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1999-07-06 第145回国会 参議院 外交・防衛委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年七月六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  七月二日     辞任         補欠選任      渕上 貞雄君     田  英夫君  七月五日     辞任         補欠選任      山崎  力君     椎名 素夫君  七月六日     辞任         補欠選任      村上 正邦君     久野 恒一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         河本 英典君     理 事                 依田 智治君                 柳田  稔君                 高野 博師君                 小泉 親司君     委 員                 岩崎 純三君                 大野つや子君                 亀谷 博昭君                 久野 恒一君                 佐々木知子君                 村上 正邦君                 森山  裕君                 木俣 佳丈君                 齋藤  勁君                 吉田 之久君                 続  訓弘君                 立木  洋君                 田  英夫君                 田村 秀昭君                 椎名 素夫君                 佐藤 道夫君    国務大臣        外務大臣     高村 正彦君    政府委員        外務大臣官房審        議官       小松 一郎君        外務省総合外交        政策局長     加藤 良三君        外務省総合外交        政策局国際社会        協力部長     上田 秀明君        外務省アジア局        長        阿南 惟茂君        外務省経済局長  大島正太郎君        外務省経済協力        局長事務代理   荒木喜代志君        外務省条約局長  東郷 和彦君        運輸省海上交通        局長       宮崎 達彦君    事務局側        常任委員会専門        員        櫻川 明巧君     ─────────────   本日の会議に付した案件核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の  規定実施に関する日本国政府国際原子力機  関との間の協定追加議定書締結について承  認を求めるの件(内閣提出衆議院送付) ○民間職業仲介事業所に関する条約(第百八十一  号)の締結について承認を求めるの件(内閣提  出、衆議院送付) ○航空業務に関する日本国政府イスラエル国政  府との間の協定締結について承認を求めるの  件(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 河本英典

    委員長河本英典君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る二日、渕上貞雄君が委員辞任され、その補欠として田英夫君が選任されました。  また、昨日、山崎力君が委員辞任され、その補欠として椎名素夫君が選任されました。     ─────────────
  3. 河本英典

    委員長河本英典君) 核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定実施に関する日本国政府国際原子力機関との間の協定追加議定書締結について承認を求めるの件、民間職業仲介事業所に関する条約(第百八十一号)の締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国政府イスラエル国政府との間の協定締結について承認を求めるの件、以上三件を便宜一括して議題といたします。  三件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 依田智治

    依田智治君 自由民主党の依田智治でございます。  私は、本日提出されている三条約案件、これは賛成立場でございますが、幾つかの点について関連して外務省側見解をお伺いしたい、こう考えております。  まず、国際原子力機関との保障措置協定追加議定書関連の問題でございます。  この案文等を読みますと、現在の保障措置協定の主として本体みたいな核の部分についての保障措置、それをさらに周辺部分まで広げてより徹底していこう、こういう趣旨だと伺っておるわけで、非常に結構なことだと。核というのは業の兵器ですから、できるだけ核兵器なんというものはなくしていくという世の中をつくっていかなきゃいかぬし、核施設というものが兵器等に転用されないように国際的にも管理を厳しくしていく、これは極めて重要なことだと思うんです。こういう協定を批准したりいろいろするときに矛盾を感ずるのは、模範生は整々とやっているんですが、一番やってもらわなきゃならないところがそういう問題についてそっぽというかやらないということで、果たしてこれで徹底できるのかという気がつくづくするんです。  この追加議定書についても、資料によりますと署名国は三十七カ国、その後ふえたのかどうか知りませんが、締約国はまだ五カ国というようなことです。そういうことで、我が国は現在の協定でもまさに模範的にやっておるという国ですが、さらに追加議定書でもまだ五カ国しかないところを率先してやろうということで非常に結構なことだと思うわけです。  英国、フランス等から再処理した燃料物質燃料棒とか廃棄物質等を運ぶについてもグリーンピースその他いろんなことを言っておりますし、韓国等でもそんなことを受けて危惧の念を持つというような状況もありますから、この際こういう追加議定書等にも率先して国会承認し批准することによって、我が国の態度というものをしっかりと世界に向かって明らかにしていくということは非常に意義があることだ、こう感じております。  外務大臣、この点に関して、この追加議定書を率先して我が国としても国会に提出し承認を求める、それから今後、いろいろ自分だけやっていてもどうにもなりませんので、我が国としてももっと努力してこれに加盟する国をふやしていかなきゃいかぬ、こう思うんですが、この点についての見解をまずお伺いしたいと思います。
  5. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) イラク及び北朝鮮核開発疑惑に見られますように、冷戦終結後におきましても核不拡散体制強化国際社会全体が取り組むべき課題であります。  この追加議定書でありますが、現行の保障措置制度強化効率化を図るものでありまして、核不拡散体制強化に資すると考えております。核不拡散を重視してきた我が国がこの追加議定書締結することは、このように核不拡散体制強化するための国際協力に積極的に寄与するとの見地から有意義なものだと思っております。また、我が国がこの追加議定書締結することは、我が国原子力平和利用に関する透明性を一層向上させる見地からも有意義であると考えております。  我が国としては、委員がおっしゃるように、より多くの国が追加議定書締結するよう外交上の働きかけを通じて引き続き努力してまいりたい、こういうふうに思っております。
  6. 依田智治

    依田智治君 今、外務大臣もちょっと触れました北朝鮮、この間、KEDO協定承認したわけですが、軽水炉計画を推進するということは、核については公明正大に疑惑のないようにしますということが保障されなきゃいかぬし、筋からいえば、保障措置協定はもちろん、今回の追加議定書等についても率先して北朝鮮承認するというか締結するということがあってこそ我々の方としてもKEDOの参加というものを積極的にやっていくということだと思うんです。現状では、IAEAとの関係特別査察するというのを拒否し云々とこじれたわけですが、現在このIAEAとの関係における旧協定みたいな、これについての北朝鮮との関係というのはどうなっているんですか。外務省、ちょっと報告してください。
  7. 小松一郎

    政府委員小松一郎君) 御質問の点でございますが、まず北朝鮮は一九八五年、昭和六十年でございますが、に核不拡散防止条約NPT締結いたしまして、九二年一月にこの保障措置協定IAEAとの間で締結しております。  それで、この保障措置協定に基づきます特定査察とその冒頭申告内容を調査する特定査察が行われた結果、IAEAの調査の結果と北朝鮮申告との間に重大な不一致があるということが判明して、そのため一九九三年二月にIAEA北朝鮮に対して未申告施設に対する特別査察を要求したわけでございます。これを北朝鮮側が拒否をいたしまして、同年三月にNPT脱退を決定して安保理等に通報した、こういうことから大変な核疑惑の問題が生じたわけでございます。  その後、米朝協議が行われました結果、九三年六月に北朝鮮NPT脱退を中断するという決定を行いましてこれを発表いたしました。それから、それに基づきましてIAEAによる査察も再開したわけでございます。九四年の米朝間の合意された枠組みに従いまして、北朝鮮核開発問題解決のための体制が築かれているわけでございますけれども、この体制のもとで、今申しましたように、IAEA北朝鮮との保障措置協定に基づく査察を一応継続実施をしております。これに加えまして、KEDO資金協力協定のときに御審議をいただき、凍結することとされました黒鉛減速炉等施設でございますが、この黒鉛減速炉の密封された使用済み燃料IAEAが今監視をしている、こういう状況にございます。  これから先でございますが、合意された枠組みによりまして、北朝鮮KEDOからの主要な原子力部品引き渡し軽水炉の主要な部品引き渡しが行われる以前に、IAEAが必要とするすべての措置をとることを含めましてIAEAとの保障措置協定を完全に履行することとなっておりまして、これは一九九四年の米朝間の合意された枠組みでございますけれども関係部分だけちょっと読ませていただきますと、「軽水炉プロジェクト主要部分が完了した時に、重要な原子力関連部品の供与の前に、北朝鮮は、北朝鮮における全ての核物質に関する北朝鮮冒頭報告正確性及び完全性の検証に関しIAEA協議を行った後、IAEAが必要と考える全ての措置をとることを含め、IAEAとの保障措置協定を完全に履行する。」と、こういうふうに記載されているわけでございます。
  8. 依田智治

    依田智治君 KEDO北朝鮮との間の軽水炉供与取り決め、今言われましたようにそこでもきちっと決まっているわけですが、本当にこれきちっと、こっちも十億ドル以上の金も出すわけですし、しっかりとこれが履行されるように今後とも我が国としても監視していく必要がある、こう思っております。  なお、北朝鮮の問題についてはいろいろ私も聞きたいことがあるんですが、これは別の機会に譲ります。  次に、民間職業仲介事業所、これは以前には、民間等でやるとピンはねしたりいろいろ弊害があるということで、できるだけそういうものを廃止して公共的なものを中心にやっていこうという哲学、今もそういう哲学に基づくILO第九十六号条約というのは生きている。一方、我が国なんかは、急激に加速的に規制緩和ということで官から民へというような動きの中で、むしろ官が独占するというよりも民をできるだけふやしてきめ細かな職業紹介をしていこうという方向になってきておるわけですが、きょうは労働省を呼んでいないんですが、外務省我が国の場合は民間職業紹介事業というのはどの程度普及しているんでしょうか。参考までに、何か数字があったら。
  9. 上田秀明

