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佐々木(秀)
委員 今
お答えのありましたようなことについては、例えば
日本弁護士連合会などでは
司法権のあり方の問題、
制度の問題とは矛盾しないということを言っています。
国連の方からもそう言われています。事実、これを認めたからといって、
日本の
司法権がそれによって干渉される、
内容的に
司法判断が干渉されるなどということは出てくるはずがない。
殊に、これは裁判所じゃないのですから、ここでの例えば
人権委員会などの
勧告などが、これは
勧告にとどまるわけですから、国際的な
関係はあるかもしれないけれ
ども、
司法的に効果をもたらすなどということは絶対にあり得ないわけで、
日本の
国内での
司法判断を覆すなどということには
影響はない。そこのところは割り切って考えないと、私はこの種の問題というのはとてもじゃないけれ
ども対応していけないと思うのですよ。どうも、やはり
法務省の
態度が私は一番気になります。
そこで、時間がありませんからこれ以上
質疑は繰り返しませんけれ
ども、どうか
官房長官、
政府の方では、今のような点に足を引っ張られるようなことなく、自信を持ってひとつ
批准の
方向に向かって進めていっていただきたい。もしも、ほかの役所、
法務省を含めて、文句を言う筋があったら、私
どもも
論議をしますし、
政府としてもしっかりと
意見を交わし、下手な足の引っ張りなどということはないように処置してもらいたい。このことを強く要望しておきたいと思います。
それから二番目の問題ですけれ
ども、これは本
法案の十七条
関連、つまり
苦情処理等の問題です。
これについても、私
どもの同僚、
石毛議員が先日の
委員会で非常に的確に問題を
指摘されて、
質問をされておられます。
もちろん、
男女共同参画社会を目指すということは、いろいろな施策を講じなければならないし、いろいろな
方策があると思いますけれ
ども、
一つは、これを実効あらしめるためには、残念ながら、今なお多くあり、恐らくこの
法律ができたからといって直ちになくなることはないであろう性別による
差別、あるいはこの
論議の中でも大変問題になりました暴力の問題その他のいろいろな
性差別による
被害というのは、残念ながら、そう簡単にはなくならないだろうと思うのですね。そうした場合に、
被害を受けた方の
苦情を聞く、あるいはその
被害についての
救済の
方策、何といってもこの対応をきちんとすることが、私は、この
法律の目的を実現する上で、あるいは実効性あるものにする上で非常に大切なことだ、こう考えております。
それで、この
論議の中では、そういう
方策として、
一つには、例えば
法務省主管の
人権擁護制度、あるいは
総務庁が主管されておる
行政相談の
制度、こういう既存の
制度をとりあえずは活用していくのだ、それからまた
官房長官は、さらに新しいそうした
制度についても考慮の余地があると御
答弁をされておられる。
しかし、現在ある
法務省主管の
人権擁護制度、あるいは
地方に
人権擁護委員の
皆さんがたくさんおられて非常に御努力されていることはわかるのだけれ
ども、
行政相談の
制度を含めて、果たしてこれが本
法案の十七条に言う
苦情処理あるいは
被害救済のために役に立つものになっていくだろうかというと、非常に心もとないということを
石毛委員は強く
指摘をされました。
私も、実はそうだろうと思っておるわけです。むしろ、この際、各
省庁それぞれ
縦割りではなくて、横断的な、そしてそれを包括するような新たな
苦情処理機関あるいは
救済処理機関というものが新しく構築をされる必要があり、これが全国的なネットを張る必要があるのではないかとも考えているわけです。
ところが、これに対する
官房長官の御
答弁では、非常に前向きにうかがえる点もあったわけですけれ
ども、ただ、その中で気になるのは、現在
行政改革を求められているときでもあるのでということを言われておる。このことは何を御
懸念されているのか。つまり、今の
行政改革では
行政の
合理化、
省力化などということが言われているから、新しいそうした
機関を
設置するということは、人も要る、金もかかるということで、なかなかにそうはならないのだという御
懸念を示されておられるのかどうなのか。
しかし私は、それでも、この
制度を本当に実効あるものにするためには、たとえ
行政改革でそういうような
省庁の削減だとかなんとか言われていても、やはり必要なところには、人も配置し、金もかけ、新しい機構をつくらなければ、私は、これは絵にかいたおもちになってしまうという
懸念を持っているのですけれ
ども、さきの御
答弁との
関係でのお考えを改めて
官房長官からお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。