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鉢呂委員 次に、ベルギー産の鶏卵等のダイオキシン問題について御質問いたします。
この経過あるいは対応についても、もう時間がございませんから、周知のとおりだというふうに思っております。
いずれにいたしましても、
一つは、ベルギー産の
食品が
国内流通分、例えば乳製品で二千三百三十四トン、これが
平成十一年、ことしの一月十五日から六月一日に輸入届け出されたものの数量であります。輸入者等において
販売等の自粛中のものがその半分、千百八十一トンということで、そのほかは、
消費者の食卓に上ったか、ほかのところで消費をされたかという形で、この問題が起きたときには汚染の
可能性のあるそういうものが既にもう
消費者の間に入っておる、そしていまだ回収等の結論がついておらない
状況というふうにお聞きをいたしておるわけであります。
このように、ダイオキシン汚染にかかわらず、
輸入食品に対する水際の検査というものが大変事後的になっておるのではないか。例えば、一九八五年には三十八万件の
輸入食品の届け出件数がありました。九七年はその約四倍の百十八万件。重量はそんなに伸びておりませんから、件数が小口化されておるわけでありまして、それに対して、検査総数が九万八千件の八・四%、八%ほどしか検査をしておらないし、行政検査は四万一千件、三・五%という大変低い行政検査数であります。
いずれにしても、
日本は膨大な
食料輸入国であります。海外の
食品の
安全性というものについては、一たび起きれば、
大臣、今回、ベルギーのものは
日本には極めて少なかったかもわかりませんけれ
ども、大量に輸入しておるわけでありますから、
日本の今の検査体制で果たして
安全性が守られるかどうか。これまでの輸入実績の
安全性に基づいてフリーパスのような形になっておることは、これは経験的にはそれでいいかもわかりません。しかし、故意でなくて、ベルギーのように、回収された油が、食用的な油でない形が不可抗力で飼料にまざってしまったというような問題に対しては
日本の検査体制では対応できないような状態にあると言わざるを得ません。
例えば、O157であれば、学校給食のところでは、全部食材を一週間
程度今サンプリングして保持するということをやっております。もちろん、PL法で輸入業者もそういう形をとっておるのかもわかりませんけれ
ども、いずれにしても、必ずしも行政検査としても完全なものではないと言わざるを得ないと思うのであります。
特に、これは厚生省の分野でありますけれ
ども、現在、
食品衛生監視員というのは二百六十四名であります。これは、この間、十年間で輸入急増に伴って監視員はふえておりますけれ
ども、しかし慢性的に検査人員が不足をして、そのチェックが必ずしもできないという状態にあるのは確かだというふうに思っておりまして、ぜひ農水
大臣としても、
食料ということに着目して今回
法律をつくったわけでありますから、厚生省と連携して水際作戦というものを抜本的に改革する道をつくっていただきたい。
先ほ
どもありました、
遺伝子組み換え作物についてもほとんど検査をしておらない。
日本が認めておらないものについて入ってきているのかどうかの
確認を全くしておりません。ダイオキシンについても全くこれはフリーパスで、今は
基準がないということで検査の項目に入っておりません。
そういう状態でありまして、
日本は輸入大国でありますから、そのことを見通して、もちろん効率的な検査体制というものを考えていかなければならない、民間を活用するという道もあると思いますから、今の検査体制で果たしていいかどうか、これを
検討していただきたいものだというふうに思います。