    政府委員上田秀明君) 平成十年の統計でございますけれども民間有料職業紹介所が三千三百七十五事業所、無料が五百十四事業所ございます。そして、これらは平成九年との比較でございますけれども、五・九%増というようなことで、ふえておる状況にございます。
  10. 依田智治

    依田智治君 やはり以前には弊害ありと。しかし、規制緩和流れの中ではどんどんふやせと、こうなっているんで、基本的に問題がある部分というのはあるわけです。これは、国内法は既に先般本会議でも可決されておるということでございますが、これはきっちりと長所短所をわきまえつつ推進していくということが大変重要だと思います。  この条約、百八十一号条約というものは、二年前にILO総会でそういう時の流れを受けて採択したという割には、この資料を見せてもらうとエチオピア、モロッコ、フィンランド、スペインの四カ国しか入っていない、もう二年もたっているのに。先進国でやるのは日本が初めてという状況ですが、国際的に今や労働が流動化し世界的に展開しつつある状況の中では、こういう雇用のための政策は世界的にもできるだけ同一の方向で行った方がいいかと思うんですが、各国がおくれている理由というのは何かあるんですか。国内事情ですか。
  11. 上田秀明

    政府委員上田秀明君) 御指摘のとおり、民間活力を利用して職業紹介をよりきめ細かくするというのが現在の、特に我が国等におきます必要性があるということから国内法も改正されたわけでございますが、この流れに沿って百八十一号条約ILOで二年前に採択されましたときに、我が国を含みますG7の各国政府はみんな賛成をしております。  御指摘のとおりで、いまだ批准した国が少ないわけでございますが、若干技術的でございますけれども、九十六号条約に入ったままでおりますとそれと抵触してくるということから、我が国等はお願いして早くこの百八十一号条約に切りかえていくという必要があるわけでございますけれども、アメリカ、イギリス等はこの九十六号に入っておりませんので、目下直ちにという必要性がないということがございます。それから、ドイツは九十六号条約を一応脱退をしております。  我が国は、九十六号を脱退する手はずは、これはまたこれで手続を要しますし時間もかかります。時代流れに応じて好ましい内容になっております百八十一号条約の方を御承認いただいて批准することによって自動的に九十六号条約を廃棄する。それによってよりきめ細かい民間職業仲介事業所の活動ができるようにする、こういう趣旨でございます。
  12. 依田智治

    依田智治君 この件については、既に国内関係の法律も改正されておることでございますから、しっかりと時代の要請を踏まえながら適切な運用がなされることを期待していきたいと思います。  最後に、イスラエルとの航空協定。これは中東地区という非常に難しい地区との航空乗り入れの問題。これは、よく資料を見てみますと、エジプトは昭和三十七年、クウェート三十七年、レバノン昭和四十二年ということで、もう既に三十年以上も前に航空協定が結ばれている国もある。一方、イスラエルは、やってくれという要望が大分強かったわけですが、今になってやっとと。中東情勢が非常に不安定で、空港等保安措置等についても懸念があるというような面も踏まえながら延び延びになっていたのか、もっとも空港の容量が狭いという問題もあると思うんですが、このあたり事情はどんなぐあいでございましょうか。
  13. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 我が国との間で定期航路を開設したいというイスラエル側からの希望に対しましては、両国間の航空需要が必ずしも高くなかったということ、我が国空港事情が逼迫していること等のために、これを受け入れることは困難であったわけでありますけれども、近年の日本イスラエル国間関係進展に伴うイスラエルへの航空需要の増加、及び平成六年九月の関西国際空港開港等を背景に、平成四年六月から日本イスラエルの間で予備協議が開始されたわけであります。  この予備協議では、関西空港におけるまさに今、委員指摘された保安問題が議論の焦点となりましたけれども、この問題はエルアル航空及び乗客の安全にかかわる問題であることから、エルアル航空乗り入れている各国保安体制をも参考に、我が国関係国内法令と照らし合わせつつ、実施可能な保安体制に関しイスラエル側との間で慎重な議論を行う必要があったわけでございます。  その後、航空路航空便数等の技術的問題についても調整がつきまして、ようやく本年二月に協定案文につき実質的な合意に至って、四月に協定署名、今、国会に提出して御審議をいただいているということでございます。
  14. 依田智治

    依田智治君 今お話ございましたが、空港保安措置という問題ですね。航空機運航には一番重要なんですが、このエルアル航空というのは世界的にも相当そういう面では厳しく規制しておるというように聞いております。  テルアビブですか、向こうの出発地、また日本の方の関空かどこか知りませんが、そういうところ、さらにこの協定を読みますと、中継地としてロシア、韓国中国、タイ、インド、ヨーロッパの一カ国というようなことで、結構各地に寄ってくる。それで、大体今までのいろんな航空機を利用した犯罪、その他あるような場合というのは中継点からいろいろ乗り込むとか、そういう事例も多いわけです。  この協定を結ぶについては、全体の安全性というか、そういったようなものも十分検討をした上であろうと思うんですが、そのあたりはどんな認識でおられますか。
  15. 小松一郎

    政府委員小松一郎君) イスラエル航空企業我が国への乗り入れに際しましての保安措置のあり方に関しましては、この航空交渉に先立ちまして専門家による協議が行われました。  それで、イスラエル航空機乗り入れ空港における搭乗前の乗客へのインタビュー実施でございますとか、インタビュースペースの確保など、国内法で認められる範囲の必要な自主的保安措置実施することとなってございます。  なお、保安措置のより詳細な点につきましては、今御審議をいただいております協定を発効することができましたら、発効の後、このエルアル航空が提出する運航計画などを踏まえて調整していくこととなっておりまして、我が方といたしましては、適切な保安措置の整備、実施に万全を期していきたいと考えてございます。  お手元の条約の十三条の6というところに、「両締約国の権限のある当局は、特別の保安措置に関する実施取決めについて合意することができる。」、こういう規定がございますが、これは我が国が従来締結をいたしました航空協定にはない規定でございまして、まさに委員の御指摘のございましたイスラエルという国柄にかんがみまして、セキュリティー重要性ということを認識いたしましてこういう規定を置いた次第でございます。
  16. 依田智治

    依田智治君 そろそろ終わりますが、きょうたまたま新聞を読んだら、バラク政権きょう発足ということになっております。バラク労働党を主体に大分幅広い連立をつくって、安定的にこれから新政権が発足するというのは結構ですし、私どもとしてもネタニヤフ政権等で停滞しておった中東和平というものが、さらに今後バラク政権を基軸に進展していくということを期待しておるわけでございます。  新政権が誕生し、今後の中東和平の展望、こういう点について外務省はどんな認識を持っておられるのか、一言お伺いして私の質問を終わります。
  17. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) バラク労働党党首でありますが、五月の総選挙におきまして次期首相として選出された後、連立政権樹立のための協議を行ってまいりましたが、本六日、きょうじゅうにも議会に新内閣信任案を提出する。和平推進派とされる左派中道派中心に一部の宗教政党を取り込んだ連立政権を樹立する見込みでございます。  バラク党首は、南レバノンからの一年以内の撤退を公約しております。また、一般的に和平に積極的に取り組む姿勢を明らかにしており、これまで停滞していた和平プロセスが今後パレスチナ、シリア、レバノンのすべての交渉トラックにおいて活性化されることが期待されているわけであります。  中東和平進展のためには、我が国を含む国際社会当事者の努力を支援していく必要があります。我が国はこれまでも南レバノン問題に関する四項目提案パレスチナ人に対する政治的、経済的支援等を行ってまいりましたが、今後とも引き続き和平当事者に対する政治的な働きかけ中東地域に対する経済的協力等を通じて積極的な役割を果たしていく考えでございます。
  18. 依田智治

    依田智治君 一言つけ加えさせていただきます。  総理も近く訪中されます。それから外務大臣もついていかれるのか、自治大臣も行かれるというか、何かいろんな動きがあるようでございますが、中国との間には尖閣諸島をめぐるいろんな問題、ガイドラインの理解の問題、その他国の基本にかかわるような極めて重要な問題がございますので、国益を踏まえつつ、しっかりした対応をしていただくように希望いたしまして、私の質問を終わります。
  19. 齋藤勁

    齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤でございます。  私ども二つ条約イスラエルとの協定につきましては賛成立場でございます。今、依田委員最後質問の項にございました日本国政府イスラエル国政府との間の二国間の航空協定について何点かお尋ねさせていただきたいと思います。  かねてから、イスラエル側の方から航空協定締結してほしいという強い要望であったということで、今の御答弁でもエルアルイスラエル航空日本側の方に就航する予定と、日本側航空企業あるいは運航計画はあるのかどうか、そしてエルアル航空については日本国際空港のどこに就航する予定であるのか、お尋ねさせていただきます。
  20. 小松一郎

    政府委員小松一郎君) まず、日本航空企業イスラエルへの就航の予定でございますが、現時点ではないというふうに承知しております。  それから、エルアル航空乗り入れ空港としては関西国際空港が想定されております。
  21. 齋藤勁

    齋藤勁君 関空に就航するということで、今回の十三条で特別の保安措置を講ずるということですが、ここら辺をもう少し具体的に、特別の保安措置という行為、どういうことを特別の保安措置と考えられているのか、そして準備期間、いつから関西国際空港に就航するのか、どんな段取りになっているのか、お尋ねいたします。
  22. 小松一郎

