○
赤羽委員 おはようございます。公明党・
改革クラブの
赤羽一嘉でございます。
きょうは、私、衆議院議員六年間務めさせていただいておりますが、文教
委員会での
質問は初めてでございます。この機会をとらえまして、私実は神戸市の選出議員でありまして、あの阪神・淡路大震災そしてあの神戸市の少年による連続児童殺傷事件という、まさに、地元では
二つの大震災をどう乗り越えるかという中での兵庫県が発信している
教育のあり方を、
大臣よく御承知のことだと思いますが、ここで御
紹介させていただき、有意義な結果を出したいというふうに思いまして、十五分でございますが、立たせていただきたいと思います。
この
質問に当たって、文教
委員会の議事録を過去から読ませていただいて、非常にそうだなと思った
有馬国務大臣の御答弁、ある議員さんが、
大臣の目指している
教育、その究極の目的というのは何なのかという御
質問に対して、
大臣は、
心の
教育というようなことをこのごろ申しておりますが、その
一つ手前で、まず、生きる力ということを養成すべきだと思っております。
生きる力というのは、たびたび申し上げておりますように、
自分で
課題を見つけ、
自分で学び、
自分で解決していくというふうな力、これが知、徳、体の知に対応するものだと思います。勉強するだけではなくて、それをみずからの血や肉にして、そしてどんどん問題を解決していく力。
これが大事なんだ、こういう御
指摘でございまして、この
大臣の御見識と、兵庫県が今やろうとしている、試みをしていることというのはまさに同じ思いに立った試みなんだなというふうに思っております。
そこで、生きる力をどうつけるか、心の問題をどう解決していくか。言うのは簡単ですが、実際どのようにしていくことが本当に今の
子供たち、
生徒さん
たちに生きる力というものをはぐくむのかということが大切なんだと思います。兵庫県でやっております、まさに体験学習、これはもう御承知のことだと思いますが、ことし二年目になりますが、大変な成果をおさめておりますので、ぜひこの点、もう一度ここで御
紹介をさせていただきたいと思います。
そもそも阪神・淡路大震災では、まさに、言葉で、ここで私が言い尽くせないぐらいの多くのものを失いました。いまだに各
学校では心のケアという問題を残しながら大変な
状況が続いておるわけでございます。
ただ、その中でも、国内外から寄せられた数多くの御
支援またボランティア活動の数々の中で、まさに人と人を結ぶきずなの強さや心の温かさ、そしてともに生きることのすばらしさを、被災者の私
たちが実感をしながら教訓として得たわけでございます。そして同時に、あの震災という未曾有の災害を経験したことによって、生命の尊厳とか自然への畏敬の念、また救護活動なんかを通して思いやり、助け合いの大切さを教訓として学び、そしてこの教訓を生かしながら生きる力をはぐくむ
教育を進めようというのが兵庫県の
教育委員会の発想だったと思います。
そういうことでやっていたやさきに、あの神戸市の少年の連続児童殺傷事件が起こって、大変な中で、どうこの
二つの事件を乗り越えていくかということでいろいろなことをやりました。
兵庫県では心の
教育緊急
会議というのを
設置して、いろいろな
専門家に来ていただいて提言をいただいた。その中で、これからの心の
教育は、従来のように結論を教え込むのではなくて、活動や体験を通して
子供たち一人一人が
自分なりに生き方を見つけるよう
支援していく。つまり、これまでの教えるということ中心の
教育から、はぐくむというふうなところに重点を置いた
教育をしていく必要があるということでありました。
兵庫県下、
平成九
年度までは、国の補助金も出ておりました、自然体験を中心とした自然
学校を小
学校五年生に五泊六日で実施してきましたが、昨年から、県下の全公立
中学校二年生を対象に一週間、これは
大臣も地元へ来ていただきましたが、地域に学ぶ
中学生の体験活動週間のトライやる・ウィークというのを実施したわけでございます。このトライやる・ウィークというのは、とにかく
