたしますけれ
ども、
准看の教育の時間を延ばして質を高めようという話なんですけれ
ども、そもそも
准看の学校に入っているのはほとんど
高卒者です。そこを何にもいじらないで、ただ時間だけ延ばして一体何の意味があるのか。
准看をもう将来やめようと言っているにもかかわらず、
准看の教育を充実させるというのは一体どういう、何か矛盾しているんじゃないかというふうに思えてなりませんので、これについても十分御検討をいただきたいというふうに思っております。
最後になりますけれ
ども、
准看養成を担当している教員の中からもあるいは現場の婦長さんたちからも、やっぱり今の
准看護婦の養成ではもう十分ではないという声が上がってきておりますし、
准看自身そう思っているからこそ、学校を卒業したらほとんどの人が進学して
看護婦の道を選ぶというのが実態になっているわけです。ですので、その辺についてはぜひ十分御検討いただきたいというふうに思っております。
最近は本当に
医療過誤がたくさん起きているわけでございまして、これは
看護婦でも
事件を起こしているわけです。今、病院に行きましても、どの人が
看護婦だかどの人が
准看護婦だか、本当は国民のみんながわからないのが実態です。そして、仕事の中身もみんなごちゃごちゃと一緒になってやっているというのが実態でございまして、こんなに危険きわまりないことは本当はないわけでございます。
ある程度、
看護婦の数もこれだけ多くなってきたところでございますから、しかも情報公開、いろんな制度が進んでくるところでございますから、
看護婦、
准看護婦がしっかりと責任のある仕事ができるような
体制にするべきだと思いますし、また時代の要請に合わせて
看護婦の教育をしっかりと、できるだけ現場の
状況を見ながらですけれ
ども、やっぱり三年のコースに統一していく、少なくともそこまで統一していくという方向でぜひ御検討いただきたいと思います。
この点につきましてぜひ
大臣から御意見を伺って、質問を終わりにしたいと思います。