○
有馬国務大臣 まず私からお答えを申し上げましょう。
私はこのところ
小学校、
中学校などを方々回って見ておりますし、平均すれば月に二回ぐらいは、特に夏には集中するのですが、
理科の
実験を見せて
子供たちに話をするというふうなことを、繰り返しこの数年やってまいりました。
よく言われる
学級崩壊ということでありますが、私が見に行ったところ、これは選ばれたからだということもあるかもしれませんけれども、
大変子供たちが熱心。
学校は楽しいかと聞くと、大変楽しいと言う。それから、サイエンスの
実験などを見せてやる、それほど大勢じゃありません、百人とか、場合によっては六百人、そういうところで話をする限り、これは来たいという意思を持った
小学校、
中学校の
子供が来るせいもあるんですが、非常に活発。この前も、
小学校で昼御飯を一緒に食べたときに、
学校は楽しいと聞いたら、大変楽しいですと。どうも初めからそういうふうに答えろよという
指導は
先生はしていなかったと思うんですが、大変そういう
子供が多かった。
しかしながら、
問題点は幾つかあります。
まず第一に、不
登校が明らかに多くなった。十万を超える。この点。
それから、いろいろ
新聞等々の
情報、それから、私
自身もそういう
小学校、
中学校に行ったときに、教える困難はありませんかと言うと、やはりあると。ですから、この前行きました都内の
小学校は、何百人かいる
子供のうちの一人とか二人が不
登校問題、あるいは、来ても
授業についていけないという問題がある。こういうものに対して、チームティーチャーをつけて随分丁寧に
指導しておりました。そういう例はあります。確かに、昔よりはるかに教え方が難しくなったという面はあると思います。
しかしながら、その理由は何かというと、
学校だけに、
学校の教え方がまずいからというだけではない、本質的には家庭、本質的には我々の
社会の問題だと思います。例えば
正義感とかそういういろいろなものも、我々
社会人が持っていない限り、
子供に教えるといっても無理だと思いますね。そういう
意味で、
社会全体の問題である。
しかしながら、御
指摘のように、やはり
小中高にしても、
理解ができない
子供がいる、それから、
学校がどうもおもしろくないという
子供がいる、そして不
登校が多い、これは歴然たる事実でございます。私も
大変心配をいたしております。
それから、御
指摘のとおりでございまして、せっかく月二回、隔週に土曜日
休みにしても、ちっとも
子供が
ゆとりを持てない、
先生が
ゆとりを持てないという問題、明らかでございます。
そこで今度は、二〇〇二年より
学校完全週五日制を導入いたします際には教えるべきことを二割ないし三割を削減することにいたしました。そういうことで、先ほど御
指摘のように、せっかく
ゆとりの時間を与えたけれども、
学習指導要領の
内容を実行するだけで大変だ、それで
ゆとりの時間も使ってしまう、あるいは
休み時間も減らしてしまう、こういうふうな
状況が一部にあるようでございますので、それに対しては、二〇〇二年よりはないように
学習指導要領も減らします、それから
理科にしても
社会にしても三割ぐらい減らします。
ただ、私はお伺いしたいことがあるんです。
社会の
人たちは反対の方もおられるんですね。私の仲間の
理科教育をやっている連中は、そんなに減らされちゃったら困るという人すらいるんです。ですから、そういう
意味で、中和をとって、どこにどういう教え方をしていくかということをこれからよく考えなきゃならないと思っております。そういう点で、御
指摘のとおり今少し減らしました。
もう
一つ、多分申し上げておいた方がいいと思いますが、今すぐに、それでは二〇〇二年までどうするか。これに対しては
移行措置を随分考えておりますので、少し
初中局長より
お話を申し上げたいと思います。
しかし、ぜひとも、
社会自体がこの際、
子供たちに対してどういう
教育を施していくのか、どういうふうにしたらいいかというふうなことを御関心持っていただきたいし、
お父さん、
お母さんがもっと、間違っていることは間違っている、いいことはいいんだ、家事を手伝え、こういうふうな積極的な方に育児をお進めいただきたいと思っております。