○松本(惟)
委員 推進員のお話、実はもう少し私はここで掘り下げたいと思うんですけれども、ほかに用意した案件もございますのでまた別の機会にと思っておりますが、具体的なことを
大臣が、私がお願いをいたしました趣旨に基づいて御検討くださるというふうにお答えくださったと思ってよろしゅうございますね。ありがとうございました。
この問題につきましては
労働省としても真相究明に取り組まれるということでございますが、しっかりやってもらいたいのと同時に、やはりスピードアップをしていただきたいということをお願いしたいと思います。こういった問題については、なお引き続き
審議があると思いますけれども、この点については
岩田労働
委員長に、ここで終わりにしない、さらに
議論を続けていくということで強くお願いをしておきたいと思うのですが、お答えは後ほどで結構でございます。
次に進んでまいります。
冒頭申し上げましたように、
雇用情勢の悪化の中で、残念ながら
雇用にかかわる差別はむしろ潜在的に広がっているのではないかと私は危惧をいたしております。部落差別、
障害者差別、それから高齢者の差別、
女性差別、パートや
派遣などに対する差別などでございます。
その代表的な事例が、大手の人材
派遣会社テンプスタッフの個人情報流出問題でした。同社は、昨年の一月に九万人分もの個人情報を流出させ、問題になっておりましたが、さらに三月、六万人の登録者の名簿
データがインター
ネット上に掲載をされまして、売買の対象になっておりました。しかも、容姿ランクとしてABCがつけられていた。これらの問題については、当
委員会において別途質疑をさせていただくつもりでございますけれども、余りにも露骨な差別で、本当にあきれるばかりと言わざるを得ません。
もう一つは、つい最近起きた男女別退職勧奨問題であります。
これは新聞にも報道されておりますが、石川県の鳥屋町というところで、十歳も年齢差がある男女の退職勧奨
制度、これは文章に書かれているわけであります、それを設けまして、退職を強要された
女性が裁判に訴える事件が起きております。公務員には平等原則があり、むしろ民間の模範となるべきであるにもかかわらず、男女で年齢が異なる退職勧奨は明らかに均等法違反でございます。四月一日から均等法が施行されるわけでございますけれども、均等法違反である。
男女
雇用均等法を実効あるものにしていくためには、担当する
労働省の役割は大きいと私は思います。先ほどからどなたか中央省庁再編の問題に触れておられましたけれども、各省庁の所掌事務がこれから定められていくわけでございましょう。私は、
職場における平等や均等を実現していくためには、担当する局は必要不可欠だと思っておりますので、
大臣にもこの際、十分にその点について御留意をいただきますよう、重ねてお願いをさせていただきたいと思います。
〔
委員長退席、川端
委員長代理着席〕
次の
質問に移ります。第二の
質問は、ILOの条約の批准についてでございます。
この
労働委員会におきまして、私は折に触れてILO条約の批准問題について
質問をさせていただきました。現在、ILOには百八十一の条約が採択をされておりまして、
我が国が批准をしているのはこのうちの四十二条約です。最近の批准は一九九五年ですね。百五十六号条約、家族的責任を有する男女
労働者の機会及び待遇の均等に関する条約でございますが、それ以降、一本も批准をしていません。
御承知のように、OECD加盟国と比較しても、これも前にも触れさせていただいたわけですけれども、その平均批准数を大変大きく下回っております。国際公正基準についてのルールづくりには消極的というふうに言わざるを得ません。歴代の
大臣も、この批准数の少なさについては改善すべきであるというふうにおっしゃいまして、積極的な
取り組みの必要性を繰り返し答弁をされています。率直に申し上げて、実効が上がっていないと思います。
昨年の六月のILO総会において、
経済のグローバル化の中で、
経済だけではなくて、
社会政策もやはりきちんと国際公正基準としての基準が必要であろうという立場からるる
議論があったわけですけれども、ようやくILOの総会で労働における基本的
権利と原則に関する宣言が採択をされたわけです。この宣言は、グローバル化のもとでの競争についての
社会的公正基準、そして公正競争を確保していく上で最低遵守すべき
労働者の基本的
権利を定めたものでございまして、結社の自由、
団体交渉権、差別の禁止、強制労働の禁止、児童労働の禁止というものであります。
具体的には七つの基本条約の実施が求められております。この七つのコア条約の中で
日本がいまだ批准をしていないのは、第百五号、強制労働の廃止に関する条約、第百十一号、
雇用及び職業についての差別待遇に関する条約、そして第百三十八号、就業の最低年齢に関する条約でございます。
御承知のように、昨年の労働基準法一部改正によりまして、使用者は、満十五歳に達した日以後の最初の三月三十一日まで児童を使用してはならないものとするとなりました。労基法の改正がなされたわけでございます。批准に向けて大きく踏み出したものと私は理解をしておりました。当
委員会の附帯決議でも、七つ目に、同条約の早期批准促進に向けて検討を急がれる旨が書き込まれたわけでございます。
しかしながら、今国会の批准案件に提起をされているのは、ILOの百三十八号条約ではなくて、一昨年採択されたばかりのILOの百八十一号条約、民間職業
事業所に関する条約でございました。
そこで、
質問でございます。
まず、外務省に確認をいたします。今国会に批准案件として提出予定のILO条約は第何号でございましょうか。