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古賀(一)
委員 民主党の
古賀一成でございます。
もう三度目のこの
法案についての
質問でございますが、まだまだ
疑問点はたくさん多いという
思いでいっぱいでございまして、今、
細川委員の方から、
コストベネフィットといいますか、
費用対
効果の点でも
質問がございまして、横で聞いていて、私もちょっと合点がいかないという
感じがしておりました。
きょうは、私は一時間の時間をいただきまして
質問をするわけでございますが、どうして今から
質問するような
質問をするんだというところを、
前提をまずはっきり申し上げておきたいと思うのです。
私は、この
法案については、いろいろな論点が冒頭の
質問で申し上げましたようにあるのですが、この
段階でちょっと整理してみますと、いわゆる一方的に
行政が
情報を集める、
市町村から
都道府県へ、
都道府県から
全国センターへ、こういう
流れが
構築されるという案でございました。その場合、
個人情報保護法制というのが本当に確立しているのだろうかという点、むしろこれが先ではないかという
問題認識がございます。
二番目に、
コンピューターシステムと
ネットワークの
信頼性、これはなかなか我々素人にとっても不気味というか、わからない面でありますけれども、
コンピューターの
専門家にいろいろ聞いても、この
世界はまだ未知の
世界という答えが返ってきます。そういう面で、一億二千五百万人の
住民に、
国民に
番号をつけていわば集約化するという
システムというのは本当に大丈夫だろうか。とりわけ、高度の
漏えいによって
データマッチングが起こって、いわゆる
個人情報が至るところで集約化され、横行するのではないかという心配が二番目でございます。
三番目には、
地方自治の本旨、
地方分権の
流れに反しないだろうかという
感じが、この
法律を読ませていただいたときにございました。
四番目に、
ICカードの御提言がありますけれども、この
カードがどこまで生活の
利便性に役立つのだろうか、
行政による
個人情報管理の第一歩ということになりはしないだろうかという疑念がございます。
五番目に、これはいろいろ論議をされるところでございますが、本
システムの
導入を契機に、いわば将来の
法改正によって、
本人確認情報以外の
情報への
利用拡大とか、ひいては
納税者番号制度の
導入とか、いろいろな
意味での
中央主導の
制度にこれが使われることはないのだろうか、こういう基本的な疑問といいますか、
思いが実はあったわけでございます。
そういうことで、きょうは、
ICカードの
実態論であるとか、あるいは
政策論とか
システム論を
質問しようと思ったのですが、その前に、やはり歯どめになるのは
法律の
条文でございますから、やはり
条文をしっかり、
自治省からペーパーをたくさんいただいておりますけれども、それが
条文上、本当に確実に担保されているかということを、やはり
最後のよりどころは
法律でありますから、見なければならぬということで、実は連休のときに見ました。
そうしましたところ、今まで聞いておった説明が、必ずしも
条文にはあらわれていない。つまり、運用に任されている。
省令に任されている。そうした場合、これは、今後、便利だ便利だということで、
省令、政令で任された
分野はどんどん拡大するではないかというようなこともございまして、きょうはしっかりとこの法文にのっとった
質問をさせていただこう、こういうつもりで用意をしたわけでございます。
合計三十三問あるわけでありまして、一時間では終わらないと思うのですが、きょうはできる限りのところまでいきたいと
思います。
そして、その前に、おとといの
新聞、あるいはきのうの
新聞を見られたらわかるとおり、NTTの
職員によるいわゆる
データの
漏えい、こういうものがあったのですね。今まで、どちらかというと
ネットワークは専用回線で大丈夫、そういう
システム論をやっておったわけでありますが、実際のところは、
情報の
専門家に聞くと、全部やはりヒューマンファクター、ずばり人間の弱さ、そういうところから漏れているのですね。それがまさに今度のNTTの
漏えいにもなったわけでありまして、あれだけのお金をもらっている。
あの
新聞を見たときに、NTTの
職員が電話
番号情報を流して金をもらう、あるいは将来、この
制度がしっかりしていなければ、
市町村の
職員、
本人確認情報を提供という事態が大いに起こるだろうと私は思うのです。それを踏まえて、
条文上、これがどこまで担保されているかということを今から
質問させていただきたいと思うわけであります。
まず第一点でありますけれども、今の
細川委員の
質問に関連すると思うのですが、法第十二条の二第一項に「
自治省令で定める書類」という記述がございます。この書類を出せば、
住民基本台帳
カード、例の
ICカードを出さずとも、実は
住民票の
写しがとれるのですね。つまり、既存のある
資料を出せば、
カードなしに住所地以外の
市町村でも
住民票の
写しがとれるという
制度がもう既に用意されておるわけでありますけれども、これは、どういう
資料を出せば、
住民基本台帳
カードがなくても他県、他
市町村でとれるのでしょうか。