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1999-07-07 第145回国会 衆議院 農林水産委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年七月七日(水曜日)     午後一時三分開議   出席委員    委員長 穂積 良行君    理事 赤城 徳彦君 理事 増田 敏男君    理事 松岡 利勝君 理事 横内 正明君    理事 小平 忠正君 理事 木幡 弘道君    理事 宮地 正介君 理事 一川 保夫君       今村 雅弘君    小野 晋也君       小野寺五典君    大石 秀政君       金子 一義君    金田 英行君       岸本 光造君    熊谷 市雄君       熊代 昭彦君    塩谷  立君       鈴木 俊一君    園田 修光君       中山 成彬君    萩山 教嚴君       御法川英文君    宮腰 光寛君       宮本 一三君    安住  淳君       鉢呂 吉雄君    堀込 征雄君       上田  勇君    木村 太郎君       井上 喜一君    佐々木洋平君       菅原喜重郎君    中林よし子君       藤田 スミ君    前島 秀行君  委員外出席者         参考人         (社団法人全国         中央市場水産卸         協会会長)   清水 元一君         参考人         (全国農業協同         組合連合会常務         理事)     杉谷 信一君         参考人         (日本有機農業         生産団体中央会         代表理事)   鶴田 志郎君         参考人         (全国消費者団         体連絡会事務局         長)      日和佐信子君         農林水産委員会         専門員     外山 文雄君 委員の異動 七月七日         辞任         補欠選任   木部 佳昭君     大石 秀政君   矢上 雅義君     小野 晋也君 同日         辞任         補欠選任   小野 晋也君     矢上 雅義君   大石 秀政君     木部 佳昭君 本日の会議に付した案件  卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案内閣提出第七三号)(参議院送付)  農林物資規格化及び品質表示適正化に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第七四号)(参議院送付)     午後一時三分開議      ————◇—————
  2. 穂積良行

    穂積委員長 これより会議を開きます。  内閣提出参議院送付卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案及び農林物資規格化及び品質表示適正化に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  本日は、両案審査のため、参考人として社団法人全国中央市場水産卸協会会長清水元一君、全国農業協同組合連合会常務理事杉谷信一君、日本有機農業生産団体中央会代表理事鶴田志郎君、全国消費者団体連絡会事務局長日和佐信子君、以上の四名の方々に御出席をいただき、御意見を承ることにいたしております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、審査参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。  次に、議事の順序について申し上げます。  まず、清水参考人杉谷参考人鶴田参考人日和佐参考人の順に、お一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員質疑に対してお答えいただきたいと存じます。  なお、念のために申し上げますが、発言の際はその都度委員長の許可を得ることになっておりますので、御了承願います。また、参考人委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。  それでは、清水参考人お願いいたします。
  3. 清水元一

    清水参考人 私は、御紹介のあったように、全国中央市場水産卸協会会長をしておりますところの清水でございます。どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。  それでは、中央卸売市場水産物卸売業者として、卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案について意見を申し上げます。  まず、この法律案について賛成意見を持つものであることを申し上げます。  近年、私ども市場関係業者を取り巻く状況は、情報化輸入増大産地大型化消費者ニーズ多様化など、生産から消費に至るまで著しく変化をしており、卸売業者を初めとする市場関係業者は、既成の行動様式状況変化に応じて見直し卸売市場機能強化の当事者あるいは担い手として、みずからの経営健全化に向けて、従来にない特段の努力をすることを求められている現状にあります。  このためには、私どもは、何といっても卸売市場そのもの活性化という形での問題のとらえ方が肝心だと考えております。今回の法律案には、この卸売市場そのもの活性化を図るための制度改革が盛り込まれており、したがって、その成立を大いに期待いたしております。  そこで、次に、その理由を大きく三点にわたって申し上げます。  第一点は、卸売市場機能維持強化のためには、卸売業者等市場関係業者経営体質強化基本であるし、目下の大きな課題として対応が求められているということでございます。  近年、卸売市場機能が低下しているとか、卸売市場が不活性化しているとかいうことが言われております。その意味するところは、多岐にわたりますが、市場関係業者に関しては、一つには、水産物の場合、中央卸売市場卸売業者の三分の一が営業損益赤字仲卸業者の二分の一が経常損益赤字というように、経営状況が著しく悪化してきていること、もう一つは、卸売業者の持っております営業上のノウハウや従業員専門的能力が最近の流通変化に十分対応できていないといった、経営上の力の減退が生じていることでございます。  経営悪化の原因は、大づかみに言えば、我が国の経済が依然厳しい局面に立たされているために、食料品を含め消費が低迷していること、より長期に見れば、生鮮食料品流通経路多様化していることによって、卸売市場取引高取扱量が減少していることでございます。景気が今後上向いてくるとすれば、ある程度の経営改善はあり得るのですが、もう少し長い目で見ますと、人口の増加や所得水準の向上による食料消費量の倍増などは考えられませんし、消費者ニーズ多様化はますます進むでありましょう。  したがって、私どもとしては、今直面している状況のもとで、一つには、将来も健全な経営を行い得る経営体質の強い卸売業者に脱皮していくこと、もう一つは、業界全体として見れば、そのような強い構造を持った業界に移行していくことがどうしても必要であると考えております。  このような理由から、卸売業者仲卸業者合併や事業譲り受けによる大型化経営管理合理化など、関係業者経営判断に基づく大きな戦略がとられる場合に、これを支援する金融上の措置が講じられることは適切な措置であると考えております。  これを強調しておりますのは、もともと現代における商品の流通は、中央の計画によるものではなく、多数の取引主体によって、市場原理に従って合理的になされていくものですし、取引規制どもこれを踏まえてなされるべきものですから、市場原理担い手である市場関係業者経営体質が健全でなければ卸売市場の有している集分荷価格形成、決済などの機能が十分発揮できないと考えるからでございます。  そのほかに、法律案には、市場関係業者経営体質強化支援措置、財務上の指導基準明確化のための規定も盛り込まれており、こうした経営体質強化対策は、今回の法改正重点事項であると考えております。  第二点は、中央卸売市場における売買取引について、食料品流通変化対応した効率的なものとすること、またその場合、具体的な取引方法については、個々の中央卸売市場事情品目ごと特性に応じた適切なものとすることができるように制度改革がなされるべきだということでございます。  御案内のとおり、消費者購買行動変化して従来型の食料品専門店シェアが低下する一方で、大型ユーザーシェアが上がってきております。単にシェアが上がるだけではなく、価格や荷物の確保の面で確実かつ安定的な取引卸売市場に対して要請されると同時に、市場流通機能コストが常に市場外流通機能コストとの競争にさらされることにもなってきております。また、青果については産地大型化が進み、水産物についても輸入増大など、中央卸売市場出荷する側の事情変化しております。したがって、今後、卸売市場はこうした現実を事実として正面から受けとめ、市場外流通と健全な競争関係を保ちながら、集荷力強化販売力強化観点から、取引方法の選択をより弾力的に行えるようにすべきであると考えております。  その際、今申し上げましたように、全国中央卸売市場には、消費地市場的なものと産地市場的なもの、開設区域消費者行動の違い、大型ユーザー進出状況の差などによる性格の違いがありますので、具体的な取引方法は、市場ごと品目ごと特性に応じて、関係者意見を聞いて開設者が決めるという今回の法律案のとった方式が適切であり、これが市場活性化につながるものと思います。  また、物流コスト低減は、市場外流通との競争の点から見て、今後不断の努力をすべき分野でありますので、卸売市場機能を発揮するためにも、一定の場合には商流物流の分離を進めることが適切であると考えております。  第三点は、中長期的な、あるいは卸売市場流通全体の構造的な課題でございます、中央卸売市場の再編のための措置が必要であるということでございます。  先ほど流通経路多元化市場外流通の進展について申し上げました。こうした現象を支えているのが、高速道路網整備高速通信網整備を背景とする物流技術の革新であります。この技術によって、卸売市場流通の世界においても流通圏拡大し、同一の広域流通圏に属する市場間の競合が生じてきており、さらには、価格形成機能の高い市場と、分荷、配送機能重点が移りつつある市場との二極に分かれていく傾向が生じております。  このような現実を見詰めますと、今後は、この広域流通圏、すなわち、広域といいましても幾つかの市の区域から数県にまたがるものまでありますが、一つの単位として、卸売市場同士の統合、合併卸売業者合併業務提携必要性が高まってくるものと考えられます。  今回の法律案では、開設者をより広域的な地方公共団体に変更するための手続規定が設けられており、これが活用されれば、広域流通圏における卸売市場機能強化にも相当の効果があると存じております。もちろん、私ども卸売業者といたしましては、合併資本業務提携広域に行う努力をしており、こうした動き開設区域広域化とが相まって、広域流通のもとでの卸売市場活性化が図られるものと存じます。  以上、今回の法案について賛成する理由を三点にわたって申し上げました。  そこで、全体の取りまとめといたしまして、私ども卸売業者といたしましては、世界じゅうを移動する物と金がつくるグローバル経済の大波の中で、国内外の生産者から出荷者消費者に至る流通の一環を担う者といたしまして、瞬時も気を許すことのできない経営責任を問われております。  こうした大きな時代の流れの中にあって、卸売市場機能発揮と企業の経営責任を果たすためには、広く物を考え、将来を構想し、適時に適切な判断を下していくための制度的な基盤が必要でございます。今回の法律案は、これを私どもに与えるものであり、すべての市場関係者とともにこの基盤を新たな経営戦略に生かすことにより、卸売市場そのものの将来発展が可能になると確信するものであります。  以上でございます。(拍手
  4. 穂積良行

    穂積委員長 ありがとうございました。  次に、杉谷参考人お願いいたします。
  5. 杉谷信一

    杉谷参考人 全国農業協同組合連合会杉谷と申します。よろしくお願いを申し上げます。  私の方からは、青果物出荷団体としての卸売市場法改正問題についての御意見を申し述べたいというふうに思います。  ちょっと経過を申し上げますが、この卸売市場法問題につきましては、生鮮食品等流通問題研究会というのが設置をされまして、平成十年の八月に「卸売市場の新しい展開活性化に向けて」という中間論点整理がなされてございます。この中間論点を受けて、産地及び流通関係業者意見を集約するということで、私ども出荷団体の方にも意見を求められてきた経過がございます。  それで、生産者出荷者サイドといたしましては、この国の中間論点整理に対しまして、全国の県連に対しましてアンケート調査実施いたしました。また、卸売市場流通検討会というものを系統内部に設置いたしまして、この市場法改正問題に対して系統としてどのように対応していくかという観点で検討してまいったものであります。その内容については、いささか旧聞に属する話でありますが、平成十年の十月十二日に「卸売市場流通問題に関する系統農協要望」という形で取りまとめ、農水省の方へ提出をしてございます。  これを受けるような形で、平成十一年の二月には、最終報告といたしまして「卸売市場の新しい展開活性化に向けて」という答申がなされまして、それを受ける形で現在の卸売市場法改正等の提案がされているというふうに認識をしております。  それで、平成十年の十月十二日に取りまとめました系統農協要望について、お手元の方に資料としてお渡しをしていると思います。系統意見としてはこれが簡単に取りまとめてあるというふうに思いますので、この内容をもって私ども系統出荷団体としての意見ということで御紹介を申し上げたいと思います。  恐れ入ります、一ページをお開きいただきたいと思います。取りまとめております内容は、今度の卸売市場法改正の柱となっております卸売業者体質強化対策と、もう一つ取引方法多様化の二点でございます。  まず、卸売業者体質強化方策についてでございますが、そこの(1)の一行目にございますように、青果物については最近、産地大型化をしているということがございます。一方、買い手でございます量販店等については、これも大口需要者ということでバイイングパワーが非常に強くなっているというようなことがございまして、これらに対抗できる卸売業者経営体質強化なり経営規模拡大といったものが必要だというふうに考えているところであります。  そのため、適正規模適正配置を念頭に置きながら、同一市場内一卸売業者、これまでは、一市場複数荷受けということで来たわけでありますが、一市場内一卸売業者基本とした合併なり広域流通圏における複数市場の統廃合、こういうものを早期にぜひ促進をしていただきたいという内容であります。  それから、特に花卉市場においては整備が非常におくれているということもございますので、これらについてもできる限り行政指導による積極的な整備促進お願いしたいということであります。  また、仲卸業者に関してでありますが、青果及び花卉仲卸業者についても、特に先ほど申し上げました量販店進出というのが非常に拡大をしてきているわけでございますので、これらに対して積極的なマーケティング活動ができるような体質にしていくということが必要だろうということでございまして、一定規模以上の大型化をぜひ進行させていただきたいという点であります。  それから二点目でありますが、(2)にございますように、最近卸売業者経営が非常に悪化をしておるという状況がございます。特に青果関係では当期利益赤字という会社も結構あるという状況でございまして、産地といたしましては、債権管理なり代金回収の面で安心して出荷ができるような状況がぜひ欲しいということであります。そのために、卸売業者としての積極的なリストラ等による経営健全化経営基盤強化をぜひ進めてほしいということであります。  また、出荷者が適切な出荷先判断していくということの判断材料といたしまして、卸売業者経営内容をみずから積極的に開示をしていただくという方策も必要なのだろうというふうに考えているところであります。  (3)でございます。先ほどもちょっと申し上げましたが、卸売会社経営が非常に悪化をしておるということで、既に経営が破綻をしている例も出ております。そういう中で、系統出荷団体といたしましては、青果物花卉販売代金債務不履行に対する担保という形で、二行目に書いてございますように、青果物・花き市場取引信用補償制度なるものを発足させました。これは一種の保険でありますが、これを発足させました。  しかし、もともと卸売業者として、出荷者に対する債務保証というのは非常に重要な機能一つでございますので、この点について卸売業者なり開設者行政等による債務保証機構、こういうものの設立をぜひお願いしたいというのが三点目であります。  以上が卸売業者体質強化についての考え方であります。  続いて、取引方法多様化の問題についてであります。(1)にございますように、不当差別禁止規制の適用ということでございますが、特に産地間に不公平が生じないように、特に青果物の場合は、大量購入価格の面で必ずしもスケールメリットが生じるということにはなかなかならない。例えば果実のようなものであれば、規格、等階級で一番必要な真ん中のものをそっくり抜かれて上下が余ってしまうというような場合が非常に多いわけでございますが、そういうような大量取引が必ずしもメリットにつながらないという面もございますので、特に大口取引において価格が低水準になるというようなことのないよう、特に公平で透明度の高い運用をぜひしていただきたいということであります。  次に、その次のページでございます。競り売りまたは入札の原則見直し相対取引導入ということでございますが、これにつきましては、量販店等大口需要者ニーズが非常に高まってまいっておりまして、相対取引が既に相当程度定着をしているという状況もございます。したがいまして、相対取引を競りと同等の卸売方法とするという見直しはぜひとも必要というふうに判断をしております。  相対取引については、特に産地の意思が反映される価格設定方式導入、特に出荷者といたしましては、産地を維持拡大していくという観点からは再生産価格一定基準になるべきだというふうに考えておりまして、そうはいっても需給バランスの問題から必ずしもそうはなかなかならないという点もあるわけでございますが、そのような点も十分配慮をした価格設定について導入をしていただきたいという点であります。  その実施に当たっては、それぞれの地域によって実態がそれぞれ異なってございますので、地域実態に即した見直し導入、こういうものが必要だろうというふうに考えておりますし、特に相対取引という場合には取引内容の即日開示の義務づけ、これが透明性につながるというふうに考えておりますので、その点についてぜひ進めていただきたいという点であります。  それから(3)にございます商物一致原則の緩和についてでありますが、特に流通合理化でありますとかコスト低減、それから現在進んでおります市場狭隘化、こういうようなものを解決していくという観点からは見直しが必要というふうに判断をいたしております。  ただ、この見直しに当たりましては、先ほど(2)のところで申し上げました相対取引における取引内容ルール化、これにも該当させるということで、透明度の高い運営をやっていく必要があるというふうに考えているところであります。  それから(4)の卸売市場施設整備についてであります。これは販売方法とは若干異なる内容でありますが、特に最近、産地においては保冷庫整備等が大分進んできております。しかし一方、市場においてはコールドチェーン等対策がおくれているという状況がございまして、せっかく産地の方で保冷、予冷をし市場に持ってきても、そこで途絶えてしまうというような実態がございます。そういう意味で、卸売市場の売り場における低温化等施設整備をぜひ進めていただきたいという点であります。  また、荷役の合理化という観点でも、パレット輸送、特に私どもシートパレットのようなものの導入を進めているわけでありますが、このパレット輸送対応した市場用地確保、機器の整備、こういうようなものをぜひ進めていただいて、産地から消費地まで一貫した合理的な輸送システムがとれるような配慮お願いしたいということであります。  最後に、休市問題についてでありますが、生産者の農休日という観点から、現在実施をされております四週六休というものを基本としてぜひ進めていただきたい。その場合、農協集出荷場効率的運営ということもございますので、平成八年度から実施をいたしております市場休開市の全国統一、これについては今後もぜひとも厳守をして進めていただきたいということであります。  この場合、買い手、特に量販店等から要望されております日曜、祭日等休市に対する販売対応についてでありますが、これらについては、先ほど卸売市場施設整備のところでも申し上げましたが、市場内の低温保管施設拡充等によって営業体制強化するということで対応をぜひお願いしたいというふうに考えているところであります。  今申し上げました要望につきましては、今回の卸売市場法改正の中にごく一部を除きましてほとんど取り入れていただいているというふうに考えております。そういう意味では、生産者それから出荷者団体といたしまして、生産者ニーズを踏まえた卸売市場活性化等について、ぜひとも強力に進めていただきたいという立場でございます。  そして、先ほど申し上げましたが、販売方法見直しという観点では、特にその運営に当たって、生産者にとって不利な価格形成とならないよう、透明度の高い市場運営ということをぜひとも厳格な運営という形でお願いしたいということであります。  以上、基本的には今回の卸売市場法改正賛成立場から御意見を申し上げさせていただきました。(拍手
  6. 穂積良行

