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西山登紀子君 しかし、
臨界管理の部分も参考にしたんじゃないかというふうに見られないかというと、少し苦しいところはあるんです。
臨界のところは基本
指針でやったと言うんですけれども、その基本
指針でやったということについては、基本
指針でやったところが、おそれがないということで免除してしまったという点では、結果的には五%未満の
ウラン加工施設と同じような結果になってしまっているということについては指摘をしておきたいと思います。
大臣にお伺いしたいんですけれども、
ウラン加工施設安全審査指針、五%未満のこの
指針を私見ておりまして、五%未満の
ウラン加工施設ではそれでは
臨界の危険性がないのかというと、そうではありませんね。
臨界の危険性はあります。ところが、この加工
指針そのものが実は基本
指針を薄めて大きな穴をあけている、私はこういう懸念がいたします。
例えば
指針十の六というのがあるんですけれども、ここには「核的制限値の維持・管理については、起こるとは考えられない独立した二つ以上の異常が同時に起こらない限り
臨界に達しないものであること。」、こういう防止策でよろしいよとなっています。また、複数の場合も、同じく
指針十一の四のところで、「起こるとは考えられない独立した二つ以上の異常が、同時に起こらない限り
臨界に達しないものであること。」と、こうなっています。さらには、問題は
指針十二、ここでは「
ウラン加工施設においては、
指針十及び
指針十一を満足するかぎり、
臨界事故に対する考慮は要しない。」、つまり基本
指針十二、「
臨界事故に対する考慮
誤操作等により
臨界事故の発生するおそれのある
核燃料施設においては、万一の
臨界事故時に対する適切な
対策が講じられていること。」というこの基本
指針の部分は考慮しなくてよろしいと、はなからもう免除している、こういうことなんですよ。これは私は極めて重大であると思います。
ですから、この点の見直し、五%未満の場合だってもっと厳重にする必要があるし、それから
臨界が起こった場合の
対策もきちっと直ちに私はとる必要があるというのが一点です。
時間の
関係で次の質問も同時にさせていただきます。
いかなる場合にも防止をしなきゃいけないとなっている基本
指針のナンバー十とナンバー十一を適用して
審査をしたというんですけれども、例えば今回の
事故を起こした
ジェー・シー・オーの
転換試験棟というのは、呼び名のとおり試験装置であったものを商業用の
施設に変更したものであります。素人が考えても非常に無理があったなというふうに思うわけです。低濃度のウランと二〇%もの高濃度のウランを使うということについては、
臨界の危険度というのは格段の質的な違いがあるんだということは
専門家の間では常識でございます。ところが、
ジェー・シー・オーの
転換試験棟では、商業用に変更するときにその点が同時にできるように申請がされておりまして、今日まで運用がされてきたわけであります。
濃縮度の異なるウランの処理は、やっぱりそれぞれ設備を分けて設置すべきではなかったか、本格的な商業
施設に転換するのであれば
安全性が確保できる新しい設備をつくるべきではなかったか、このことが問われていると思います。企業の採算を優先したずさんな安全管理を行ってきたということについては非難は免れませんし、そういうことについて見逃したという
政府の
責任もまた免れません。
そういう点を指摘しながら、今回の
事故の教訓からも、
沈殿槽が形状管理されていないというような問題になっているわけですが、例えば、これは提案ですけれども、硼素を多く含んだ硼珪酸ガラスを内側にライニングするだとか、硼素をすぐに注入できるような装置をつけるだとか、こういう
専門家の意見も、これは五%未満であれ以上であれ、
ウラン加工施設の
臨界事故の防止に対する
安全確保のためにはどうしても、また直ちにすべきことではないかというふうに思います。
大臣、整理してお聞きいたしますけれども、五%未満の
ウラン加工施設の安全についても、直ちに今できる
対策、
臨界を未然に防ぐ、また起こった場合にも直ちに制御できる防止策、これを直ちに行っていただきたい、こういうことを御質問させていただいて、終わりたいと思います。