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冬柴分科員 どうもありがとうございました。
私も、
平成七年二月二日、衆議院の
予算委員会総括
質疑の中でこの問題を初めて取り上げさせていただきまして、当時村山内閣総理
大臣でしたけれ
ども、大変前向きの発言をされましたが、まだ大事な部分において最高裁判所の判決が出ていないということで、今後も勉強させていただきたい、このような答弁だったわけでございますが、非常に偶然にも、その二十六日後の
平成七年二月二十八日に、今、
大臣が御論及いただきました最高裁判所第三法廷の判決、画期的な判決がありまして、これは憲法の問題ではなくて立法政策の問題である、このような判断が示されたことは、もうつとに周知の事実でございます。
また、私は、永住外国人に対する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等の付与に関する法律案というものを、先ほどるる申し述べました日韓議連の韓国人の法的地位向上
委員長という責めもあり、いろいろな方の反対が実はありましたが、これを起草することができました。一年間温めていたわけでございますが、その間、各政党にも働きかけて御同意をいただき、できれば日韓議連の議員すべての提案で出したい、このように思ったわけですけれ
ども、なかなか難しかった、そして、金大中大統領の来日ということがあったものですから、昨年十月に提案をさせていただいて、今日に至っているというものであります。
私は、閣法も提案していただいて一緒にやったらどうかなという感じもしたのですが、今、それについては
大臣から明確な答弁をいただきました。
議員立法として頑張ってまいりたいというふうに思っております。
ただ、この構成につきましては、参
政権と言うからには選挙権と被選挙権があるわけですけれ
ども、被選挙権については最高裁判決は論及はしておりませんけれ
ども、それは争点になっていなかったからでありまして、私は、理論的には、被選挙権を排除するものではないというふうに思っております。しかしながら、現在の
日本全体の雰囲気を見たときに、ここは将来の課題として残し、選挙権だけに限局をしようということで、そのような構成をとっております。
また、一部の国では、地方参
政権を与える、選挙権を与えることが、その
国民の属する国の民族を分断するものである、このようなことで相当激しい反対をされている国があります。私は、そういうこともおもんぱかりまして、これは申請によって選挙人名簿に登録をされた外国人に対してのみ選挙権を与える、すなわち、
希望しない人には与えないという構成
もとっております。そういう意味で、条文がその部分で非常に長くなってしまったということになっておりますけれ
ども、私は、多くの方々の賛同は得られるものではないかというふうに思っております。
二十一
世紀はもうすぐそこまで来ているわけであります。しかし、この二十
世紀というのは、国連憲章冒頭にもありますように、二度にわたる悲惨な戦争を与え、数千万人に及ぶ人々がその戦禍によって亡くなられたという、悲しむべき戦争の
世紀と言ってもいい
世紀であったと思います。
我々は、新しい
世紀はそうであってはならないというふうに思います。なぜ二十
世紀がそうであったのか。これは、やはり国家目的の中で、国家、
国民、国境、国益、国権、こういうものが非常に重い国の目的として据えられ、そのために、そこに住む住民というものが手段にされたのではないかというふうに思います。
富国強兵、なるほど国は富みましたけれ
ども、敗戦によって一番被害を受けたのは
国民であり、あるいは我々の隣邦の方々であったと思います。
我が国が国益を追求するの余り、隣邦を侵略し、植民地経営を行い、そして多くの人々にぬぐうことのできない不幸を与えてしまった。新しい
世紀は、そのような反省に立って、そこに住む住民の幸福そのものが国家の目的でなければならないし、そのときには国籍、
国民、国益というのはもっともっと垣根を低くして、そして、運搬手段あるいは通信手段が極度に発達したこの二十一
世紀は、グローバルな地球市民、このような感覚で政治は行われるべきであろう。そのときに我々は、冒頭申しましたように、同じ
地域に住み、そして
一つのコミュニティーを形成する仲間である住民、その中には
日本人もあれば定住外国人もある、その
地域のことはそういう人たちが自主的、自律的に決めていくべきではないかというふうに強く思います。
また、日韓両国の悠久の歴史の中で築き上げられてきた友好の歴史というものは、不幸な数十年を除いては大変な一衣帯水、それで
我が国の今の文化というものがかの国から移入をされ、そして今日のけんらんたる
日本の文化、あるいは
経済発展の基礎をなしている、こういうことに思いをいたしたときに、私は、彼らが国籍が違うということで不当な差別を受けることを許してはならない、それが民主主義の根本であろうというふうに思います。
どうか自治
大臣におかれましても、このような私
どもの、私の考えだけではありません、多くの
地域の住民、
我が国の六割、七割の
国民が、彼らに選挙権を与えるべきだということを言っておられるわけですから、私は国政上の問題としても非常に重く受けとめ、そしてまた、こういう選挙制度について
所管であられる自治省は積極的にこれを
推進すべき
立場にあるのではなかろうか。これが、世界に誇る民主主義
日本の、成熟した民主主義国家であるということを発信する
一つの立派な作業ではないのか、礼儀ではないのか、こんなふうに思います。
もう
一つ、市町村合併について考えてきましたけれ
ども、きょうはこれぐらいにさせていただきまして、ぜひそれについては私も頑張ってまいりたいと思いますけれ
ども、最後にもう一言、自治
大臣の御発言をいただいて、終わりたいと思います。