    穂積委員長 ありがとうございました。  次に、鶴田参考人お願いいたします。
  7. 鶴田志郎

    鶴田参考人 勝手がわからなかったものですから、皆さんのところに資料を一番たくさんお届けしました鶴田と申します。  私は、熊本の田浦町というところでミカンをつくっております。有限会社農業生産法人として約九ヘクタールをつくっている農家です。また、仲間とともに二十五年前からマルタ有機農業生産組合というものを設立しまして、有機農業の普及と、それからそこでできた仲間生産物販売を続けております。  昨年の一月には、今までの運動と事業を分離いたしまして、新しい仲間も加えまして、生産団体も加わりまして、小さいながらも全国規模日本有機農業生産団体中央会という新しい団体を設立しまして、特に有機認証業務を始めております。私の役割というのは、月のうちの半分ぐらいは全国仲間生産者のところを回りまして、畑で有機農業のことを話したり、夜には生産者仲間と飲みながら有機栽培農業再生への夢を語り合っているというのが仕事です。  ちょっと前置きが長くなりましたが、最近の農政の動きについては非常にいい方向に大転換しつつあるなということを肌で感じておりまして、このJAS法改正についても、一日も早く成立させて実施してもらいたいと考えておりますので、基本的には賛成です。  私たちは、有機農業に取り組んで二十五年になるわけですけれども、最初の十年というのは非常に厳しい、また経営的にも地をはうような経験もしましたが、周りの関係者の協力によりまして現在を迎えております。また、そういうことで、純粋な生産者立場としての話もきょうはさせていただきたいと思います。  この二十五年の中では十年前ぐらいに、やはり有機農業の表示が乱れて世の中が非常に騒いだ時期があります。その前後に、日本生態系農業協会という、生産者流通関係者あるいは消費者団体などで組織をつくりまして、そこで、海外の資料なんかを参考にしまして、生産基準や表示についていろいろ具体案を出させてもらいました。その具体的な取り組みを、農水省の当時、有機農業対策室だったと思いますが、働きかけまして、今の有機農業ガイドラインができた、そのひな形になったんじゃなかろうかと思っております。  一昨年は、アメリカの有機農業の視察に二十二名の仲間と一緒に行ってきました。それから先月は、ヨーロッパの方で、ドイツやスイスあるいはフランスの有機農業事情を十日間ばかりかけて視察してまいりました。IFOAMという、有機農業の世界的な運動団体ですけれども、そこにも加盟しておりまして、先ほども申しましたように、昨年から国に先駆けて有機認証業務を始めているという団体です。そういう経過や実践を通して、法案に関係する問題点について述べてみたいと思います。  日本のマスコミの論調では、欧米の有機農産物は法律に裏づけされていて、日本より栽培や消費も非常に多くて、認定や表示も正確に行われて徹底している。対して日本は、単なるガイドラインであって守られていないんではないか、あるいは、店頭にはにせ有機がはんらんしているというような報道をされております。  しかし、私たちの見聞や欧米に調査に出かけた人の話では、拍子抜けするぐらいの簡単な検査で認定されて表示され、流通していると。これは何なんだろうかというようなことを私たちなりに考えてみまして、その根底には、消費者の選好があって、それを行政が支援して、こういう有機農業がもっと広まるようにというような立場での支援がなされているという点が非常に違うんじゃないかなと思っております。  次に、現行のガイドラインの表示で確かに混乱しているという認識を持っています。しかし、その大部分は、生産者の側ではなくて流通販売の側にあるんじゃなかろうかと思います。特に、加工原料や外食部分はどうなっているのかよくわかりません。今回のJAS法においても、生産面の基準や認定、表示についてはかなり厳密に決められておると見ています。しかし、小分け業者の認定や数量の確認システムについてはまだ不安も残っておりますので、不公平にならないような今後の運営を期待したいと思っております。  資料にもありますように、認定業務というのは、生産者の申請書類と現地検査、それから、それを判定して、その後、管理する認定機関の三つが必要ですし、その足並みがそろわなくてはなりません。  しかし、認定をきっちりと実施したからといって、できた製品というか生産物に化学肥料や農薬が全く存在しないということを保証するものではないということが前提です。ということは、あくまでも生産過程の認定であって、何せ畑や作物の一生の中の一瞬を、一時間や二時間の判定で一〇〇%保証し得るわけはありません。ですから、消費者なり、一般的に、有機栽培を認定されたならば一〇〇%保証されて残留農薬なんかは絶対出ないんだろうというような感覚がありますけれども、そのようなこともないというのが前提です。一番の信用は、やはり正確さではなかろうかと思います。  それで、その認定をする団体として、どうしても、消費者流通関係者が主体の認定団体では書類に重点が置かれるし、それでは非常にコストがかかってしまうというような弊害もありまして、私たちは、生産者立場から、しかも有機農業が何たるかがわかっている人が検査なり認証をするというようなシステムで、書類とかコスト低減を図るような認定システムを今つくって動かしております。  そのポイントになるのは現地検査ということになるかと思いますが、その現地検査で一番問題になるのが、日本の場合には圃場面積が小さいということで、隣接地域からの農薬の飛散の問題です。ですけれども、これについても、日本流の、実質、農薬が飛散してこないような対策を立てるということは不可能ではありませんし、十分やっていけるんじゃなかろうかと思っております。それから、川上から化学肥料や農薬が流れてきて云々というようなこともよく言われておりますし、これについても同様、対策はあります。  次に、有機栽培して表示したものは生産者に有利であるという常識ないし思い込みがありますが、実際にはこれは通用しないという事実があります。というのは、青果物というのは、サイズ、味あるいは外観などが全く同じだったら、有機栽培で認定されたものが高くなるということもあり得るんですけれども、そういう場合はまれです。ですから、消費者は有機農産物だからということで一般品よりも高く買っているのに、生産者の方はなかなか高く売れないという認識を持っているのじゃなかろうかと思います。  それから、有機認定から表示までには、本当に、細かいんですがいろいろコストがかかります。これが、現在のようなガイドライン表示で、消費者が有機農産物の表示をしてあるものに半信半疑の状態では、新たにかかるんだからそのコストをどこか負担してくれと言われても、残念ながら現状ではなかなかそれが難しいという状態です。  そうだからこそ、一日も早くこのような状態を打開してほしいということで、このJAS法改正に期待しております。  もう一度マスコミの話に戻りたいと思いますけれども、日本では、認定業務を公平に実施するのには第三者認証機関でなければならない、そうでなければならないんだというような言われ方が非常に多いかと思います。しかし、認証については歴史もある欧米の状況を見ますと、まず、生産者団体がこういう農業をやりたいんだ、やる必要があるんだということを出して、そして、それを生産者団体なりそれを支援する消費者団体が認定を始めていくというのが出発点じゃなかったかと思います。次の段階として、生産者団体同士が連合して認証組織を新たにつくっていく、あるいは政府がそれを追認したり支援したりするという形じゃなかろうかと思います。結果として、今までの団体と利害関係をなくす努力をするとか、あるいは独立性を持たせるという工夫を重ねてきた流れがあると思います。  第三者認証機関というのは、独立した意思決定の行われる組織がその組織の中に存在するかどうかということであって、今日本でもいろいろ言われておりますけれども、高いコストをとって認定を業務とするような特別の組織が世界の主流ではないということをつけ加えておきたいと思います。  二十五年前の法人化の以前から、有機農業の理論的なものは何だろうかというようなことで私たちも取り組んできたんですけれども、それは、土の中の微生物の働きについてではなかろうかと思います。私自身、ミカンの味をどうしてよくするか、コクのあるうまさは何なのかというようなことで、いろいろな物質があるわけですけれども、アミノ酸や核酸であるということを聞きました。それから、それは土壌中の微生物の体の中でつくられる、そして植物は微生物のつくったそういう半製品を集めて味のもとであるアミノ酸や核酸をつくるんだ、そのほかにも、ビタミンやホルモン、酵素、ミネラルなどはその微生物がつくっているということを知りました。微生物のつくり出した物質は、味をよくするだけでなくて、病害虫の発生を少なくしたり栄養価を高めたり、それから収穫の増加などにも影響するということを知りました。理論上は、これらの現象が同時並行して実現するのが本当の有機農業だということです。  私たちはそのようにして取り組んできた中で、現在、農水省のガイドラインでいえば、有機栽培表示可能の作物は一五%から二〇%弱、約七〇%ぐらいが無化学肥料減農薬、残りが減化学肥料減農薬に分類される状態です。もちろん、これらの前提条件として、収量を減らさないということと外観を今以上に悪くしないということは当然だと思っております。それから、慣行栽培に対して、全国でいろいろな作物で取り組んでいるんですけれども、農薬に関しては二分の一から三分の一以下に減らすことは十分可能である、それをゼロにしたのが有機栽培であるというようなことで取り組んでおります。また、そのポイントになるのは何だというようなことを言われると、堆肥のよしあしではなかろうかと思いますので、この点の認識はひとつぜひ持っていただいて、今後の行政なりなんなりに生かしていただければと思っております。  先日、ヨーロッパの方に行きましたときに、IP農法、IP農法というようなことをよく聞きました。これは総合的な農法というようなことのようですけれども、日本でいうならばいわゆる特別栽培にランクづけられる農法ではなかろうかと思います。これが広く行政も含めて取り組み始められて、それが表示されて流通するというような状況も見てきました。結局、有機農業というのは、そういう総合的な農業の、環境に優しい持続可能な総合的な農法の中のピラミッドの頂点だ、それを支える農業がなければ、有機農業だけではなかなかこれも難しいということでの取り組みを既にドイツやスイスではやっているということを見聞きしてきました。  最後になりましたが、JAS法改正についての幾つかの意見を簡単に述べさせていただきたいと思います。  まず一つ目は、原産地、原産国表示はもちろん賛成です。技術的な問題はあるかと思いますけれども、原料の原産地表示もぜひ実施すべきかと思います。  二つ目には、認定機関として民間組織を活用する法案の方向は、当然ながら賛成です。  三つ目に、今コーデックス委員会動きに合わせた国際整合性というようなのが問題になっていると思いますが、これも必要だと思います。それによって日本の有機農業が壊滅するということはないと思います。ただ、畜産の件については若干の懸念は持っております。今後の交渉に期待したいと思います。  四つ目には、自治体の独自基準なり表示というようなのが進んでおります。これについては、やはり法案が成立した段階ではぜひ統一すべきではなかろうかと思っております。また、それと同様に、一つの限られた組織の中での生産流通については例外を設けていいんではないかというような議論が、あるいはガイドラインの段階ではそのようになっておりましたけれども、これはかえって混乱したり、あるいは例外をつくっている組織がかえって弱体化しているというような面もありますので、ぜひ今回は例外を余りつくらないように、狭く解釈するようにした方がいいんではなかろうかと思っております。  最後に、有機農業振興法というものを全体として取り組んでもらいたいということについては、私もそうだと思っております。環境に優しい持続的な農業を充実させるという意味で必要かと思いますが、だからといってJAS法を、それができるまで、あるいはその中に組み込むまで表示なりなんなりをおくらせていいということにはならないんじゃないか、ぜひこのJAS法については一日も早くという考えを持っております。  もう一点つけ加えさせてもらいますと、堆肥や土づくり、あるいは土壌微生物の活用技術ということについては日本は最も進んでいると思います。気象条件とかについては欧米に比べて厳しい面もありますけれども技術的な面では十年から二十年日本の方が先行しているという認識を持っております。ぜひ早く基準・認証の土俵をつくっていただいて、消費者の信用を獲得する競争努力のしがいのある競争をさせてもらって、農業全体の活性化につなげられたらと思っております。  以上です。(拍手
  8. 穂積良行

