○福岡
委員 民主党の福岡宗也でございます。
商法等の一部を
改正する
法律案について御
質問を申し上げたいと存じます。
今回の
商法改正の
法律案は、
平成九年の六月に成立をいたしました独禁法の
改正、すなわち、この五十年間一貫して維持されてまいりました持ち株
会社の全面的禁止という九条を
改正いたしましてこれを解禁する、ただ、例外として事業支配が過度に集中する場合を除く、こういう形の全面的
改正を行った。こういう
改正を受けまして、現実に一〇〇%
子会社の株式を保有するいわゆる完全
親会社というものを成立させるという経済界の必要性に応ずるために、
現行商法の規定に従ってこれをなすときのいろいろな障害、手続の煩雑というところを避けるための新しい
株式交換制度、さらには
株式移転の
制度を設置しようとする法案だというふうに提案の
趣旨が
説明されているわけでございます。
したがいまして、持ち株
会社の創設ということを、現在の経済界の要請からして、また日本の国際
競争力を高めるということからして必要であるという立場から考えれば、当然容認せざるを得ないし、新しい
制度の創設ということも必要だろうということで、基本的にはこれは賛成ということになろうかというふうに思いますし、私もそのような立場に立っておりますので、基本的にはこの法案については賛成であるということでございます。まずこのことを申し上げ、この基本的立場に立った上で、さらに問題点を数点御
指摘を申し上げたいと思うわけでございます。
そこで、
質問の第一は、独禁法の
改正のときの
国会における
審議におきましても、それから与党間のいろいろな
意見交換の場においても、持ち株
会社の解禁に伴うところの惹起が予測されるような実際のいろいろな問題、さらには、例外的な規定がございますので、その解釈についてやはり明確にしておく必要があるんだということで、さまざまな議論がなされてきたわけであります。そうして、その議論というのは、最終的にはほとんどの部分が附帯決議としてここに盛り込まれているというふうに私としては
理解をしているわけであります。
したがって、まず
質問の第一としましては、その確認と、これに対する
対応が現実にどうなされているかということをお伺いいたしたいと思います。
独禁法の九条に定められておりました持ち株
会社の全面禁止というのは、戦後の経済民主化の一環としまして、財閥解体の成果の上に制定をされたものだと言われております。その後の我が国の経済の公正で自由な
競争の維持に果たしてきた役割は極めて大であったわけであります。
しかしながら、現在の国際
競争の時代、グローバル化の時代を迎えまして、経済構造の改革もしなきゃならぬ、企業経営の多角化というものを図らなきゃならない、それから金融改革もしなきゃならぬというような
状況の中で、やはり企業合同的な、融通性のある親
子会社の創設ということが非常に必要になってきたということで、これはある意味では不可欠であったとも言えるわけであります。
しかしながら同時に、独禁法が目的とするところの公正で自由な
競争を確保するということもまた、これは両翼のように大切な問題であります。したがいまして、今度の
改正もこの点は維持するということで、事業支配力の過度に集中する場合の持ち株
会社の創設は禁止をするということにしたわけであります。
そして、
国会等における論議、簡単にこの点も申し上げますと、まず第一番に、
先ほども申し上げました財閥の解体ということで始まったものが、財閥の復活を可能にする。それから、不当な系列化というものが増大することは問題があるだろうということは論議されました。それから、事業支配力の過度の集中という問題についても、これは非常に抽象的な文言でありますので、
法令によってより明確にしていく、さらには、
法令で困難な場合には、ガイドラインによって行政指導基準を明確にしていくということも論議をされたわけであります。
さらに、規模が巨大と判断する場合ということで、これは確定的というわけではありませんけれ
ども、そのときの論議は、総資産が親
子会社合わせて十五兆円を超える場合には、やはり
全国的ないろいろな種目にわたるところの企業支配としての過度な場合に該当する一つのメルクマールとするというようなことまでも議論をされたわけであります。その他、持ち株
会社解禁によって予測される幾多の利害
関係者との調整の問題も、これは相当に議論をされてきたわけであります。
これらの問題は、議論はそのときされましたけれ
ども、最終的な
結論としては具体的に
対応はできていないんですけれ
ども、早く発進させる必要があるということで、附帯決議の中で直ちに
検討するということにして、それらのものを持ち越して独禁法はそのまま
改正をされたというわけです。いわゆる持ち株
会社の解禁は、そういうような条件がついて解禁されたとも言い得るわけであります。
そういうわけで、私としましては、わかりやすいためにこの附帯決議に沿って、問題点について具体的に今どういうぐあいに
対応されているのか、また将来どう
対応されるのかということについて、まずお伺いをしたいわけであります。
そのまず第一番は、
先ほどちょっと言いましたように、今回の持ち株
会社の例外とされておる、事業支配力が過度に集中することになる、これの解釈は九条の五項にもあります。その九条の五項を見ても必ずしも明確じゃないということでありますので、これについて、附帯決議の中では、法制化を含めてガイドラインの策定等もすることを
検討するんだということが明確に書いてあります。
したがいまして、
質問の第一は、このガイドラインは現実にもう策定されておりますけれ
ども、この中身について、どういうような考え方でこういうガイドラインをつくったんだということと、その主なところ、特に持ち株
会社の判断の対象になるグループというもののとらえ方の問題と、それから、事業支配力が過度に集中するというものの考え方などについて、どのように
説明をガイドラインでされているか、まずお伺いをいたしたいわけであります。