○生方
委員 大変ユニークな
質問の後でちょっとやりづらいんですが、私は
モールス信号を知らないのでできませんが。
モールス信号がなくなって、今度の
電波法の
改正でGMDSSという新しい安全システムが導入されるということで、私も大変いいことだというふうに思っております。
私も、去年、「タイタニック」の映画を見まして、
モールス信号がなかなか通じないでなかなか
救助が来ないというのを見ていまして、今の
時代だったら衛星で、すぐに近くの船がやってきて
救助することができたのに、残念だなというふうな気持ちで見ておりました。
しかし、機械と人間ということでございますから、
今村議員から今
質問もございましたように、この間ございました
新生丸の
事故等を見ますと、GMDSSといえども万全とは言えないなという
感じがいたしておりますので、その件に関して
質問をさせていただきたいと
思います。
ここに、
新生丸の
事故問題対策調査検討会の報告書というのがございまして、これを私もつぶさに読ませていただきましたが、
新生丸の
事故に関していいますと、人為的なミスとそれからシステムのミスというものが重なった
事故のように私には思えます。人為的なミスというのは、最初に
新生丸の船主から室戸の漁業
無線局に対して問い合わせた電話が船から来たような電話だというふうにその受けた方がやや誤解をして、
新生丸から電話があったんだから
新生丸が遭難しているはずはないというような返事になってしまって、最初の
対応というのがおくれたというのが、多分、人為的なミスの第一だというふうに
思います。
それから、機械的なミスということに関して言いますと、
EPIRBから遭難信号が発信された、その後、普通でいえば、何度か発信されればこれは遭難したんだなというのがわかるわけですが、この
新生丸に関して言うと、本当は、沈没する直前にスイッチを入れて一回だけ信号が発信されて、その後沈没をしてしまって、本当はそこから
EPIRBが浮き出ていって信号を再度発信しなきゃいけないところが、実際問題としては、水深が足りなかったということで発信が一回しかなかったということが、
二つ目の機械的なミスだというふうに私は思っております。
しかし、この二つが直接的な原因であったとしても、私は、もう
一つ見落としてならないのは、
EPIRBの誤発射の問題だというふうに
思います。
この報告書の中を見ましても、遭難警報取扱件数という中で、海難と海難以外という形で、
EPIRBからの警報が何回鳴って、そのうちの本当の海難が何回であったかという数字がここにございます。それによりますと、ここは九五年からございますが、九五年には、三百十二回
EPIRBからの警報が発生し、そのうちの本当の海難は二十四件であった。
平成八年、一九九六年では二百八十二件中三十七件、一九九七年は二百六十六件中二十件、一九九八年が三百十四件中二十七件。つまり、これを見ますと九割以上が誤発射だということになっております。
したがって、この報告書の中でもこれだけ、九割以上が誤発射だということになると、信号を受けた側も、まず頭に、また誤発射かというのがあったのではないか。この
対応を見ましても、誤発射ではないかというようなことを何回もこの
通信の中で言っていて、本当に緊急に
対応するという格好になっていないんじゃないか、いわばオオカミ少年のような形になっているのではないかなという、私はやや危惧を持っておるのです。
大臣、今私が申し上げました数値が、誤発射の発射率というのですか、九〇%以上を超えているという事態について、どのようにお
感じになるか、まずお伺いしたいと
思います。