    政府委員小松一郎君) 保安措置でございますが、この航空交渉に先立ちまして専門家による協議が行われましてかなり詳しい協議をしたわけでございます。  余り詳細な内容につきましては、むしろそういうセキュリティーに反する行為を抑止するという観点から、具体的に御説明することは困難な点もございますけれども、例えばイスラエル航空機乗り入れ空港における搭乗前の乗客へのインタビューというものを実施する、そのためのインタビュースペースを確保するといったような点も含みまして日本国内法で認められております十全な保安措置実施するということについて基本的に合意しております。  ただ、先ほども答弁を申し上げましたように、より詳細な点につきましては本航空協定が発効した後に、エルアル航空が提出してまいります運航計画などを踏まえまして、さらに具体的に専門家同士の間で調整をするということを考えている次第でございます。  それから、エルアル航空がいつ乗り入れてくる予定なのかということでございますが、イスラエル側といたしましては第一便を本年中にもぜひ飛ばしたいという強い希望を有しております。
  23. 齋藤勁

    齋藤勁君 航空協定締結したけれども、まだ我が国乗り入れていない国が幾つかあるわけですけれども、とりわけ中東諸国に、外務省からの資料でも、多いように見受けられます。クウェートジョルダンオマーンバハレーンアラブ首長国連邦等、国名が上がっているんですが、近年ではオマーンバハレーンは昨年の二月、三月、そしてジョルダンは六年の四月、クウェート昭和三十七年という、こういう締結状況ですが、いまだ乗り入れていないということについての事情はどういうことでしょうか。
  24. 小松一郎

    政府委員小松一郎君) 今、御指摘のございました航空協定我が国締結しておりながらいまだ双方の航空企業乗り入れが実現していない国でございますが、ジョルダン、エチオピア、それからガルフ航空の共同出資国でございます湾岸の四カ国、ア首連、オマーン、カタール、バハレーンでございます。これに加えましてハンガリー及びポーランドがそのような国に当たるわけでございますが、その中で、今御指摘のございました中東地方、アフリカも含めましてそういった国につきまして、まだ乗り入れていない事情をごく簡単に御説明させていただきます。  まず、ジョルダンでございますが、これは定期航空路としてジョルダンからインドのデリーを経由しまして大阪、関空乗り入れる、こういうことが予定されております。この中継地点のデリーに乗り入れるということにつきましては、ジョルダン側がインド側と交渉いたしましてその権利を取得する必要があるわけでございまして、残念ながらインドとの間でまだ調整がついていないという状況にあると承知しております。ジョルダン側といたしましてはインドとの調整がつき次第すぐにでも関空への乗り入れを開始したいという考えであると承知しております。  エチオピアでございますが、これは一九九七年五月に航空協定締結したわけでございますが、その後九八年五月に御案内のとおりエリトリアとの間の国境紛争の発生ということがございまして、そういうようなことから日本から十分な乗客が確保できるか疑問になっていると、ちょっと不安定な状況にございます。そういうことからまだ現在に至るまで乗り入れが実現していないという点がございます。  それから、湾岸四カ国でございますが、これはそれぞれア首連、オマール、カタール、バハレーンにおいての手続の問題がございまして、我が国につきましては、昨年の通常国会で御承認をいただいたということで我が国の方の手続は終わっておりますけれども、相手側につきまして、実はカタールがちょっとおくれておったということがございます。  ただ、カタールにつきましても、最近国内手続が終了いたしましたので、現在、協定発効のための公文の交換につきまして最終調整中でございますので、なるべく早く就航が実現するように努力をしたいと考えております。
  25. 齋藤勁

    齋藤勁君 そうすると、最後に御説明いただいたカタールが締結すると湾岸四カ国でそれぞれ連携をとると申しましょうか就航する、そういう運びになるということでよろしいんですか。
  26. 小松一郎

    政府委員小松一郎君) 今、湾岸四カ国が共同出資という形でガルフ航空という企業を運営しておりますので、このカタールの手続が国内的に済みましたので、協定が発効いたしますと就航することができるようになるわけでございます。
  27. 齋藤勁

    齋藤勁君 その場合は、成田でなくて関空の方と、この協定ではそうなっているんですか。
  28. 小松一郎

    政府委員小松一郎君) 関空を想定しております。
  29. 齋藤勁

    齋藤勁君 今の段階でこれ以上細かく質問するつもりはないんですが、いずれにしましても、二国間協定が結ばれてまだ乗り入れていない国をいろいろ調べさせていただきましたが、多くの国が待っているということもあり、中継地事情もあるということはわかりましたけれども、とりわけ今の四カ国につきましては、昨年の通常国会で、そしてまた言ってみればすぐにでもというような、たしか私は同じ委員会にいまして非常に急ぐということで審議をしたような経緯も私は記憶をしております。  イスラエルとの関係では、本年にもという御答弁でありましたので、安全措置をきちんと踏まえた上でのスタートを目指していただきたいというふうに思います。  次に、運輸省の方にお伺いします。  過日、東南アジアで海賊被害が多発ということで官民で対策会議を持つということで、二日に運輸省、外務省両省も含めて会議を持たれたというふうに伺っております。  そこで、この二日の対策会議内容、まず運輸省から、主管省ということでよろしいんですか運輸省、というようなことも含めてお尋ねしたいと思います。
  30. 宮崎達彦

    政府委員(宮崎達彦君) 主管省と申しますか、海上運送、外航海運企業が被害を受けておりますので、それに対しての官庁として責任のある役所という意味で、関係各方面に行政的にお願いをするという立場でございます。  従来、我々の方ではこういう海賊行為につきましては、いわゆる船主協会、外航海運企業の業界団体でございますが、これは全数ではございません、企業数の半数以下でございますけれども、比較的大手の海運会社で構成される団体でございまして、そちらに報告のあったものを通じて我々が件数などを把握しておるということでございますけれども、実情と申しますか、いろいろ聞こえてくる話、また日本財団の別途の調査ということも数カ月前に出ました。  我々としても、船主協会傘下の皆様方だけではなくて、全数、二百五十社近くになりますが、当方で直接アンケート調査をいたしまして被害の実態を調査いたしましたところ、かつて報告を受けておったものよりは多そうだと、また最近ふえてきているようだという実態がある程度数字的に把握できましたので、従来もそれなりの対策は行政的に関係各国にお願いしたりやっておりますけれども、今回、改めて関係者の認識を深めるとともに、企業の自主防衛策、また関係各方面の御協力を得るためにこういった数字を皆様方に示して、今後、対策を皆さんの協力を得ながら進めていこうというために設置して、これから検討を進めようということでございます。
  31. 齋藤勁

    齋藤勁君 今の答弁ですと、この二日の会議は、まず検討会議を持ったということにとどまっているということですか。
  32. 宮崎達彦

    政府委員(宮崎達彦君) ことしに入りましてどうも多そうだという話は伺っておりましたので、この三月、また具体的案件幾つか報告がございましたので、この三月に外務省を通じまして特にインドネシアの領海内で事件が起こっておるということも得ましたので、インドネシア政府に対しましてしかるべき警備を強化していただくように要請をいたしました。また、この六月にも、事件がまだおさまらないという状況でございますので、再度その要請を外務省にお願いしておるという状況でございます。  ただ、自主警備も必要であると、知らない間に窃盗に入られていたようだというようなことも相当多くの件数がございますので、そういった自主警備方策、それから今後、関係沿岸国に対します要請の強化などをさらにどうしていくかということ、強化策を検討するための会議ということでございます。
  33. 齋藤勁

    齋藤勁君 これはどういうふうなテンポで、毎週一回とか月一回とか会議をして検討策について最終的にまとめるとか、これからの進め方、この会議についての性格はどういうふうに位置づけられているんですか。
  34. 宮崎達彦

    政府委員(宮崎達彦君) 中にはすぐできるものと、ある程度期間をかけながらやっていくものと、大きく分けて二つあるかと思いますけれども、すぐできるものにつきましては、今月中にはもう一度会議を開いてまとめまして、すぐ関係の皆様方と対応していこうというふうに考えております。あとは、随時会議を開きながら、取りかかれるものから取りかかっていくということで考えております。  いついつまでに何か報告書をまとめるとか、そういうことは今のところ考えておりません。
  35. 齋藤勁

    齋藤勁君 運輸省の方の調査、そして船主協会なり日本財団なりの調査があると思うんですが、新聞報道あるいは政府からいただいた資料でも、アンケート調査というのは政府の方ですね、過去さかのぼってアンケート調査ということなんですが、十年、十五年前というのはなかなか難しいと思うんですが、近年の状況、まず詳細な被害の状況というのをきちんとヒアリングを含めて把握しないと対応策というのは私は出ないんではないかという一つの疑問。  そして、外務省の方にお尋ねいたしますが、今、運輸省から具体的に、インドネシア政府への対応ということで、この検討会議では具体的な国名も挙がって対応策、提起をということで御説明ありましたので、この沿岸国といいましょうか関係国に対する取り組みについて、既にとられたのか、あるいはどうとられようとしているのか。このことについて、外務省からお答えいただきたいと思います。
  36. 阿南惟茂

    政府委員(阿南惟茂君) 私どもも当然日本の船舶の航行安全という観点からこの問題に強い関心を持っておりまして、特にそういう事例の発生した沿岸国政府等に、この問題についての沿岸警備という最も基本的な点から始めまして、監視、そういう面で協力を要請している、既に関係国には働きかけを行っております。
  37. 齋藤勁