    穂積委員長 ありがとうございました。  次に、日和佐参考人お願いいたします。
  9. 日和佐信子

    日和佐参考人 御紹介いただきました全国消費者団体連絡会の日和佐でございます。  農林物資規格化及び品質表示適正化に関する法律の一部を改正する法律案について、積極的に賛成する立場意見を述べたいと思います。  このJAS法改正案に対する意見を述べる機会をいただきましたことを、まず最初に心より感謝申し上げます。  全国消費者団体連絡会、略して全国消団連と言っておりますが、全国四十四の消費者団体が参加して、消費者問題の解決に、あるいは消費者政策に対して消費者意見を反映させるなどの活動に取り組んでおります連絡組織でございます。  今回のJAS法改正に関しまして、三点にわたって申し上げたいと思います。  一点目は、食品の表示の重要性です。  食品の製造加工技術の進歩は非常に目覚ましい進歩を遂げておりまして、常温でも保存できるレトルト食品だとか長期保存が可能な牛乳やお豆腐など、日もちに対するこれまでの常識が通用しない食品もその加工技術の進展は可能にいたしました。また、嗜好の多様化対応して、カップめんだとかジュース、清涼飲料などは非常にたくさんの種類が販売されています。そして、使用される原材料も、国内産はもとより世界各地からの輸入材料が利用されるようになってまいりました。このように、従来からある基礎的な食品にも新しい技術が利用されておりますし、さらに新規開発食品も多く開発されて販売されています。そして、原材料や製法にこだわった食品も多く売り出されているという状況です。  このように、多様化状況の中で食品を選択するよりどころは、表示であります。食品の表示は、その食品に関する情報を消費者に提供する最もわかりやすく有効な方法だということが言えます。どこのどんなもので、どのようにつくられているのかを消費者は知りたいと思っています。今後とも、食品の表示の重要性と信頼性への要求は強くなっていくものと思われます。  このJAS法は、粗悪な食品が出回っていた時期に制定されました。JASマークは品質を保証するマークでありました。JASマークのついているものを選べば安心で、選択の重要な目安であったわけです。その当時、食品の品質の向上にJAS制度の果たした役割は大変大きなものがあると思います。しかし、現在、食品が粗悪な時代ではなくなってまいりまして、多様化した食品にむしろJAS規格対応できなくなってきているというのが現状です。  そして、さらに矛盾でありましたのは、品質表示基準というのはJAS規格が制定されたもののみに設定されていたということです。したがって、食品の表示の原則からすれば、基礎的な品質表示基準があって規格を設定するJAS規格があるというのが本来の姿であるわけですが、日本の食品表示の仕組みはこれが逆転をしていたという矛盾がありました。この矛盾を早く改正してほしい、きちっと基礎的な表示があってその上に規格を設定するJAS規格があるという本来の姿にしてほしいというのは、消費者団体としてのここ近年の強い要望でございました。今回そこを旨として改正されましたことを、大変高く評価するものであります。  二番目に、今回の改正で評価できる点を四点ほど挙げてみたいと思います。  第一点は、すべての生鮮食料品について原産地表示をするということと、表示対象商品をすべての飲食料品にしたということです。このことによりまして、今まで非常に矛盾であった基礎的な品質表示基準がすべての飲食料品に対してなされる、その上でJAS規格があるという食品の表示としては正常な形に改正されたと言うことができます。したがって、今までは表示対象商品は六十四品目、このうちの九品目は青果物の原産地表示ですから、五十五品目ということになります。それだけにしか品質表示基準が設定されていなかったというわけです。それがすべての飲食料品に設定されていくということでして、非常に表示の充実強化につながる改正であると高く評価をするものです。  また、生鮮食料品については原産地を表示することになりました。この原産地表示について、東京都の生活文化局が野菜の購入実態等に関するアンケートをまとめて発表しておりまして、これはことしの三月十八日なのですけれども、原産国表示に関してのアンケートに対して、すべての輸入野菜に原産国を表示してほしいというのが八三・五%で、最も多い数字になっています。生鮮野菜に関しても、近年、輸入物が非常にふえております。やはり、買うときの選択として、どこから輸入されてきたのか、どこが原産国なのかということを消費者は確かめて買いたいというふうに思っているわけです。  現在行われております九品目に関しては条件がありまして、一般的な市場一定の量が出回っていることと、国内産との何らかの差があることというのを条件にしておりました。ですけれども、見方によっては、これはデメリット表示の性格も持ち合わせていたわけでして、国産品の方がよくて輸入品の方が悪いというような受けとめ方をされても仕方がないような考え方でございました。そういうことではありませんで、現在、品質が国産品と明らかに異なる野菜等もありますけれども、余り品質に差がなく、価格の面で消費者もそれを納得して買っているという状況も出てきております。ですから、差という問題ではなくて、その商品がどこで生産されたかという情報をきちんと消費者に伝えるという意味合いで原産地表示をとらえ直すということが非常に大事なことなのではないかと考えております。  一番目がすべての食料品を表示の対象としたこと、二番目が現在の原産地表示、それから三番目が、有機食品の規格を制定したということです。  有機食品、有機農産物に関して、先ほどの東京都のアンケート調査をちょっと御紹介いたしますと、約八割の人が有機農産物を時々あるいは日常的に購入しているというデータが出ております。また、もう一つ、有機農産物等の表示状況についてのアンケートは、農林水産省のガイドラインに基づく表示、または東京都の流通指針に基づく表示がしてあったのはそれぞれ一割台と非常に低く、生産者農協等の自主的な表示がしてあったというのが六五・四%、それから、販売店独自の有機農産物等の表示がしてあったというのが六〇・九%という結果になっております。  また、有機農産物等の購入量を今後ふやしたいと考えているかという問いに対しては、六〇%の人が考えているというふうに答えております。したがって、これだけ有機農産物が消費者のところで支持されているということになるわけです。  そして、最後に、有機農産物等の流通拡大の条件整備について何を考えるかという問いに対しては、一番目が、流通コストを削減して価格を引き下げるとなっておりますけれども、次いで多かったのが、表示等の信憑性を高めるということで、五三・四%だったわけです。有機農産物を買っている人の多くが表示に対して疑問を持っているという状況が、このアンケート結果からわかると思います。  今回、それを規格として制定し、信頼性を高めるものとして制定されたことに対して、高く評価をするものです。  四番目は、JAS制度の見直しを五年ごとにするという規定を設けたことです。  このJAS規格なんですけれども、食品が非常に多様化していく中で、現在、JAS規格はあっても、JASマークをほとんど利用していないという食品が出てきています。また、JAS規格はあっても、認証機関がないのでJASマークをつけていない。要するに、現実には、その食品についてJASマークが世の中に出回っていないというようなこともあります。  それから、JAS規格そのものの世間での評価、世の中での評価、消費者での評価というものも、評価が落ちているというと語弊がありますが、そういう状況でありまして、JASって何ですかと聞いたら、飛行機会社の名前でしょうというお答えが返ってくるというぐらいに、今の消費者が食品を買うときの選択の基準には余りなっていない、気にとめてはいないマークに現在なりつつあるというのが現状であります。  しかし、基礎的な食品、そして、JASマークがあり、JAS規格によって一定の品質を保持し、それが定着している食品もあります。例えばおしょうゆとかおみそとかですね。そういう基礎的な商品については続けていくということも有用なことかとは思いますけれども、JAS規格そのものをもう一度見直すということも必要であります。  食品の製造というのは、時代時代によって非常に変わってきます。したがって、五年間で見直していく。利用されなかったJAS規格については廃止をしていく。また新しく必要となったものについては漸次検討をしていくわけですけれども、総体的な見直しをかけていくということが非常に重要なことであると思っておりまして、この五年ごとに既存の規格見直していくということが規定されましたことについて、大変高く評価をするものであります。  最後、三番目ですが、今後の問題について二つほど触れておきたいと思います。  一つは、加工食品にも原産地表示をしていく方向をぜひ積極的に推し進めていただきたいということです。  加工食品も、複数の原材料を使ったものについてはかなり難しい面がありますけれども、単品の加工食品では、それは技術的にそれほど難しいということではないと思います。  例えば、ノルウェーでとれたアジですけれども、小田原のアジの干物というふうにして売っておりますし、先日、新聞に投書が出ておりました。浜名湖でお土産にウナギのかば焼きを買ってきた、後でよく聞いたらそれはすべて輸入品だった、浜名湖ではパックしただけだったというような投書が出ておりました。  やはり、こういう矛盾はどうしてもおかしいなとみんなが思っているところであります。単品であるならば可能でありますので、ぜひ積極的に加工食品にも原産地表示を進めていただきたいと思っております。  それからもう一つ、有機食品なんですけれども、いわゆる低農薬あるいは減農薬の表示に関しては、今回は、今までのガイドラインに沿った任意表示ということになっておりますけれども、果たしてこの制度が歩き出した時点でどのようになるかということを見守る必要もあるとは思いますが、一方では、有機の表示はかなり難しいのではないかという声もあります。そして、一方では、低農薬あるいは減農薬ということで、有機と表示されることを願って、そこを目指して頑張っている生産者を勇気づけるという意味合いでも、低農薬あるいは減農薬等の表示の基準を可能な限り検討して設定し、それが社会的に認知されるような形になることを願っているものでございます。  以上で私の意見を終わります。どうもありがとうございました。(拍手
  10. 穂積良行

    穂積委員長 ありがとうございました。  これにて参考人意見の開陳は終わりました。     —————————————
  11. 穂積良行

    穂積委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塩谷立君。
  12. 塩谷立

    ○塩谷委員 自由民主党の塩谷立でございます。  本日は、参考人の皆さん方には、本当に貴重な御意見をいただきまして、まことにありがとうございます。  今回の卸売市場法改正案につきましては、先ほど来お話しいただきましたように、産地大型化、あるいは市場外流通増大、さらには関係業者経営悪化等、卸売市場を取り巻く環境が大きく変化し、そういう中で、新たな展開市場活性化を図るために、今回、業者の経営体質を強くし、また取引方法の改善等、さらには卸売市場の再編を円滑化するような措置を講ずるための法律だと思うわけでございます。  まず、清水参考人にお伺いしたいのは、先ほどのお話にございましたが、かなり卸売業者あるいは仲卸、さらには専門小売業者等、この時代の変化の中で厳しい経営状態があるということ、たしか二分の一、三分の一が赤字だということがお話にありましたが、この状況というのは、具体的にいつごろから発生してきたのか。  そういう意味では、この法律が二十八年ぶりの改正ということで、私としては少し遅過ぎた感じがしないわけでもない。  ただ、私の地元においては、浜松でございますが、中央卸売市場の現状は、大変立地もよくといいますか、競争相手も余りないところで、割合順調に売り上げを伸ばして今日まで来ているということを聞いております。経営的には、もちろん経済的な厳しさもあって、厳しいことは厳しいのですが、そこら辺の、例えばかなりの倒産が実際にあるとか、その実態をちょっと教えていただきたい。  同時に、原因等もさまざまあるわけですが、これから新しい方向を目指すための今回の法律改正でございますが、その前の原因として、一番主なものというとどこが挙げられるか、そこら辺をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
  13. 清水元一

    清水参考人 正確なお答えをできるかどうか、大変幅広い御質問でございますので。  現在の中央卸売市場の我々卸売業者は、取り扱いの伸び悩み、固定経費の増加、それから経営規模拡大や企業努力等の経営改善のおくれというような問題が背景としてございまして、この経営状況悪化しておりまして、水産、青果で約三割の業者が経常赤字を計上しているというようなことがございます。  委員の先生も、市場法改正が二十八年たって今ごろ改正するのは遅過ぎたのじゃないかというお話もございましたけれども、まさにそのとおりでございまして、特に申し上げたいことは、日本民族は動物たんぱくを魚に頼ってきて、私どもは特に魚だけで大きくなってきたわけでございますけれども、戦後ずっと参りまして、畜肉関係の自由化という問題がございました。現状は、大変もう畜肉関係の輸入増大しておりますし、水産物以上に活発でございます。水産物輸入トン数よりも畜肉関係のトン数がふえておりまして、特に動物たんぱく摂取量という面から考えてみますと、日本人の摂取量は、魚は四〇%程度であとの六〇%は、動物たんぱくに限って六〇%のシェアがあるというようなことが言われております。こういう点も現在の中央市場の伸び悩み現象の原因の一つにあるというふうに考えております。  ただ、それ以外に、御質問の中でございましたように、卸売市場の経由率でございますが、青果、水産ともに、この約十年間で一〇%ぐらい低下しております。いわゆる産直なり、大型の産地と大型のユーザーを直接結びつけるような新たな流通ビジネスが拡大しておりまして、市場外流通が進展してきておりまして、経営悪化の原因の一つとなっております。しかしながら、一方で、近年量販店卸売市場を利用する動きも増加しておりまして、その点は、我々中央市場業界人といたしましては、そのような方向に全力を傾けていかなければいけないと思います。それも一つは、中央市場における我々業者の健全経営というものが前提でなければそれは不可能でございますので、その点、そのような努力をしていきたい、そういうふうに考えております。  卸売業者といたしましては、市場外流通との競争の中で、産地仲卸業者、さらには卸売業者同士の連携を進めることなどによって、集荷機能、情報受発信の機能等を高めまして、今後とも生鮮食料品流通の中心としての役割を担っていきたい、そのように考えております。
  14. 塩谷立

