○坂上
委員 やはり今までの
法案の
審議の能力といいましょうか、時間というものもあるわけです。そしてまた、その
法案の重みというのもあるわけです。これをずさんに審査をして
国民の前に
法律の
施行をしたら、
国民はとんだ迷惑を受けるわけでございます。
でありますから、もう
法律なんというのはない方がいいわけでございます。しかし、今のこの複雑な
社会においては、規律を保つためにも、また、弱い
人たちを
保護するためにも、
法律の必要というのは私は十分わかっているつもりでございますが、ただ忙しくなった、いっぱい
法案が必要になったからといって、むやみやたらに出されては、今度はずさんな
審議になるおそれが私はあると思うのです。
だものでございまするから、確かに、去年からことしについて、異常なぐらいの重要
法案の
提出であって、私は、果たして一体どれだけ
審議が間に合うんだろうかということに非常に恐れをなしておったわけであります。
だから、私は二回にわたりまして官房長に、盗聴法関連のがつぶれるだけでなくして、ほかの
法案もつぶれますよ、そうした場合、
法案には甲乙はつけがたいですが、いずれも重要
法案でございますが、しかし、事と次第によっては、これはやむを得ない、これだけ早く
成立させようということはあってしかるべきだろうと私は実は思っているわけであります。
そこで、与党さんにも提案をいたしました。盗聴法をやると同時に、あるいはほかの
成立させなければならぬ
法案の
審議も同時に並行させたらどうでしょうか、こういう提案もいたしましたけれ
ども、やはり党は党の
立場がありますものですから、私が提案したとおりにはなかなか
いかぬ。これもまたやむを得ないことだろうと私は思っているわけであります。
しかし、結論といたしまして、さっきも大変激しい議論になっちゃったんでございますが、
法案が渋滞をして、結局この国会で
成立しなかったり、あるいは流れたりしたということになりましても、これはまた
いかぬことでもあるわけでございます。
したがって、幾ら我々が
法案をつくって参議院に送っても、今、参議院は、ほかの
法案を
審議するだけの余裕がないといいましょうか、そんなようなことになっちゃって、ほかの
法案が死んじゃうなんということになったら、これもまた大変なわけでございます。さりとて、また
審議の慎重さはきちっとしてもらわなきゃならぬわけでございます。
そういたしますと、やはり私は、
法務省が閣法を
提出するに当たりましては、もっともっとよく
考えて、そしてその見通しを立てながら、野党の
理事から聞いてみれば大体どれだけの時間
要求があるんだろうかということもわかるわけでございますから、めちゃめちゃに出して、もう多数決だあるいは強行採決だということでは、私は非常に
いかないと思っております。
そこで、今度、一番の本論なんですが、いわゆる盗聴法でございますが、前の前の国会に
提出をされたものがそのまま寝ておったわけでございます。そして、政治情勢がこの四月ごろから変わり始めたものですから、突然この
審議をやろうと実は言い出してきたわけであります。だから、
法務省は、多分、今回
提出された
法案は、これはまあ無理していただければ大体できるんじゃなかろうか。まさか盗聴法が
審議の対象になるというようなことは、政治情勢の変化があると思わなかったものだから、あるいはそうなったのかなとも私は実は思っているわけであります。
そこで、言葉といたしましては、こういう言葉になるわけであります。参議院の方から、衆議院が幾らつくって送っても渋滞になるなどということになっても、これまた困るわけでございます。
だものでございまするから、
法務省は、率直に言って、盗聴法関連についてはまさかこういうふうな事態になることを想像しなかったんじゃないですか。これがばんと割り込んできたものだから、あとは全部押されて渋滞をしたという……(発言する者あり)いやいや、まあまあ黙っていなさいよ、人の
質問中なんだから。何を言っているんですか。まあまあ、どうするの、こういうやじを。ちょっと制止しなさい、制止を。