    齋藤勁君 行いましたということでいいんですか。既に行っていて、さらに強めたとかそういうことなんでしょうか。
  38. 阿南惟茂

    政府委員(阿南惟茂君) 既に行ったということでございます。
  39. 齋藤勁

    齋藤勁君 相手側はどういうことを言っているのか、どういうことをするとか、具体的に答えられているんですか。
  40. 阿南惟茂

    政府委員(阿南惟茂君) 関係国は幾つかございますが、例えばインドネシア、これは一つ重要な関係国でございますけれども、先方は、こういう海賊行為が横行して、IMO、国際海事機関でも大きく取り上げられたために、九三年から、海上における海賊行為に対して、以下のようなオペレーションを実施することにより取り締まりを強化したということで、幾つかの具体策を当方に伝えているということでございまして、先方インドネシア政府も十分に問題意識を持ち、現にいろいろな措置をとっている、そのことが我が方在外公館に伝えられてきております。
  41. 齋藤勁

    齋藤勁君 最初の方はいかがですか。運輸省の方は、具体的な被害調査ということについて、アンケートではなくてもう少し具体的な事実把握について、検討会議ではもう少し詳細に詰めていこう、調査をしていこう、こういうような会議内容というのはなかったんですか。
  42. 宮崎達彦

    政府委員(宮崎達彦君) 今回、運輸省で行いましたアンケート調査は、単に件数のみの調査ではございませんで、具体的な襲われ方というんですか、被害態様につきましても、とりあえず書面でございますけれども、詳細に書いてもらうようにしてございまして、おおよその様子はわかるということでございます。  また、重立ったものにつきましては、今後検討委員会でということの必要性があればもちろんいたしますが、我々事務局も務めておりますので、把握しながら対応を考えていくということであろうかと思います。  ただ、今までに把握しております具体的な襲われ方というものは、大体類似的な幾つかのパターンに分けられるようなものが多うございます。最近多くなっておりますのは、いわゆるすごい組織的な犯罪、それもごくまれにでございますけれども、いわゆる個人的な賊と申しますか、ナイフ、蕃刀、若干の銃器などを備えた者がこそっと入ってきてとっていくというものが件数的には過半数と、そういうものも多うございますので、そういうものは自主警備、見張りを立てるとかいうようなことによっても相当程度軽減できるというふうなこともわかってきております。  なお、先生御指摘のとおり、そういった態様をよくヒアリングなどをしまして、対応を詳細に検討していきたいと思っております。
  43. 齋藤勁

    齋藤勁君 きょう日本財団の方も会議を持たれるというふうに伺っておりますけれども、いずれにしろ海運会社、船主側の方は、伺ってみますと、一番怖いのは、最近は船を乗っ取って物を奪っていくというような凶悪な手口もあるということで、仮にタンカーが襲撃されれば油の流出事故ということにもなっていくだろうということ。  一方で、今答弁ございましたように、盗難は日常茶飯事だ、当局に届けても盗まれたものは戻ってこないということで、そういう受けとめ方をしている船会社もあるというので、これは何か起きたら大変なことで、ある意味ではもうこのことに限らないんですが、ぜひ予防的措置というのをきちっと財団、海運会社等と連携をとっていただきたい。そして、また外務省におきましては、関係国との綿密な対策をとっていただくように申し入れさせていただきたいと思います。運輸省の方、ありがとうございました。  時間も少なくなったんですが、今、インドネシアの名も出てきたんですけれども、東ティモールがこの八月に独立かあるいは併合かということで住民投票を控えまして、現地ではさまざまな事件が起きています。この六月二十九日には国連事務所の襲撃があり、そしてつい先日はNGOの方々、避難救援物資の輸送隊が帰ってくるときに襲撃されたということで、大変不穏な状況がございます。  まとめてお尋ねいたしますけれども、最初の六月二十九日の国連事務所襲撃の事実について、日本政府としてどういう把握の仕方をしているのかどうかということ。そして、後段の方の七月四日に起きましたNGOに対する救援物資輸送隊襲撃に関して言えば、これは今度の東ティモールの住民投票を成功させるということについてインドネシア政府は、きちんと対応しますよ、安全を守りますよということを約束されているわけであります。これは、我が国政府としても、国連を通じまして先日六名の方が警察庁、外務省から派遣されているわけですけれども、この安全策をということになりますと、インドネシア警察が具体的にNGOに対する輸送の付き添い要請を受けているのにもかかわらずそれを拒絶しているわけでありまして、我が国から行っている方たちに対する安全面も考えますと非常に不安でならないわけであります。  とりわけこの二つの事件に関しまして、政府としての考え方、対応策についてお尋ねさせていただきたいと思います。
  44. 阿南惟茂

    政府委員(阿南惟茂君) 六月二十九日、マリアナの国連事務所への襲撃、これは当日この国連事務所が開所式をやって、独立派と統合派とがそれを見守っていたわけでございますが、独立派の人たちがこの事務所に入っていった、そういうような状況の中で投石、襲撃が行われたというような事実関係でございます。  また、リキサの方は四日に起こりました。こちらの方は、先生おっしゃいましたように、NGOの車列に対する襲撃ということで、いずれも御指摘のように、東ティモールの今回の住民の意思を聞くこのオペレーションは国連がやるわけでございますが、治安はインドネシア警察が責任を持つということでございまして、このリキサにおけるNGOに対する襲撃につきましても、あらかじめ国連東ティモールミッションとしては、インドネシア警察に対し車列の警護をするようにアドバイスをし、そしてまた当日の朝も改めてそのことを伝えたと。しかし、実際はこのNGOの人たちはインドネシア警察のそういう警護を得られなかったという事実関係がございます。  そういうことで、外務省日本政府といたしましても、今回の事件を極めて遺憾であるとして、インドネシア政府に対し、治安維持の責任を果たすよう一層努力、尽力してくれという申し入れをしている、こういう状況でございます。
  45. 齋藤勁

    齋藤勁君 時間ですので意見のみで終わります。  とりわけ最初の国連事務所襲撃で、三十日、小渕総理はインドネシア政府の見解と全く同じような、これは国連に対する攻勢ではなかったということを発言していると、これは具体的に記者会見というよりある報道を通じて明確になっているんですが、大変気になりました。  こういった事実についてインドネシア政府の見解と同じようなことを小渕総理が言っているということで、総理に対して外務省が情報操作を行っているというふうな受けとめ方はしたくないんですが、ぜひ事実関係を独自に調べて総理のコメントにしていくという努力をお願いしたいということを申し添えさせていただきまして、時間でございますので、終わりたいと思います。
  46. 高野博師

    ○高野博師君 まず最初に、IAEAとの保障措置協定追加議定書について幾つかお尋ねいたします。  査察制度というのは核物質の計量管理が正しく行われているということを確認するためにあるということで、これは国とIAEA、そして事業者との関係でありますが、イラクや北朝鮮の場合のように申告した情報が正確でない、あるいは矛盾があったということで核開発疑惑が高まったという経緯がありますが、イラクや北朝鮮は国家であるんですが、例えば国際的なテロ集団あるいは犯罪組織、ゲリラ組織、こういう組織、集団が核物質を密輸入した、そして核兵器を製造するようなことができないようにするための保障措置というのはあるんでしょうか。例えば、旧ソ連の核施設から核物質が密輸されて国際的なテロ集団に流される可能性、こういうものはないのかどうか。  事業者に対して、国とかIAEA査察できる状況ならいいんですが、世界的に見れば必ずしもそうでない状況にある国とか地域もあるわけで、その場合、この保障制度の基本である計量管理というのが機能するのかどうか、これについてお伺いいたします。
  47. 小松一郎

    政府委員小松一郎君) 委員の御指摘、大変重要な御指摘であると思います。  それで、今まさに国際的なテロ集団とか犯罪組織が核物質を不法に入手するというようなことがないようにするために核物質を厳重に管理する必要があるということで、その面につきましては核物質の防護、フィジカルプロテクションと英語で呼んでおりますけれども、に関しまして国際原子力機関のもとで核物質防護条約というものが作成されております。これは一九八〇年に作成されておりまして、我が国国会の御承認をいただきまして一九八八年にこの条約締結しております。この条約に加えまして、IAEAにおきまして核物質の防護に関するガイドラインというものが作成されてございます。  核物質の防護の問題、今、委員の御指摘のありましたような問題意識から、一九九六年にモスクワで原子力サミットが開催をされまして、そこでも取り上げられておりますが、我が国といたしましては、今後ともこの問題は御指摘のとおり国際的にますます厳重に取り組むべき問題と認識しております。具体的には、IAEAにおける関連情報の管理などを通じまして、これに積極的に協力、参画してまいりたいと考えておるわけでございます。  このIAEAにおける関連情報の管理というのは具体的にはどういうことかと申しますと、まさに今御質問のございました、核物質を密輸するというような情報にメンバー国の政府が接しました場合には、それを直ちにIAEAに通報いたしまして、必要な情報を関連国の政府に通報する等によって必要な措置をとる等情報管理をするということを内容としております。
  48. 高野博師

