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山元委員 今、
幾つか急がなきゃならぬという
テーマを申し上げましたが、この際、要らぬということについても少し意見を申し上げておきたいのです。
一つは、見直すべきだというのは、洋上
研修というのが新任教員にあるわけですね。去年の実績でいうと、一万六千人ほどの新任教員のうち二千人を各
教育委員会から推薦していただいて、どういう基準で推薦したかわかりませんけれども、一万六千人のうち二千人ですから八分の一、八人に一人が選抜されて、九日間豪華な船に乗って、東京・晴海を出て、沖縄へ行って神戸へ行って帰ってくる。ああ、いい
研修だった、連帯感もできた、こういうものだそうですけれども、このために八億五千万円を
研修に使っているわけですね、その二千人の特定の人に。
リーダーとしてこの人は適当だ、こういう
研修をしたら望ましいというのだったらわかりますよ。新採の教員を、八月の夏休み、おまえ行ってこいということで、五月、六月に決めてしまう。しかし教員が今、
いじめの問題でも崩壊の問題でも、個々の教師が悩むのではなしに、集団として一緒になって取り組まないと解決しないよというのが大きな
流れで、これはもうみんなが思っているわけです。けれども、八人に一人、特定の新採教員を選んで、船に乗せて、九日間、よかったなあと。あとの七人は、何だと。私は、これは余計な
研修だと思う。
各
都道府県が、あんたらは我々の県の教員になったんだけれども、ここのところがうちの県では問題だ、暑い県だから、寒い県だから、あるいは農業県だからと、さまざまなことをしっかりと
研修することが大事なのであって、特定の人を、選抜された者のこの洋上
研修についてはぜひ
見直していただきたいというふうに思います。
〔
委員長退席、栗原(裕)
委員長代理着席〕
もう
一つですが、この
パンフを見てもわかるんですが、千人の
研修会が
幾つかあるんですね。虎ノ門ホールの大講堂で、
全国から新任の
校長さんだとかあるいは
教育委員さんとか
教育長さんを集めてやられる。千人集めるというと、その宿泊費、旅費、日当、平均して四万か五万か知らぬけれども、何千万円もかけてやって、大講堂で
文部大臣の訓辞から始まって、訓辞と言うとおかしいですけれども、やって、
地方へ帰って、しっかりとしたいい
リーダーというか、あるいは新たな任務に燃えるということにはならぬだろうというふうに私は思うのです。それはやはり、今申し上げましたようなことで二日間やるのではなしに、もっと工夫があろう。
校長さんや
教育委員さんを集めてやるということについて全く無
意味だとは言いませんけれども、これは何らかの工夫が要るんだろうというふうに思うんです。これについては検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。
時間がありませんから最後にもう
一つ、今こういう
状況を考えると、今までの
文部省が行う
研修計画ということについて、抜本的に計画そのものについても考え直すシステムが必要なんだろうと思うんですね。
それは、前に出された中教審の答申の中にもしっかりと
指摘をされていて、もう時間がありませんから詳しくはまた
論議をしたいと思いますけれども、簡単に言いますと、答申の中に、
文部省の
業務を基本的なものに
精選するとともに、
行政改革の
観点に
配慮しながら、カリキュラムに関するナショナルセンターの設立について検討すると。
このセンターでは、各
学校におけるさまざまな取り組みや実践事例等、ボトムアップで、各
学校、
地域、私は前の
委員会で申し上げましたが、例えば兵庫での体験学習の試みなどがありました。あるいは、そういうことで独自にカリキュラムを検討している神奈川県の例だとか、それぞれ
地域で、うちの
教育をどうしようかという努力が始まっているわけですね。そういうものをしっかりと
地方から吸い上げる、あるいは民間の人の知恵もかりるというようなこと、中教審が提起をしているこのカリキュラムセンター、これはぜひ具体化をする必要があるのではないか。
今までの
文部省の従来型の発想で
研修というものを考えるのではなしに、こういう時代の要請にこたえる、あるいは
地域の
状況に対応する、そういうことからいうと、中教審がおっしゃっているこのカリキュラムセンターというのは、やはりぜひ検討して、目に見えるものにしていただきたいと思うのです。
先ほど
大臣も、
教育の今の
状況を変えていくのは、
文部省だけではない、
教職員だけではない、
地域の
皆さんもとかおっしゃいました。確かに、そういう力を集めて
教育を変えていくということについては、このカリキュラムセンターというのは、これは私は、また別の機会で
論議をさせていただきたい、目に見えるものにしていただきたいという
立場で申し上げたいと思いますけれども、ぜひそういうことが必要なんだろう、基本的に、抜本的にそういう
立場に
文部省は今立つときと違うかと思うのですが、最後に
大臣に。