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参考人(望月
薫雄君) お答えいたします。
先生お話しのように、昨今の厳しい経済事情、これが私
ども住宅金融の立場から見ていましても非常にストレートに実は姿をあらわしておりまして、まことに残念なことでございますが、いうところの延滞債権というのが非常にふえてまいっております。参考までにちょっと数字を一言申し上げさせていただきますと、
平成十年度は件数で二万二千九百五件、金額にしまして三千三百七十二億円、こういうかなり大きな金になっております。参考までにこの三千三百億何がしが私
どもの公庫の融資残高全体に占めます割合は〇・四七%という
状況になっております。
この数字自体を見ると、ほかの金融機関に比べてまだまだおとなしいかなという実感を持っておりますが、そういったレベルの話ではなくて、経年で見ますると八年、九年、十年と着実に増嵩の一途をたどっているという
状況でございます。
私
ども、こういったある意味では深刻な、特に私
ども公庫の融資を御利用いただいて持ち家をお持ちいただいた方には本当に深刻な状態というものが幾つか出てまいっている中で、可能な限り御融資申し上げた方々が家を手放さなくて何とかそこに住み続けていただける方法はないかということで、制度的に許されるぎりぎりのところを今頑張らせていただいているというのが現状でございます。
ちょっと事務的ですけれ
ども、昨年の十月に公庫の融資について閣議決定いただいたり、あるいは十一月に経済
対策を打たれたりという中でございます。その中でもいわゆる延滞債務者、ローン破綻者と言っていいんでしょうか、こういった方に対する配慮をしっかりやるようにという強い御決定をいただいている中でございまして、私
ども公庫も、昨年度、今年度と公庫の最重点的に取り組むべき
課題の一つとしてこのローン返済
対策といいましょうか、延滞の方々に対する御相談というものをしっかりやろうということで取り組ませていただいております。
具体的には、私
ども支店を持っておりますが、各支店に相談
対策本部をつくらせていただく、あるいはまた、何分にも私
どもの事務は金融機関に委託申し上げていますものですから金融機関の御理解、御協力をいただかないことにはできないということでございまして、この方も格別の御理解をいただきながら、それぞれの金融機関の窓口でもしっかりと債務者と御相談、対応していただくということでやらせていただいております。
しかし、これは一言で言いますと、多額のローンをさせていただいている
住宅ローンでございますので、やはり御本人に必ず御来店いただく、相談いただくというのが大前提でございまして、そういった中で私
どもは一人一人の事情を親身に取り組ませていただく、こういう
状況でございます。
端的に言いますと、事務的になって恐縮でございますけれ
ども、
平成五年度、六年度に行いましたいわゆるゆとり償還、ちょっと強烈なゆとり償還制度を導入したことがありますが、これが六年目を迎えて大変苦しいとか、さらに加えて企業倒産、リストラ等々で非常にまた収入が激減されている方々、しかし今は苦しいけれ
ども、いろんな事情で二、三年待っていただくと何とか乗り越えられるという方々も大変多うございまして、そういった方々に対して本当に親身の相談をする、こういったことでやらせていただいております。事務的には償還期間を延長するとか、ただ延長するだけではこれはまたいろいろと問題もありますが、ゆとり償還については十
年間償還期間を延長するということをやっていますが、特にリストラ、企業倒産等で非常に苦しい方々に対しては、昨年の十二月からでございますが、新しい特例制度も入れていただきましたものですから、正直なところ、そういった方々に対して本当に個別に御相談の上でもって対応する、こういうことでやらせていただいております。
ただ、本当に大勢の方々でございますので、どうにもならない、めどが立たないという方もございます。そういった方々、あるいはまた残念なことですけれ
ども、なかなか御相談にも来ていただけないとか連絡もとれない、こういう方も結構数いらっしゃいまして、こういったケースにつきましては、私
どもやっぱり公的金融機関の立場でございますので、しかるべき段階で保証協会の代位弁済を求めるとかというふうな格好で次のステップに行くと。
いずれにしましても、公庫の手にあるときあるいは保証協会の手に渡ってからでもできるだけできることは努めさせていただこうということで、繰り返しになりますけれ
ども、公庫、金融機関とも
ども昨年度、今年度の最重点に取り組ませていただいているということだけ申し上げさせていただきます。