    ○高野博師君 それではもう一つ、国内的な問題です。  国内にある国立大学あるいは研究機関等が核物質を使っての研究をしていると思うんですが、この各研究機関が扱っている核物質の量が、幾つかの研究機関の量を合わせた場合には、これは核兵器を製造できるような量になるのかどうか、そうならないための担保する措置というのはあるのかどうか、これについてお伺いいたします。  というのは、国立大学等での核物質の管理が非常にずさんだという指摘もされているわけで、これが犯罪等に利用されないのかどうか、その辺の保障はどうなっているのか、お伺いいたします。
  49. 小松一郎

    政府委員小松一郎君) 我が国内における核物質の防護でございますが、国内法的には原子炉等規制法という法律がございまして、その法律のもとで核物質を含めまして国際的に規制のかかっている国際規制物質というものを保有したり、取り扱うことのできる者はその許可を得てそういう資格を取得するわけでございます。それは事業者でありますとか研究所、大学、今御指摘のございましたようなものがあると思いますけれども、当然のことながら、そういう原子炉等規制法のもとで許可を受けている者については、みずからの保有をしております核物質等を非常に厳重に管理するということが求められております。  ただいまお答えをいたしました核物質防護条約それからIAEAのガイドラインに定められたことが、この原子炉等規制法のもとでそれぞれの事業者、研究者、大学等によって守られなければならない、こういう体制になっていると承知しております。
  50. 高野博師

    ○高野博師君 それでは、小渕総理の訪中に関して二、三お伺いいたします。  一つは、総理訪中の際に、旧日本軍の遺棄化学兵器の処理について覚書を交換する見通しと言われておりますが、そのとおりでしょうか。
  51. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 遺棄化学兵器問題につきましては、化学兵器禁止条約に基づいて取り組んでいくことで日中双方が一致しているわけでありますが、今後の処理の枠組みについての日中間の一致した認識を文書の形で確認したいという中国側の希望を踏まえて、現在、日中間で協議を行っているものであります。  一方で、協議は引き続き行われておりまして、総理訪中時の署名を念頭に置いているわけではありません。
  52. 高野博師

    ○高野博師君 この遺棄化学兵器の処理というのは戦後処理の懸案の重要な一つでありますので、これが動き出しているということは評価できるのではないかと思います。  これは報道による情報ですが、この廃棄に関しては日本が必要な資金とかあるいは技術を提供する、中国側がこれに対して協力をするということで、廃棄そのものは中国国内で行うということに中国側が同意しているという情報があるんですが、これはそういうことでしょうか。
  53. 阿南惟茂

    政府委員(阿南惟茂君) 長い経緯のある問題でございますが、今おっしゃったような点については、今この覚書の中身を詰めている段階ではございますが、原則的に場所については中国の国内でという方向で話が進んでいることは事実でございます。
  54. 高野博師

    ○高野博師君 この化学兵器の遺棄に関する協議の中で、まず前提として旧日本軍が自分たちの意思であるいは自発的に兵器を遺棄したということを日中双方が認めた上で進めているという理解をしていいんでしょうか。  つまり、中国側が兵器を置いていけと言ったから置いてきたというような考えはとらないという理解でいいんでしょうか。
  55. 阿南惟茂

    政府委員(阿南惟茂君) これは終戦時の武装解除のときの対応ということにかかわる問題でございますが、基本的に中国側は日本軍から武装解除の際に受け取った武器の中にこういうものはなかったと、すなわち日本軍が遺棄したものであるという認識でございまして、これは私ども随分そういう、事実関係がそうかということは中国側とも議論をしてきたところでございますが、肝心の相手がそれを受け取ったということはないと言っております。  したがって、現在中国に存在している化学兵器の中で明らかに日本のものである、日本が遺棄したものであるということが確定されたものを対象にして行う事業ということになっております。
  56. 高野博師

    ○高野博師君 それでは、総理の訪中に関してもう一つお伺いします。  今回の訪中は日中友好協力の二十一世紀のかけ橋と位置づけているということでありますが、当然北朝鮮問題等についても相当突っ込んだ話し合いがされることを期待しておりますが、一つだけ、尖閣諸島付近での中国の海洋調査船の問題、これは首脳会談あるいは外相レベルで取り上げるつもりはあるのでしょうか。
  57. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) これは、恐らく首脳会談でもそのことに触れることになると思いますし、外相会談の中でできればその話し合いをしたい、こういうふうに思っております。
  58. 高野博師

    ○高野博師君 海洋調査船が尖閣諸島付近の排他的経済水域内で調査を行っているという問題はもう数年前から起きているんですが、これに対して日本側としては毅然とした態度を示すべきではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
  59. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 総理訪中の際に総理自身も取り上げると思いますし、私自身はきっちり取り上げて話をしていきたい、毅然とした態度を通したい、こう思っております。
  60. 高野博師

    ○高野博師君 もう一つ、これも新聞報道によりますと、アメリカのある研究機関の訪中団が中国側に対して、北朝鮮のテポドンの再発射、ミサイルの再発射あるいは開発の抑制のために、中国北朝鮮に対して影響力を行使してくれないかという要請をしたのに対して、中国側が、日米が共同で開発している、あるいは共同で研究を進めているTMD構想、これが北朝鮮にとって脅威に映っている、逆に北朝鮮のミサイル開発を加速させている、ミサイル実験は北朝鮮の主権国家の範囲内の行動であると、こういう反論をしたと言われているんですが、全く逆の論理を使っていると私は思うのであります。そしてまた、最近、中国はロシアから地対空ミサイルを二十基ほど新たに購入したと、こういう報道もされております。  そこで、TMD構想について、中国側がこの問題を取り上げた場合にはどういう対応、説明をするのでしょうか。
  61. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) TMDというのは我が国ではBMDでありますが、BMDというのは全く防御的なものである、他国に脅威を与えるものではない、その当然のことを淡々と御説明申し上げたいと思っています。
  62. 高野博師

    ○高野博師君 もう一つ、これは北朝鮮に関連してですが、ミサイルを再発射した場合には追加的な制裁、これを今検討していると言われているんですが、具体的に何を検討しているのでしょうか。
  63. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 具体的に何を検討しているということは、まさに検討段階でありまして、今申し上げることが適当かどうかちょっとわかりませんが、いずれにしても日米韓それぞれ、まさに発射するという兆候をつかんだときは、それぞれが具体的な不利益を示して警告するということにしたい、こう思っていますし、さらにそれを何にするかということについては今検討中でございます。
  64. 高野博師

    ○高野博師君 北朝鮮への送金の停止とかあるいは定期便の運航停止、こういうことを考えているとも言われているんですが、再発射した場合にいかに北朝鮮にとって不利益になるかということを強調する意味では、むしろ公表しておいた方がいいのではないか、その方が抑止になるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  65. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) ですから、実際に兆候をつかんだときは具体的にきっちり三国でそれぞれ警告しよう、こういうことになっているということを申し上げているわけであります。
  66. 高野博師

    ○高野博師君 時間ですので一つだけ、印パ紛争について。  これは、紛争が激化してあるいは第四次印パ戦争になるのではないか、そういうことまで指摘されたんですが、パキスタンのシャリフ首相が訪米して、クリントン大統領との会談で実効支配線の回復ということが合意された。その合意の背景には、パキスタンが国際的に孤立化するのではないかというおそれと、国内経済状況の悪化、こういうことがあったと言われているんです。  しかし、この合意に対してパキスタン国内では批判が相当出ているということが言われていますが、日本政府はどういうふうにこれを認識して、さらに、日本政府として何らかの具体的な対応策をとるのかどうか、お伺いいたします。
  67. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 我が国といたしましては、ケルン・サミットのG8声明にもあるように、管理ライン、LOCを越えて武装勢力がインド側に侵入したことが今次戦闘の発端であり、武装勢力の撤収が問題解決に向けて必要であるという認識のもとで、武装勢力に対し撤収を働きかける等、戦争停止に向けパキスタンが影響力を行使することが重要である旨、先般、ワヒード・パキスタン首相特使が訪日した際にも私自身から申し入れたところでございます。  同様に、インドに対しても、今度の問題で自制を促す申し入れをしております。
  68. 高野博師

    ○高野博師君 終わります。     ─────────────
  69. 河本英典

    委員長河本英典君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、村上正邦君が委員辞任され、その補欠として久野恒一君が選任されました。     ─────────────
  70. 小泉親司

    ○小泉親司君 IAEA追加議定書に関連をいたしまして幾つ質問をさせていただきたいと思います。  今回の追加議定書は、IAEAの加盟国への査察に関して、その対象範囲を研究施設にまで拡大するなど、従前より厳しい措置を定めているわけです。そもそもこのNPT条約というのは、条約に関するIAEA査察は、核保有国ではなくて非核保有国に義務づけた措置で、それを大変従前より厳しい措置を定めたということが今度の改正点、追加議定書の大変中心的な問題だと思います。  一方、NPT条約の第六条では、核兵器の保有国に対して核軍縮措置を義務づけているわけです。ところが、最近の報道を見ますと、今度の二〇〇〇年のNPT条約の見直しに当たって、これまでの条約再検討の準備委員会が五月二十一日に終わりましたけれども、ここでは核軍縮の具体的な勧告がまとまらないまま終わったという状況だというふうに報道されております。  非核保有国には査察などの厳しい措置を求める一方で、核保有国の軍縮措置が遅々として進展しない。これは、NPT条約の枠内での核兵器の廃絶、核兵器の大幅な削減という問題が進展しないということを物語っているというふうに思います。日本政府はこの点をどういうふうに考えておられるのか、この点についてまずお聞きしたいと思います。
  71. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) まさにNPT条約で核不拡散ということを言っているわけでありますが、現在の核保有国についても核軍縮の努力をしてもらわなければこれは困るわけでありますから、日本政府とすれば、カットオフ条約交渉の早期妥結、STARTⅡの早期発効等、核軍縮に関する将来の措置について、いろいろな形で核保有国に促してきているわけでございます。
  72. 小泉親司

