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鉢呂委員 市場原理のデメリット並びにメリットもある、品質に基づいた
価格の設定等で、よいものをつくれば高く売れる、もちろんそれはあるのかもわかりませんけれ
ども、大きな流れとして、
価格政策等の一連の流れと、それからいわゆる
農業の多面的な
機能といいますか価値に基づいた
農業の非経済的な要因というもの、これも打ち出してはおるのですけれ
ども、それとの絡みというものが、どうも並立的に主張されておるだけになっておる。
後でこれはもっと具体的に論じますけれ
ども、国境措置は維持するのだということを言いました。そのもとにおいても、非常にこの間の
日本の
農業というのは外国の農産物に影響されてきたというふうに思います。そういう中にあって、果たして市場原理だけで
基本的にやれるのかどうか。あるいは、その非外部的な、非経済的な
農業の価値というものを
相当強く前面に押し出さなければ
日本の
農業というのは持っていけないのではないかなというところの、
農水省としての
基本的な
考えが見えないというふうに思うわけであります。
同時に、今、最初に概括的なことを申し上げますけれ
ども、国境措置についても、十八条で農産物の輸出入に関する措置ということで、これは現
基本法そのままと言ってもいいぐらいの形で出しておりまして、「関税率の調整、輸入の制限その他必要な
施策を講ずるものとする。」というふうに書いてありますけれ
ども、この間のいわゆる
基本問題調査会の
論議でも、あるいはその後のさまざまな
論議でも、
日本としてWTOの
次期交渉にどのような
立場で臨むのかという本当の
意味での
国民的な
論議がかなり不足をしておるのではないか。
大臣の大変な御
努力もあります。韓国にも週末を利用して行ってきて、あるいはヨーロッパにも働きかけをしておるわけでありますけれ
ども、その前段の
国民的な
論議が必ずしも十分になされておらないのではないか。
米の関税化を初めとして、もっと
国民的な
論議、マスコミ等も次期ラウンドについては、
日本が米の関税をいかに下げないかという一点で包括交渉にするとかいろいろなことの見方をしておりますけれ
ども、本当に米あるいはその他の農産物の関税率というものをどのように維持するのか、保持するのか、そういうことの
考え方。あるいは、いわゆるグリーンボックスですとかブルーボックスですとかイエローボックスというようなものについて、あるいはWTO協定の二十条、
政府の助成なり保護というものをさらに下げていくのだという改革の
方向の一連のものとして
次期交渉はあるのだということに対して、
政府としてあるいは
日本としてどういう
考えを打ち出していくのか。このことについてもう
一つ国民的な
論議といいますか、
国民的な
合意というものが見えないということも、
生産者としての
農業者に大きな不安感を与えておるのではないかというふうに思うわけであります。
そこで、逐条ごとに話を進めてまいりたいと思いますけれ
ども、この間の本
会議、
委員会の
論議でも問題になっております、
国内生産を
基本とする、この条文についてお伺いをいたしたいと思います。
大臣も、
国内生産を
基本とするという条文の方が重みがあるのだというふうに言われております。また、
現下の自給率四一%というのはこの
国内生産を
基本とするというものの状態ではないというふうに
前回の
委員会でも明言をされたわけであります。
最初でありますから、では、
大臣が言っておる
国内生産を
基本とするというふうなことに立てば、
食料自給率というのは、おおむねでよろしいのですけれ
ども、どういうふうな数字的なものとしてとらえるのが妥当だというふうに思いますか。