    ○塩谷委員 ありがとうございます。  今お話ございましたように、流通多様化ということで、市場外流通が大変増大しているということでございます。これは今後の市場の存続にかかわる大きな問題だと私も受けとめておりますし、また輸入の問題等も出てきているわけでございます。それに対して今回の改正案が、健全経営に対する支援措置等も含めて法律を定めるわけですが、特にこれからの市場、そういった市場外流通増大している中で、今スーパー、量販店市場の方にまた目を向けてきたというお話もございましたが、市場としては、やはりその対抗策といいますか、市場として一番の勝負するところ、そこら辺をどうお考えか。清水参考人、よろしくお願いします。
  15. 清水元一

    清水参考人 お答えいたします。  広範囲の大変難しい質問でございますけれども取引方法につきましては、これまで一律に決められていたものから、市場関係者意見を聞いて、それぞれの市場、品目の実情に応じて設定するものであり、そこで決められた取引方法について市場関係者の間で守っていくものと考えております。そのためにも、市場取引委員会、まず売買取引等に関する業務規程の変更、当該市場における公正かつ効率的な取引確保していくために必要な事項について開設者意見を述べることができる機関であると聞いておりまして、必要に応じて、日常のさまざまな事項について、市場関係者で構成される市場取引委員会において調整を行うことで、市場運営を円滑に進めることができるものと私は考えております。
  16. 塩谷立

    ○塩谷委員 取引方法のことまで先にお答えいただいたような格好でございますが、今の取引方法について、今回改正として、今までの競りだけではなくて相対も両立させるということを法律で決めるわけでございます。今お話しの中で、各市場ごと、各品目ごとに業務規程を設定するということでございますが、それが本当に守られるだろうかということが心配でございまして、もちろんいろいろな、公表とかそういうことがあるわけでございますが、今までの例からいって、しかも生鮮食料品という大変に天候やいろいろな状況に左右されるものとして、かなりその都度その都度の場面に応じて取引がされるというようなものだと思うのですね。  したがって、そこら辺の業務規程というのが、具体的にもうちょっと、どのような形になると予想されるか。いわゆる、何%は競りか、何%は相対かという形で業務規程がなされるのか、そこら辺をどう予想されるか、あるいはどうお考えになっておられるか。そして、それが実行の段階では守られていくのかどうなのか。  過去の例からいくと、競り一本という法律で来ましたけれども、相対がどんどん現状としては伸びてきたわけですね。したがって、今回の業務規程を設定したにしてもなかなか難しいのではないかなということをおっしゃる方がいまして、それについてどうお考えか。そして今、市場取引委員会というものが新たに設定されて、今もお答えいただいたのですが、その機能というものが本当に発揮されて健全な市場取引ができるかどうかということ、この点についてもう一度お答えいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。
  17. 清水元一

    清水参考人 どうも先回りをいたしましてお答えいたしましたけれども、この取引方法というものについて、実際は明快なお答えをするのは大変難しい問題だと思います。  競り、入札、相対取引その他の問題について、やはり市場ごとにいろいろの商習慣の経過がございますし、従来、各市場ごとにいろいろの違った面がございます。特に東京と大阪は、消費地の大市場でございますけれども、やはりやり方が違うというような面もございますし、その点、業務規程そのものも、その中央市場そして地方的な特性を生かした業務規程がつくられることが望ましい、そういうふうに考えております。  ただ、市場における公正かつ効率的な取引確保するということは最も大切なことでございますので、これは各市場ごと開設者ともども業界すべてが責任を持って対応する必要があろう、そのように考えております。特に、開設者意見を述べる機関であるというような取引委員会というものをつくることは大変意義のあることでございますけれども、やはり仕事のわかっているのは業界でございますから、業界が常に正しく結論を出していって提案をしていくという形が好ましいのではないか、このように考えております。  以上でございます。
  18. 塩谷立

    ○塩谷委員 ありがとうございました。  次に、杉谷参考人にお伺いしたいと思います。  最近、先ほども申し上げましたが、市場外流通が大変に増大して卸売業者等経営悪化している状況で今回の改正となったわけですが、その市場外流通については、特に農協等がファーマーズマーケット等の実施をかなり単協について強化しているということを伺っております。  そういう意味においては、生産者団体としては市場外流通について今どのようにとらえているのか、そして同時に、今後市場に対して要求することといいますか、そこら辺をお聞かせいただきたいと思います。
  19. 杉谷信一

    杉谷参考人 市場外流通については、今市場外流通として行われております主なものを取り上げますと、例えば国産青果物でいきますと、量販店等が安定的、継続的に確保したいというふうに考えているものを直接産地と契約をされて市場外流通でもって持っていくというものが一つ。それから、減農薬でありますとか朝取りでありますとか地場物というような形で、特徴商品的なものとして、契約で、これも市場外流通で持っていくというようなものが一つ。それから、野菜工場的な、カイワレ大根であるとかもやしのような、野菜工場でとれているようなもの、こういうものについては一定程度定価販売みたいな形で市場外流通が出ていく。そういうような形で幾つかに分かれてくるんだろうというふうに思っています。  そういう中で、特に減農薬でありますとか朝取りとか地場物といった特徴商品にかかわる市場外流通というのは、市場機能がどのように強化をされ拡充をされても、これは市場外流通として定着をしていくのであろうというふうに考えております。しかし、一方で、量販店が安定的、継続的に手当てをしたいというものについては、市場が相対販売等でそれらに十分こたえられる機能を持てば、これは市場回帰ということも出てくる可能性があるというふうに考えているところであります。  いずれにしても、生産者団体としては、先ほどお話のありましたとおり、ある程度、国産青果物消費拡大という観点からは、販売方式多様化するということについては一定程度望ましいというふうに考えております。JAグループとしても、農協の直売所でありますとかファーマーズマーケットのようなもので消費者に直接販売をするということを進めておりまして、それによって、消費者が今何を欲しているのか、どういうようなものを望んでいるのかということの情報を十分得た上で、生産の方にそれを反映させていくということが必要なんだろうというふうに考えております。そういう意味では、流通多様化販売方式多様化というのは一定程度、それは今後も進むし、必要なことだろうというふうに考えているところであります。  しかし、市場流通の割合が低下をしているとはいっても、青果物ではまだ七〇%を超える割合が市場流通ということでございますから、やはり今後も市場流通が大宗を占めていくということについては、私どももその点については市場の方に期待をしているというところであります。  特に、腐敗しやすい青果物、品質低下の激しい青果物を短時間のうちに大量に販売をするという機能卸売市場の持つ武器というふうに考えておりまして、そういう意味で、荷さばき、物流、品ぞろえ、それから代金決済、価格形成、こういうような、これまで卸売市場が担ってきた機能は今後も十分充実拡充をして、ぜひとも生産者要望にこたえていただきたいというふうに考えているところであります。
  20. 塩谷立

    ○塩谷委員 ありがとうございます。  まさに卸売市場のこれからの必要性も語っていただきました。そういう意味では、今回の法改正が大きくまた活性化につながることを期待するわけでございます。  最後に、鶴田参考人にお伺いをしたいと思います。きょうのお話はかなり専門的で、なかなか難しくて、我々理解できないところもあったんですが、よく、有機農産物ということで、かなりにせの有機が多いということが言われております。そういう意味では、今、そういった我が国の有機農産物と言われるものがどの程度生産されていて、表示も、それがすべてされているということはないんですが、どの程度表示がされていて、そのうちどの程度が本物かということの基本的なところをぜひ教えていただきたいと思います。
  21. 鶴田志郎

    鶴田参考人 今、青果物で、有機ないし特別栽培というような形で出回っているのが一%前後だと聞いております。ただ、その中で、今度JAS法改正が行われて、いわゆる有機をきっちりと表示できるものはさらにその中の一〇%、ということは〇・一%程度になるんじゃなかろうかということですけれども、今後、流通の中でどう評価されるかということがあって、それが若干は動くと思います。  私たちは、それをいかに高めるかということに努力して取り組んでいるところです。
  22. 塩谷立

    ○塩谷委員 ありがとうございました。  食品の表示については先ほど日和佐参考人から大変評価をいただくようなお話がございましたので、時間も来ましたので、きょうの質問はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
  23. 穂積良行

    穂積委員長 次に、安住淳君。
  24. 安住淳

    ○安住委員 民主党の安住でございます。  きょうは、各参考人、御苦労さまでございます。私の方からもそれぞれ御質問をさせていただきます。時間がないので早速質問させていただきますが、まず清水参考人に伺います。  私のふるさとも宮城の石巻でございまして、水産市場がございます。今、それぞれ、全国の水産市場課題というのは、多分施設の老朽化それから衛生問題、特にHACCP問題で施設の改変整備というのは迫られているわけです。しかし、今の制度では、このHACCPに対応した支援措置というのは市場は対象外になっています。各会社についてはこれはあるわけですけれども、今後、全国的に見まして、HACCPに対応する施設整備というものは、これはどうしたって、市場の国際化問題それから衛生問題を考えると不可欠だと思いますけれども、これについての御認識といいますか、それから今後の取り組み、政府への要望というものがございましたらお聞かせを願いたいと思います。
  25. 清水元一

    清水参考人 お答えいたします。  施設整備というものは、いろいろ、老朽化した古い中央市場においては着々と現在行われております。新しい中央市場、要するに建てかえ整備が行われる市場においては、今先生がおっしゃられたような対応は、少なくとも、HACCPの規定はなくとも、それに近い状態を志向しておりますので、それは心配要らないと思います。  ただし、古い、老朽化した中央市場において、実際はなかなかそれだけを取り上げるということは大変困難な条件もございましょうけれども、やはり生で食するような魚でございます、または野菜でございますので、少なくとも衛生面なり品質管理、またHACCPに近いような、管理面において、それを開設者業界ともども留意しながら対応する必要があるのじゃないか、そのように考えております。  ただ、中央市場だけの問題ではなしに、水揚げ産地における地方卸売市場の現状も含めていろいろ考えてみますと、要するに、従来の漁業または水揚げその他の面から考えてみますと、その点、HACCPをとにかく志向することはできても、完全にそれをやり得る状態にはないということは、残念ながらそのとおりだと思います。  以上でございます。
  26. 安住淳

    ○安住委員 そこで、市場がそれだけの設備投資をするだけの、言ってみれば余裕がないというのがもしかしたら現状じゃないかと思うのです。これは後で杉谷参考人にもお伺いしますが、ある意味では、各港に市場があって、流通が非常に複雑化して、なおかつそこに漁港整備が整ってきたものだから、例えば、それぞれの流通をしている大阪に店を持っている方が直接宮城の石巻の小さな漁港に買いに来て、市場を通さないで商売をしたり、そういうことがずっとまだらに日本列島であるものですから、市場に対する商品の集中化ができない。しかし私は、これは今後、市場というのはまさに公の流通の場であるわけだから、市場合理化、これをやはり図っていかざるを得ないのだろうと思うのです。協会としては、これに対する取り組みというのはもう何か始めていらっしゃいますか。
  27. 清水元一

    清水参考人 市場合理化という件については、合理化をやらない限りは我々の存在価値がございませんので、とにかく一意専心、そればかりを考えながら、日常の市場活動に精を出しておるような次第でございます。  ただ、先ほどから私も総論で申し上げましたとおり、現在の中央市場の置かれている現状は経営的に大変困難な面もございますし、それを克服しながらどういった中央市場を模索していくか、今後の課題であろう、そのように考えております。
  28. 安住淳

    ○安住委員 ありがとうございました。  次に、杉谷参考人にお伺いをします。  特に花卉市場の問題ですが、私の近隣といいますか宮城県でも、見ていますと、どうしてもこの市場整備がおくれているんですね。ですから、これに対する対応というのは急がないといけないと思います。特に、豊かになってから花卉市場というのは多分非常に大きな市場になってきたと思うのですが、これについて、政府に対してどういうふうな取り組みを具体的に求めておられるのか、まずそれからお伺いをしたいと思います。
  29. 杉谷信一

    杉谷参考人 おっしゃるとおり、花卉市場は、青果物市場に比べると合理化が非常におくれているという面がございます。特に、花卉市場そのものは規模も非常に小さいし、分散化しているというのが実態であります。  ただ、大田に花卉市場ができてから一定程度集約化が進むという動きがございまして、そういう意味では今後、花卉市場の集約合理化、効率化は進んでいくのだろうというふうに考えております。  それからもう一つは、花卉市場がなかなか合理化が進まないのは流通面にもあるのだろうというふうに思いまして、例えば菊一つをとっても、相当規格が多いとか、それから販売先、取引先が非常に小さいということがあってなかなか合理化が進まないのだろうと思いますが、規格合理化、統一化の方についても、生産者団体として鋭意取り組んでいるところでございますので、そういう面では、そちらの点からも花卉市場合理化が進んでくるというふうに思っています。  そういう意味で、先ほど私、要望のところで申し上げましたが、行政指導でもって花卉市場の統合合理化、これらについてはぜひお願いをしていきたい、我々も、出荷団体としてそれらに対応する流通合理化については取り組みを進めていきたいというふうに考えているところであります。
  30. 安住淳

    ○安住委員 それと、相対取引が大変ふえてきましたね。ですから、競りと、今やっていらっしゃるわけですけれども、やはり同等の扱いといいますか、そういうことをやっていかざるを得ないと思いますが、この取引実態について少し教えていただけますか。
  31. 杉谷信一

