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近藤委員 ぜひとも
科学技術立国
日本をつくっていくために、また、
文部省でございますので、やはり若い人たちがしっかりと学校において夢を持って勉強できるという環境をぜひ
整備していっていただきたいと思います。
ところで、そういう量的な
研究費の
部分と、今回の法
改正の提案
理由の中にもありました、とにかく
研究者への
サービスの
向上ということを目指してこの法案を
改正するということでありますが、直接
サービス向上のために法案を
改正するということではちょっと趣旨は違うのかもしれませんが、
研究者の人たちが今受け取っている
科研費の使いやすさということをお伺いしたいと思うんです。
量的にはだんだんふえているということでありますが、
研究者の人たちが受け取っている
科研費の使いぐあいということでございますけれ
ども、
申請をして自分がその
科研費をもらうことが決まる。では、それをどう執行していくかというところで、これはいろいろな声も聞くものですから、その声の現状がどうかということ、それに対してどういうふうにお考えかということをお伺いしたいと思うんです。
大学にいる
研究者が
科研費を決定される。そうしますと、自分で執行するのではなくて、
予算がおりてくると、大体この細目が決まっていて、それぞれの科目ごとにどれぐらいの
予算がもらえるかということが決まる。そうすると、その
研究者は、必要になったときに、この項目については、自分は、
科研費として、
予算として、
補助金としてこれだけもらった。それで、必要なものができたので、
大学の事務の
担当者の人に、自分がもらっている
予算の中でこれをまず支出したいというような、そういった
予算の執行といいましょうか、
研究費の支出の事務を担当してもらうということらしいですけれ
ども、
大学で何人かの人が
研究費をもらうということになると、例えば去年二人しかもらっていなかった
大学が、極端に言うと、ことしは十人ももらうことになる。そうすると、事務手続的には五倍ぐらいの負担がふえる。ところが、そのふえた負担についての人件費はその
科研費の中ではもちろん賄えないのではないか。ところが、現実の問題としては、五倍もふえたものの中で現場としては随分困ってしまう。
あるいは、
予算として実験装置を置くことが認められた。ところが、それを置く部屋が今度は必要になった。そうすると、部屋を新たに準備しなくてはいけない。あるいは、部屋はあるけれ
ども、その実験装置というものを置くためには少々改良する必要がある。ところが、その改良する費用というのはその
科研費の中からは出てこない。
あるいは、今のにちょっと付随するわけですけれ
ども、新たに部屋を置いた、実験装置は置いた。そうすると、関連の、例えば机がどうしてもふえるとかいすがふえてくる。あるいは、その部屋に一台複写機なんかも必要だろう。もろもろのそれに関連する設備、備品の購入なんかも、細かいものだけれ
ども多分出てくる。細かいけれ
ども、そういうものが積み重なってくるとかなりの費用だ。ところが、その費用は
科研費の中からは使うことはできない。
あるいは、そういったことに関してスタッフも必要になってくるだろう。
研究費、そして実験装置も認められた。でも、自分が
研究しようとしたときに、その補助スタッフというか、それに関する専任スタッフとか、そういった人たちも必要になってくるけれ
ども、この人件費については、何か一部認められるようになったというようなお話も聞いているのですが、なかなかまだまだスムーズじゃないところがあるのではないか。
あるいは、二十四歳、二十五歳の年齢になって、
大学院も卒業して、でも
大学に残って
研究をしている。私の友人にもそういう例があったりしたのですけれ
ども、いわゆるまだ働いてはいない、
大学に残って
研究をしている。そうすると、自分の生活費というか、給料はない。だから、そういうことのために結婚するわけではないんでしょうが、奥さんがそのだんなさんの生活費も面倒を見ている、そんなような
状況。つまり、
研究者本人の給料はそういった
科研費からはなかなか、もちろんこういうものを認めるのはいかがなものかな、難しいとは思うんですが、ただ、現実問題として、働いていない、
研究に専念している、では、その生活費はどうするか等々のいろいろな問題が出てくると思うんですよ。
そういった場合に、
科研費としてはなかなかそういったものについては認められていなくて、現実の場ではかなり
研究者の人が困っている。だから、量的には随分と
予算としてはふえてきたけれ
ども、それの運用、使い勝手という
部分では随分とまだまだ
課題があるんですというような声を聞くんですけれ
ども、その辺は、もしかしたら今の私の聞いている声が間違っているかもしれないし、あるいは
改善されているかもしれない。その辺をちょっとお聞かせいただきたいのです。