    ○小泉親司君 ここ数年、核兵器廃絶を求める国際世論は非常に高まっていて、特に、国連総会でも、非同盟諸国を初め、幾つかの核軍縮ないしは核兵器廃絶を求める決議が次々と出されているわけですね。  九七年の七月には、これはもう御承知のとおり、国際司法裁判所で各国は核軍縮へと導く交渉を誠実に遂行して完結させる義務が存在するんだという勧告的意見が出される。昨年の国連総会でも、非同盟諸国から期限つきの核兵器廃絶を求める決議が出されております。九八年の同じ国連総会では、アイルランド、スウェーデンを初め、いわゆる新アジェンダ連合というところが決議を出して、核兵器保有国に対して、核兵器を早急にかつ完全に廃棄すること及び核兵器の廃絶に導く交渉を遅滞なく誠実に追求すること、それから核兵器の使用禁止の国際的な拘束力を持つ国際文書をつくるべきだというふうな決議、こういった決議が次々と出されている現状だというふうに思います。  これらの特徴を見ますと、一つは、核兵器の期限つきの廃絶を求めていること、それから使用禁止を要求していること、こういう点が特徴として出されていると思いますが、これに対して日本政府はそれぞれの決議に対して棄権の態度を示しておられる。  私は、こういう決議に対して日本政府がなぜ棄権の態度を示すのか甚だ疑問でありますが、この点について小渕総理は、昨年八月の衆議院本会議答弁で、「期限つき核兵器廃絶や核兵器使用禁止の主張は、核兵器国を含む多くの国が受け入れておらず、核兵器国と非核兵器国の対立を助長し、核軍縮の進展を妨げるおそれがあります。」というふうに答弁しておられるわけですね。  つまり、期限つきの核兵器廃絶や使用禁止協定を主張すると核軍縮の進展を妨げるんだ、そういうおそれがあるんだ、こう言っておられるわけでありますけれども日本政府がこういう決議に対して棄権の態度を示しておられるというのはこういうことが理由なんでしょうか。
  73. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 日本政府の最高責任者である内閣総理大臣がそうおっしゃっているわけでありますから、まさにそういうことが理由でございます。  あらかじめ期限を付して核廃絶を実現しようという考え方でありますが、実際、これは現実の問題として、これを主張する人々の、結果としてですよ、意図に反することになりかねない。核兵器国と非核兵器国の対立を助長しかねず、結局は核軍縮に関する話し合いの進展を妨げるおそれがあるわけであります。これは単なる杞憂ではなくて、実際にカットオフ条約交渉もこうした対立によって過去数年にわたり交渉開始に至らなかったというような事情もあるわけであります。  我が国は、現実に核軍縮を進めることが何よりも重要であるとの考え方から、昨年の国連総会において究極的核廃絶に向けての核軍縮決議を提出いたしまして、これは圧倒的多数の支持を得て採択されました。賛成が百六十票、反対がゼロ、棄権が十一でありました。  我が国の決議は、今後の核軍縮・不拡散の新たな道筋を示したことが最も注目される点でございます。特に、CTBTの早期発効、カットオフ条約交渉の早期妥結、STARTⅡの早期発効等に加え、核軍縮に関する将来の措置についての多国間での議論及び五核兵器国による交渉を通じた核戦力の削減を掲げたことは画期的な成果であると考えているわけであります。この点、我が国核兵器国とたび重ねて協議を行うことにより、これらを明記しつつ、すべての核兵器国の支持を得ることができたものでございます。  核兵器国の核軍縮というのは、核兵器国自身がその気になってもらわなきゃできないわけで、だれも力でもって強制するということもできないわけでありますから、やはり日本政府が出したような決議案で、まさに賛成百六十、反対ゼロ、棄権十一と、こういう核兵器国も含めた全体的な支持を得るようなことで一歩一歩進めていくことが現実に核のない世界をつくる、急がば回れというのが実際の近道ではないか、こういうふうな考えを持っているわけでございます。
  74. 小泉親司

    ○小泉親司君 私は、核兵器を廃絶するには国際世論を高めるということが非常に重要で、特に、小渕総理の今紹介しました発言というのは、私は被爆国の主張としては非常に重大だと思うんです。  なぜ重大かといいますと、期限つきの核兵器廃絶や核兵器の使用を禁止する、この主張が核軍縮の進展を妨げるおそれがあると言っておられるわけですから、じゃ、そうなるとどうなるか。  例えば、昨年夏の広島の平和宣言、九八年にどういう決議が出されているかといいますと、「核兵器使用禁止条約締結交渉を直ちに開始すべきである。」ということを主張しているわけです。それから、長崎の平和宣言も何と言っているかというと、「二十一世紀を核兵器のない時代とするため、二十世紀中に核兵器廃絶への道筋をつけること、これが、わたしたちの願いです。」、こう言っておられるわけです。  つまり、広島の宣言も長崎の宣言も、期限つきで核兵器廃絶を求め、核兵器使用禁止協定締結、この条約締結を主張しているわけです。となりますと、この広島の宣言も長崎の宣言も核軍縮を妨げるおそれがある、こういうふうに政府はおっしゃるわけですか。
  75. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 広島の宣言、長崎の宣言そのものが核軍縮を妨げるというふうには考えているわけではないわけでありますが、まさに国連等の場においてこういう主張同士が各国間で激しく議論をされるようになる、このことが核兵器国と非核兵器国の対立を助長しかねない、結果として核軍縮に関する話し合いの進展を妨げるおそれがある、こういうことを申し上げているわけでございます。  まさに私が先ほど申し上げましたように、実際にはこれを主張する人々の意図に反しということを申し上げたわけでありますが、我が国のような多くの非核兵器国がそういう主張をそこでしていくと、それと逆に核兵器国との間の激しい対立、そのことが実際にはそういうことになりかねない、現実にカットオフ条約審議になかなか入れないということもあったと。こういうことを申し上げているわけで、広島の宣言、長崎の宣言、それが悪いと申し上げているわけでは毛頭なくて、その意図というものは私は大変いいことだ、こう思いますが、現実の問題として日本政府がどういう立場をとるかという場合に、かえって核のない世界をつくるために、その結果遅くなることがあると、日本政府がそういう立場をとった場合ですよ、そういうことを申し上げているわけでございます。
  76. 小泉親司

    ○小泉親司君 今お聞きしていて、私への明確な反論になっておらないと思いますが、この総理の発言というのは私は大変重大だということを指摘しておきます。  日本政府として、核兵器廃絶のイニシアチブをしっかりとること、このことが大変重要なわけで、その点でもう一点だけお聞きをしますが、九〇年代に入りまして非核地帯構想が大変重要な進展を見せているというのも一つの核兵器廃絶の大変大きな特徴だろうというふうに思います。  現在発効している非核地帯条約は、ラテンアメリカの核兵器禁止条約、南太平洋それからアフリカ、東南アジアの非核地帯条約。構想段階にあるものは、南アジア非核地帯構想、中央アジア非核地帯構想、それから北東アジア非核地帯構想、こういうものがあるわけです。政府は、北東アジア非核地帯構想について現実的な環境が整っていないと言っておられますが、私は、この北東アジアの非核地帯については、九二年の朝鮮半島での非核宣言でありますとか、日本が非核宣言を持っていること、今度の北朝鮮核疑惑に関するKEDO協定、こういうものの一連の動きからして、日本が、この北東アジアの非核地帯構想について、現実的な環境が整っていないということで非常に消極的といいますか、第三者的な対応じゃなくて、もっと積極的にこの北東アジア非核地帯構想を推し進める必要があると思うんです。  中身は、当然、東南アジアの非核地帯条約などでも、核兵器の使用禁止、そういうものが明確にされておりますし、日本政府が言っておられる非核三原則の立場も明記されておられるわけで、この点でも、日本政府が北東アジアの非核地帯構想についてもっと積極的にイニシアチブを発揮するということが必要だというふうに思いますが、この点をお聞きして、時間ですので、質問を終わります。
  77. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 北東アジア非核地帯構想につきましては、域内の対立、緊張関係が継続していること、北朝鮮核兵器開発疑惑がいまだ完全に解消されたとは言えないこと、複数の核兵器国が存在すること等により、非核地帯実現のための現実的環境はいまだ整っていないと考えております。  我が国といたしましては、まずは北東アジアの安全保障環境の改善のため、ASEAN地域フォーラム、ARFの場等を通じた域内の安全保障対話の促進の努力を継続してまいる所存でございます。
  78. 小泉親司

    ○小泉親司君 一言だけ申し上げますと、域内の対立云々かんぬんとおっしゃっておられますけれども、現実に、朝鮮半島の非核宣言などを見ましても核兵器廃絶で一致していると。つまり、韓国北朝鮮との間の問題はありますけれども核兵器の廃絶で一致するという非核構想というのは、諸問題があっても一致できる点では非常に重要なわけで、そういう進展を強く要望いたしまして、質問を終わります。
  79. 田英夫