    杉谷参考人 先ほど清水参考人のお話にもありましたように、取引実態は、関西と関東では大分異なっております。はっきり申し上げて、関西では、青果物の場合、競りが主流でございますが、関東の方では相対が相当のウエートを占めているという状況がございます。特に、貯蔵性のきくジャガイモとかタマネギ、ニンジン等については相対のウエートが物すごく高くなってくるという実態がございまして、そういう意味では、既に実態としてはそちらの方が動きつつあるという状況だろうというふうに思います。  ただ、この相対は、今までは正式に認められていなかったという部分もあって、一部試験的に予約相対取引というのが導入されてきている経過があるわけですが、そういう意味で、相対での価格形成について、やや不明なところがあったというふうに私ども感じています。それが、今回は卸売市場法改正によって競りと同等の位置づけになる、しかも相対で決定をされる価格透明性をより高めるという観点から、取引方法別の品目、数量、価格、これを卸売会社別に公表することが義務化されるというようなことが出てきておりますので、それらを厳密に運営していただければ、我々としてはこの相対の価格形成というのは今後の卸売市場の中での大きな武器になってくるだろうというふうに考えているところであります。
  32. 安住淳

    ○安住委員 では、杉谷参考人、最後にもう一問だけお伺いしますが、取引先の債務不履行の問題があるということですが、確かに、経済状態が悪ければなおさらそういう問題が起きてくるかもしれませんが、そこで要望として、信用補償制度ですか、機構の創設を訴えていらっしゃいますが、これは具体的には、政府からの出資を含めてということで機構の設立を求めていらっしゃるわけでございますか。
  33. 杉谷信一

    杉谷参考人 卸売市場経営状態が非常に悪いというのがここ数年続いておりまして、現実に、卸売会社の破産、廃業というのがここのところ二件ほど出てきているという状況がございます。生産者の方としては、出荷先について安心して出荷ができないというような状況がございます。そういう意味で、先ほど系統農協意見要望の中でも申し上げましたが、系統農協としては、自衛策として、青果物花卉の補償制度、これは保険ですが、それをスタートさせて自衛をしているというのが実態であります。  しかし、生産者が安心して卸売市場出荷をできるということを代金決済面から補償していただくことは、卸売市場機能の拡充をする上で非常に不可欠な要件だろうというふうに考えておりまして、そういう意味で、開設者なり卸売会社なりが、今申し上げましたような補償制度的な措置導入していただければということで御要望を申し上げた次第であります。
  34. 安住淳

    ○安住委員 どうもありがとうございました。  それでは次に、JAS法の関係について両参考人にお話を伺いますが、まず、日和佐参考人にお話を伺いたいと思います。  私も今までお話を聞いていて、多分、日本の場合は、消費者というよりも生産者の側から流通を見てきた、そういう長い歴史があったと思うのです。ようやく消費者の側に立った、言ってみればプロテクトする制度というのが遅まきながらできたのだろうと思います。  そこで具体的な話をしますと、多分、品質の表示というのはどこまでやるべきなのかというのはあると思うのです。消費者の側から見たときに、先ほど、今回の法改正で原産地の表示はできるようになったといいますが、しかし、例えば成分や、もっと踏み込んだ形での品質表示を、どの辺まで消費者というのは、特に買い物をなさる主婦の皆さんは求めているのかということを、我々少しわからないところがありますから、これは統計的なものはないと思いますけれども、詳しくお話しいただければと思います。
  35. 日和佐信子

    日和佐参考人 原材料で何を使っているかということがまず知りたいことです。その原材料の表示は、多い順、含有している順に書いていくということですね。それからもう一つ、加工食品であった場合には、使用している添加物について知りたいと思っています。  それから、どうしても外せないのは期限表示です。賞味期限等ですね。それが基本的なことであり、先ほどお話に出ました原産国表示、加工食品で単品の場合は、原産国がどこで、加工した国はどこで、例えばアジの干物等でしたらそういう表示がなされれば、まだ加工品については今回規定されていませんけれども、そういう表示がなされれば非常にいいのではないかと思っております。  栄養表示についてはまた別の規制がありまして、表示をしたいという場合にはその基準に従ってしなければならないということにはなっておりますけれども、栄養表示も積極的にやってほしいと思っております。  それからもう一つ、今の時代として必要だなと思うことは、食物アレルギーが大きな問題になってきておりまして、アレルギー源になる成分、栄養分、栄養素を含んだものについて表示をするという方向で、これは厚生省で検討されているようですけれども、その政策、施策も積極的に行っていただきたいと思っております。  以上です。
  36. 安住淳

    ○安住委員 引き続き質問させていただきます。例えば五年ごとに見直しをする、つまり、偽りの表示をしたり、消費者から見たときに、いわばそういう虚偽のことをした場合のペナルティーというのが私は当然あってしかるべきだと思いますが、それからいうと、今回の法律については不十分ではないかという意見がありますけれども、この点についてはいかがでございますか。
  37. 日和佐信子

    日和佐参考人 私も詳しくはよくわかりませんが、消費者側から申し上げれば、商品名及び加工メーカー名等の公表、もちろんそれは不当な表示なわけですから販売は禁止になりますね。その範囲で、罰則までということになると法律上非常に難しくなる面があるのではないかと思いまして、むしろ商品名と企業名、メーカー名等の公表の範囲でいいのではないかなと思っております。
  38. 安住淳

    ○安住委員 ありがとうございました。  それでは、最後に鶴田参考人にお話をお伺いしたいと思います。  一つ、今度の大きな改正の柱として、認定制度があるわけですね。それからいいますと、一つの問題として、小さい農家といいますかの方々が認定を受けるということになると、非常に煩雑で、なおかつ農家の負担がもしかしたらふえるのではないか、そういう声が出ておりますが、この点についてはどういうお考えを持っていらっしゃいますか。
  39. 鶴田志郎

    鶴田参考人 例えばアメリカなんかでしたら、一つの圃場というのが十ヘクタールとか百ヘクタールとかということがあります。ただ、日本においては、それが一アールだったり十アールであったり、多いところでも十ヘクタールぐらいではなかろうかと思います。そういう中での小さな農家の認定というのは、アメリカなんかでも一ヘクタールとか二ヘクタールぐらいになったらなかなか認定を申請しない、そして、個々に、消費者の方たちと小さな農家はおつき合いをする中で販売していくというような事例が多いと聞いております。  そういう中で、日本ではどうだということになると思いますし、一圃場というものを、今日本でも厳密に、一筆当たり幾らというような話が出ていますけれども、これをもう少し拡大解釈しまして、続きの圃場だったら一圃場だ、あるいは小字の程度の中に圃場が分散していたらそれはまとめていいんじゃないかとか、そういう日本式のものを今から開発していく必要があるんじゃなかろうかと思います。そういう形でしますと、必要のある、ぜひ認定してもらいたいという農家にとってはそんなに負担にならない状態がここ二、三年のうちには定着してくるんじゃなかろうか。  今、認定をする業者なり団体なりというようなのは、極端に言いますと値下げ競争をするような状況も出てきていますので、これは、時間の経過とともに、そう負担にならない制度ができるものと思っております。
  40. 安住淳

    ○安住委員 最後に、鶴田参考人にもう一問だけ聞きます。  先ほどのお話にもありましたけれども、いざ認定を受けてから、本当に正しい有機農法をきちっとやった上での商品を出しているのかどうかということをチェックするということが、ひいては有機農業をやっている方と消費者を守るということになるわけでありますが、その点からいうと、私は実は、このことは、行政から見ても、チェックをすることは大変難しいんだろうと思うのです。我が国の場合、流通経路も煩雑ですからね。これについて、何か有効な方法といいますか、お考えになっておられることがあれば、最後にそのことをお伺いしたいと思います。
  41. 鶴田志郎

    鶴田参考人 非常に難しい問題で、欧米に比べて日本は十年ぐらい認定なり表示なりというものの制度がおくれておりまして、そこの中で、やはり走りながら学習する面も多々あるかと思います。  ただ、今現実に一番問題になっているのが、有機農産物あるいは無農薬というようなことで出回っているものが、検査してみますと残留農薬なんかが必ず出てくる。それは、残留農薬検査の精度が非常に高まったということもありますし、三十年、四十年前に使われた農薬も確実に出てくるというのが現実です。ただし、ことし使ったものと十年前に使ったものは残留の数値は物すごく違うんですけれども。ただ、両方とも数字として出てくる、そういう場合が非常に多くなって、そして検査をする体制のところではどうしても、出たら、出たぞ出たぞということで騒いでしまう、それによるマイナスイメージが非常に大きく取り上げられるというようなことがありますので、これはやはり時間の経過の中で、ああ、こういう場合には使っていないんだな、こういう場合には使っているんだなというようなことで、使ったものは絶対許さないような形をとりながら、温かく育てていくというような体制を考えていく必要があるんじゃなかろうかと思います。
  42. 安住淳

    ○安住委員 ありがとうございました。終わります。
  43. 穂積良行

    穂積委員長 次に、宮地正介君。
  44. 宮地正介

    ○宮地委員 公明党・改革クラブの宮地正介でございます。  きょうは参考人の皆さん、大変御多忙の中御出席いただきまして、貴重な御意見、大変にありがとうございました。時間が限られておりますので、できるだけ四人の参考人に御質問させていただきたいと思います。  最初に、清水参考人にお伺いしたいと思います。  七十五年ぶりに市場法が改正されまして、いわゆる競りに限ると言われた取引に、相対取引が今回導入されるわけでございます。流通機構の新しい大きな流れの中で、卸売市場も仲卸市場も抜本的に改革をしていかなくてはならない、こういうことで三十四条の改正になったわけでございます。  そういう中で、特にこれからさらに規制の緩和、自由化、こうした問題は大きな時代の流れであろうと思います。そこで、やはり安心できる食品が、消費者ニーズに沿って新鮮なものが販売されるというのは大原則であろうと思います。  端的にお伺いしますが、いわゆる委託手数料の自由化という問題も大変大きな問題であろう、こう思います。この点について、卸売市場を代表して清水さんの御意見をまず伺いたいと思います。
  45. 清水元一

    清水参考人 先生の最後の方の委託手数料という問題についてお答えしたいと思います。  委託手数料というのは、これは長い一つ経過でこういうところに現在落ちついておりまして、我々水産の場合には委託商品というものは要するに五・五%ということになっておりまして、青果は八・五%ということでございます。  ただ、実際は委託商品にのみ委託手数料というのがつくわけでございます。近ごろはだんだんと買い付け商品がふえてまいりまして、私ども市場の場合には、特にはっきりと申し上げられることは、私の方で現在委託商品は取扱量の一五%でございまして、あと八五%が買い付け商品になっております。委託商品については主として競りを行い、買い付け商品については大体において相対取引が行われているわけでございます。  その手数料でございますけれども出荷奨励金、要するに出荷者に対する奨励金、それからそれを売った仲卸に対しての完納奨励金等を差し引きますと、実際は四・三か四ぐらいの結果になっておるわけでございます。実際四%以上あれば何とか中央市場の卸としてかつかつの経営は可能でございますけれども、本当のことを申し上げますと、実際は買い付け商品がふえればふえるほど手数料は減りまして、私どもでは三・五がなければペイしないというのが実情でございます。  そこから向こう、いろいろ申し上げたいことはございますけれども、委託手数料ということについての御質問でございますので、このぐらいでひとつお願いをしたいと思います。
  46. 宮地正介

    ○宮地委員 ありがとうございました。  続きまして、杉谷参考人にお伺いしたいと思います。  最近、横浜の商品取引所が野菜の先物取引についても検討をしている、こういうことも報道されておるわけですが、今後、野菜のいわゆる先物取引、こうした問題については、出荷団体として、生産団体の代表としてどういうお考えを持っていられるか、お話を伺えればありがたいと思います。
  47. 杉谷信一

    杉谷参考人 おっしゃるとおり、横浜の取引所で青果物の一部について先物取引の検討を進めているという状況がございますが、現物でもって流通している卸売市場が片方にあって、そのほかに価格形成をする先物市場という二つの市場が存在するということが果たしていいのかどうかという点を、私どもとしては持っております。  特に規格でありますとか包装形態でありますとか、それから天候に非常に左右をされるという状況もございまして、そういう意味ではリスクヘッジ的なものとしての先物取引というのは一定程度あるのかもしれませんが、今の段階では、私どもとしては、現物の流通しております卸売市場機能を先にまず充実をさせていただいて、そこでの流通を充実させていただきたいというのが希望でございます。
  48. 宮地正介

    ○宮地委員 次に、有機の問題について鶴田参考人にお伺いしたいと思います。  この法案が今国会で成立をいたしますと、一年以内に有機農産物の基準づくりをして施行しなくてはならない、と同時に認証制度の導入も行わなくてはならない、この七月に法律が成立すれば一年以内ですから来年の六月までにはやらなきゃならない、こうなるわけです。皆さん方の専門的な言葉で、いわゆる有機農作物の基準によって農場なり圃場で栽培をされて、一定期間その基準でつくられて、そして認証をする、こういう流れになっているようですが、いわゆる認証制度の導入と有機の基準の施行とが同時進行で行われるようにこの法律はなっているわけですね。  生産者立場から見て、実態面から見て、果たしてこれは大丈夫なのかどうか、転換期間というものをある程度見てきちっと認証しないと難しいのではないか、こういう意見もあるんですが、この点についてはいかがお考えか、現場からの生の声を聞かせていただければ大変ありがたいと思います。
  49. 鶴田志郎

    鶴田参考人 有機の基準なり認証制度においては、三年間全く化学肥料や農薬を使わない圃場で生産されたものということになっております。  ただ、現実問題として、有機農業に取り組んで、その栽培をやっていて、それをどこかで認証しているかしていないかというような問題はあるかもしれませんけれども、既に栽培を続けているという圃場なり生産物がそれなりにかなりあると思います。  これをどうするかという点について、まだ私たちも詳しく聞いておりませんし、またこれから詰めるべき問題じゃなかろうかと思うんですけれども法律が施行されて認定が始まるというのが同時進行といいますけれども、私たちの希望としては、今までそれに取り組んできた者は、それが問題がなければ、引き続き表示をして販売ができるような形でぜひ進めてもらいたいという希望は持っております。そういうことでやっていくならば、外国との認証関係でもそう問題はなく対応して、国内でもやっていけるんじゃなかろうかと思います。
  50. 宮地正介

