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加納時男君
大臣おっしゃるとおり、
経営資源を社会的に生かしていくということは私は賛成でございます。冒頭に申し上げましたように、
自由化の光ということでございまして、おっしゃるとおり、港湾であるとかあるいは土地であるとかあるいは発電
設備だとか、いろんなものが遊休化しているのがあります。
今、通産省でも
三つの過剰というのを取り上げておられるようでございますけれ
ども、過剰
設備というのもあります。ただ廃棄するだけが能じゃなくて、これを生かして前向きに使っていくということは私は大賛成であります。
ただ、申し上げたかったのは、それはもちろん大切なんだけれ
ども、その際にぜひとも
供給責任で、
セキュリティーであるとか、あるいは
エネルギー種類の選別、極力
環境に負担の少ない
エネルギーを選ぶようにすること、そしてまた
環境適合性のある
エネルギー政策がその
ベースになけりゃいけないということだけを申し上げたかったわけでございます。
今、小売の話が出てきたので、これに関係したことでちょっと新聞記事を持ってきたのでございますけれ
ども、これはウォール・ストリート・ジャーナルでございます。(
資料を示す)「Did Competition Spark Power Failures?」、簡単に言いますと、
競争スパーク、
電気がとまる、こんな見出しになるのかと思うんですけれ
ども、
競争が激化して
電気がとまっちゃった、スパークしちゃったというようなことでございまして、これは
アメリカの例でございます。実は、
アメリカとかニュージーランド、それからカナダ、メキシコ、こういうところで大
停電が起こっているわけであります。それも全部
自由化、民営化が進んでから急激に起こっているので、その因果関係があるのかないのかという
議論がかなり行われております。
東京新聞とか読売新聞を拝見しますと、ニュージーランドのオークランド、三十五万という大きな都市でありますけれ
ども、ここで去年の一月二十日以降、次々と送電ケーブルが損傷して、ついに四回線全部がとまってしまったというので約二カ月近く大
停電が起こったということ。それから、これは民営化が行われてどんどん人を減らしてきて、保守要員も含めて一万四千人を六千人にしたとか、千四百人が六百人だったですか、何か
数字は覚えていませんけれ
ども、半分以下にしちゃったんです。それで、リストラのツケではないかという論評が載っていました。
今のウォール・ストリート・ジャーナルですとか、あるいはロサンゼルス・タイムズあるいはニューヨーク・タイムズ、こんな新聞で取り上げているのは、
アメリカの西部十二州、それからカナダを含めた広
範囲停電、それからカナダ、メキシコを含めた長時間
停電等、ワシントンDCの長時間
停電とかいろんなケースがあったわけでございます。
こういったようなことがありますので、私は、小売の全面
自由化、それから基本的に
規制緩和をやっていくのは賛成でございますけれ
ども、こういう
供給信頼度ということもぜひ
配慮していかなきゃいけないんじゃないだろうか。懸念としては、市場参加者が急増することによって
安定供給が懸念されるとかいうのがあるので、
自由化というのは、今回
部分自由化であります。これから全面
自由化というのも
議論されるかもしれませんけれ
ども、私は、全面
自由化といったときには、こういった海外の失敗例、これをひとつ他山の石として十分に反省した上で臨んでほしい。全面
自由化した場合には、
供給コストが高い需要に対しては敬遠されてしまうことであるとか、それから
供給信頼度が脆弱化することであるとか、市場参加者がふえることによって
安定供給の懸念が起こるとか、いろんな心配があるかと思います。こういった海外の失敗例も、もちろん成功例もありますけれ
ども、参考にしていただきたいと思います。
何か御所感がありましたら伺いたいと思います。