子供たちに生きる力をはぐくむためには
学校という決められた枠の中ではしょせん非常に無理がある、地域の
教育力というものを利用すると言うと変ですが、そこを大いに活用していかなければいけないと。
実際問題としては、受け入れの問題とか、言うほど簡単ではなくて、ですが、やはり震災を経験した兵庫県民、我々すべて同じようにこういった
教育の大切さというものを実感してきたがゆえに、県下三百三十五校、千五百十数クラスで五万五千人の
中学生を受け入れるということを、兵庫県民、神戸市民がすべて
協力したからこそできた試みだというふうに思っております。
指導のボランティアにも二万三千名を超える方
たちが
協力をしましたし、私の後援会の副会長も材木屋をやっておりまして、そこに五人
中学生を受け入れました。ただ材木屋さんの手伝いをさせているだけじゃ気の毒だということで、市にかけ合いまして、
中学校の前のバス停、非常に寒々しいバス停ですが、それを工事をさせてくれと。歩道を掘り起こして木材を下に埋め込んで、いすも取っ払って丸太でいすをつくる、まさに木の町というイメージの出るようなものを一週間でつくりました。初日、私行ったんですが、非常に生命力のない
中学生が、おはようございますと言うこともできないような子
たちが、こんな寒い中で嫌だなと思っていた連中が、一週間後、完成の日に行ったら、物すごく目の輝きが違う。まさに、体験学習というのはすごいなと思ったし、でき上がったものも、つくる喜びというのを感じた。
そういった例は実はこの本にも、まとまった報告書が出ていますのでぜひまた
大臣にもお読みいただきたいと思いますが、何十という代表例が出ておりますし、恐らくここに出てない例もたくさんあったというふうに思っております。
〔
委員長退席、栗原(裕)
委員長代理着席〕
そこで彼らはいろいろなことを言っているんです。私、結果として一番驚いたことは、二百七十七校の調査なんですが、千七百十九名不
登校傾向の
生徒さんがいた、その中で五三%の九百十四名がこのトライやる・ウィークに終日参加した、その結果、二週間以内に
学校に戻ってきた子
たちが約八割いた、年末までにちょっと減りましたけれ
ども、三百十四名の不
登校の
生徒がそれ以来不
登校が直ったというのです。これは読売新聞の社説にも取り上げられておりましたが、まさに生きる力をはぐくむことのできた
一つの実例として、やはり素直に、率直にこの試みはよかったと認めるべきだというふうに私は思っております。
生徒も、来年ももし機会があったらぜひやってみたいかといえば八六・七%がやってみたい、
保護者も八八・三%の方
たちが行かせてみたい、関係者も受け入れを
協力してもいいというのは九三・一%、
学校の
先生は七四・七%の人が
教育として実効性があった、こういうふうに申し上げられているわけでありまして、まさに
余り悪いことが目につかないような、いろいろなことがあったのでしょうけれ
ども、結果としては非常にいいものが多かった。一週間のトライやるだけでは終わらずに、その期間が終わった後も、
自分たちが行った幼稚園のクリスマス会に参加したりとか、地域の自治会の活動に参加するようになって、その地域自体も非常に活性化されてきたということがあったそうでございます。
まさに、受け入れながら地域自体もいいことがあった、
生徒たちももちろん経験ができてよかった、
学校の
先生もすごく勉強になった。
学校の
先生は初めて名刺をつくって地域の
人たちとあいさつをしに回ったとか、事業所を回っていい経験になったなんということで、本当に三者、まさにトライやる・ウィークのトライやるというのは、挑戦するトライアルということもありますが、トライアングル、三者のところからもきていますので、こういった点は、試みとしては非常に画期的なことがあると思うんです。
この点について私はそう評価をしておるんですが、
大臣としてのこのトライやる・ウィークの試みの評価はいかがか、まずお聞かせいただきたいと思います。