    ○宮地委員 次に、日和佐参考人にお伺いしたいんですが、今回のJAS法によって、消費者立場に立って、生鮮食品はいわゆる原産地表示を全面的に行う、加工食品等においてもできるだけ表示を詳しくして消費者に対して情報開示する、非常に私は高く評価をしているわけです。  現実面として、今、例えば日本べんとう協会とかチェーンストアから、食品の表示について、非常に細かな表示をすることになるものですから、ある程度くくって表示をできないか、検討できないか、こういう要請が我々国会議員のところにも来ているわけですね。これについて、農林水産省としても、JASの調査会の中のいわゆるワーキンググループの検討会で、これから具体的な表示内容について、この法律が通りますと具体的な審議に入るわけです。  我々としては、そうした消費者の代表とかあるいは業界の代表とかそういうチェーンストアの代表とかを入れて、いろいろかんかんがくがくと議論して、国民のニーズに合った表示をしていくべきである。この改正JAS法のベースは、やはり情報開示によって国民の皆さんに安心な食品を提供するというのが基本ですから、そのベースはしっかり守ってくれよ、しかし現場においていろいろそうした議論は大いにしていただいて、どの程度のところでくくるかは大いに議論してもらいたい、こんな感じで今農水省にも強く要請しているわけですが、こうした問題について、消費者の代表としてどんな感じを持っておられるか、御意見を伺えればありがたいと思います。
  51. 日和佐信子

    日和佐参考人 おっしゃられるとおりだと思います。  表示項目が余りにもたくさんになるから、細かい字になって、書いても見てもらえないのではないかという御意見がしばしば出されることがあるわけですけれども、そういうことを理由になるべく書かないでおこうということではなくて、姿勢としては、どうやって一つでもたくさんの情報を出すことができるだろうかということを工夫する、そちらの立場にぜひメーカーはなっていただきたいと思っております。  物理的な問題もあります。そういうことについて、無理やり何が何でもということでは考えておりませんで、それはどういう形式にすればいいのか、形にすればいいのかということを消費者それからメーカーの方と率直に話し合って、やはり合意のできる点をぜひ真剣に探っていただきたいと思います。繰り返しますけれども基本的に情報は開示するんだ、少しでも可能な限り工夫をして情報を出すという方向を探っていただきたいというふうに思っております。
  52. 宮地正介

    ○宮地委員 さらに消費者団体を代表してお伺いしたいのですが、今回のJAS法改正には直接入っていませんが、やはり今大きな問題の一つとして、遺伝子組み換え食品の表示の問題がこれからの大変重要な国民的な課題である。  先日も、あるテレビを見ておりましたら、最近、大豆の遺伝子組み換え食品よりも、消費者の皆さんが国内産の大豆に非常に期待している。具体的に、北海道の大豆の生産が非常にここのところに来て大きく今伸びている。  こういうことで、私も農林水産省に、この遺伝子組み換え食品の表示について、いつごろ結論が出るんだ、現在検討部会で検討しておる。既にイギリスなんかにおいてもこの表示の問題が具体化してきている。EU諸国においても大変厳しい対応になってきている。アメリカだけは、表示の問題には、輸出国という立場からかどうかわかりませんが、非常に後ろ向きである。  しかし、我が国も今後、このJAS法改正の問題の次の重大な問題はこの遺伝子組み換え食品の表示問題ではなかろうか、私はこう見ているわけですが、消費者団体を代表して、まずこの問題について御意見があればお聞かせいただきたいと思います。
  53. 日和佐信子

    日和佐参考人 御意見と私も全く同じ意見でございます。  消費者団体といたしましても、DNA組み換え食品に関して表示が必要だという要望を強く提出しているところですが、表示をするということに当たっては、それを担保する検査法が明確に規定されなければ、非常にその表示そのものの信憑性が問われることになってくると思います。ですから、検査法の開発とこれはドッキングするのではないかということは思っておりますけれども、表示はされるべきであるという考えでおります。
  54. 宮地正介

    ○宮地委員 わずかな時間でございましたが、四人の参考人の皆さん、大変貴重な御意見ありがとうございました。  終わります。
  55. 穂積良行

    穂積委員長 次に、佐々木洋平君。
  56. 佐々木洋平

    ○佐々木(洋)委員 自由党の佐々木洋平です。  きょうは、参考人の皆さん、大変御苦労さまでございます。ほとんど質問が出ておりまして、重複する可能性がございますので、御了承願いたいと思います。  まず最初に、清水参考人にお伺いしたいと思います。  今回の改正で、経営悪化した卸売業者あるいは仲卸業者合併させる、こういうことになるわけですけれども、我々は実際に市場に行っていろいろな意見を聞くのですが、経営悪化している業者が多い市場では、合併は大変容易じゃないと思います。同時にまた、経営がいい業者と悪い業者というのは、現実の問題、これまた難しい、そういう感じがしてならないのですが、今回の措置で金融上の支持をする、金融の対策をするんだということもございますけれども、この辺の展望について、まずお伺いしておきたいと思います。     〔委員長退席、増田委員長代理着席〕
  57. 清水元一

    清水参考人 お答えいたします。  中央市場における合併、いろいろの形があろうかと思いますし、経営内容のいい企業と悪い企業、いろいろあろうかと思いますけれども、特に中央市場構造上大変古い体質を持っているところでございまして、経営以外の問題で、こけんとか顔とかいろいろな問題が先行しているような実情もございます。しかし、それはあくまでも経営基本に、やはりいいところも悪いところもお互いに話し合って、これは吸収合併とか、対等合併とか、あとは要するに提携とかというようなことをやっていかないことには中央市場は今後衰退する、私はこのように考えておりますし、少なくとも、今回の市場法改正に当たって金融的措置というものもございますので、そういう点は開設者業界ともども話し合いの上、死に金にならないような対応をしていくべきであろう、そのように考えております。
  58. 佐々木洋平

    ○佐々木(洋)委員 ひとつ、我々もしっかりと支援しながら、市場運営を頑張っていただきたいと思います。  次に、再度清水参考人にお伺いしたいのですが、七〇年代、八〇年代だと思うのですが、市場外流通が急激にふえていった。これは、必ずしも生鮮食品がどんどん市場外に行ったということではないとは思います。私は、冷凍野菜とか果汁、そういうものの市場取引がふえていったんではないのかな、加工青果物の増加によるものだというふうに理解をしているのですが、どちらかというと、生鮮青果物流通が減少している中で、加工青果物というものがこれからもふえていくのではないかと私は思うのですね。どうも、今までの市場取引を見ておりますと、加工青果物取引に割合に市場は消極的であったという面も私はあると思います。  そういう意味で、これからその辺も、加工青果物取引、取り扱いというものに対する努力も必要であろうと思いますが、この辺、体制を構築するにはどうやったらいいのか、御意見を賜りたいと思います。
  59. 清水元一

    清水参考人 主として市場外流通の御質問だろうと思います。  これはもう端的に申し上げまして、市場外流通というものは起こるべくして起こっている問題でございます。流通環境の変化に伴いまして、特に産地と大型小売店の関係、これは一時的には相当拡大されたような時期もございましたし、青果物そのものの加工関係の場外取引というのもやはり増加傾向にあるのではないかと私は思います。  けれども、要するに、これは中央市場そのものの全体的な力の問題がそういうことをやはり招いているわけでございますので、それだけの機能を持った中央市場を形成するならば、市場外流通というものは幾らか減少していくだろうと思いますし、巨大化した産地の場合は別として、市場外流通を扱っている業者の場合には、中央市場業界より強いところはないと私は考えておりますので、少なくとも市場外流通そのものについては、今後はそんなに増加していくというようには考えておりません。  ただ、産地市場においては、できるだけ漁獲物を有利に販売したい、または生産したものを有利に販売したいという意向は十分酌んでいかなければいけない問題ですから、一概に場外流通は悪いというようには考えておりませんし、中央市場が常に有利性を発揮すれば自然に場外流通というものは減っていくだろう、そのように考えておるのです。お答えになったかどうか疑問でございますけれども、そういうようにお答えしたいと思います。
  60. 佐々木洋平

    ○佐々木(洋)委員 ちょっと質問は違うのですが、私の質問がまずかったのですが、加工青果物あるいは果汁とか、そういったものの取引が非常に減っているのですね。七〇年代、八〇年代とどんどん減っております。ということは、市場は余りこれに力を入れなかった、努力しなかったということではないのかということなのです。ですから、これからは生鮮食品、青果物についても下がってきつつあるわけですから、私は逆にもっと加工青果物について市場は力を入れるべきだということを申し上げて、御意見を聞いたわけです。再度お願いします。
  61. 清水元一

    清水参考人 果汁その他の問題ですか。それは全農の方が専門であろうかと思いますけれども、やはり消費生活の構造的な変化だろうと思います。  これは、やはり水産加工関係の問題ならばもっと率直にお答えできるのですけれども、言うなれば、産地生産者中央市場の我々がもっと情報交換なり資料の提供をしながら提携していけば、その点はもっと有利に販売できる状態になるかと思いますけれども、ジュース、加工青果物のあれは、私は一にかかって輸入品を含めて場外流通、それと同時に、消費者の嗜好の構造的な変化というものがそういうふうにさせているという以外にはお答えのしようがないわけでございます。お答えになったかどうかわかりませんが、御勘弁願いたいと思います。     〔増田委員長代理退席、委員長着席〕
  62. 佐々木洋平

    ○佐々木(洋)委員 どうもありがとうございました。  それでは、杉谷参考人にお伺いしたいのですが、今回の改正で、相対取引も含めた取引多様化になったということで、生産者に対するメリットというか、あるいはデメリットがどうなのか、これが第一点。  第二点目は、市場外流通拡大は、輸入品が増加をしている、そういう中で市場離れが加速する懸念をされておる。今後、市場の果たす役割、あるいはまたこの改正によってどのような方向に、これは心配ないとなるのかどうか、その辺をひとつ御意見を賜りたいと思います。
  63. 杉谷信一

    杉谷参考人 まず、先の方の相対取引導入された場合の生産者側にとってのメリット、デメリットという点でありますが、競りについては、これまでの販売方法として、公平な取引機会の保障をするとか、公正な価格形成をするとかという点では非常に長所だったのではないかというふうに思っています。  しかし一方、生産者にとってみれば、再生産価格を何とか確保したいということで指し値的なものをやったりするわけでありますが、希望価格を求める生産者要望にはなかなか競りというものはこたえてくれなかった。それから一方、量販店等の開店までに荷ぞろえをしておきたい、それから一定程度、一週間とか何日間かは安定した価格でもって物を手に入れたい、そういう大型量販店要望等についてもなかなかこたえられなかったという面が出てきたのではないかというふうに思っています。  そういう意味で今回、取引方法の中に相対販売も柱の一つとして取り入れられたというふうに私ども判断をしているわけであります。ただ、そうはいっても、取引方法については市場取引委員会等の意見を聞きながら市場ごとに決めるということになっておりまして、競りが必ずしも全部なくなってしまうという状況ではないというふうに思っております。  相対取引は、競りと比べると、公正な価格形成という面ではやや難点があるかなという感じを持っているわけでありますが、これを補うものとして卸売業者別の、しかも品目別、販売方法別の数量、価格を公表するということが義務づけられた内容になっておりますので、生産者にとっては、この点を十分厳格な運営をしていただいて、公平な透明性のある価格形成をぜひやっていただきたいというふうに思っているところであります。  特に心配しておりますのは、生産者にとって品質のよいもの、規格のそろったものが先に相対販売で流れてしまって、品質の劣るもの等が競りにかかる。その競りにかかったものが基準価格となって安値で定着をしてしまうという点が一番危惧をされるわけでありまして、この点については、先ほど申し上げました相対販売で売ったものの数量、金額等が明示をされれば、生産者としてはそれらをチェックする一つの情報になるというふうに考えておりますので、その点は厳格に運営をしていただきたいというふうに思っているのが第一点であります。  それから、卸売市場に対して期待をする点ということでありますが、やはり冒頭、系統意見のところでも申し上げましたが、卸売市場流通割合は低下をしているとはいっても、青果物の場合は、先ほども申し上げましたが七〇%を超える量が市場流通でもって流れているという状況でございまして、腐敗しやすく品質低下が起きやすい青果物流通という意味では、やはりこれからも市場流通一定程度主流になっていくというふうに思っています。  そういう意味で、卸売市場機能であります品ぞろえ機能物流機能、荷さばき機能価格形成機能、それから代金決済機能、こういうような卸売市場本来の機能経営体質強化することによって拡充していただく、それが卸売市場活性化につながるというふうに考えておりまして、それは、私ども生産者にとっても卸売市場に十分期待をしたいという点であります。  以上であります。
  64. 佐々木洋平

    ○佐々木(洋)委員 どうもありがとうございました。  次に、JAS法について鶴田参考人にお伺いをしたいと思います。  参考人は、みずから有機農産物の生産基準を検査あるいは承認を行ってきたわけですが、そこで、いろいろな悩み、課題があったと思います。今回こういうことで法律で出てくるわけですけれども、日本は高温多湿な国なわけですが、そういう中で、農業で一切農薬は使わないとか、そういうのは非常に現実問題として難しいような感じがする、そして大変困難なことでもあると思うのです。  同時にまた、我が国は南北に非常に長いということで、もちろん気象条件が違う、土壌も違ってくる。全国一律で基準を決めるということは果たしていかがなものかという思いが私はいたしておるものでございまして、また、この有機農産物の具体的な基準については、国際的基準ということとの整合性というものも考える必要があるのではないかと思うのですが、この辺について参考人の御意見を賜りたいと思います。
  65. 鶴田志郎

