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坂上委員 これもよく見てください。いいですか。提供者の主治医だった西山救急部長は、家族の気持ちを代弁すると言って、次のとおり述べたというんですね。
脳死移植に関する
報道は、一定の
ルールとプライバシー保護の上に成り立つもので、プライバシー保護と情報
公開とは全く別だ。
私はそう思いますよ。
国民全員が脳死移植に賛成なら問題ないが、人それぞれに
考え方が違い、脳死に反対する人もいる。まして、今回は提供者に子どももいる。反対する人からの中傷の恐れもあり、子どもに迷惑を掛けることだけは絶対に防がねばならない。提供者も子どもに迷惑を掛けることが分かっていたら提供しようとは思わなかっただろう。
マスコミの猟奇的とも言える行動は
理解できない。提供者の家族を特定しようという
動きで年齢や性別、住所と次々に暴かれ、ついには職業や周囲の雰囲気に及んだ。これらを
報道することに何の意義があるのか。家族は最初の
報道に強い怒りを感じている。
二回目の判定時刻をなぜ公表しないのかと聞かれたが、二回目の判定時刻とは死亡時刻を意味し、患者が特定されてしまう。住所などが
報道されなければ公表できたが、出せる情報も出せなくなった。これはマスコミの
責任だ。ご家族とは臓器摘出後に公表しようと合意していた。ところが外には取材の車が集まってきた。厚生省や日本臓器移植ネットワークの
責任も大きい。
最低限の
ルールも確立されていない中ですべてが未成熟だったことにより、ご家族に多大な迷惑をお掛けしたことをおわびしたい。ご家族は次回の移植では改善されることを願っておられる。
そうでしょう。
人権擁護局は
ルールをきちっとやはりあれして、患者の人権はこういうふうなんだということを守るように期待をしているんです、
人権擁護局に。それを
報道だの何だかじゃ困るんでございまして、
大臣、その点をよくひとつ対応を今後も検討していただかなければならぬと私は思いますよ。あすにでも、あるいは患者がこういう状態になるかもしらないという
事態があるんだから。本当にみんなが、まだだれも自主的な
ルールができたなんて
発表していない。厚生省も
発表していない、
法務省も何もしていないわけであります。全く投げやりの対応じゃないですか。私は、
人権擁護局は任務を、率直に言っていささか怠っていると強く
指摘をせざるを得ません。どうぞひとつ御検討を賜りたいと思っております。
最後に、もう時間ありませんが、
先生方にもお配りをしてありますが、これは最高
裁判所からいただきました再審の統計表でございます。
再審無罪というのは結構ありますね。
お話を聞きましたら、この再審無罪というのはそんな大きな事件でなくとも、なくともというのはちょっと言葉が適切ではありませんが、例えば交通事故なんかで身がわりに犯人として出て、その人が処罰を受けた。しばらくたってから、とんでもない、私は間違いでした、私じゃなかった、あの人ですというような再審が結構多いんだそうでございます。
そこで、この中で一つだけ言えることは、再審を開始するに当たっては、どうも
裁判所は、これは再審無罪だという確信がなければなかなか再審開始なされないようでございます。どうもそういう傾向があるそうでございます、最高裁からお聞きをしたら。そういうようなことは、私はもっと広くひとつ再審の開始ぐらいはしていただきまして、真剣に、本当に冤罪であったかどうかということを審理をしていただいて、即無罪にならなくとも、どうも確信がとれなかったら再審棄却でもやむを得ないと私は思っているわけでございます。
この中で一番大きな問題の一つは、警察から検察に書類が送られます。これを証拠の標目と言っているんじゃないかと思いますが、この証拠の標目というものは、再審においては重要な作用を及ぼすわけでございます。それで、再審の
関係者は、証拠はまだ検察の手元にあるかもしらぬから、警察から検察に送った証拠目録を出してくれ、こう言いますけれども、これは内部資料であるから出せませんというのが
答弁のようでございます。しかし、
裁判所が勧告をすれば検察はこれに応じて証拠目録を提出になっておるのが、どうも判例といいますか、裁判の大勢のようでございます。
今、情報
公開法ができました。それで私は、
司法改革の中の一つといたしまして、再審無罪になったからといって
司法に対する威信が損なわれることはない、かえって
信頼がその中から生まれてくると実は思っておるわけであります。たまたまでございますが、日産サニー事件は再審がなされたけれども、無罪にならないで棄却されたというのはこの間
報道されたばかりでございますが、これなんか異例の
事態なんだそうでございまして、普通、再審の扉をあけると同時にその後は無罪というのが多いんだそうでございます。
私は検察当局、
裁判所にもお願いをしたいんでございますが、警察から検察に送られる証拠目録というのは公文書なんですね。公文書でございますから、これはうちの内部資料だというものではなくして、検察は本当の実体的真実発見のためにはやはりこれは提出すべきだ。
裁判所の勧告がなくとも私は提出されてしかるべき問題だと思っておるわけでございますが、この際、
司法改革ということが議論されるに当たりまして、これに対する対応もぜひとも御検討をいただきたいなと私は思っておるわけであります。
殊に、情報
公開法が今できつつあるわけでございますが、これに関連をいたしまして、
国民が情報について確実にこれを知り、そして対応できるというのが情報
公開の精神のようでございますから、ましてやこの証拠目録の中に真実が隠されている、そういう資料は、もう我々の手元にないけれども検察の手元の中にはあるから出してくれというのは、これはけだし当然だと思います。内部文書ではありません。
御存じのとおり、例のエイズのときも、
会議のメモをしたのもみんな
公開をしたわけでございますので、あるものをすべて出せというのではないんでございますが、そういうふうな送検をしたときの証拠目録などというものは、公文書ですから、出してしかるべきなんじゃなかろうか、見せてしかるべきなんじゃなかろうか、私はこんなふうにも思っておりますので、ひとつ御所見をいただいて、今後
司法改革の
審議が始まるに当たりまして、この部分だけ強く私は要求したいんでございますが、検察当局の御所見も少しいただいておきたいと思います。