○田英夫君 言われたお気持ちはわかりますけれ
ども、国際的な状況を客観的に見ると、台湾というのが
一つアジアの中の非常に不安定な要因になっていることは事実なんです。
ただ、私ごとですけれ
ども、台湾の中に独立派がいる、それを大変また
中国側は気にすることは事実ですけれ
ども、やや誇大に言われている部分もあるんじゃないかな。その主張をしている政党としては民進党があるわけですけれ
ども、民進党の総裁の許信良という人は、もともと国民党にいて、若くて知事になって、それが翻って国民党を脱党して
アメリカへ亡命するという
ような非常に激しい変化をした人ですが、その
アメリカ亡命時代に何度かこの議員会館の私のところにも来たことがあります。来るたびに独立についての意見が微妙に違う。私ははっきり、あなたが台湾独立ということを
考えているならあなたとつき合うわけにいかない、ここに来てもらっては困るということまで言いました。彼は、いやそれは違う、そういうつもりでいるわけじゃないと。しかし、あいまいであったことは事実です。
ですから、私は提案して、あなたは一回北京へ行ってみたらどうですか、北京の指導的な人たちと会って、あなたの気持ちを率直に言ったらどうか、そういう話し合いを、これは内政干渉になるかもしれないけれ
ども、私の立場からすればそれは
中国の国内問題だけれ
ども、あなた方がそういうことを話し合うことはいいことだと思うということで、実は
中国の北京側のしかるべき人に紹介をして、彼は北京へ行きました。一カ月半ほど、
中国でいろいろ
議論してきた
ようです。
そういうことをまた帰ってきてから聞いてみると、言われているほど独立ということが非常に深刻に台湾の中で広がっているというふうには言いがたい。民進党の中でもむしろ少数派である、独立派は。そういうことももちろん
政府は御存じでしょうけれ
ども、冷静に見きわめながら、ただ、
アメリカの中に共和党を中心にして台湾に非常に肩入れをしているグループがいるからこそ台湾
関係法が成立してしまったりするわけですから、そういうところを冷静に見きわめて、この間で話ができるのは
日本じゃないんですか。そういうことを私はさっきから申し上げているつもりなんです。
李登輝総統にもお会いしたことがありますけれ
ども、むしろ総統という立場の人がこういうことを言ってもいいのかなと思うくらい、彼らの
言葉で言えば大陸と言うわけですが、大陸との間の、海峡両岸の間の交流ということについて非常に熱心に話をしております。その言動から、独立をさせ
ようなどというふうには全く受け取れなかったということも申し上げておきたいんです。
したがって、台湾の問題というのも今度の
ガイドラインの問題で
一つの焦点になってきておりますから、マイナス思考で
考えるんじゃなくてプラス思考で、台湾問題を
日本政府がむしろ推進役になって、アジアの不安定要素じゃない
ように解決していくにはどうしたらいいかということをお
考えいただきたい、私
どもも
議論していきたいということを申し上げておきたいんですが、最後に
外務大臣のそれに対する御意見なり御感想を聞かせていただきたいと思います。