    鶴田参考人 順序が若干前後しますけれども、私たちの経験からしますと、まず窒素系の化学肥料を使わないことによって病害虫は激減します。それで、いい堆肥を多量に使えば収量は十分確保できます。そして、そのいい堆肥なり、あるいは、北海道から沖縄までの仲間のやっているのを見てみますと、非常にこれは共通性がありまして、北海道だからとかあるいは九州だから有機栽培ができやすいできにくい、これが非常にないのですね。  あるといえば、おっしゃるように高温多湿の夏場をどういうふうに乗り切るかという点だろうと思います。ですから、今、日本においては、周年野菜なんかをつくる場合には、どの時期も換金作物をつくって回していくというようなのが一般的ですけれども、これを夏場だけある地域においては換金しない作物をつくって、それを土を肥やすとかなんとかということに使っていくならば十分できるようになると思いますけれども、今の段階ではまだ欲張り過ぎて、ということは、逆にそうでないときに、つくりやすいときにちゃんとつくったものが評価されないものだから、一年間換金作物をつくり続けなくてはならないというような状況もありますので、そういうシステムが変わった段階では可能性はあると思いますし、化学肥料を使わない、あるいはいい堆肥を使うことによって、農薬の使用量はもう三分の一ぐらいまで激減します。これは北海道も九州も全く同じです。夏も冬も、しかも、お米だろうが野菜だろうが果樹だろうが共通しています。  ですから、この点を、私たちも最初はそうは思っていなかったのですけれども、逆にベースにして試験研究機関なんかが一斉にもっと力を入れて取り組めば、これは今考えられているのよりは、かなり有機農業がたくさんやれるという自信は持っています。  そういう面からしまして、民間の中では、日本でこういう農業をやるにはというようなことで土づくりを中心にしながら取り組んでいますので、その技術というのは外国に対して十年なり二十年なりは日本の方が先行している。これを気候条件の悪い条件と技術力のハイレベルとをミックスしまして、そう負けないぐらいにやっていけるんじゃないかというような見通しを持っております。  以上です。
  66. 佐々木洋平

    ○佐々木(洋)委員 もう大分時間が来ましたので、最後になりますけれども、ちょっと要望を申し上げて終わりたいと思います。  さっき鶴田参考人が、有機農業が定着するには川上に問題があると、川上の問題も指摘されました。時間がないのでお聞きしませんが、その辺もやはり、川上で有機農業をしていかないとなかなかこれは定着できないんじゃないかという感じがします。その辺ひとつ御要望しておきます。  それから、日和佐参考人に、もう時間がないので質問しませんが、要望です。先ほど出ました商品表示、もう本当に何でも書きたいだろうと思うのですが、すぱっとわかるようなアイデアを出していただきたい、こういうふうに思います。キュウリ一本にごちゃごちゃ書いてあっても、だれも見ていないです、もう投げちゃって終わりですから。これは国産とか、これはどこの産だということがぱっと見えて、なおかつ、何か大事なことをちょっと書いておくとか、消費者に本当にわかりやすくなるような表示をひとつお願いしたい、御検討を願いたいと思います。  それともう一つは、加工食品の問題ですが、原産地の表示というものについてこれからも努力をしていかなければならないと思っておりますし、遺伝子組み換えあるいはまたクローンの問題等ございます。日本はまだまだちょっとこの辺はおくれていますので、これからしっかり研究開発をして、実際に遺伝子組み換え食品がどういう影響があるのか、この辺をしっかりと我々も見詰めていかなければならないというふうに思っております。その辺も、消費者の側からもしっかり注目していただきたい、このように思います。  以上をもって終わります。
  67. 穂積良行

    穂積委員長 次に、藤田スミ君。
  68. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 参考人の皆さん、きょうはありがとうございます。  私は、まずJAS法の問題から入っていきたいと思います。  まず最初に、鶴田参考人お願いをいたします。遠いところから御苦労さまです。私は、参考人がお見えになる前に、本当に簡単な資料でございますが、日本有機農業生産団体中央会の「実施に向けて」という文章だとか、それから、マルタ有機農業生産組合鶴田さんの写真の載った文章などを読ませていただきまして、土づくりのことは大変熱心に書いていらっしゃる。しかし、農薬の問題については、ほとんどこの文章の中に、私の読み方が浅いのか見られない。先ほどの御発言の中にも、土づくりをしっかりすれば負けないんだ、有機栽培に自信があるとおっしゃりながら、農薬は三分の一に激減するということで、農薬の問題について一切使わなくても大丈夫だとはおっしゃっていないわけであります。  私は、今回、コーデックス委員会が有機の国際規格を採択して、これが国内基準に適用されるということで、これは、有機農産物は種まき前の二年、定めた許可資材リスト以外の農薬や肥料は使用しない栽培であることを要件とした、早く言ったら、とにかく化学肥料や農薬は一切使わないで、転換期間を、一年生のものは二年、多年生のものは三年ということで、これが栽培の基準になる、それ以外は有機という表示をしてはならないよ、こういうことになるわけであります。  先ほど参考人がおっしゃったように、高温多湿のこの国で、しかも非常に長いこの国で、どこもかしこもそういう条件でいくのかなと、少なくとも欧米と同じ基準を当てはめられたときの不利というものを考えざるを得ないわけであります。そういう点についての御意見をお伺いしたい。つまり、私の言いたいのは、それぞれ地域地域に見合ったものはやはりどうしてもあるんじゃないかというふうに考えるのが一点でございます。  ついででございますので、もう一つの問題は、既に有機農業をしているところは全国でも各地でございます。綾町なんかは、金賞、銀賞、銅賞ですか、そういうふうな印をつけて表示をしているということでやっておりますけれども、いずれにしても、有機の認証にかかわる費用だとか気象災害、条件によって出てきた減収分だとかそういうものは、基金を設けたり町の費用で支援をしております。  EUにしばしば足を運ばれたというお話でございましたが、私もスイスなどを回りまして、環境に配慮した生産に取り組むという立場から、減収になった分は補てんをする、所得の三〇%は補てんをするという形で、環境に優しい農業をどう発展させるかということで有機農業に取り組んでいる姿を見てまいりました。もしそういう御経験があれば披露していただきたいのと、そういうことを十分に配慮しなければ、有機農産物は生産現場から切り離されて、単なる商品として有機表示の農産物が出回ってしまって、気がつけばそこには輸入物が大半を占めることになりはしないかということで、私は、有機農業を育てていきたいという立場から質問をしております。  ちょっと一遍に言いましたので、おわかりいただけますか。一つは、日本のように気象条件が不利な中で、本当に国際規格の適用、そのままそっくり当てはめてどうか。それから二つ目は、公的な支援が求められるのじゃないか。外国の場合、訪問されてどうであったかということでございます。
  69. 鶴田志郎

    鶴田参考人 全部の答えになるかどうかわかりませんけれども、まず、パンフレットに農薬のことが強調されていないじゃないかというお話ですけれども、私たちは、もともとが、農業でいわゆるいいものをどうやってつくっていくか、あるいはそれを十年後も五十年後もつくり続けられるような畑をどう維持していくか、そういうことで取り組み始めました。そして、いろいろ理論だとか技術だとかということを学びました。  化学肥料を使うことによって土の生態系が乱れて病害虫が多発して、結果として農薬を使わなくちゃならない、だからまず土だ、それをどうよくしていくかということになると堆肥を工夫しなければならない。そういうことでやってきたものですから、そして今の段階ではまだ有機栽培だから、それが評価されて高く売れるという状態ではありません、私たち農業をやっている者からすると。ですから、先ほども申しましたけれども、大体、私たちのグループでつくっているものの中では、量的には二千トンから二千五百トンぐらいはあると思いますが、全体からいうならば、それがまだ一五%とか二〇%弱です。それは、もうきっちりと有機栽培という名乗りができるような状態になっております。  しかし、それ以外のものは、技術的に、あるいは今度法律が制定されて、さらにある程度有利な条件が出てくれば、多少無理してでもやるだろうなと。そうすれば、私たちの仲間の中で四割ぐらいまでは有機栽培という表示ができるものが出てくるのじゃなかろうか。その技術はちゃんと持っておかなければならないけれども、今の段階では、有機栽培といって表示を出してもまだそんなに評価される状態じゃないという判断で、品質だとか収量だとかということをきっちりとる方に経営的に向いているというだけです。  そして、消費者の方から見ると、どうしても農薬にだけ目が向いているのですけれども、農薬というのは、結果としてそれが減らせるか、あるいはゼロにできるかということですので、土づくりだとか、化学肥料を使わないという方、あるいは堆肥を工夫するという方向にもっと目を向けていただきたいというのが、消費者の人たちを含めて強調したい点です。  それから、スイスだとかヨーロッパの方で確かに公的資金を出して、しかもそれが各農家に、ちゃんとやったところには届いているという現実も見てきまして、うらやましく思いました。これは、今行政なりなんなりの方でも当然考えていると思いますし、これから出てくるのじゃなかろうかという感じはしておりますけれども、やはり日本でも農薬や化学肥料を減らしていって、日本の中で、みんなが住みやすく、しかも体にもいい食べ物が生産されて供給されるという体制は早くつくらないといけないのじゃなかろうか。  そういう中で、私たちが二十五年やってきた、有機栽培有機栽培というのじゃなくて、持続可能な、だれでもそんなに無理をしないでできるような農業の形というのが、ヨーロッパの方で既にそれを補助対象なり表示対象にしている、あるいはそれを議論しているというような状態を見まして、これからそういう方向に行く、我々の経験も役立つ時代が来るのじゃないかというような期待を持って帰りました。  自然条件は違っても、あちらの方は畑作、畜産がベースになっていますし、日本においては、やはり水田というのが特殊条件です。先ほども申しましたように、非常に厳しい時期もあるのだけれども、コーデックスなんかの条件を見てみても、決してクリアできないことはないということで、そんなに心配しないでチャレンジさせてもらうというような気概は持っております。  以上です。
  70. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 お話はよくわかりました。やはり、土と向かい合って長年頑張っていらっしゃる御発言だなというふうに思います。  次に、続いて日和佐参考人お願いをいたします。  きょうはどうもありがとうございます。長年、皆さんが運動されてこられて、ようやくJAS法改正で今回、原産国表示というものが実現するようになりまして、私、皆さんの運動に敬意を表したいというふうに思います。  加工食品についても、それから遺伝子組み換え食品の表示についても、私は参考人にお伺いをしようと思っておりましたけれども意見は全く一致しておりまして、本当に一日も早く、全国市長会の方もこの間、遺伝子組み換え食品に対する表示の決議をしておりまして、私どもの方にも届いておりますので、政府はもう怠慢は許されないという意見でございます。  ところで、この有機食品の問題、私は先ほど、これからむしろ、このままの状態でいけば、つまり相当きちっとした有機栽培をする方にしかるべく公的な応援もしていかなければ、商品の表示だけが歩いて、気がつけば外国からの輸入がまた大きく占めてくるということになりかねないじゃないかと。ところが、一九九七年、アメリカの有機農作物認証機関の、世界的にも非常に権威のある有機農作物改良協会が認定したオーガニックの食品が、通常の食品じゃないかということでアメリカのミネソタ州の司法長官から告発されたことがございます。今年に入りまして、フィリピンのバナナが有機の表示をしていて、そうじゃないということが明らかになりました。  こういうふうに考えると、不安はむしろ外国の方から入ってくる有機農産物の表示の問題でございます。水際での検査というものが私は必要じゃないかというふうに考えておりますが、いかがお考えでございましょうか。
  71. 日和佐信子

    日和佐参考人 有機であるかどうかを水際で検査することが必要ではないかという御質問でございますね。残留農薬検査をいたしますれば、それは可能であると思います。  ただし、例えばバナナでありましたならば、バナナに使われている農薬というものの推定がつく場合は可能ですけれども、推定がつかない場合には非常にこの検査は難しいというふうに思っております。  農薬は、その一つ一つ、推定をして検査をする。何を使っているかわからないけれども、とにかく農薬が使われているらしいからそれを検査する、そういうことはできないんですね、技術的に。ですから、推定できる場合については可能ですが、推定できない場合、全く予想外の農薬が使われているというような場合に、その農薬を検出する技術というのは今はないということで、そういう難しさがあるかと私は思います。  最終的に申し上げれば、やはり認証機関が認証をしているわけですから、そこの責任問題になるわけですね。ですから、そこの責任問題として追及するということで、そこの認証機関の信憑性やその認証機関の能力等についてどう評価していくか。消費者としては、そこの認証機関が認証したものが問題を起こしたんじゃないかというような情報のところで判断をしていくということの方がやりやすいといいますか、現実的なのではないかと思います。
  72. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 おっしゃることはわからないわけじゃないんです。確かに農薬を検出するというのは、何の農薬を検出するのかわからなければ、検出する、検査するというのは大変困難だということは私もよくわかりますが、にもかかわらず、消費者として、やはりそういう確証というものを、特に輸入の有機食品については求めていきたいという思いがあって質問をいたしました。  最後になりますが、これは清水参考人にお伺いいたします。  少しはしょりますが、この卸売市場法というのは、一九二三年、大分昔ですが、米騒動の後、一部の商人が物を買い占めたり、あるいは高値にしたり、そういうものを国民の食生活の一番ベースにある生鮮食料品で行われてはならないということからこの法の制定がございました。一九七一年にこの法が卸売市場法というふうに変わりましたけれども、しかしそこのところの大きな原則、つまりこの卸売市場法の一番大事な精神というのは、まさに公平、公正、そして公開、よって競りという原則がずっと今日まで貫かれてきたというふうに考えます。  その点で、相対が今回原則を外されて合法化されたということについて、今後相対がもっと大きくふえていくんじゃないかということで、それとともに公開の原則というものが、表示をするとかしないとかじゃなしに、実態として崩されていくんじゃないかという心配をするわけでございます。この点が一点です。  もう一つ取引委員会の問題ですが、私は、卸売市場を幾つか回りまして、市場取引委員会の役割というものを、単に競りをどうするとか相対をどうするとかいう、そこの小さな範疇だけじゃなしに、市場運営上にも卸売業者、それから仲卸業者あるいは消費者ども入って、本当に透明感のある、そして仲卸さんやそういう人たちのいろいろな問題にもこたえられる、そういう場であってもらいたいと期待をしたところでございます。その点についてお答えをいただきたいというふうに考えます。
  73. 清水元一

