○土肥
委員 残りの時間を私が担当させていただきます。民主党の土肥隆一です。
私は、義務教育、小学校の先生方、要するに教
職員のいわば
高齢者再任用制度の今後の方向について、文部省を主体にお聞きしたいと思います。
今、学校は大変危機的な
状況にあると申せるのではないでしょうか。まずは児童数が減少しております。小学校では前年度より十九万二千人減少する、十七年間連続減少して過去最低。中学校の生徒数も前年度より十万一千人減少、十二年連続減少して過去最低。
子供が減って、学校は少し楽になったかなと思うと、実は、
平成九年度の長期欠席者、三十日以上が、小学校で八万一千人、前年度より三千人増加、中学校では十四万二千人の欠席者があり、一万二千人増加、小中で二十二万三千人の四年連続増加を記し、過去最高である。学校嫌い、小学校で二万一千人、中学校で八万五千人、合計十万五千人ぐらいが学校が嫌いだ。いろいろほかに
理由がありますけれども、それが
最大の
理由になっております。こういう
状況というのは、危機的というよりは緊急に手をつけなきゃならない、その
ように思うのであります。
そして、今、地公法の一部を
改正する
法律案で、学校の先生に対しても、義務教育の先生方に対しても
高齢者再任用制度を
導入し
ようというわけでございます。学校の先生方も、平均
年齢が四十二とか四十五とか、非常に
高齢化が進んでいるわけでありまして、今度のこの
再任用制度では、労働力の活用などというふうな方向性も示されておりますし、あるいは
年金制度との
関係も当然言及されているわけでございます。そして、
公務内で働く
意欲と
能力を有する
高齢者を再
雇用し
ようと。しかし一方で、
行政改革あるいは
財政改革、
行財政改革が非常に声高に叫ばれておりまして、同時に今、大失業の
時代を迎えているという今日でございます。
私は、先生方にこの
再任用制度で最も
能力を発揮してほしいのは、いわば豊かな知識と
経験を生かす
雇用、この辺が
最大の再
任用の眼目ではないかというふうに思うのでありますが、環境は必ずしもよくない。よくないというのは、
一つは
制度上の問題です。
きょう文部省をお呼びしているのは、文部省は、公立義務教育諸学校の学級編制及び教
職員定数の標準に関する
法律というのがございまして、大変長い
法律の名前でありますけれども、子供の数で学級数を決めて、そしてその学級数に見合った教
職員を配置する、単純に言えばそういうことでございまして、その教
職員の数に応じて義務教育国庫負担
制度がございまして、半分は文部省が持つわけですね。一方、
地方では
任用権を持っている人は県知事ということになるわけでありまして、いわば
自治省と文部省の共管みたいな仕事をせざるを得ない。そういう中から
再任用制度を考えていかなきゃならない。しかも、がんじがらめに義教法なり義務教育国庫負担
制度で縛られている、こういう
状況でございます。
したがいまして、先生方の
高齢者再任用制度を実現し
ようと思えば、さまざまな困難があって、文部省の意向と
自治省の意向、あるいは都道府県の首長の意向と相重なりまして、一体どういう教育現場にしていくのかということよりは、そういう行政上の縛り、行政上の制約の中で、この再
任用というのはそんなに活気あるものにはならないのじゃないか。
しかし一方で、これだけ学校が問題を抱えているときに、
経験豊かな教師たちが
退職後も学校の現場で何らかの貢献をするということは非常に大事だ。私は、教育というのは、どれだけ手をかけるかということだと思うのですね。手をかけないで子育てができるわけがないのでありまして、手抜きで教育はできない。そういう意味では、こういう
制度上の制約の中にあるこの義務教育の教
職員たちの再
任用というのを一体どう考えているのか。
まず、文部省が今回
高齢者再任用制度を実施する場合に、どういう
視点でどういう実態を把握して取り組もうとしているのか、御答弁いただきたいと思います。