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鉢呂委員 それでは、
WTOの
日本の
対応ということに移らせていただきます。
きのうの日経新聞に、アメリカのグリックマン農務長官が、世界
農業会議、これは世界とは名がついていますけれ
ども、どうもそれほど大がかりな会合でありませんようですが、セントルイスで演説をやっております。
私も、外務省からでしたか、この英文をいただきまして、きのう私の事務所で
日本語訳したものを見ておるのですが、日経新聞と若干内容が違うところもあるのです。大要は、農務長官として、十一月の
WTOの次期交渉に向けてのアメリカ
政府の
考え方というのを、これは演説でありますけれ
ども、言っております。
かいつまんで言いますと、例えば、ことしシアトルで始まる
WTOの次期通商交渉で、
我が国は今言ったような障壁に突き当たっておると。今言ったようなということは、さまざまな関税化や非関税障壁によって
国内市場への参入を阻止しようとする国がたくさんあるとその前に述べておるのですけれ
ども、そういう障壁に突き当たることでしょう、アメリカの提案は思い切った内容です、我々は、輸出補助金をなくしたいと
考えていますということで、輸出補助金はゼロにすべきであると。
これは
日本には直接
関係はありませんけれ
ども、輸出補助金は不公正貿易慣行を助長し、世界じゅうの商品
価格を押し下げてしまうということで、我々は、開かれた透明な貿易システムの道をふさぎ続けるような、国家による通商制限を緩和しなければなりません。
農業製品にかけられる
関税率は世界平均で五〇%ですがというふうに、ここは五〇%ほど下げるという表現なのかというふうに見て、詳細にではありませんが調べたのです。世界を平均すれば現在の
関税率というのは五〇%だというふうに言っておるんですけれ
ども、それをさらに減らさなければなりませんということで、その後、
関税率割り当ての上限を高めるとかそういうことも述べております。
また、衛生、植物衛生面での
対策上の基準となる科学的判断を重視し、継続的な効果を持たせ、正当でない秘密の研究結果を理由に国家が
保護主義に走ることのないようにしなければならないというような演説をして、アメリカ側は大幅な
関税率の引き下げというものを明確に今の時点で打ち出しておったり、輸出補助金の撤廃も言っておるわけであります。
その反面、この演説の前段では、アメリカの
農家というのは大変厳しい、
政府としては最大の支援をするというようなことで、もう既に相当の支援もしているし、あるいは世界に対する
食料援助も、アルバニア、コソボ難民あるいは朝鮮民主主義人民共和国の飢餓救済のために四十万トンの
食料援助を発表したとか、そういうことも述べておりまして、
国内的には、
農産物の
価格の下落に対してアメリカ
政府としては最大の支援をするというような言い方になっておるわけであります。
まず第一に、
大臣として、アメリカのこの次期交渉をどのようにとらえておるのか、この演説に関する感想でもいいですけれ
ども。