    清水参考人 もう答えは先生が出していただいているようなものでございまして、実際言いますと、中央市場ができましたのはちょうど私が生まれた年でございますので、大変懐かしくお聞きしたのでございますが、冗談はさておきまして、先生がおっしゃるとおりだと思います。  ただし、競りが正しくて相対が正しくないという論法は、私はおかしい。競りも相対もすべて正しいという解釈をもって私は対応していきたい、こういうふうに考えておるわけで、市場全体がその気になればそれは必ずやれる、そういうふうに考えておりまして、このたびの市場法改正は、特にその点を強調してお願いをしておる、そのように考えております。  二番目の、要するに委員会の件でございますけれども、これはもう先生のおっしゃるとおりでございます。  ただ、開設者にしても何にしても、実際は業界の我々が一番よく知っているわけでございますから、我々が常に正しい方向へ向けていろいろ推進すれば委員会は大変有効なものになるだろう、そのように考えております。何か七十五年前の中央市場ができた根源は先生がいろいろおっしゃった点もあったかと思いますけれども、今はそういう状態ではないと断言してよろしいかと思います。  と同時に、生産者のために中央市場をつくった。それから、現在はだんだんと、要するにきょうの議論は、中央市場業界そのもの、業者がどういうふうにあるべきかという問題。それからもう一つは、私は、大型小売店、従来の魚屋さん、八百屋さんという小売店、これはやはり市場法を改正して市場活性化すればリテールサポート等その他について大変有効に働いて、お互いにいい関係が出てくるのではないか、そういうように考えております。  と同時に、これからの中央市場というものは、あくまでも消費者に基点を置いた対応というものが、従来、特に業者間のみの議論に終始してきておりますけれども、やはり今後の中央市場というものは、生産者出荷者、そういう方々と、それ以上に消費者対応を基点にした発想がなければ中央市場はうまくない、そのように考えております。
  74. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 時間が参りまして、杉谷参考人に失礼をいたします。私も、消費者立場から卸売市場の役割を考えますときに、相対を全部悪いとは言いません。言いませんが、やはり公正、公平、公開というこの原則を、あえて法で崩すことは消費者立場からも問題があるというふうに考えておりますが、残念ながらここで杉谷参考人に質問することができませんので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
  75. 穂積良行

    穂積委員長 次に、前島秀行君。
  76. 前島秀行

    ○前島委員 最初に、清水参考人杉谷参考人に伺います。  ただいまの議論の延長線上にあると思いますが、私は、やはり市場、とりわけ中央卸売市場の国民生活あるいは日本の経済、さまざまな地域社会の維持においての役割というのは非常に大きい、今後も大きいだろうと思います。  その中央卸売市場の役割を今後も担っていくためには、今言われたように、公平、公正、公開の原則、いわゆる市場を取り巻くさまざまな原則があるのですけれども、特にこの公正、公平、とりわけ今回は公開の原則をどうするのかというのが一つの議論の焦点であったような気がいたします。  それともう一つは、市場の持っているさまざまな機能がいろいろ言われています。中央卸売市場がその社会的役割を今後も担っていくために一番大切なのは、私はやはり価格形成機能を維持していくということだろうな、こういうふうに思います。  そういう中で、今後も中央卸売市場が、いわゆる状況変化市場を取り巻くさまざまな変化に合わせていくのか、その変化は無視できないけれども、本来持っている市場の役割、原則機能を維持しつつ、この変化とうまく合わせて関係者経営健全化させていくか、私は、その辺の接点をどう見出していくかというところに最大の苦労があるし、今度皆さんがこの市場法等々を改正する中でいろいろ御苦労なさった点だろうと思います。その中で、やはり相対取引をどう位置づけていくかというところが最大の議論だったんだろうな、こういうふうに思います。  私も相対取引がいいとか悪いとかという議論をしてもしようがないと思います。しかし、市場の公平あるいは市場価格形成機能の維持等々を考えてくると、やはり競り市場、競りでいく、あるいは入札でいくという原則の方がよりその目的を確保できる、発揮できるのではないだろうかな、こういうふうに思います。  そこで、お二人に、清水参考人杉谷参考人に聞くのですが、この変化の中で同時に役割を果たしていくには、相対取引は否定はできないけれども野放しでもいかぬのではないだろうか。市場委員会で三つの選択ができることになっていますけれども、ある程度やはり市場の公平性、透明性、そして価格形成機能の維持を図っていくには、この相対取引の限度というものを指示していくといいましょうか、一定のものをつけていくといいましょうか、そういうものをしておかないと本来の機能、役割が果たせないのではないだろうか。したがって、相対取引は否定しないし、ワルとは言わないけれども、その辺の限度というものは委員会等々でちゃんと指示していくべきではないか。私は、ある意味では、行政の方が法律である一定の限度を指示する方がいいのじゃないかなとは思っているのでありますけれども、その辺のところの考え方を聞きたいということが一つ。  それから、先日も農水委員会市場等々を見てきた中で、いろいろ関係者に歩きながら聞いた中で、やはり量販店の存在というものは無視できない。開店までに荷そろえをしたいという問題等々がいろいろな形で押しがかかってくる。そうすると、市場運営そのものももう少し、例えば時間的な問題等々、運営を変えていく、取引等々ということだけではなくして、運営そのものも工夫の余地があるのではないだろうか、そこのところが検討課題、研究課題だなというふうなところを私も感じたところであります。それが先ほど委員の中の市場委員会の中でやるのかどうなのか私はよくわかりませんけれども、そういう面で、市場そのものの運営、とりわけ時間帯等々の改善、改革についてどうなのか、この二点について清水参考人杉谷参考人に御意見を聞かせていただきたいと思います。
  77. 清水元一

    清水参考人 お答えすることは先生が大体お話しになられたような気がするのですよ。  少なくとも、要するに、公平、公正、公開の原則というものは中央市場の特権ではないと思います。どこにでもなきゃならぬ問題だろうと私は思っておりますし、少なくとも、中央市場だけが公共施設の中で仕事をしている、しかも規制の業種であるというところから、特に強調されて今までずっと中央市場運営されてきておるわけでございますけれども、私は、それは普通のことであって、これはどこにでも原則として生きている問題であろう、そのように考えております。特に、今後も市場運営についてはそれをモットーにいたしまして、それに効率的な問題を加えながらやっていきたい、このように考えております。  それと同時に、市場運営方法について、七十五年の歴史の過程においていろいろ試行錯誤がございましたけれども中央市場は、今たとえどういう理由があろうとも、脱皮し、変革していかなければ生きていけない、要するに従来の考え方なりやり方はもう通用しない世の中になってきておるということは十分中央市場でも言われることでございますので、やはりやり方なり従来のシステム、行動様式、これは変えていかなければ中央市場は将来もたないというふうに考えておりますので、環境変化に即応した対応というものはなければいけないけれども、原理原則というものは永遠に生き続けるものである、こういう解釈をいたしております。  以上でございます。
  78. 杉谷信一

    杉谷参考人 まず、競りの関係の点でありますが、今度の市場法改正では三つの選択ができるということになっておりまして、それぞれの市場実態に即した形でそこから選んでいくことができることになっているというふうに思います。そういう意味で、価格形成を非常に重点としてやる、例えば大田のような市場の場合とか、言ってみれば、荷さばき、集分荷の方の機能重点化するというような市場の場合の販売方法というのは、それぞれおのずと違ってくるのではないかというふうに思っています。そういう意味で、市場ごとにその取引実態に即した形で販売方法が設定できるという今度の法改正については、方法としては非常にいい方法ではないかというふうに私どもは考えております。  それから、卸売市場の時間の問題でございますが、これは今まで競り原則ということでやっていますと、競り開始時間が何時というふうに決められておりまして、その時間でないと販売開始ができないという状況だったわけでありますが、今後は、相対販売ということでやられれば、競りの開始時間ということには制約をされずに売買行為ができるということもございますので、そういう意味では卸売市場運営面で少し弾力的な面が出てくるのではないかというふうに考えているところであります。特に、競りと相対のところであれしますと、先ほども私申し上げましたが、競りには競りのよさがございますが、相対は、現在の量販店なり大型産地出荷の形態ということで見ますと、時代に即した販売方法でもあるというふうに考えております。  ただ、相対販売で出されました価格について、やや競りよりも不安感があるというふうに先ほども申し上げましたが、これについては、取引結果の公開をするということが法律上明確にうたわれてございますので、その点を十分厳格に運営をしていただくということで、価格の適正かどうかということについてのチェックはある程度働くのではないかというふうに考えておるところであります。
  79. 前島秀行

    ○前島委員 やはり統計的にも、相対取引の多く占めている市場では、結局、残る商品、品物、残品というのが多いという統計が出ていますね。それはもう間違いない事実でありますから、それが値下げの方に、下落の方に引っ張っていくのかどうなのかということは、やはりこれは検討の課題だろうと思います。  それから、私は情報の開示と公開の原則とは違うと思います。結果だけの情報の開示でいいか、そうじゃないだろうと思います。公開の原則というのは、情報開示を含めて公開のところで商行為が行われるというのが公開の原則だろうと思いますので、その辺の工夫というのは、私は実態実態だということは否定しませんから、しかし、この辺の努力はぜひお願いをしたい。流れだけに、傾向だけに市場が合わせるんじゃなくして、市場原則市場の役割、市場の持つ機能を維持する中で実態との兼ね合いをどうしていくかということですから、やはり私は、公開の原則の維持、透明性確保、競りの原則というものは可能な限り維持する努力をぜひ関係者お願いをしたいなということを要望しておきたいと思います。  それから、JAS法の関係で鶴田参考人にお伺いいたします。  いっぱい聞きたいことがあるんですが、一つは、先ほど、やはり有機農業振興法的なものもつくるべきだ、こう言いましたね。もし一つなり二つなり振興法として要望する点があったら何なのか、箇条書き的に一、二という形で言っていただきたいということが一つ。  それと、認証にかかわる経費、時間的なもの、かなり私はかかるというふうに関係者から聞いています。六年間やったガイドラインの経過でも、いわゆる栽培記録、管理記録等々を見てくると、やはり相当かかるな。そういう認証経費というのは価格に転嫁できるのかどうなのか。——できる。恐縮です。そして同時に、経営ということもなきゃだめなんでありますから、どの程度の経費、幅だったならば生産者側としては認証を積極的にやっていける、その辺のところのめど的なものがもしあったらお願いをしたいな、こういうふうに思います。  それから三つ目、重ねて恐縮でありますが、このJAS法が同時に義務づけられる、私ちょっとなかなか意味が理解できないんでありますけれども鶴田参考人からいただいた資料の中に独自の有機という表示があって、それにまたJASのこの統一規格というと、二つ張らにゃいかぬのかな、あるいは、どこかその中にまたJASというマークを組み込むのかな、ちょっとイメージがわかりませんけれども、ただし、JASというマークもやはり入れないといけないというふうになっているようであります。経費がかかるのにこういう二重のものまで要らないんではないのかなというような、その辺のところ、端的に三点お聞かせいただければ、こういうふうに思います。
  80. 鶴田志郎

    鶴田参考人 まず認証コストの面ですけれども、これは、私たちの試算では、例えば一件当たり二万円前後かかるかなということです。ただ、それを今度は表示して販売するところまで行く段階で本当に多少幅がありまして、大ざっぱですけれども、例えばキロ当たり一円とかあるいは五円とか、その程度の経費がかかります。これを、今新たに有機農産物として販売したいからこのコストを上乗せしてくれとその販売先に言いましても、なかなか実現できません。それはその先が消費者の方もまだ今の段階では半信半疑だから、結果としてちょっと高くなったら動きが悪いというようなことで、それが実現していないのが一番の原因だと思いますけれども、現状はそうです。  ですから、これが、JAS法が施行されまして、もう絶対なんだというぐらいの信用が消費者まで伝わりますと、そこにキロ五円とか十円とかの経費というのは十分負担してもらえるんじゃなかろうかと思いますが、もしできないということになると、やはり公的な形での税金なりなんなりをつぎ込んだ支援が必要になってくるんじゃなかろうかと思います。  それから、今三番目の方から答えさせてもらいますと、JAS法でこれは守られている商品だ、そして、それをまた認定した団体のマークだ、そしてそれと、今度は販売する方のマークだ、今想定されているのは、三つのマークが同時について消費者の前にあらわれるというような形になりそうです。これがいいのか悪いのかですけれども、それだけそろえた上で消費者の安心を誘うというようなことは、必要かなという面もありますけれども現実はそのようになりそうです。  それから、振興法に対する要望ですけれども、まず、消費者全体と、こういう農法をやっていこうという私たち生産者の中に非常に大きなずれがあります。そのずれをもっとさかのぼっていくならば教育の問題に突き当たるんじゃないかと思いますけれども、そこまでは長期展望を持ってぜひ取り組んでもらいたいということと、それから短期的には、有機栽培だけじゃなくて、そのピラミッドの頂点を支えるその次の段階の特別栽培なりなんなりの認証表示、これは同じパターンでできるかどうかはまだわかりませんけれども、ぜひそれを急いでやって、こういう農法がこれからどんどん広がっていくんだ、あるいは広げられるんだ、広げる方が消費者も含めてみんなに恩恵が行き届くんだというような形をつくり上げていただく。それには、やはり生産者だけではできませんので、ぜひ次の振興法的なものの中にそれを取り入れていただくならばいいんじゃなかろうかと思っております。
  81. 前島秀行

    ○前島委員 日和佐参考人に伺いたいと思います。  消費者の側からこの有機農産物、有機食品を見たときに、何を一番中心に選択されるのか。要するに、味だとか価格面だとか、あるいは、正直言って、今度表示というものがありますから、私はこれからこの認証というものが相当評価の対象になる可能性もあるだろうと思いますので、そういう面で、有機食品、有機食料に対して消費者の側から見て一番何に注目するか。また、別な表現をしますと、これからの有機農業あるいは有機食品の振興に当たって、消費者の側から何を一番要望するのか、期待するのか。その辺のところをひとつお聞かせいただきたいと思います
  82. 日和佐信子

    日和佐参考人 有機食品と有機農産物に期待するもの、なぜそれを買うかという動機ですね。一番は安全性、二番目はおいしさだと思います。  それから、今後についてということですが、現在行われています有機農産物というような表示についての信憑性が非常に問題になっています。そこで、その信憑性を高め、保証するという意味合いでJAS制度が制定されましたならば、有機食品あるいは有機農産物に対する信頼というものは非常に高くなってくると私は思っておりまして、それから、全体的な問題として考えますならば、環境を保全していくという課題、非常に大きな課題で提起されてきていまして、これはまさに全人類が取り組まなければいけない課題であろう。そういうこととのかかわりでいいますと、環境保全型農業への転換というものも、これは非常に大きな課題になってきます。それで、その中での有機食品、有機農産物というとらえ方がかなり重要な観点として評価されてくるのではないか、そのように思います。
  83. 前島秀行

    ○前島委員 どうも皆さんありがとうございました。これで終わります。
  84. 穂積良行

    穂積委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人に一言御礼を申し上げます。  本日は、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時九分散会