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山本(幸)
委員 私は、ただいま議題となりました
坂上富男君外六名提出の杉浦正健法務
委員長に対する不信任動議に対し、自由民主党、公明党・改革クラブ及び自由党を代表して、断固反対の討論を行うものであります。
今国会の本
委員会には、継続審議とされた法案も含めて多くの重要な法案が付託されており、我々は、従来の慣例にとらわれず、柔軟に
委員会を開会して法案の審査を促進することが国民の負託に誠実にこたえることであると主張してきました。しかし、他の党は、反対する法案の審査を先送りにして、賛成する法案の審査の優先を主張するなどして硬直的な姿勢をとり続けたため、法案の審査は遅々として進みませんでした。
我々は、
外国人登録法の一部を
改正する法案については、
平成四年の
外国人登録法の一部
改正の際の衆参両議院法務
委員会における附帯決議の趣旨及び指紋押捺
制度の廃止など外国人登録
制度をめぐる国内外の強い要請を踏まえ、また、
出入国管理及び
難民認定法の一部を
改正する
法律案については、
平成九年に集団密航事件に適正、厳格に対処できるようその一部が
改正されたところでありますが、その後も不法入国事件は減少に転じたとは言えない状況にあり、加えて、不法入国または不法上陸後の不法在留外国人、あるいは二十七万人余に及ぶ不法残留者の中には犯罪を惹起する者が相次ぎ、これらの不法滞在者に対し、適正かつ厳格に対処することが急務であるところから、今国会における審議及び採決の促進を望んでおりました。それゆえ、参議院においては、政府原案、修正案、附帯決議を一体のものとして、絶妙のバランスで、民主党を含め圧倒的多数をもって可決したところであります。
しかしながら、衆議院においては、その審査と採決を進めること自体に消極的でありました。
こうした中、杉浦
委員長は、幾度となく
理事会、
理事懇談会を開催して与野党協議を行い、両法案の審査について円満な
委員会の運営に心がけ、粘り強く与野党の合意形成に尽力してまいりました。また、採決に当たっても、杉浦
委員長は、与野党協議を重ね、円満な運営に努力されたのでありますが、他の党はかたくなに拒否し続け、合意に達することができなかったのであります。
審議と採決を促進することは
委員長の重要な職責の一つであり、意見が対立した場合には
委員長に与えられた職権を行使することは当然のことであります。杉浦
委員長の姿勢は実に公平中立であり、強権的、独断的と非難されるいわれはみじんもないのであります。むしろ、
委員長の審議促進の呼びかけに応じないで、在日韓国人等の熱望に反し審議と採決を拒否し続けた態度こそ、議会制民主主義を冒涜したものであり、非難されなければなりません。
私は、法務
委員会の良心にかけて、このような理不尽な不信任動議は断固否決されるべきであると考えるものであります。杉浦
委員長こそ、強力な指導力と民主的配慮をあわせ持った信頼に値する法務
委員長であります。称賛されこそすれ、不信任に値するという主張は退けられなければなりません。
法案に対する賛否が分かれるのは、各党の立場の違いがある以上、これは当然でありましょう。しかし、法案に反対するからといって、これほどまでに公平中立な運営をされてきた杉浦
委員長に対して不信任動議を突きつけるなどということは、許しがたき暴挙であり、憤りを禁じ得ないものであります。
ここに、正義と良心をもって国民の負託にこたえんとする
委員各位とともに、本不信任動議に断固反対の意見を表明し、私の反対討論といたします。(拍手)