    田英夫君 私は、本日の議題になっております三つの条約を離れて、総理の訪中があさってからですが、実は私も先週中国の北京へ行ってまいりましたので、質問というより意見を申し上げて、御参考になればと思います。  今回、北京に行きましたのは、国際交流協会というシンクタンクで日米ガイドラインの問題を中心にして講演をしろということで行きましたが、同時に、外交問題あるいは防衛問題の専門家とディスカッションをする機会がありました。印象を一言で言いますと、外務省の幹部に会いましたり、党の幹部にも会いましたが、中国は今非常に厳しい、特に日本とアメリカに対して非常に厳しい姿勢をとっているということが印象的であります。日本に対しては新ガイドラインの問題、台湾問題です。それから、アメリカに対してはコソボの中国大使館爆撃事件ということを端緒にして、アメリカの国連無視の姿勢に対して非常に厳しい態度をとっている。  そういう中での総理の訪中でありますが、外務大臣も行かれますし、かなり厳しい態度をとるんじゃないか。谷野大使がちょうど帰国しておられますからもう報告は聞いておられると思いますが、私は非常に厳しいという印象を受けております。  後で日本やアメリカに対する問題に触れるとして、中国全体、特に江沢民主席を中心にした一種の引き締め、国内での引き締めの政策をとっていると感じましたのは、外務大臣、三講という運動が今中国で始まっているのを御存じでしょうか。アジア局長、どうですか。
  80. 阿南惟茂

    政府委員(阿南惟茂君) もちろん存じております。学習、政治そして正気、これを論ぜよという江沢民主席の、おっしゃるように一種の引き締め運動のスローガンだというふうに考えております。
  81. 田英夫

    田英夫君 これは、外務大臣に見えるようにさっきマジックで書いてみたんです。こういうことなんですね。政治を講ずる、学習を講ずる、正気を講ずる、こういう運動を党が中心になってやっている。党だけではなくてすべての組織の幹部がこれをやれと。七月、八月、九月はこの期間であるということで、実は幹部の間では文化大革命時代に戻るんじゃないかと冗談まじりに苦笑をしていたという感じなんですね。  政治と学習はわかります。学習というのは、聞いてみますと毛沢東、トウ小平、江沢民という指導者の論文を学習しろということ、それから正気を講ずるというのは、正しい気というのは何かと思いましたら、つまり腐敗に対して反省もし摘発もするというか、そういう運動を展開しているということであります。国内問題で社会主義開放経済政策をとると、やっぱり競争の原理が入ってきますからいろいろ腐敗も起こってくるという、そういう中の一つの苦肉の策とも言えるかもしれませんが、雰囲気としては非常に厳しい。  国際問題について、日米に対してということで申し上げましたが、アメリカに対してはまさにコソボの爆撃問題ですね。これは誤爆とアメリカは言っているわけですが、中国は意図的だ、誤爆ではないと言う。三つの方向から五つのミサイルが飛んできて当たっているということを根拠にして、あるいはステルスをアメリカ本土から空中給油で飛ばしてきて爆撃しているというようなことを挙げております。いずれにしても非常に厳しい。  それから、娘さん夫妻を、新聞記者だったわけですが、犠牲にされた朱福来さんという、これは日本中国の歴史を専門にしている方で、日本の大使館にもいた人ですから私も承知しているので弔問に行きましたら、クリントン大統領あてに抗議の手紙を夫妻で書いたけれども何の反応もない、北京にはアメリカ大使館があるはずなのに、誤爆ならお見舞い、弔問に来るのが当たり前ではないか、それがアジア人の感覚だと思うけれども日本のあなたは来るのにアメリカ人は一人も来ないということを日本語で非常に怒りを込めて言っておられた。この問題は個人の問題ではもちろんありませんし、米中関係は容易なことではない。  そういう中で、私はこの間、本会議でサミット報告を総理がされたときに質問の中で中国を交えてG9にすべきではないかということを言いました。国際交流協会でその話をしたら、それは違うと、中国に対する配慮はありがたいけれども、G7にしろG8にしろ、そうした大国が世界を動かすという考え方自体私どもはとらない。そういうことをやるなら国連を強化して国連でやるべきだと。こういう意見を国際問題の専門家が言っております。このことも私は大変参考になりました。  日本に対しては、言うまでもなく日米新ガイドラインの台湾問題ということを非常に厳しく考えていると。それから、昨年の江沢民主席の来日のときに問題になりました歴史認識の問題があります。これは小渕総理が今までのような態度、発言をされればされるほど、続けられるならば、自分たちは再びこれを提起せざるを得ないという言い方をしております。ですから、この問題も厳しい。  突き詰めて中国側に聞きましたら、問題は何だと言ったらその二つです。つまり、新ガイドライン問題と歴史認識の問題をやはり小渕総理訪中のときには中国は提起せざるを得ない、こういうことを複数の人が言っておりますので、必ず出てくるだろうと思います。  全体として非常に厳しい雰囲気だということを申し上げたわけですが、御感想があれば外務大臣から伺いたいと思います。
  82. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) ガイドラインの問題は、かねてから申し上げていますように、日米安保体制自体が防御的な、防衛的なものでありますし、特定の脅威とか特定の国を対象としているものではありませんし、そういったことを冷静に御説明申し上げたいと思っております。  それから、歴史の話は、昨年江沢民国家主席がおいでになったときに小渕総理がみずから申し上げたとおりでございますから、このことはまた確認することはやぶさかでない、こういうことでございます。
  83. 田英夫

    田英夫君 終わります。
  84. 佐藤道夫

    ○佐藤道夫君 私からはODAの重債務国に対する不良債権放棄の問題についてお伺いしたいと思います。  この前のケルン・サミットでODAの重債務国、最貧困国に対する不良債権の放棄ということの申し合わせがなされたということであります。  これは当然外務大臣も御案内と思いますけれども、旧約聖書でヨベルの年というのがありまして、来年二〇〇〇年がこれに当たる。五十年ごとにこの年がめぐりめぐってきまして、そして不良債権というのか、借金を棒引きにする、こういうことが旧約聖書に書かれておるんだそうですよ。それを守って、今回もキリスト教国がもう最貧国に対する不良債権は放棄しようということを強硬に主張して、ケルン・サミットで申し合わせがなされたんだ、こういうふうなことのようであります。  私、旧約聖書を読んだことがないので、多分小渕総理は詳しく、読書好きの方ですから読まれておって、キリスト教国のそういう申し入れに従ったんだろうと。あるいはまたいつからか小渕総理がクリスチャンになっちゃったのかなと、こういう気もしないわけじゃないんですけれども、いずれにしろ、自分たちの信条、信仰を異教徒に押しつけるというのは、これはクリスチャンの独特な思い上がりも甚だしいわけであります。異教徒は異教徒の考えがあるという、そういうことがどうもなかなか彼らにはないようでありまして、そのヨベルの年ということで、一つのきっかけになって債権放棄ということにまで至ったんだと言われております。事の真偽はわかりませんけれども、大いにあり得る話だろうと私は思っております。  それと大変いぶかしいことは、ODAの不良債権の総額、G7の間では二百三億ドルと、こう言われておりまして、そのうちの四四%は、何とキリスト教国でもない異教徒である我々日本が負担しておるんですね、四四%は。そして、しきりに放棄しろ、放棄しましょうよと言った例えばイギリスやカナダは、ほとんどゼロに近い。自分たちは何の負担もこうむらずして、やい、日本人め、放棄しろと、来年はヨベルの年だと。こんなばかげたことがあるわけがないと私は思うんです。  いずれにしろ、今、日本国は国の内外を問わずして不良債権の放棄が大変はやっておりまして、銀行は銀行で勝手にゼネコンに対する不良債権を放棄しますわと、こう言います。これ、頭取のお金ならば、銀行経営者の金ならば勝手に放棄しようと、それはその人の勝手なんですけれどもね。いずれにしろ、これは株主の金、預金者の金、公的資金も投入されているとすればもう国民全体の金と、こう言ってもいい。それを簡単に放棄するなんて、そんなことは許されるわけがないのでありまして、外務大臣も法律家ですから、御案内のとおり、理由もなしにそういうことをすればこれは立派に背任罪ですから、現に長銀あるいはまた日債銀でそういう問題も起きておりまして、検察は厳重に調べろということも言われておりまして、いずれそうなるんだろうと私は思っております。  これは国の債権だって同じことなんで、総理が勝手にそんなもの放棄しますよと言うことは許されないわけでありまして、総理だって背任罪の適用があるんじゃないかと、私はこう考えるわけであります。きちっと考えに考え抜いて、これはもうどうしようもない、もう回収不可能なんだと、だれが考えてもそうなんですよということならば許容されないわけでもないのかもしれませんけれども。  それじゃお伺いしたいんですが、どうしてこんな事態になったのか。その間一体外務省それからODA、それからもう一つその下部機関であるOECFという機関がありますね。その担当者は一体何をしていたんだと、こういぶかしい気持ちが起きます。  一番問題なのは、今の日本の不良債権、この最貧国に対する不良債権は総計一兆一千億円と。そのうち何と、二千七百億円がミャンマーだっていうんですね。何であんな国にそんな膨大な金をつぎ込んだのかと。二千七百億、不良債権の額が。つぎ込んだ金はもっと大きいのかどうか知りませんけれども、ミャンマーという国は日本人になかなかなじみがたい国でしょう。ミャンマーまで観光旅行に行こうなんていう人はちょっと余り聞いたこともない。何であんな国に一生懸命そう頑張ったのか。全体の三分の一ぐらいがあの国につぎ込まれているんですよね。しかも、軍事独裁政権が長い間続いてきたと。とてもじゃないけれども援助するような対象じゃなかったんだろうと私は思うんですけれども、今でもそういうことなんで。  一体これは、金をつぎ込む際に、借款だから返してもらうぞという気は恐らくなかったんだろうと思うんですよ。借款、それは形式であって返さなくてもいいんだよという思いがあるから、どんどんそういう金をつぎ込んでいく。借りた方も、こんなものは借りたというのは形だけであって、返さなくてもいいんだぞというような気持ちがあるからこそ、こういうことがずっと続いてきているんだろうと思うんですよ。これ、貸した方はそれはまた犯罪、背任罪なんですね。返済の見込みがないのにそんなものを貸し付ける。自分の金なら勝手なんですけれども、国民の税金を貸し付ける、これは立派な背任罪だろうと私は思います。  それから、中途段階で一体どういうことになっているのか、厳重に調査団を派遣して、この金が目的のために使われているかどうか、ああいう国ですからうっかりしていると将軍とか独裁者とか、そういう連中の懐にひょっと入ってしまう可能性が非常に高い。恐らくそうだろうと私は思うんですよ。まともに使われている金はまず余りないんじゃないかと、こういうふうにも思っておりますけれどもね。  それから最後に、もう一つはこれまた大事なことですけれども、そう簡単に私、不良債権の放棄なんかしてもらいたくないと思うんですよ。やっぱりそれぞれの国にきちっとした調査団を派遣する、これはもう外務省じゃだめですよ。今までのように責任を持ったやり方しないわけですから。専門家の公正な第三者で調査団を構成しまして、そういう人たちがきちっとミャンマーとかその他の国々に行きまして、一体どうしてこういうことになったのかと。その間の日本政府の指揮監督はどうなっていたのかと。  それから、今回債権放棄しますよという場合に、本当にどうしようもないのか。取り立てを続けたらミャンマーという国はもうつぶれてしまうと。どうしようもありませんと。そこまで追い込まれておりまするということを確認した上での債権放棄なのかどうなのか。少しく責任ある行政ということは私、当然だろうと思うんです、国民の大切な税金を動かしているわけですから。そう簡単に貸し付けるわ、返さなくてもいいわと。そのうち、何だ、ああそんなに大変かと、じゃ、もうしようがない、放棄しようやと。諸外国がみんな放棄しているから我々も放棄しようやと。そう簡単にはいかないのであります、日本は法治国家でありますからね。  そこで、時間が大体終わりになったようでありますけれども、なぜミャンマーに、一つの例ですけれども、二千七百億円もの不良債権ができたのか、簡単に御説明してください。
  85. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) ミャンマーは、地理的及び潜在的天然資源の重要性と同国の親日感から、我が国のODAの重点国として位置づけられていたわけであります。現在は、新規供与はもう既に数年前から停止しております。  そういう中で、今度のケルン・サミットで債務放棄の対象となる重債務貧困国の中にはミャンマーは、念のために申し上げますが、入っておりませんということだけ申し上げておきたいと思います。
  86. 佐藤道夫

    ○佐藤道夫君 どうしてそれだけのものをミャンマーに対して貸し込んだのかという、その問いに対する答えがないようなんですけれども
  87. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 具体性を欠いたかもしれませんが、申し上げたのは、その地理的及び潜在的天然資源の重要性、同国の親日感から、我が国ODAの重点国として位置づけられてきたわけであります。  ただし、委員指摘なさったように、軍事政権の問題もありまして今は新規供与を停止中でございます。
  88. 佐藤道夫

    ○佐藤道夫君 ミャンマーの軍事政権は十年、二十年来続いていたわけでありましょう。きのう、きょう始まったわけじゃないと思います。軍事政権を承知の上でそういう融資をしておられたのじゃないんでしょうか。
  89. 荒木喜代志

    政府委員荒木喜代志君) お尋ねのミャンマーでございますけれども、円借につきましては一九六八年から開始されております。その時点では地理的重要性、厳正中立主義の堅持、開放化政策の推進等々、援助をする理由というのは非常にございましたのですが、その後八八年に軍事政権の誕生によりまして対外債務問題が顕在化してきた、急速な経済の悪化が起こった、こういう経緯でございます。
  90. 佐藤道夫

    ○佐藤道夫君 先ほども言いましたけれども専門家を派遣して本当に返済能力があるのかどうか責任を持って調査をなさったんでしょうね。その結果として、これは融資をしても大丈夫だ、必ず返ってくる金だという判断があって融資をしたんだろうと思います。ほかの国々に対してもみんな同じだと思います。  ところが、押しなべてその判断が間違っていた。そういたしますと、この責任問題は一体どういうことになるんですか。だれか責任をとってやめたという話も聞いておりませんので、みんな、しようがないや、こんなことはなるようになるさ、そういう考えは明らかに背任罪の未必の故意だと言ってもいいわけでありまして、どうなんでしょうか。
  91. 荒木喜代志

    政府委員荒木喜代志君) 円借款の供与に際しましては、政府部内における協議の過程で借入国のマクロ経済情勢、それから公共投資計画などを十分調査した上で、将来において借入国にとって返済が過剰な負担にならないように慎重な検討を行っております。ミャンマーを含む御質問の三カ国、これにつきましてもそういうことでございます。  しかしながら、政治経済情勢の悪化という必ずしも予想できなかった事情というのがございます。そういうことで、債務問題に直面するに至った国々、こういう国につきましては、パリ・クラブ等各国を集めまして、種々債務繰り延べ等必要な措置をとってまいりました。そういう状況でございます。
  92. 佐藤道夫

    ○佐藤道夫君 最後になりますけれども、慎重に検討したというのは正確じゃないでしょう。慎重に検討したら、こんなことがあちこちで起こるわけがないと思います。  それから最後にもう一回、先ほども言いましたけれども、厳正な公正な立場にある調査団を派遣して、どうしてこうなったのかということを歴史をさかのぼって検証いたしまして、調べ上げまして、そして責任を追及するべきは追及する、そういうことを私はやるべきだと思うんです。これは容易ならざる金額です。しかも、全部国民の税金ですから。  大臣、いかがでしょうか。大臣の時代じゃありませんから、遠慮なく責任を追及していいんじゃないでしょうか。
  93. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 責任を追及されるべき人がいなくなっているかどうかわかりませんが、ミャンマーの点についていえば、軍事政権がきのう、きょうではないとおっしゃいましたが、そのとおりであります。もう十年も前、その十年前から新規供与は停止しております。
  94. 佐藤道夫

    ○佐藤道夫君 調査団派遣の点はいかがでしょうか。もう少し責任問題、どうしてこうなったのかという原因を探求して、責任があらばしかるべき方策を講ずるという提案です。
  95. 高村正彦

    国務大臣高村正彦君) 過去の問題も含めて、将来に対してこういう問題、借款を与える場合にはその国がきっちり返せるかどうかということをきっちり調査してまいりたい、こういうふうに思います。
  96. 佐藤道夫

    ○佐藤道夫君 終わります。
  97. 河本英典

    委員長河本英典君) 他に御発言もないようですから、三件の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  98. 小泉親司

    ○小泉親司君 日本共産党を代表して、保障措置協定IAEA追加議定書に反対の討論を行います。  その理由は、今回の追加議定書が、核不拡散条約NPT条約に基づいて、核保有国の核独占体制を一層強化するものであるからであります。  そもそもNPT条約は、五大国だけに核兵器の保有を認める核独占の維持強化を図るものです。また、IAEA協定は、査察の名で、非核兵器国のみに核兵器への転用の有無の調査を義務づけるもので、非核兵器国に一方的な制約を課す不平等な取り決めであります。これが核兵器独占体制を補完するものであることは明らかです。  追加議定書は、北朝鮮核疑惑などが最大の口実にされていますが、原子力研究所など、より広範な情報や施設への立ち入りなど、非核兵器国への内部介入をこれまで以上に許す手段を提供するもので、アメリカなどの核保有国の内部介入を容認し、結果として独占体制強化するものであります。  我が党は、当然、新たな核兵器の出現を許すものではありません。今何よりも重要なことは、核兵器保有国が世界諸国民が熱望する核兵器廃絶交渉を直ちに実施し、核兵器廃絶へ踏み出すべきであります。本追加議定書保障措置を幾ら強化しても、アメリカを先頭とする核兵器保有国の力の政策が続く限り、新たな核兵器開発の誘因が続くことは明らかであります。  世界の核兵器の不拡散を本当に実現するためには、我が党が世界政治における緊急で第一義的な課題として提唱している核兵器の廃絶を一日も早く実現することです。日本政府が、世界で唯一の被爆国の政府として、このイニシアチブを発揮することを指摘して、討論を終わります。
  99. 河本英典

    委員長河本英典君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  まず、核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定実施に関する日本国政府国際原子力機関との間の協定追加議定書締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  100. 河本英典

    委員長河本英典君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、民間職業仲介事業所に関する条約(第百八十一号)の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  101. 河本英典

    委員長河本英典君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、航空業務に関する日本国政府イスラエル国政府との間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  102. 河本英典

    委員長河本英典君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 河本英典

    委員長河本英典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十分散会